ポーランド料理と聞いて思い浮かべるものは何でしょうか?普段あまりお目にかかる機会はありませんよね。何でも食べられるイメージの東京でも、残念ながらポーランド料理店はありません。
ポーランドは北海道の風土に似ていて、農業や酪農が盛んです。ここで食べる料理は新鮮な素材で作ったおいしいものばかりです。
ポーランドに来たら食べて欲しい料理はたくさんあるのですが、その中から私が特におすすめしたいポーランド料理をご紹介します。
まずは前菜から
レストランで食事をする場合、お酒のアテとしてディナーメニューでしか前菜を注文できない場合があります。
ニシンのオイル漬け
私がレストランで食べて一番おいしいと思った前菜です。ニシンの骨まで柔らかくなっているのでそのまま食べられて臭みもなく、旨味と口の中でとろける食感はクセになります。
また、ポーランドでは家庭料理としてもよく食べられています。特にクリスマス時期にたくさん作り、年明けまでゆっくり食べていく伝統的な保存食の一つです。
ピクルス・ハム・チーズなどの盛り合わせ
ポーランドにはきゅうりだけでなく、きのこやアスパラ、フルーツのピクルスもあります。お酒のつまみや肉料理に合わせて注文するのがおすすめです。
スーパーでは色々な種類のピクルスが瓶詰めになって売られているので、ちょっと重いのですがお土産にしても面白いかもしれません。
ポーランドのハムやチーズはヨーロッパの中でもトップレベルのおいしさです。レストランで頼んでもそれほど高くなく、今までハズレなしです!
ポーランドを代表するものと言えば、南部のタトリ山脈でしか作られていないOSCYPEK(オスティペック)というスモークチーズや、ビールのおつまみにぴったりのKABANOS(カバノス)という細長いセミドライソーセージがあります。
個人的にはサーモンハムという名前で生ハムのような味わいのŁOSOSIOWA(ウォソショヴァ)がおすすめです!
スーパーでは常に何十種類ものハムやチーズが安値で切り売りされています。少量でもスライスして販売してくれるので、ホームパーティなどでも数種類を盛り合わせすれば、とても豪華な前菜になります。
私のお気に入りのスープ5選
※スーパーにはスープ用の野菜がセットで販売されています。
ポーランド料理を語る上でスープは欠かせません。スープの数は世界一と言われるほどバラエティに富んでおり、どれも日本人の舌に合うものばかりです。
ポーランド語ではスープを「食べる」と表現します。たっぷりの野菜やゆで卵などの具材や麺が入っており、レストランで注文するとメインかと思ってしまうほど食べ応えのあるスープばかりです。
ポーランドでは、15時前後(ランチ)にしっかりと食事をするという昔からの習慣が残っており、メイン料理の前には必ずスープを食べます。
レストランでスープを注文すると、多くの場合、パンが付いてきます。ポーランドのパンはライ麦から作られた酸味のあるものが主流で、さまざまな味と形のお食事用のパンがあります。
余談ですが、ポーランド人がラーメンやうどんを食べると、濃い味のスープでも最後まで飲み干します。麺のためのスープではなく、スープの為の麺という感覚です。
私が残した冷たい素麺のつゆを見たポーランド人に「なぜ残すの?もったいないよ!」と言われたこともありました。そのくらい、ポーランド人はスープを愛しています!
