カンボジアの結婚式は日本の伝統的風習と同様に古式に法って行われます。両親に許しを得た後、最初に日本と同じく結納があります。
結納といえば親族で行うのが日本ですが、カンボジアでは結婚式と何が違うのかと思うほど盛大な結納が行われます。カンボジアでは交際から、婚約、結婚まで仏教的な教えがまだまだ浸透しています。
今回はカンボジアの結納から結婚式についてご紹介します。
カンボジアの結納
結納式の前日は仕出し業者の会場設営が始まります。運動会の本部席みたいなテントがいくつも張られ、最低でも100人以上を招待します。
食事は出前レベルではなく、本格的なケータリング業者がやってきて厨房設営して提供するといった具合です。南国ですからこの方が食中毒などの問題がないのだろうと思います。
朝早くから新婦は美容院に行きおめかしします。親族も同様に思いっきり気合を入れた格好をしてくるので、知り合いでも誰だかわからなくなるほどです。
一方新郎はというと式の30分前にやっと着付け開始、化粧はなく民族衣装を着るだけです。
カンボジアの結納の儀
私が新郎の父親の代理をさせてもらった時の事です。9時を回るころ、結納の儀が開始されます。
近所のおじさんらしき人がマイク片手に30分ほどお話しをし、飲み物が回ってきたあとは、贈り物らしき数々の品が新郎側親族から新婦側親族に手渡されます。
いつまで続くのかと思う頃やっと終了(でもまだ残ってます)。ここまで新郎は参加せずに会場の隅で見守り、新婦まだ部屋にいます。一段落したところで新婦が入場。
中央に座って両親に挨拶をしたあと婚約指輪の交換が行われます。お供え物を供え、全員でお参りをして儀式は終了。
儀式の間も終了後も記念写真は撮り続けられ、その後30分くらいはプロと参列者の撮影会が続きます。後日の結婚式の写真と合わせると固い台紙のアルバムの厚さは20センチにもなります。
式が終わると会食ですが、式には親族しか出ないので、多くの招待者は外のテントの中で待っています。
私は知人の親代わりで式に出席しましたが、どう考えても結婚式じゃないかと疑うほど豪華な結納の式でした。
カンボジアの結婚式
数か月から半年後、いよいよ結婚式です。
結婚式はというと、まずお寺に行ってお坊さんに結婚式の日を決めてもらいます。この点は日本と違い、カンボジアでは誕生から結婚、葬式まで生活のすべてにお寺とお坊さんが関わっています。
最近は週末の結婚式が増えたようですが、それでも平日に行われることが多くあとで出てくるパーティー会場が市内の交通渋滞の原因ともなっています。
結婚式の日取りが決まると案内状の作成と式場の準備に入ります。
まずは場所の確保、役所に申請して家の前の道路の使用許可を取ります。
前日から会場を作り、式を家で行って披露宴はパーティー会場という事もありますが、普通の家庭はやはり家の前の道路を使ってテントを立て数百人を招待します。
鍋釜、テーブルからお皿までパーティー会場と同じものを準備するため、ケータリング業者は大忙しです。前日の夜に親族で式があるそうですが、さすがにこれに私は参加したことはありません。
当日は朝5時くらいから音楽が流れ近所迷惑のようにも感じられますが、これがカンボジアの風習です。7時には集まった参列者がお供え物などを持って一旦家を出ます。
そして数百メートル離れたところから民族楽器の音楽隊を先頭に子供達と親族や友人が家に向かって行進します。全員が家の中と家の前のテントに入ったところで、結婚の儀式が始まります。
結納と同じように届けられたたくさんの品を皆が囲み厳粛に行われるそうです。食事が振舞われたあと披露宴の会場に移動して盛大なパ-ティーを行うのだそうです。
この一連の流れのためには、非常にお金がかかるので両家の事情により多少の違いはあるようです。
私が以前参加した、西部のバッタンバンの結婚式では、前夜に親族で結婚の式が行われ、翌日は夕方から大きな会場でパーティーが行われました。
この時に驚いたのは、新婦は思い切り民族衣装の婚礼衣装でしたが新郎は普通のスーツでした。参列者も女性はしっかりと化粧してきますが、男性陣は普段着とほぼ変わらない服装の人が沢山いて驚きました。
家の敷地が広い家では問題ないのですが、多くの場合家の前の通りを使って結婚式が行われるので、乾期の終わりころには連日どこかで通行止めがあります。
自宅に入るのにパーティー会場の中を通って行くのは当たり前、隣のお店が営業できないことも珍しくありません。
大きな結婚式だと長い通りを全部通行止めにすることもあるので、初めて体験した時は家に入れないのかと心配しましたが、今ではもう知らない人のパーティー会場を抜けて行くことにはすっかり慣れました。
田舎の結婚式では子供たちがたくさん集まり、ビールの空き缶を集めています。売ると1個1円くらいになるので、パーティー会場にはたくさんの子供たちが空き缶をもらいにやってきます。
結婚式のパーティーに式次第はありません。ほとんどの場合夕方5時ころから人が集まり始め、テーブルの席が埋まった所から料理が運ばれます。
日本人5人で行ったときにはカンボジア人が同じ席に来ないので、新郎の日本人が気を使って料理を運ばせてくれました。
上座も下座もなく普通に食べて帰ります。途中、両家がひな壇に並んで挨拶があり、キャンドルサービスやケーキ入刀のあとステージ前方でダンスが始まりパーティーはピークを迎えます。
その後参列者が帰り始めるといった流れでした。
カンボジア人新郎の悩み
カンボジアにも結納金があります。金額は様々なようですが、聞いた限りでは3.000ドルから5.000ドルだとか。
この結納金、日本語にすると「ミルク代」なのだそうです。日本の結納金と起源は似ているのではないでしょうか。
新婚のカンボジア人に聞いた話ですが、結婚式費用は新郎持ちだそうです。彼の結納金は聞いていませんが、結婚式には7.000ドルほどかかったそうです。
彼の場合1年半分の給料に相当します。届いたお祝いと新婦のご両親にも少し応援してもらって何とか間に合ったそうです。
地方の奥さんの実家で結婚式を行なったため、プノンペンの友人は別にレストランでパーティーも開いたので負担は大きかったでしょう。
ちなみにご祝儀の相場はさまざまで、10ドルから30ドル程度です。同じ会社の日本人などはそれ以上だと思います。
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