このラオスの田舎町に初めて足を踏み入れたのは、2000年に旅をしていたときのことでした。町から見える景色の美しさに一瞬で魅了され、町の人間の暖かさに足を取られ、ノックダウンしそうになりながらも旅を続けました。
結局その後、何度も通うことになり2008年に移住し今に至ります。2008年~2017年の4月までは町の中心部に住んでいたのですが、最近町の外れに引っ越しました。
舗装のない土道のエリアで、私の知る昔のラオスの風景がまだ残っている場所です。
懐かしいラオスの景色を楽しみながらスローライフ・ラオスに益々磨きがかかってきています。そんな狭いながらも快適な我が家を紹介します。
ラオスに住む!この物件の立地条件は?
私が引っ越してきた物件は、旅行者が集まる町の中心地から北に約3kmほど離れた、ガチガチのローカルエリアにあります。幹線道路から外れた途端に舗装がなくなり、むき出しの赤土の土道のエリアです。
ラオスの陸上の公共交通機関はバスなのですが、地方都市のバスターミナルは町外れにあることが多いです。我が町のバスターミナルも我が家の近所で、日本で言うところの「駅近物件」にあたり、バスターミナルまで徒歩2分の近さです。
そして町最大のマーケットまでも徒歩2分で、いわゆる1等地のはずなのですが、開発が始まったばかりでまだまだ田舎の良さが色濃く残っているエリアです。
この物件の間取りは?
今住んでいるのは「ホォン・テェウ」と呼ばれる長屋式のアパートです。
首都ビエンチャンには、ビル形式のコンドミニアムやマンション、サービスアパートメントなどもでき始めていますが、ラオスの一般的なアパートは長屋式が主流です。
室内は2つのタイプがあり、寝室が付くタイプと付かないタイプがあるのですが、部屋の大きさは供に4m×8m程が標準で約18畳の広さですね。この約18畳の広さの中に1部屋寝室が付くタイプか、1ルームのお手本のようなタイプかを選びます。
広めの物件には4m×12m(約26畳寝室×1部屋付き)などがありますが、こちらはファミリータイプというか、6~8人くらいで住んでいるところが多かったです。
気になる!この物件の家賃は?
今までは商業施設の契約しかしたことがなかったので「年間の家賃×契約年数」の家賃を前払いで支払うかたちでした。
今回は毎月の支払いでも良いようですが、大家さんの家に払いに行かなければならないのが面倒なので、3ヶ月分を一度に支払い、3ヶ月ごとに契約更新をする形をとっています。
ラオスに敷金の習慣はありませんし(大家さんによってはデポジットの名目で徴収する人もいますが)、不動産業者を仲介させていないのでシンプルに家賃だけを支払うことで契約可能です。
月々の家賃が約100ドル〜と新築の物件にしては安いのも、町から外れているからでしょう。
今回の引越しに際してわが町の賃貸物件の家賃を調べたので紹介します。
- 「スタジオタイプ」(約18畳)80ドル~
- 「スタジオタイプ」(約18畳、エアコン付き)100ドル~
- 「ファミリータイプ」(約26畳寝室×1部屋付き)120ドル~
- 「ファミリータイプ」(約26畳寝室×1部屋、エアコン付き)200ドル~
因みにゲストハウスをマンスリーで借りた場合は8畳ほどの部屋で
- 「エアコン無し」150ドル~
- 「エアコン付き」250ドル~
程度のコストはかかります。
ゲストハウスの場合、電気代、水道代などの光熱費やゴミ処理代などの諸経費、WIFI接続費用などが含まれていますから、1人での長期滞在の場合でもゲストハウスを借りるのがリーズナブルだといえるでしょう。
ラオスでこの物件を選んだ理由
引越しを思い付き、町の中の物件を虱潰しに調査しました。
アパートから1軒家まで相当数の物件を見て周ったのですが、最終的にこの物件に決めた決め手となったのは次に挙げる条件であったからです。
町の中心から離れすぎていないこと
確かに町の中心から3kmほど離れてはいるのですが、調査した物件の中には7~10km離れたものもありました。
基本的にバイクに乗って動くことを前提に、町中からなら急げば5分以内の距離であることは条件的に満足できるものでした。
町中やマーケットで商売をしている現地人が多く、意外と顔見知りが多かったのも心強かったです。
新築物件であったこと
ラオスの物件は劣化のスピードが激しいので、築4~5年でもガタがきます。
せっかく建築ラッシュのラオスで引越しをするのだから、新築物件にしたいと思っていたので丁度良かったです。
周囲の環境に恵まれ住環境が良かったこと
高層建築物は無く、隣の建物とは20~30m離れているので日当たりは抜群です。山や川からも近いので1日中穏やかな風が吹き、風通しも非常によくエアコンいらずで暮らせます。
マンゴー、パパイヤ、ランブータン、ドリアンなどの南国フルーツがご近所に鈴生りなので、歩いていると「好きなだけ持っていきなさい。」とお裾分けをいただくこともあります。
夜になると虫の音と、時々家畜の泣き声が聞こえるくらいで非常に静かです。先日は蛍が庭に舞飛んでいました。
敷地面積がありゆったりとした物件であったこと
せっかく日当たりや風通しの良い物件でも、敷地が狭くては洗濯物を干すのにも苦労しますね。
その点この物件は周囲に建物が無く、敷地内にも前面に約8m、裏口から1.5mのスペースがあるので使い勝手が良い物件といえるでしょう。
ラオスの物件の設備で日本とは違う点は?
