私が中国に住むようになって今年で6年目です。日本には1年に1回か2回帰国するのですが、その度によく言われることがあります。それは「よく中国なんかに住めるね〜」。
この言葉の意味は色んな風に取ることができると思います。日本のメディアで目にする中国本土や中国人に関する報道は、正直好ましくないものが多いからです。
現代において異色を放つ政治体制、偽物王国、食の安全の崩壊、反日デモ……。こうした報道は確かに、日本にいる家族や友人を不安にさせる材料となります。
しかし中国に旅行で来たり、実際に住んだりしたことがある方ならわかると思いますが、ここ中国でも思いの外快適に過ごせるんですよ。
確かに空気が悪かったり、イライラさせられたりす⇦修正理由がわかりませんでしたることも時にはあります。しかし逆に中国の方が便利だったり、快適だったりする面も沢山あるのが事実です。
結論として何が言いたいかというと、自分の目で実際に見てみないと物事の真実は往々にして見えない、ということです。
何やら、哲学的な話になってきましたが、今回のテーマは「日中国交正常化45周年を迎えて」……ではないです!
え〜と、道の歩き方です。え?拍子抜けしちゃいました?「道の歩き方なんてどこも一緒でしょ?」。そう思ったあなた!実は違うんですよ!どの様に違うのか、何にどう気をつけるべきなのか見てみましょう。
なぜ道の歩き方に注意を払うべきか?
私たち日本人が中国で生活する上で、自国以上に注意しなければならない点は沢山あります。泥棒、強盗、詐欺、誘拐といった犯罪です。またお腹を壊したり、原因不明の熱や咳に苦しめられたりすることもあります。
2015年は私が住む広州市でもデング熱が大流行しました。そうした病気にも気をつける必要があります。
しかし、私が思う最も気をつけるべきものは、交通事故です。なぜなら遭う確率が、泥棒に入られたり、誘拐されたりするよりはるかに高いからです。
そして、与える影響が甚大です。ちょっと不注意なだけで命を落とす可能性があります。これほど危険なものは他にはないと思います。
道を歩く際に十分に注意するべき理由は、日本と中国で交通ルールや習慣、考え方が違うという点もあります。その点を簡単にご説明したいと思います。
危険レベルランキング-交通編-
中国の道路は危険であふれています。何がどう危険なのかは、この後ランキング順にお伝えしたいと思います。
日本は世界的に見れば治安がいい方だ、とよく言われますが、最近では小学生の列に車が突っ込んだり、アクセルとブレーキを踏み間違えるといった事故が増えています。中国でも同じ様な事故が多発しています。
私たち日本人が気をつけるべき点としては、日本の交通常識がこちらでは全く通用しないという事です。
例えば日本において、道路では歩行者が優先です。歩行者が飛び出してきたり、路上に酔っ払いが寝ていて車で轢いてしまった場合でも、車を運転していた側の責任が大きく問われます。
しかし、中国では車が絶対優先です。歩行者の信号が青で、横断歩道を渡っていても車が突っ込んできたら、車に道を譲る必要があります。
「なんだよ!」と意地を張って渡ると、普通に轢かれます。笑い事では無いですね。これは意外と慣れるのに時間がかかりました。
歩行者の信号が青だとつい安心して、あまり注意せずに道を渡ってしまうんです。車に気づいていても、「止まるだろう」と思ってしまいます。しかし、基本的に車は止まりません。
でもいったんこの中国の感覚に慣れると、日本でちょっと戸惑ったりします。
横断歩道の真ん中で立ち止まって、曲がってくる車を先に行かせようとしてしまい、運転手を「早く渡ってよ!」とイライラさせてしまったりするんです。
ちなみに、香港とマカオは中国領ですが、交通ルールは日本と同じ様に歩行者優先で、歩行者が横断歩道にいる場合、キチンと車は止まりますので安心して下さい。
車優先以外にも気をつけるべき点として、赤信号で止まらない歩行者が沢山いるという事です。
毎日こうした光景を目にすると、自分も一緒になって、赤信号を渡ってしまいたくなります。しかし当然ですが大変危険です。
ただ、じっと赤信号を待っていると「なぜこの人は車が来ていないのに、道を渡らないのだろう」という視線を感じます。
信号が青になった瞬間、何も考えずに一歩踏み出すと、これまた大変危険です。そう、車も信号を守らない場合も多いからです。
この様に、日本と中国の交通ルールはかなり異なっています。では、こうした中国の交通ルールを理解した上で、さらにどんなことに気をつけたらいいでしょうか?危険度が特に高いものをご紹介したいと思います。
うっかりしてると轢かれる!?危険レベル第3位
それはバスです。意外に思われる方が多いと思います。何故なら日本においては、バスは1位2位を争う、交通マナー重視の乗り物だからです。猛スピードで横断歩道を横切ろうもんなら、その日のうちにその運転手は首になるでしょう。
しかし、ここは「車様様社会」の中国です。バスもその立派な「車様」の仲間です。横断歩道だろうと、細い道だろうと猛スピードで走るバスがあります。きっとこの運転手さん、嫌なことがあったんでしょうね。
また道が渋滞し始めると、運転手の機嫌の悪さと乗り心地の悪さが比例することがあります。急発進、急ブレーキを繰り返し、アクセルもベタ踏みです。歩行者にとっても、大変危険な存在ですね。
気を付けようがない!?危険レベル第2位
それは、感情的な人が運転する車です。
特に女性ドライバーの中には、むちゃくちゃな運転をされる方がいるようです。しかも乗っている車はアウディやポルシェ、ランボルギーニといった高級車です。これは今中国で、1つの社会現象になっています。
中国のネット社会では「女性は運転を、男性は料理をするな」という標語があるくらいです。
中国版Google、「百度」で女司机「女性ドライバーの意味」と検索すると、たくさんの驚きの運転技術を持った方の動画を見ることができますよ。
もちろん男性ドライバーにも恐ろしい運転をする人がいます。以前ある男性が、車の中で彼女とケンカして、彼女が怒って車を降りようとしたら、車を急発進させ、狭い道を猛スピードで走り去っていくのを見たことがあります。
その車の前にひょっこり子供なんかが出て来たら……と考えるだけでも恐ろしいです。
恐ろしいついでにもう1つ。衝撃を受けるかもしれませんが、ひと昔前、運転免許証はお金を払えばもらえたそうです。
ある日、友達が乗ったタクシーの運転がひどかったので、運転手に冗談半分で「本当に運転免許持ってるの?」と言ったところ、彼は「そりゃ持ってるよ。前はお金払えばもらえたからね」と答えたそうです。
驚いた友達は「じゃ教習所で運転習ってないの?交通表記とか分かるの?」と聞いたところ、「そんな所行くかよ。面倒くせー。表記なんて、実際に運転してるうちに分かるようになってくる!」と答えたそうです。
どおりで運転がひどいわけです。最近はさすがにそういった事は無くなってきたようですが、今中国でハンドルを握っているどれ程の人が、教習所でキチンと運転を習ったのかは不明です。う〜ん、恐ろしい!