では、私の好みにはなりますが、ポーランドのおいしいスープ・ベスト5をご紹介します。ちなみに私は、ポーランドでも有名な赤カブスープ(バルシチ)は苦手です。
第5位 ロスウ
鶏肉と野菜から出汁をとって作るコンソメスープです。細いパスタのような麺を入れて食べます。
あっさりしているので、脂の多いメイン料理と合わせたり、食欲がない時にもおすすめです。ポーランドのスープのほとんどは、このロスウが基本になっています。
第4位 クルプニク
数種類の野菜、ディルというハーブ、牛肉、もち麦(カーシャ)が入っています。クリーミーでコクがあり、もち麦の「つるっ、ぷにっ」とした食感が食べていて楽しいです。
第3位 トマトスープ
ロスウにトマトソースやクリームなどを入れて作ります。トマトソースに負けないくらい濃いめのロスウと合わせるのがおいしいポイントです。こちらも細い麺を入れて食べます。
また、サワークリームやチーズが乗って出てくることもあり、日本で食べるトマトスープとは一味違います。
第2位 野菜スープ
ロスウにたくさんの野菜と少しのクリームを加えて作る、 優しい味のスープです。カブのような味のカラレパという根菜や、白いにんじんのようなパセリの根など、日本ではあまり見かけない野菜も入っています。
おいしくて毎日でも食べたいくらいです!
第1位 ジュレック
ライ麦を発酵させて作るトロッとしていて酸味のあるスープです。レストランによってはちょっと苦味がある場合もあります。
しかし、白ソーセージの旨味と、茹でたジャガイモとゆで卵の甘みが酸味と苦味を緩和し、一口食べるごとにハマっていきます。
苦手な人もいるかもしれませんが、ジュレックはポーランドでしか食べられない味ですので、ぜひ一度お試し下さい!
ポーランドの伝統料理!絶対に食べるべきメイン料理6選
ポーランドの伝統料理である6つのメイン料理をご紹介します。
ピエロギ
日本の餃子によく似ており、皮は厚めでモチモチです。水餃子のように茹でて食べますが、茹でたものを更に焼いたり揚げたりして食べてもおいしいです。具はザワークラウト、肉、きのこ、ほうれん草、ジャガイモとチーズなどがあります。
生地にパプリカやほうれん草の粉末を練りこんだカラフルなピエロギもあります。また、甘いジャムやフルーツが入ったデザートピエロギもあり、どれも美味しくてついつい食べ過ぎてしまいます。
ゴウォンプキ
一見、普通のロールキャベツですが、中にひき肉などと一緒にライスが入っているのが特徴です。濃厚なトマトソースをたっぷりかけて食べます。私の1番の大好物です!
コピトゥカ
ニョッキや北海道のいももちに似ています。ジャガイモを潰して片栗粉などを混ぜて成形し、茹でます。茹でたままでも、更に焼いてもおいしいです。グラッシュというビーフシチューのようなソースやお肉などと一緒に食べます。
ポーランドはじゃがいもの生産量も消費量も多く、コピトゥカをはじめマッシュポテトや粉ふきいもなど、じゃがいも料理はよく食卓に登場します。
ビゴス
ザワークラウトと小さく刻んだ数種類のお肉やきのこなどを1日かけて煮込んだポーランドの代表的な伝統料理です。
クリスマス料理の一つで、ライ麦パンと一緒に食べるのが一般的です。一度に大きな鍋いっぱいに作ります。日数が経てば経つほど深みと旨味が増しておいしくなります。日持ちするので、保存食としても重宝します。
私も何度か作りましたが、日本人の家族や友達にも好評でした!
ナレシニキ
クレープ生地にハム、チーズ、ほうれん草や豆などお好みの具材を入れて、ニンニク入りのクリームソースやトマトソースなどをかけて食べます。ブリトーにも似ています。
日本でもお馴染みのクレープのように、甘いフルーツやジャムソースを入れて、デザートとしても食べられています。私はカッテージチーズを入れて、ハチミツをかけて食べるのが好きです。
コトレット
いわゆるカツレツです。豚肉がぺったんこに薄くなるまで叩いて、数種類のハーブやスパイスで味付けし、衣をつけて揚げます。日本人ならとんかつソースをかけたくなるところですが、お肉にしっかりと濃い味が付いているのでそのまま食べます。
付け合わせの定番であるミゼリアは、スライスしたきゅうりをたっぷりの生クリームと塩コショウで和えたものです。初めて見た時は、その独特な組み合わせに驚きました!
