イギリスのコールセンターなどのカスタマーサポート窓口は、対応が遅い上にたらい回しされて何も解決しないと、かなりの悪評があります。
コールセンターではなくメールサポートではありますが、筆者が働いていたカスタマーサポートセンターでの経験を元に、イギリスのカスタマーサポート窓口がどのような感じなのかをご紹介します。
イギリスに長期間暮らす場合、カスタマーサポート窓口を頼ることが1度くらいはあるはずです。そんなときのために心の準備をしておきましょう。
「上司を出せ」は通じない
日本のコールセンターなどでもよくある「上司を出せ」ですが、イギリスでもそういうことを言ってくるお客さんはいます。
イギリス人というよりは、イギリス在住の外国人によくみられるものだと思います。この「上司を出せ」ですが、イギリスではほとんどの場合通じないようです。
私が働いていたのはメールでのカスタマーサポート窓口で、電話でのサポート窓口はない会社でしたが、メールでも上司からの返信を求める人もいました。しかし、それを上司に伝えても何も起こりません。
催促してみると、「返信しなくてもいい」か、「回答用のテンプレートを返信しておいて」なんてことも言われます。
そしてこれはその会社だけのことではありません。多くのカスタマーサポート窓口では、そこのマネージャーと直接やりとりできるようなことはあまりないでしょう。
上司は質問には答えてくれますが、こういったときの対応はしたがらないものなのです。ただし、もちろん個人差はあります。
苦情には基本的に謝るだけの対応
イギリスのカスタマーサポート窓口にクレームの電話やメールを入れても、時間の無駄かもしれません。
それが窓口の担当者にとって簡単に解決できることであれば解決してもらえるのですが、そうではなかった場合、ただ謝られるだけです。
こちらが「こうすれば解決できるでしょ」と思っても、その窓口の担当者の気が向かなければ何もしてもらえないことも。または、他の部署や担当者に回されます。
そして、回された先でも、また別の部署に回される…。なんてことはよくあります。たらい回しにされているうちに、ちゃんと対応をしてくれる人に当たったりもします。
何かを解決してほしいわけではなく、ただ苦情を入れたいだけの場合は、本当に無駄かもしれません。その苦情が上に報告されるようなことはほとんどありません。
少なくとも、私のいたサポートセンターでは苦情のメールは担当者以外の目に触れることはありませんでした。
チャットや音楽は当たり前
さすがにコールセンターだとそんなことはないかもしれませんが、メールのサポートセンターとなると相手と話すことはありませんから、みなさん好き勝手しています。
好きな音楽をイヤホンで聴いたり、たまにはインターネットで動画を見たり、Facebookを見たり、メッセンジャーで友達と会話をしたりなんてことは当たり前です。隠すようなこともしません。
これは、カスタマーサポートセンターというよりは、イギリスの事務職全般的に言えることかもしれません。
基本的に定時には帰り休みはしっかり取る
コールセンターなんかだと、その担当者のシフト終了間近になると早く電話を切りたがるようです。
メールのサポートセンターだとどうかというと、お客さんからのメールに「今日中に返事が欲しい」と書いてあったとしても定時が近いと基本無視です。
プレゼン資料の作成などといった、社内向けに重要な案件がない限りはみんな定時には帰ってしまいます。
また、有給休暇もしっかり取ります。この時に、その人の仕事をかわりにできる人がいればいいのですが、多言語向けのサポートセンターだと、言語の問題で誰もかわりにやってくれる人がいないということも……。
そんなときは、担当者の休暇明けまでメールは放置されます。
返信は遅め
コールセンターだと、たとえたらい回しにしたとしても、かかってきた電話を後回しにするようなことはできません。しかし、メールのサポートセンターだと返信するタイミングは担当者次第です。
病欠などで1、2日くらい遅れるのはアリだとしても、下手をすると1週間以上放置されることもあります。その頃には、問題が解決されていて、返信をもらっても意味がないなんてこともあるでしょう。
まとめ
筆者が働いていたメールのサポートセンターのことを中心に、イギリスのカスタマーサポートがどのようなものかを紹介してきましたが、どうでしょうか。
驚くことに、この会社は小さな会社というわけではなく、各国に支店のあるような国際的な会社です。
この会社がおかしいというよりも、イギリスのカスタマーサポートに対する意識はこんなもので、コールセンターでのたらい回しはお約束です。
そんなイギリスのカスタマーサポートへの対応策は忍耐です。メールサポートについては、2、3回送っても返事がなければその企業にとって返事をする必要がないと思われています。
さすがに返金・返品などの必要がある場合やごく簡単な内容なら、辛抱強くたらい回されていると、その内対応してくれる人に当たります。
どうにか電話を切ろうとしてくる人もいるので、本当に対応が必要な用件なら、なんとか粘ってみてください。
英語が流暢ではない場合、コールセンターにかけるのはネイティブレベルで英語を話せる友達にお願いした方がいいかもしれません。
インドなど海外にカスタマーセンターを置いている企業は別で、担当者たちの対応も比較的良いようです。
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