ロンドンという世界的な大都市を擁し、経済、音楽、ファッションなど様々な分野で世界の最先端を行くイギリス。
その一方で、色濃く残る歴史と伝統を感じさせる文化もまた世界中の人を魅了しています。
そんなイギリスで長期間暮らすために、現地でまずやらなくてはいけないことをご紹介します。
イギリス移住の魅力とは
イギリスにはロンドンをはじめとする世界金融の都市があります。金融は最先端でありながら、風情のある街並みは訪れる人を魅了します。
また、ロンドンは移民が多いことでも有名です。イギリスにいながら多様な文化に触れることができるのです。
人が優しい
イギリス人は紳士の国といわれるだけあって優しい人が多い印象です。ロンドンの地下鉄は日本と違いエレベーターやエスカレーターがある場所が少なくほとんど階段の登り降りが必要です。
その為大きな荷物やベビーカーを持っている人には不便ですが、そういった人に積極的に声をかけ助けている光景をよく見かけます。
また、すれ違いざまに目が合うと日本人ですと目を逸らしてしまいますが、イギリスの人は目が合うとにこっと微笑んでくれる方が多いです。
長期休暇が取りやすい
私はイギリスの会社で事務員として働いていました。イギリスは日本と違って長期休暇が取りやすいです。同僚や上司は夏休みやクリスマスシーズンは最低1週間の休暇を取っていました。また残業は殆どありません。
もし残業をしなければいけない場合必ず事前に残業ができるかどうかを尋ねてくれました。できない場合断っても何も言われません。
全ての会社がそうではないと思いますが、私の周りのイギリス人は日本で残業がある事、有給が取りづらい事を話すと不思議がっていました。
様々な食文化を体験
ロンドンでは世界中の食べ物を食べることができます。
世界各国から移住してきた人々が自国の料理でレストランを開くため、日本で食べる異国料理とは一味も二味も違う、本格的な味を楽しむことができるのです。
実は日本料理も大人気で、中心部ではどのエリアにも必ずチェーンのお寿司屋さんがあります。お寿司以外の日本料理店も数多く、日本で食べる日本料理と遜色ないものを探すことも難しくありません。
交通が便利
電車、地下鉄、バスと、ロンドン市内には日本と変わらず様々な交通手段があります。
バスの時刻表は「5〜8分に一本」のようにざっくりっとしてはいますが、路線は街中を網羅しており、ちょっとした移動にとても便利です。地下鉄などよりも安く、慣れれば気軽に使用することができます。
驚いたのが、ナイトバスという24時間運行のバスが毎日走っていること。さらに週末には一部地下鉄も24時間運行しており、終電に急かされることなく夜遊びに集中することができます!
イギリス移住のデメリット
家賃が高い
イギリスでは家賃が高い傾向があります。ロンドンでしっかりした部屋に住もうと思えば、おおよそ15万円前後の家賃がかかります。
安い家も見つけることは可能ですが、住み心地が悪かったりリフォームが必要だったりと難がある場合が多いです。
イギリスでは家探しに苦労します。
治安の心配
イギリスの治安は比較的安定していますが、地方へ行くと差別的な人がいたり、観光地ではスリにあったりします。そういったエリアには近付かないなど最低限の注意をする必要があります。
夜中の一人歩きなどはおすすめしません。
1日に四季がある天気
イギリスでは、曇っていることが多く天気が良くないです。しかし、雨はそんなに降りません。東京の年間の降水量と比較しても、おおそよ半分以下の量になります。
雨が降ったと思ったら、晴れ出し、虹が出たと思ったら曇ったりと変化の多い天気です。
イギリス移住後の生活は?
