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台湾のマナーとは?ビジネスや習慣、考え方など日本との違いを解説

台湾

私は現在、台湾の語学学校で日本語教師として働いています。最初はワーキングホリデービザで台湾に渡り、アルバイトの期間も含め働き始めて1年以上が経過しました。

その中で何度か「台湾の人はこういう考え方をするのか」と驚かされたことがありました。

台湾で働く中で知り、また体験した、特にビジネスにおける台湾の文化や価値観について、具体的なエピソードも交えながらお話ししたいと思います。

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目次

台湾では日本のビジネスマナーや常識は通用しない

コーヒー

日本で新入社員として一般企業に就職すると、最初に新人研修が行われます。その新人研修に必ず含まれているのが、日本の会社で働く場合に欠かせない社会人としてのビジネスマナーや常識についての学習です。

一方で、台湾には台湾のビジネスマナーや常識があります。上司への話しかけ方、名刺の渡し方、車に同乗するときに座る位置など、日本では当たり前のことが台湾人には通用しません。

台湾ビジネスにおける常識とは

日本では、上司に「今お時間いただけますか?」など一声かけてから本題に入る、というようなことを教わったりします。

ところが、台湾人にその話をすると「そんな前置きはしないなぁ」という反応なんです。話しかけるタイミングを見計らって、さっと本題に入ってしまった方が効率が良いというわけです。

また、台湾には「名刺を切らしておりまして……」という表現は存在しません。名刺がないことは大変な失礼にあたるので、絶対に避けなければならないのです。

さらに、取引先の方と一緒に車に乗るときは、前のシートに乗ってもらうようにします。後ろのシートより前のシートの方が位置としての重要度が高いのです。

台日の違いは授業の教材にも

こういった台日ビジネスマナーの違いについて、授業中に生徒さんと時々話題になります。文化や習慣の違いは比べてみると面白く、また授業のための良い教材にもなります。

生徒さんたちと話しながら、こっそり台湾の常識を勉強させてもらっている……というのは彼らには内緒です。

台湾での仕事は日本人が想像する以上にコネが大事

台湾

私がワーキングホリデービザを持って台湾へと出発する少し前のこと。現地に住む台湾人の友人に、台湾で就職活動をしたいという話をしたところ、「じゃあ私が頑張らないと」と言われたことがあります。

その時はてっきり、私の台湾での就職活動の手助け、例えば履歴書を添削してくれるというようなことかと思っていました。というのも、以前その友人を手伝って大学のレポートの日本語を添削したり、日本企業に就職するための履歴書の作成を手伝ったりしたことがあったので、そのお礼にという意味なんだなと思ったのです。

もちろんそれもあったでしょうが、実はその言葉の裏には私が想像した以上の意味が含まれていました。

就職先も人から紹介してもらうのが一般的

台湾では、たとえばビジネスで知り合いたい人がいる場合、その相手に直接連絡を取ることはまずありません。必ず第三者を通して紹介してもらうという方法を取るのです。そしてこの「紹介」にはもちろん、企業への求職者の紹介も含まれています。

この話を聞いたのは「じゃあ私が頑張らないと」と友人が私に言ってくれた後のこと……。友人の言葉には、台湾ならではの深い意味があったのです。大変にありがたい一言をいただいていたわけですね。

結局のところ私の台湾就活は、友人からコネをつないでもらう間もなく、日本人向けのサイトで仕事を見つけて運良く即採用が決まりました……。

台湾人は自分の価値を上げるための努力を怠らない

台湾

生徒さんに「どうして日本語を勉強しているのですか?」という質問をすることがあります。

「日本へ旅行をする(したい)から」「アニメや漫画が好きだから」などが多く、「日本の企業と仕事をするから」「日本語をしゃべることができれば仕事の幅が広がるから」という答えもあります。

台湾には日本語に限らず、仕事に役立てるために何らかの習い事をしている方がたくさんいます。技能を磨き、それを勤めている会社に認めてもらって給与アップを目指したり、転職や独立に役立てたりするのです。

外国語や技能の習得の他、転職も同じくスキルアップのためなのだそうです。

頑張っている人々のため自分も努力

みな自分の未来をより良くするための努力を怠らず、土日や仕事の後に習い事に行ったり、今後のステップアップのために進んで転職をしたりします。

日本語教師の仕事は、そうした努力を怠らない方々がいらっしゃらないことには成り立たない分野の仕事です。努力をされている方々のために、私自身も努力を怠ってはいけないと決意を新たにするきっかけにもなりました。

台湾では時間にギリギリか遅刻はよくあること

台湾

日本人の行動パターンとして、5分前行動を心がける傾向があります。物事が始まる10〜5分前には所定の場所につき、時間ぴったりに物事を開始できるよう準備する習慣です。日本の企業や学校では、上司や先生に口を酸っぱくして守るよう言われることだと思います。

