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香港の所得税は?香港の税金や社会保険料、支払い方法を解説

香港ドル

アジア有数の貿易中継地である香港は、商品の輸出入に関税を課さないフリーポートとして発展してきました。

そんな香港で実際に働き生活すると、どのような税金をどれぐらい払う必要があり、どんな恩恵にあずかることができるのでしょうか?

香港で会社員として働く私から、香港の税金と社会保険料について具体的な金額を交えながらご紹介したいと思います。

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目次

香港に消費税はない!買い物天国

香港には日本の消費税に該当するものはありません。普段の生活に必要な衣服、食品、日用品などの買い物に税金は一切かかりません。香港には数多くの日本のアパレルメーカーが進出していますが、値段は日本とほとんど変わりません。

食品は、地元の食材は日本より安めに手に入りますが、日本のものとなると空輸のコストが反映されてしまうのでかなり割高になります。また酒税がないので、アルコール類はとても安いです。種類によっては飲料水よりビールが安い!なんていうこともあります。

香港でお給料から引かれる税金とは?

日本ではお給料から所得税、住民税などの「税金」と健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険などの「社会保険料」が天引きされ、額面と手取りではかなり差が出てきます。

一方、香港で天引きされるのは日本の年金に該当するMPF(強制積立金/Mandatory Provident Fund)のみで、給料の最低10%(会社5%、社員5%)を積み立てます。

例えばお給料が20,000ドル(約300,000円)だった場合、積立金は会社と社員がそれぞれ1,000ドル(約15,000円)ずつで、社員の手取りは18,000ドル(約270,000円)になります。

香港の健康保険はどうなっているの?

香港には日本のような公的健康保険制度はないので、個人で保険会社の医療保険に加入する必要があります。福利厚生の一環として会社で医療保険に加入する場合もありますが、補償内容が十分でない場合もあるので、個人で別途加入している人もいます。

私の場合、会社で加入している保険は入院時の大部屋しかカバーしていなかったので、個人で個室の病室までカバーできる保険に加入しました。

公立病院と私立病院は大きく違う

香港の公立病院の医療費は安いですが、予約が取りにくい、待ち時間が長い、外国語対応が難しいなど最低限のサービスになります。

私立病院は公立よりサービスが手厚くなりますが、医療費は高額です。例えば出産の場合、公立病院は出産費用1万円以下、私立病院は100万円以上とかなり差があります。

香港の所得税はどれくらい?

税金

所得税率は年度によって変わり、政府の財政が黒字になった場合は税率が低くなる傾向があります。個人の所得税は次の1と2のうち小さい方になります。

  1. 総所得から人的控除(子女控除、養父母・祖父母控除、扶養兄弟姉妹控除、寡婦(夫)控除、障害者扶養控除、高齢者介護控除)、自己学習費用控除(認定されている広東語や英語の語学学校の学費などが該当)、MPF自己負担分控除、住宅ローン控除、寄付金控除を控除した後の課税所得に、累進税率を乗じた金額
  2. 総所得から寄付金控除額を控除した後の課税所得に、標準税率15%を乗じた金額

現地採用者の場合は1の累進税率で計算されることが多いです。

現地採用社員の納税額の例

では、実際の納税額はいくらになるのでしょうか?

月収20,000ドル(約300,000円)+ ダブルペイ(年に1度支払われる給与1か月分のボーナス)、賃貸暮らし、独身と仮定して、2017年度の税率で試算してみましょう。

  • 総所得:20,000ドル(約300,000円) × 12か月 + ダブルペイ20,000ドル = 260,000ドル(約3,900,000円)
  • MPF自己負担分控除:1,000ドル(約15,000円) × 12か月 = 12,000ドル(約180,000円)
  • 基本控除:132,000ドル(約1,980,000円)

上記から課税対象額は、

  • 総所得260,000ドル – MPF自己負担分控除12,000ドル – 基本控除132,000ドル=116,000ドル(約1,740,000円)

となり、2017年度の税率をかけると収める所得税は7,170ドル(約107,550円)となります。

なお、実際の納税額が気になる方は香港税務局のホームページで累進税率の試算ができます。

香港での所得の申告と税金の支払いはどうするの?

申告

所得税の支払いは自己申告制で、次のような流れになります。

  • 4月:会社が税務局へ前年度の給与明細書を提出し、社員に給与明細書のコピーを渡します。
  • 5月頃:税務局から申告用紙が郵送で届くので、給与明細書のコピーをもとに記入して返送します。またウェブサイトからの申告も可能です。
  • 8月頃:税務局から所得税の請求書が届きます。納税額のうち翌年1月に75%、4月に25%を支払います。もちろん一括で支払っても大丈夫です。

支払いが遅れるとペナルティーとして遅延金が発生するので注意しましょう。

初年度は2年分の支払いが必要

なお、香港では初年度に所得税を納める時に、翌年度分の税金もあらかじめ納付する予定納税制度をとっています。つまり、初年度は2年分をまとめて払うことになります。

これは法人・個人とも同じです。請求書が届いてから、予想外の金額だ!と驚かないよう気を付けてください。

まとめ~普段から税金分のお金を残しておこう

香港には消費税がないというメリットはありますが、世界中どこに住もうが税金は必ず払わなければなりません。

特に香港では会社員でも源泉徴収されないので、毎月、税金用貯金をしておくか、そうでなければダブルペイから払うことになると思います。ただしダブルペイは、支給時に在籍期間が1年以上でないともらえないこともあります

私の場合、初年度の支給時に在職が半年ほどで月割り分しか支給されなかったので、かなり焦りました。皆さんも十分ご注意くださいね。

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この記事を書いた人

海外就職・海外求人マッチングサービスGuanxiを運営しているIT企業。
世界各地をお仕事で飛び回っています。

世界各地で滞在し、見たもの、感じたもののリアルを届けます。

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