交通
公共交通機関が日本並みに発達しているので、私はロンドンで一度も車の必要性を感じたことがありません。地下鉄(チューブ)とバスで使えるオイスターカードがあれば、どこへでも行けます。
そして天気さえよければ、徒歩もおすすめ。ロンドンの街並みを楽しんでいると3駅くらいあっという間に移動できてしまいますよ。
文化
パブはイギリス版居酒屋のようなもので、ロンドンで働く人たちにとって「仕事帰りのパブ」は常識。
とくに金曜の夜は、パブでビール(もちろんソフトドリンクやノンアルコールカクテルでも変な目で見られることはありません)をゆっくり飲んでから帰宅する人がほとんどです。
イギリスに移住するためのビザとは
イギリスに移住するためにはビザが必要です。発給のための条件やビザの種類についてご紹介します。
- 観光ビザ(Standard Visitor visa)
- 短期学生ビザ(Short-term study visa)
- 学生ビザ(Student visa)
- YMS(Youth Mobility Scheme:旧ワーホリビザ)
- 就労ビザ(企業内転勤:TIER 2 INTRA COMPANY TRANSFER)
- 就労ビザ(現地採用:TIER 2 GENERAL)
- 永住ビザ(ILR)
観光ビザ(Standard Visitor visa)
観光ビザ(Standard Visitor visa)はイギリスに観光目的で訪れる人に発行されるビザで最長6ヶ月のあいだイギリスに滞在することができます。日本人は事前申請不要です。
また、観光ビザで変更があり、2020年12月1日以降から語学留学(6ヶ月以内)に限り観光ビザで留学することができるようになりました。
短期学生ビザ(Short-term study visa)
短期学生ビザ(Short-term study visa)は、半年〜11ヶ月以内の期間を語学学校で留学する場合に必要なビザになります。オンラインにて申請することが可能です。
- 半年〜11ヶ月以内の語学学校で留学する学生
- ビザ申請費用:186ポンド(約28,260円)
学生ビザ(Student visa)
学生ビザ(Student visa)はTier4ビザから変更された新しいビザです。この新しい学生ビザは専門学校や大学に入学するためのビザで、語学学校へ留学する場合は不要です。
- 専門学校や大学に通う学生
- ビザ申請費用:348ポンド(約52,900円)
YMS(Youth Mobility Scheme:旧ワーホリビザ)
YMS(Youth Mobility Scheme)はいわゆるワーキングホリデービザになります。
年間1000人のみに発行されるビザで対象は18歳〜30歳以下の日本人です。
ビザの申請には資金証明が必要となり、2,530ポンド(約384,400円)以上の銀行残高が必須です。
- 18〜30歳以下
- 最大2年間
- 年間発行数:1,000人
- 資金証明2,530ポンド(約384,400円)以上
- ビザ申請費用は244ポンド(約37,000円)
就労ビザ(企業内転勤:TIER 2 INTRA COMPANY TRANSFER)
企業内転勤時に発行されるビザは、日本企業からイギリスの関連企業や支社へ出向するためのビザです。
イギリス駐在をする場合はこのビザになります。
年収が73,900ポンド(約1,122万円)を超えていれば、最大9年間滞在ができます。
就労ビザ(現地採用:TIER 2 GENERAL)
イギリスで現地採用として働くときに必要となるビザです。イギリスの日系企業やローカル企業など就職先がビザのスポンサーとなり、発行手続きを行います。
現在ポイント制が導入されており、変更が進んでいます。
永住ビザ(ILR)
イギリスの永住権を取得するためには、資格のあるビザで満5年間継続してイギリスで生活していることが条件の一つ。
10年間のうち、イギリスにいなかった時期や期間を明確に保存しておく必要があります。
永住権を獲得できるとイギリス滞在期間に制限がなくなります。
- 有効なビザで5年間継続してイギリスに滞在する
- 長期滞在ビザの場合は10年間
イギリス移住の準備
移住して働くには
イギリスで働く方法としては、駐在として働く方法と現地採用として働く方法があります。
移住するなら現地採用として働く働き方が一般的です。
仕事を探す方法としては、転職エージェントを使う方法、友人や知人からの紹介、企業のホームページから直接応募する方法があります。
必要な英語力とは
イギリス移住に必要な英語力として、日本で言うとTOEIC満点に近い点数が期待されます。
