日本から一番身近な海外エリアの一つともいえる台湾。そんな台湾で就職してみたいと考えている人も多いと思いますが、気になるのが現地でもらえるお給料ですよね。
ちゃんと生活していけるだけの額をもらえるのか、待遇や福利厚生はどうなのか、不安に感じることでしょう。
日本人が台湾で就職できる可能性は、世界の他の場所に比べてかなり高いと思います。台湾で働くことに興味を持っている方のために、現地採用5年目の私が台湾の給与事情についてご紹介します。
1台湾元=約4円
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台湾で日本人が採用されやすい求人は?
「日商」という中国語が使われるほど、台湾には大手企業から中小企業までさまざまな日系企業が多く進出しています。
ただ、日系企業で働く日本人は日本から派遣された管理職が多く、社員は基本的に日本語の堪能な台湾人が採用されるため、日本人向けの求人はそれほど多くありません。
日本と仕事をする台湾企業が狙い目
逆に、日本と取引のある台湾企業では規模や業界を問わず、
- 窓口対応
- 営業
- エンジニア
- マネージャー
などの日本人の求人がよくあります。
よく見かける業種は、貿易・旅行・製造などです。また、ここ数年はラーメンをはじめとする日本料理屋の進出が加速しており、厨房・ホールスタッフの求人も多く目にします。
中国語が話せる方が有利
求人への応募には最低限、台湾人スタッフとのコミュニケーションが取れる中国語力が求められます。日本人の多くは、まず大学附属の中国語センターで中国語を1~2年ほど学び、それから仕事を探すケースが多いです。
中国語力に自信がない場合、「補習班」と呼ばれる民間の語学スクールで日本語教師をするという手もあります。ただし、日本語教師の場合、後述する就労ビザの最低月給保証の対象外なので、給与が大幅に下がります。
台湾の現地採用社員のお給料は?税金も忘れずに!
外国人は月給約19万円が保証
給与は基本的に月給で、銀行振り込みです。私の会社では、振り込み日は月の最終営業日となっています。
台湾企業が外国人を雇用して就労ビザを取得させる場合、2017年12月現在で月給47,941台湾元(約190,000円)を下回ってはいけません。ここから毎月、健康保険料と労働保険料が、合わせて大体1,000~2,000元(約4,000〜8,000円)引かれます。
毎年昇給している私の給料
私は台湾の特許事務所で、各国特許庁が発行した公文書や技術文書の和訳(中→日・英→日)、日本のクライアントへの報告連絡など内勤業務を担当しています。出張はほとんどありません。
そんな私の給料は、基本月給48,000元(約192,000円)からスタートし、試用期間3カ月を経て少しアップしました。毎年昇給があったので、勤続5年目の今は月63,000台湾元(約252,000円)です。
しかし、試用期間後と毎年の昇給はどの会社でも必ずあるわけではないです。
確定申告が必要
台湾で働き暮らす場合、忘れてはならないのが確定申告。毎年5月末までに自分で国税局に所得税を申告・納付しに行かなければなりません。
税率はそれぞれの状況によって異なり、同一課税年度(1月1日より12月31日まで)内で台湾における合法的な就労期間が183日間未満の場合は「非居住者」とされ、課税率は18%です。
一方、就労期間が満183日間になった場合は「居住者」とされ、課税率は6%〜40%になります。
台湾の給料の内訳(残業代とボーナス)
法定残業代を守るかどうかは会社次第
法律では残業代の支給が規定されていますが、実際には企業ごとに差があります。
法定残業代は、残業時間が2時間以内の場合、平日の1時間あたりの賃金の1と1/3以上を加算します。2時間を超えると、平日の1時間あたりの賃金の1と2/3以上を加算します。
私の会社では自己申告に基づいてきちんと支給されます。また、残業時間が午後7時を過ぎた場合、「誤餐費」というごく少量の食事代が支給されます。
一方、会社によっては金銭でなく、残業時間分を早退や振り替え休日に代えられることもあるそうです。
ボーナスは年3回の場合も
また、ボーナスは年1回、旧正月(春節)前に支給されます。平均で給料1~3カ月分が支給されることが多いです。
これ以外に、端午節(旧暦の5月5日)、中秋節(旧暦の8月15日)にも2,000~3,000元(約8,000~12,000円)程度のボーナスが支給されることがあります。
これら3つを併せて「三節奨金」といいます。
台湾の給料に含まれる住宅手当、通勤交通費、その他福利厚生
住宅手当と通勤手当はなし
基本的に住宅手当や通勤交通費はないので、手取りの給料からやりくりします。ただ、会社によっては課長・部長クラスには車が支給されることもあるらしいです。
皆勤手当や旅行補助制度
多くの企業では皆勤手当を支給しています。毎月1,000~2,000元(約4,000~8,000円)くらいが相場です。
なお、私の会社には旅行補助制度があります。私的旅行で海外に行く場合、会社から1年で最大50,000元(約200,000円)の補助金が出ます。これを利用して、毎年ヨーロッパに旅行したり、日本へ帰省したりしています。
台湾企業ならではの福利厚生
誕生日会「慶生会(チンシェンホェイ)」
多くの企業では、毎月または3カ月に1回、「慶生会」と呼ばれる誕生日会があります。
デリバリーを注文して社内で祝うところもありますが、私の会社では3カ月に1回、ホテルのバイキングやレストランで食事をします。家族や恋人を呼ぶこともでき、良い交流の場となっています。
忘年会「尾牙(ウェイヤー)」
また、「尾牙」と呼ばれる忘年会もあります。旧正月前になると、ホテルやレストランで大規模な忘年パーティを開くことが多いです。
私の会社では、ほぼ毎年日本に旅行して尾牙をやります。これも家族を帯同することができ、ビンゴやくじで当たった人に現金が振る舞われるので、社員の楽しみの一つとなっています。
台湾で働くためのおすすめ転職エージェント3選
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台湾の求人状況は絶えず変化しているため、時期により求人数や条件が異なります。
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まとめ〜余裕のある暮らしができる
台湾で就労ビザを取得して働くなら、月給は台湾人の平均的なそれよりもかなり恵まれているため、生活に困ることは基本的にありません。生活にかかる出費は平均で35,000~45,000元(約140,000~180,000円)程度で、ぜいたくをしなければ貯金も可能です。
海外就職の第一歩として、ぜひ台湾で働くことを考えてみませんか。思っているよりも簡単に実現できるかもしれませんよ。
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