では、いよいよ危険レベルMax!!歩行者が1番注意すべきものをご紹介します。
これはヤバい!!堂々の危険レベル第1位
それは、電動自転車です。これが超危険です!
頭にクエスチョンマークが浮かんでいる方、主婦が「坂道も楽々ね〜」と、買い物に行くときに乗っているアレではありません。あれは「電動アシスト付き自転車」です。
中国では「電動駆動の自転車」が市民の足となっているのです。この乗り物が危険な理由の1つ目は、スピードです。これが速い速い!ものによりますが、原付きバイク並みにスピードが出るものもあります。
ちなみに中国の原付きバイクも日本のと違って、メチャクチャ速いです。なので広州市中心部は、バイクの走行そのものが禁止されています。
しかし広州市の外れの方では、大小様々な排気量のバイクが、我が物顔でバンバン走っています。一応バイクの走行は禁止はされている様ですが、警察も見て見ぬ振りで、時々思い立ったように取り締まりをする程度です。
私が以前その郊外に住んでいた時、友達が持っていた「原付きバイク」は120キロまでスピードメーターが付いていて、友達が言うには100キロまでは余裕で出るそうです。これまたスゴイですね。
さて話を電動自転車に戻しますが、この様にスピードが出ますので、車道だけを走ってくれればいいのですが、車道が渋滞し始めると、沢山の歩行者がいる歩道でも容赦無くバンバン走ります。
そう、電動駆動なので、バイクの様にエンジン音がしません。スーッと無音で背後まで来て、ものすごいスピードですり抜けていきます。この「無音で走る」という点が、とても危険だと言ええる2番目の理由です。
今中国広州では、空前の出前ブーム。スマホ1つで簡単に家やオフィスにいながら食事がとれます。ですので、ちまたも出前配達専門の下の写真の彼の様な人が、うじゃうじゃいます。
そして彼らは皆、そう、電動自転車に乗っています。彼らも一刻も早く、料理や飲み物をお客さんに届けなければならないので、スピードを出す出す。
しかもそのスピードで走りながら、スマホで地図を見て運転しています!これは本当に危ない!雨が降っても皆カッパを着て、視界が悪い中、やはり結構なスピードで、お仕事をしています。
今まで何度か、電動自転車と歩行者が接触事故を起こしているのを見たことがあります。私の友達も雨の日に、信号無視の電動自転車との接触事故に遭ってしまいました。
骨折など大きな怪我にはいたらなかったのですが、連日ヒドイ頭痛に悩まされ、中国でレントゲンやMRIなど撮ったもののが原因がわからず、急遽帰国することになりました。
皆さん、歩道を歩いている時も、この電動自転車にはくれぐれも気をつけてください。
交通ルールを守って、楽しい海外生活を
自分が気をつけていても、遭う時は遭ってしまうのが交通事故です。中国では日本と注意すべき点が違うので、普通以上に気をつける必要があります。
日本で運転免許を取る時に、講習所でよく言われることですが、「止まるだろう、来ないだろう」といった「だろう運転」ではなく、「止まらないかもしれない、来るかもしれない」といった、「かもしれない運転」をしなければなりません。
中国では、バスから電動自転車に至るまで、ほとんどのハンドルを握る人が「だろう運転」をする以上、我々歩行者が「かもしれない歩行」をして交通事故を防ぐしかありません。
万が一事故に遭ってしまった場合
そして覚えておきたいのが、万が一事故に遭ってしまった時、救急車は「119番」ではありません。「120番」あるいは「999番」です。そして、有料です。
しかも、乗ったことがないのでよく分からないのですが、料金先払いで、代金が払えない場合、乗車拒否される場合もあるそうです。日本人の感覚では理解不能ですよね。
ですので、自力で動ける場合、タクシーで病院に向かった方が早そうです。参考までに。皆さん、中国広州市の道を歩く際は、日本にいる時以上に気を引き締めて下さいね。
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