※ポーランドではパンやじゃがいもを主食とし、スープの後にメイン料理を食べます。
私はこれまでポーランド人の義母から、普段の食事からイースターやクリスマスで食べる伝統的なものまで、様々なポーランド料理を教えてもらってきました。
その中から、特別な道具や食材がなくても作れるおいしいポーランド料理をご紹介します!
ポーランド料理の基本のスープ(ロスウ)
ロスウとはコンソメスープのことです。種類豊富なポーランドのスープは、ほとんどこのロスウが基になりアレンジされています。
ポーランドのスーパーには必ずスープ用の野菜セットが販売されていますが、中には日本ではあまり見かけない野菜も入っています。
以下のレシピでは日本でも簡単に手に入るおすすめの野菜を載せました。それ以外でも出汁の取れる野菜なら何でも使用できます。また、とり肉はむね肉、もも肉、レッグ、手羽など使いやすいものでOKです。
【材料】
- とり肉:500gくらい
- 水:1.5リットル
- 出汁用の野菜(長ねぎの青い部分1本分、にんじん2本、セロリ1本、パセリの茎2-3本分 など)
- 黒こしょう(粒):3-5粒
- 塩こしょう:適宜
【手順】
- 鍋にとり肉とお水を入れて、沸騰したら弱火で30分以上煮る。
- 野菜と黒こしょう(粒)と塩を入れて更に30分ほど煮込む。
- 具材を全部取り出す。
- 塩こしょうで味を調える。
ポーランドでは、細いパスタのようなたまご麺と刻んだパセリを入れて食べます。日本で手に入る麺でいうと、カッペリーニのパスタ麺か細いラーメンの長さをカットして入れるのが近いと思います。
取り出したとり肉や野菜はスープと一緒に食べても良いですし、シチューやカレーなどの具材にも使えます。
アレンジスープ
基本のスープ(ロスウ)に食材をプラスすれば、簡単にアレンジできます!ここでは一例として、トマトスープとクルプニクのレシピを紹介します。
トマトスープ
【材料】
- ロスウ:上記のレシピ参照
- トマト缶:1缶 (トマトピューレなら300gくらい)
- 小麦粉:大さじ2
- バター:20~30g
- 塩こしょう:適宜
- パセリ
【手順】
- ロスウの鍋にトマト缶を入れる。(ホールトマトならカットしてから)
- フライパンで小麦粉を軽く炒ってからバターを加え、ペースト状にする。
- ダマができないように、ロスウを2に少しずつ加えてペーストを伸ばし、滑らかになったら1に入れてとろみをつける。
- 塩こしょうで味を調える。
- お好みで刻みパセリを散らす。
コクが足りなければコンソメスープの素を足してもOKです。食べる前に生クリームやサワークリームを入れる人もいます。ロスウと同様に、ポーランドではトマトスープにも細いたまご麺を入れて食べます。
クルプニク
【材料】
- ロスウ 上記のレシピ参照
- 押し麦 100g
- じゃがいも 中2個
- たまねぎ 1個
- とり肉 適宜(※ロスウで使ったものでOK)
- にんじん 1本(※ロスウで使ったものでOK)
- 塩こしょう 適宜
- ベイリーフ 3枚
- ディルやパセリなどのハーブ
【手順】
- じゃがいも、たまねぎ、にんじんはさいの目に切る。
- ロスウに押し麦、じゃがいも、たまねぎ、ベイリーフを入れ15分ほど煮込む。(時々かき混ぜる)
- にんじん、ほぐしたとり肉を入れ、塩こしょうで味を調える。
- 食べる前にお好みで刻んだディルやパセリなどのハーブを入れる。
この他にレンズ豆やきのこを入れてもおいしいです。
ゴウォンプキ(ロールキャベツ)
ゴウォンプキはパンやじゃがいもと一緒に食べますが、実は中のひき肉には白いご飯も一緒に混ぜられています。お米が主食ではない国の伝統料理に、ご飯が使われているのは大変興味深いですね。
【材料】14個分
- キャベツ:1玉
- たまねぎ:1玉
- ひき肉(豚かターキー):500g
- 卵:1個
- 白いご飯:茶碗軽く1杯
- バター:10g
- お湯(コンソメスープ):1リットル〜
- 塩こしょう:適宜
【手順】
- バターで玉ねぎを炒め、冷ましておく。
- キャベツは洗って芯をくり抜き、お湯を入れた大きな鍋につける。(葉が柔らかくなるまで、10分くらい)
- キャベツの葉を1枚ずつはがし、白い芯の太い部分を薄く削ぎ取る。
- ボウルにひき肉、1の玉ねぎ、白いご飯(炊いて冷ましたもの)、卵、塩こしょうを入れて混ぜる。
- キャベツの上に俵型に丸めた4を置き、手前から左右の葉を織り込んで巻く。
- 鍋に5を隙間なく敷き詰める。
- キャベツが半分以上隠れるくらいまでお湯を注ぎ入れ、フタをして30分ほど煮込む。
お湯はコンソメスープの素や鶏ガラスープの素を少し入れることで旨味が増します。また、すりおろしたにんじんを入れると甘みが増します。ひき肉は豚かターキーを使う事が多いのですが、とり肉や豚と牛の合挽きでもOKです。
工程6でしっかりと敷き詰めないと、お湯を入れた時にキャベツが浮いてきてしまいます。隙間ができてしまったら、余ったキャベツを丸めて入れると良いでしょう。
トマトソース