別腹!?デザートいろいろ
定番のチョコレートケーキやチーズケーキなどもありますが、日本で食べるものとはちょっと風味が違います。
ポーランドでのケーキやクッキーの販売スタイルは主に量り売りで、ケーキ店やパン屋以外に、スーパーやコンビニなどでも好きな量が買えます。
では、ポーランドでしか味わえないお菓子を中心にご紹介します。
マコヴェツ
黒ごまにも見えますが、シロップ漬けにしたケシの実を巻いたロールケーキです。甘すぎず独特の香りが良く、私の知る限り男性のウケもいいケーキです。
ピエルニク
生姜とシナモンのケーキです。ソフトクッキーのようなスナックタイプもあります。すごく美味しいわけではないのに、つい手が伸びてしまいます。
クレムフカ
クレムフカとはクリームパイという意味です。サクサクしたパイ生地でたっぷりのカスタードクリーム・生クリーム・バタークリームをサンドしているケーキです。お店によって様々なアレンジが加えられています。
ポーランド出身の元ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が、子供の頃にクレムフカが大好物だったと公言したのがきっかけで、法皇のケーキとも呼ばれ、一気に有名なケーキになりました。
ロディ
珍しくはないのですが、ソフトクリームのことです。街中やショッピングモール内でよく見かけます。安いのにミルクが濃厚でとてもおいしいので、観光やショッピングの小休憩におすすめです。
ただし、抹茶味のロディは日本人の思っている味と違うことがほとんどです。
とにかく、季節問わず友達同士でミニサイズを食べ歩きしていたり、カップルでトールサイズをシェアしたり、ポーランド人はロディが大好きです!本格的なイタリアンジェラート店も多くあります。
ポンチキ
穴の空いていないドーナツの中に薔薇やベリー系のジャムやチョコレートなどが入った、揚げパンのようなポーランドの伝統的なお菓子です。
毎年2月頃に「脂の木曜日」というポンチキをお腹いっぱい食べる日があります。行列が嫌いなポーランド人もこの日ばかりは並ぶ人が多く、人気のポンチキ店は朝から大行列ができます。
私は今年は2個でしたが、1日で10個食べる人も少なくないとか!
いつも迷ってしまう、ドリンク!
近年はコーヒーの需要も増えていますが、ポーランドはヨーロッパの中でイギリスとフランスに次ぐ紅茶をよく飲む国です。
お店のメニューでも紅茶やハーブティーが多く、スーパーなどでは日本茶を含め、様々な種類のお茶が手に入ります。
ソフトドリンク
お茶以外だと、健康のために数種類の生フルーツやドライフルーツを使って作るコンポートを飲む人も多く、息子の幼稚園でも毎日出てきます。私はインカという、ノンカフェインの雑穀コーヒーがお気に入りです。
お水
ポーランドのレストランでは、お水も注文しなければ出てきません。注文時には「ガスありか、なしか」聞かれます。ガスと言っても天然のガスが一般的で、微炭酸からキツめのものまであり、ブランドによって様々です。
アルコール
ポーランドといえばウォッカです!レストランでもスーパーでも、ワインと同じくらい種類が豊富でお手頃な価格です。
しかし、毎日呑むならビールが安上がりで味もいいです。瓶ビールの販売が多く、飲み終わった瓶をお店に返すと瓶代が戻ってくるというデポジット式です。瓶代の返金は50グロシェ(約15円)程度です。
また、ハチミツ酒というポーランドの伝統酒もあります。デザートワインやシェリーの様に甘く飲みやすいので、特に女性におすすめです。
まとめ
気になる一品は見つかりましたか?
フルコースで注文すると、少食の方はデザートまでたどりつく前に満腹になるでしょう。デザートまで食べたければメイン料理を複数人数でシェアするか、デザートは別に専門店や素敵なカフェで食べるのがおすすめです。
もしも、レストランで1食しかポーランド料理が食べられないとしたら…
きゅうりのピクルスをかじりながらウォッカで乾杯し、前菜にニシンのオイル漬け、スープはジュレック、メインはピエロギ、デザートにマコヴェツと紅茶がポーランドらしい組み合わせだと思います!
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