英検であれば少なくとも準一級は必要です。イギリスではILETS(International English Language Testing System)という日本ではあまり聞きなれない英語のレベルを求められます。
ILETSでいえば4.0以上が求められます。
イギリス現地でトラブルにあった場合に、どのようなことがあったのか、何をして欲しいのかなど助けを求められる英語力は間違いなく必要です。
初期費用
イギリス移住の初期費用として、日本でできるだけ貯金を貯めて行くことが必要だと思います。最低200万円程度は貯金しておくと安心です。
渡航費用としては、航空券片道10万円ほどです。
イギリスでは日用雑貨も高く、移住者を苦しめるのが家賃の高さです。日本とは比べられないくらいの値段がかかります。
例えば、ロンドンで部屋を借りるなら月15万円は最低ラインだと心得ましょう。
仮に食材を切り詰めたとしても、細々とした雑費などで貯めた貯金が飛んでいくというのがイギリス移住者の定説です。現地でパートナーができたりしてそこから永住用のビザの更新をするとなると、結構な金額になります。
部屋を借りるには
世界的に見てもロンドンの家賃は高いと言われています。
ロンドンにあるCircle Line(日本でいう山手線のような路線)の内側が主にロンドンの中心地と言われており、その家賃の平均は1700ポンド(約22万円)以上です。したがって、独身の人はフラットシェアをするのが一般的です。
家を探す場合は、インターネットでまず物件を検索するのが良いでしょう。内覧をして気に入った物件があれば、契約をします。
- ビザ
- パスポート
- 銀行の明細書
- 学生であれば在学証明書
も用意しておくと安心です。
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銀行口座を開設するには
お給料の受け取り、家賃の支払いや日々の生活費の管理など生活の様々な局面で必要なため、銀行口座の開設は急務です。
金融大国であるイギリスでは、HSBC、Barclays、Lloyds、Natwest(RBS)が4大銀行と呼ばれています。日本人には、提出書類の少なさからLloyds Bankがおすすめです。
多くの銀行では口座を開設する際にパスポートに加えて住所を確認できる書類が求められるのですが、これを渡英した直後に用意することは困難です。
しかし、Lloyds Bankの場合は日本のパスポートがあればそれのみで口座を開設することができます。
携帯電話を契約するには
携帯電話通信サービスの会社の中では、Tesco Mobile, giffgaff, Lebara, O2, Orange, EE, Virgin Mobile, 3, Vodafone, BT Mobile, Talktalk Mobile, T Mobileなどが有名です。
契約はオンラインでも店頭でも可能です。店頭の場合は、パスポートやイギリスの運転免許証などのID、クレジットカードの明細を持っていきましょう。
料金は毎月支払うタイプとプリペイドタイプがあります。
プリペイドタイプは長く使うとなると高くつくので、携帯端末をイギリスで購入せずSIMカードのみを購入する場合も「Tariff」という方式を選びましょう。
イギリス移住で支払う税金とは
イギリスには消費税というものはなく、付加価値税というものがあります。VATと呼ばれるこの付加価値税は20%もあります。
ものによって税金が違うのがイギリスの特徴です。例えば、本・雑誌や子供の衣類などは税金が0%です。
逆にカフェのイートインメニューやアルコールなどは20%の税金がかかることになります。
イギリス移住で住みやすい都市
オックスフォード(Oxford)
オックスフォードは学生街として有名です。ロンドンから1時間程度の距離にありアクセスも悪くありません。
オックスフォード大学はハリーポッターの舞台にもなり日本人にも有名な都市です。歴史的建造物も多く、素敵な街並みを楽しめます。
ロンドン(London)
ロンドンはイギリスの首都です。特徴は国際色豊かな街並みと伝統ある街並みをです。
イギリス自体は現在EUを離脱はしてしまいましたが、ヨーロッパの主要な観光地などにアクセスしやすいことも特徴の一つです。
また、日本と比較して過ごしやすい気候です。ロンドンの夏はジメジメした湿気のある暑さではなく、さわやかで過ごしやすい、という特徴があります。
ロンドンは地下鉄が充実しており、初見の観光客でもなんなく乗れるくらいシンプルに張り巡らされています。
ウィンチェスター(Winchester)
ウィンチェスターはイギリスで随一の治安が良い都市といわれています。ウィンチェスターがイギリスの旧首都であるため、歴史ある街並みに風情があります。