これは私が台湾の語学学校に勤務して感じたことですが、この5分前行動というのはやはり日本ならではの習慣です。

時間通りに来ないのは当たり前

割と多くの生徒さんが、時間ちょうどに来たり、少し遅れて来たり、時にはだいぶ遅れて来たりもします。本来であれば10人いるはずのクラスが、授業開始時間であるにもかかわらずまだ2人しか来ていない、なんてことがちょいちょい発生するのです。

これは学校だからなのかなと思いきや、台湾の一般企業に勤めている日本人の知り合いに職場の様子を聞くと「みんな息をするように遅刻してくる」ということでした。

もちろん時間通りに出席する生徒さんもいますし、知り合いの会社でも全員が全員遅刻してくるわけではないと思います。が、遅刻する人は一定数います。習慣が違うのだと思って許容せざるを得ない場合もあるでしょう。

台湾人は仕事・授業中によくSNSを見ている

パソコンとコーヒー

私は午前中は仕事がないので、その間に台湾人の知り合いにLINEでメッセージを送ったりします。すると、送った1分後には返信が返ってくるということがよくあります。

今、仕事中のはずでは?と不思議に思うのですが、結構マメに返事がきます。レスポンスが早く頻繁に対応してくれるので、この人、上司に怒られないだろうかとこちらがドキドキしてしまうほどです。

台湾では仕事中に友達と連絡を取り合ったりSNSを見たりすることは、とがめられることではないみたいですね。

日本人にとってはやっぱり違和感

私などは日本や日本の企業の習慣がすっかり板についているので、台湾の職場でもケータイをかばんから取り出すことすらまれです。これも、日本人ならではなんですね。

生徒が机の上に堂々とケータイを置き時々指をすべらせている姿には若干思うところもありますが、これも習慣の違いだと自分を納得させつつ授業をしています。

ケータイに注意を向ける余裕がないくらい面白い授業ができるように頑張ろうという自分自身のモチベーション維持の原動力にもなっています。

台湾人は切り替えが早い(あきらめが早い)

台湾

台湾で生活していると、新しくオープンしたお店があっという間に閉店するという場面によく出くわします。集客が悪ければすぐに撤退、とにかく早いです。良く言えば切り替えが早い、悪く言えばあきらめるのが早いのです。

語学学校でも、日本語の勉強で50音を覚えきれず、早い段階で勉強するのをあきらめる方がチラホラと見られます。教師としては何とか乗り越えてほしいところですが、仕事ならともかく趣味で日本語を勉強する人に忍耐を強いても仕方のないことです。

教える側としては、日本語の勉強は楽しい!と思ってもらうために、なんらかの工夫が必要になってきます。まだまだ研究途中ですが、中国語をたくさん使ってテンポよく、冗談なども交えて授業をしていく方法を考えています。

逆の見方をすれば「初動が早い」

こう書くと、切り替えの早さ、あきらめの早さが悪いことのように聞こえてしまうかもしれませんが、決してそういうわけではありません。台湾人が何かを始めるときの初動の早さは素晴らしいと思います。

目の前の新しいことに臆せずどんどん挑戦していく姿は、日本人にはなかなか見られないものです。台湾に住んでいて、自分がぜひ見習いたいと思う部分でもあります。

台湾人は独立・起業の意志を持っている

台湾

これは台湾の知り合いから聞いた話なのですが、台湾人の親は子どもに「将来自分一人で生きていけるようになりなさい」と教育するそうです。そのためか、台湾の人たちは独立して自分の会社を作ろうという意識を持っている方が多いように感じられます。

国家公務員をしている台湾人の知り合いから「将来一緒に語学学校を開こう」というLINEをもらったときには、「せっかく公務員なのに将来は辞めてしまうの?」とびっくりして目玉が飛び出るかと思いました。

まとめ〜現状に満足しない台湾人の姿に感服

私の場合、勤務先が語学学校で同僚の大半は日本人であるため、ご紹介したことをそこまで実感はできていないと思います。企業にお勤めの日本人であれば、遅刻やケータイやあきらめの早さなどはもしかするとかなりのストレスとなる習慣なのかもしれませんね。

とはいえ、現状に満足せず貪欲に自分一人で身を立てていく、そのためにスキルを身につけようと努力する台湾人の姿は、あっぱれとしか言いようがありません。私もそうありたいと、決意を新たにさせられる毎日です。

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この記事を書いた人

海外就職・海外求人マッチングサービスGuanxiを運営しているIT企業。
世界各地をお仕事で飛び回っています。

世界各地で滞在し、見たもの、感じたもののリアルを届けます。

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