住居の設備で日本と最も違いが大きいのは「水周り」でしょう。
こちらの物件もドアを開けると、ガラ~ンとした室内と左手に見える小部屋(シャワールーム)だけの非常にシンプルなスタジオタイプのお部屋でした。
浴室のドアを開けて目に飛び込んできたのがなんと洋式トイレではないですか!
多くの物件が現地人向け
腰痛もちの私にとっては、しゃがみこんで使用するアジア式トイレは非常に辛いのです。しかし、多くのアパートが入居者を現地人と想定して作られているので、部屋は良くてもトイレで見送った物件もありました。
幸いにもこの物件は洋式トイレなのですが、よく見てみると排水用のタンクや配管が一切装備されていない「手桶排水式洋風トイレ」でした。
ガラ~ンとした部屋の奥の壁には、使いようがない中途半端な高さを位置に蛇口が1つポツ~ンと付いています。しかし、その水を受ける洗面台も流し台もなく(ここから出た水はどこに向かうんだろう?)と考えさせられる蛇口。
このようにアジアの水周りは謎がたくさん潜んでいます。
DIYを行う
もちろん入居前に改造しました!またしても自作ですが、トイレには排水用タンクを取り付けてホース(普通の水洗への改造は、便器丸ごと交換が必要なので)で流せるように改造。ホットシャワーマシンも取り付けました。
壁の蛇口は配管を延長して持ち上げ、シンクを接地してキッチンに改造しました。水はシンク経由で、壁に穴を開けて貫通させた排水パイプを通って、裏側の排水口に流れ込むよう改造したので完璧です。
ラオスでアパート暮らしするのにはDIYのスキルが求められます。こんな作業も面白がってやれる人でなければ住めないかもしれませんね。
ラオスの日常に潜むちょっとしたトラブルとは?
迷い牛の侵入
夜中に部屋の外でジャリッ、ジャリッと足音が聞こえるので、(泥棒かっ!?)と思って外に出てみると侵入者が横になってリラックスしていました。迷い牛です。
この他にも鶏、アヒル、ガチョウ、ヤギなどの動物達がアパートの敷地に入ってきて遊んでいます。
道路を歩いている牛
車やバイクで道を走っていても、牛や水牛が道を塞いで邪魔になることが良くあります。自然の中で生きていることを実感させられます。
断水・停電は日常茶飯事
断水や停電も頻繁に発生するので、パソコンはバッテリー付きのラップトップしか使えません。
ラオス人の友人の事務所に遊びに行くと、デスクトップのパソコンを使っているのですが、停電でブチッと落ちることも多いので、大切なデータはラップトップで管理しているようです。
ラオスでのお部屋選びのポイントとは?
ラオスで賃貸物件を探すときは、実際に長くその町に住んでいる人間と一緒に探すのが良いでしょう。下見や内覧のときに有効なアドバイスをしてもらえる可能性が高いです。
立地について
雨季と乾季では道路状況が変わりますし、特に雨季の排水の状態は気になるところです。排水の状態が悪い場所はしばしば冠水してしまうこともあるので、通勤にも支障が出てしまします。
急速に世帯数が増えたエリアでは、電機のトランスの容量が足りずにパンクして停電が発生することもあるので、長く住んでいる人間ならその辺の情報にも詳しいでしょう。
物件について
最上階は眺めが良くて気分が良いのですが、ラオスの太陽は非常に力強いので天井部分が熱を持つと暑くてかないません。同じ理由で角部屋も壁が日に焼けると暑いです。
平屋の場合は屋根材に注目しましょう。金属製のトタン屋根は輻射熱が凄いので室内が暑くなりますし、雨が降れば雨音で話が出来ないほどの騒音が発生します。スレート瓦を使用した物件が絶対条件ですね。
下見や内覧の際に携帯電話を持っていって、電波の状態もチェックしましょう。WIFIポケットルーターを使用することになると重いますので、電波の状態は気になるところです。
契約を結ぶときにも、長く住む人間に立ち会ってもらった方が問題なく話が進むと思いますよ。
まとめ
ラオスの田舎町にある私の住まいを紹介してきました。
私が住むのはビエンチャン近くの観光地ですので、「絶望的な田舎」で暮らしているわけではないのですが、日本と比べると「これでもかっ!」というくらいの田舎っぷりだと思います。
首都ビエンチャンにはもう少し整備された環境の貸し物件がありますので、安心して下さい。もしもリタイア後の老後を、ゆっくりとした環境で過ごしたい方にはラオスは意外な穴場なのかもしれませんね。
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