歴史的偉人などもウィンチェスター出身の方も多いです。ロンドンまでは電車で1時間ほどです。
ウィンチェスターに住んでいた際、治安的に危ないと思ったことは一度もなく本当にのんびりしていました。
ウィンチェスターはイギリス人にとっても「住みやすい街」「住みたい街」なので家賃はかなり高めです。
レディング(Reading)
レディングはロンドンから30分内で行けるほど便利な都市で、多くのアジア人が住んでいます。アジア人以外の外国人にも人気があり、ヨーロッパの方々がイギリスに移住する際、レディングを選ぶ方が多いです。
バーミンガム(Birmingham)
バーミンガムは大都市であるので国際色豊かで、街を歩けば色々な肌の色の人々、国籍や宗教の人々を見ることができます。
治安はそこそこ良いですが、日本のように夜にウォーキングはおすすめできません。有名なところで言うと天気がそこまで良くない傾向にあります。
食べ物に関しては、中華やインディアンカレー、タイレストランなどフードバラエティも国際食豊かです。(30代女性/移住歴4年)
ブライトン(Brighton)
ブライトンはロンドンから電車で約1時間の場所にある海沿いにあります。イギリスでも屈指のリゾート地と知られていて、ホテルやレストランなど娯楽施設も豊富。住んでいる人々も陽気で気さくな人が多いです。
色々な意味で自由で、LGTBQの街としても知られており、開放感のある雰囲気を感じることができます。
チェルトナム(Cheltenham)
サウス・ウエスト・イングランド、グロースターシャーにある、絵のような田園風景と自然がとても美しい町です。1700年台に鉱泉が発見され、王室の保養地としても知られています。
コッツウォルズ地方の中では珍しく大きな町ですが、人口は12万人弱で、とてものんびりとした国民性がうかがえます。
6月には有名なバンドやミュージシャンが集まるウィッチウッドフェスティバルが開かれ、イギリスらしい催しです。
堂々とした建築物や絵のような壮麗な公園もあり、賑わいをみせています。チェルトナムフェスティバルも催され、競馬も有名。美しい並木のプロムナード、レストラン、活気あふれるパブが集まります。
ブリストル
ブリストルはロンドンから西約170kmに位置し、人口約50万人を擁する英国第8の都市です。 かつてローマ人が港を築いて以来港湾都市として栄え、毛織物や工業製品の製造・交易に携わってきた歴史を持っています。
現在も郊外に自動車・航空産業などの工場を有しますが、ブリストル市自体は工業地帯というより西イングランドにおける商業・交通・文化の中心地としての役割を多く果たしています。
町の中心にはブリストル大学があり、かつての港湾部分では文化・アメニティー施設を備えたウォーターフロント地区としての再開発が行なわれています。
バース
バースはイギリスで唯一天然温泉が沸いている町として有名な地域です。温泉の遺跡「ローマン・バス」は有名な観光地で、たくさんの観光客が訪れます。
その他、街のシンボル的な有名な寺院「バース寺院」や、「ロイヤルクレッセンド」というユニークな三日月方の集合住宅も有名です。
バースは、街全体が世界遺産として登録されており、街を歩くだけでも楽しいです。歴史ある建物と美しい街並みを堪能しながら生活することができます。
サウサンプトン
サウサンプトンはロンドンから1時弱の港町です。サッカーの吉田麻也選手や南野拓実選手が在籍していたことでも有名です。
世界一周クルーズなどの停泊地としても知られており、また、サウサンプトンエアポートがあり国内はもちろん、ヨーロッパへも就航しているため旅行などもしやすいです。
郊外とシティセンターは雰囲気がガラリと変わり、郊外は住宅街や公園なども多くシティセンターはかなり栄えています。大学がいくつかあるため、学生が多く若者の街という印象が強いです。レストランやカフェなどもたくさんあるので、生活には全く困りません。
少しハードルを下げてイギリス移住をする方法
留学する
イギリスの大学へ留学し英語を勉強しながら移住へ向けて行動する方法もあります。まずは実際に生活してみて、イギリスを体験してみましょう。
ワーキングホリデーを活用する
イギリスへ移住するためにワーキングホリデービザを活用するのも一つの方法です。
他の国とは異なり、イギリスのワーホリビザは正規就労が可能。年間1,000人と人数限定ですが、チャレンジしてみる価値はあります。
まとめ
ロンドンに住む場合、家賃や物価の高さに悩まされることがあるかもしれません。
フラットシェアをしたり、うまく自炊をして生活費を抑えたいですね。しっかりと生活基盤を整えて、イギリス生活を満喫してください!
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