ゴウォンプキはソースを別に作り、上からかけて食べます。トマトかキノコのホワイトソースなどを合わせる事が多いのですが、よりポピュラーで濃厚なトマトソースを紹介します。
【材料】
- トマトピューレ:500g
- 小麦粉:大さじ2
- ゴウォンプキの煮汁:500mlくらい
- バター:20g
- 生クリーム:大さじ4
- 塩こしょう:適宜
- オレガノ:適宜
【手順】
- 小鍋にトマトピューレと小麦粉を入れて混ぜる。
- 弱火にかけ、ゴウォンプキの煮汁を加えてのばす。
- バターと生クリームを加える。
- 塩こしょうとオレガノはお好みで。
義母のレシピで作るとかなりとろみが出ます。ゴウォンプキの煮汁を加える際にお好みの濃度に調整してください。サラッとしたソースがお好みの方は小麦粉を大さじ1に減らして下さい。ソースが余ったら、オムライスなどにも使えます。
コピトゥカ(ニョッキ風)
ポーランドのスーパーでは、じゃがいもは2~3kgの袋で売っていることが多いです。主食とだけあって、1kgあたり約50~60円とかなり安く手に入ります。
粉ふきいもやマッシュポテトも定番ですが、ニョッキに似ているコピトゥカはもっちりしていて子供達にも人気です。
【材料】
- ジャガイモ:1kg
- 片栗粉:50g
- 小麦粉:大さじ1
- 卵:1個
- 塩:少々
【手順】
- じゃがいもを茹でて皮をむき、潰す。
- 片栗粉、小麦粉、卵を入れて混ぜる。
- 小麦粉で打ち粉(分量外)をしながら形成する。
- 沸騰したお湯に塩を入れて茹でる。(浮いてきたらOK)
形成する際には両手でコロコロ細長く伸ばし、食事用ナイフで斜めにカットすると見栄え良く形成できます。
茹でた後そのまま食べても、さらにバターで焼いてもおいしいです。ほうれん草やにんじんを練りこむと、彩りの良いコピトゥカができます。カレーやシチューともよく合います。
そして、これは北海道のいももちによく似ています。砂糖醤油で食べるとおやつに大変身します!
マッシュルームのソース
コピトゥカはお肉と一緒に食べたり、ビーフシチューのようなグラッシュというソースをかけて食べます。ここでは簡単でおいしいマッシュルームのソースのレシピをご紹介します。
【材料】
- マッシュルーム:15~20個
- にんにく:1片
- バター:20g
- 塩こしょう:適宜
【手順】
- マッシュルームはさっと洗ってスライスする。
- フライパンにバターとにんにくを入れて軽く炒める。
- マッシュルームを加えてしんなりするまで炒める。
- 軽く塩を入れる。マッシュルームから水分が出てくる。
- たくさん水分が出てきてひと煮立ちしたら、塩こしょうで味の調整をする。
お好みで玉ねぎを一緒に炒めてもOKです。さらに醤油をふた回しほど入れると、和風パスタソースとしても使えます。
ピエロギ(餃子風)
日本には餃子の皮が売っているので代用しても良いのですが、ピエロギの皮は餃子の皮よりも厚いです。そして、手作りの方が断然おいしいです!
【材料】皮のみ
- 小麦粉:500g
- 塩:小さじ1
- お湯:250cc
- 卵:1個
【手順】
- ボウルに材料を上記の順番で入れ、手で混ぜひとまとめにする。
- 打ち粉をして麺棒で伸ばし、コップなどで丸く型抜きする。
- 具材を包む。
- 沸騰したお湯の中で茹でる。(浮いてきたらOK)
型抜きした生地を重ねる場合は、しっかりと打ち粉をしないとくっつきます。水餃子のように茹でてそのまま食べてもモチモチでおいしいです。冷めてしまったり焼き餃子が好きな方は、さらにバターで焼く事をおすすめします!
ピエロギの具材
ピエロギの中に入れる具材は全て加熱済みのものを使用します。日本で食べる餃子のように、お肉と一緒に何種類もの野菜が入っている事はありません。
具材によって皮の包み方を変えると、食べる時に分かりやすいです。
- ほうれん草(バターソテー)
- きのこ(バターソテー)
- ザワークラウト(ビゴスでも可)
- カッテージチーズ+マッシュポテト
- ひき肉
- ひき肉+マッシュポテト
- ベリー系ジャム など
伝統的には、ピエロギの上から細かく切った焦がし玉ねぎやカリカリベーコンをかけて食べます。しかし、わが家では醤油を付けて食べることの方が多いです!
ベリー系ジャムを入れるとデザートピエロギになります。はちみつをかけて食べても相性ばっちりです。
ナレシニキ(クレープ)
日本でクレープといえば甘いものを想像しますが、ポーランドでは食事系が一般的です。ランチや軽食、メイン料理としても食べられています。生地の材料は日本のクレープとほぼ同じですが、少し厚めに焼きます。
【材料】生地15枚分くらい
- 小麦粉;500g
- 卵:3個
- 牛乳:500ml
- オリーブオイル:小さじ2
- 砂糖:小さじ2
- 塩:小さじ1/2
【手順】
- 材料をボウルに上記の順番で入れて混ぜる。
- フライパンで焼く。(クレープを焼く要領で)
牛乳は水や豆乳、オリーブオイルはサラダオイル、砂糖ははちみつでも代用できます。ポーランドではよく溶けるパウダーシュガーが安価で手に入ります。白砂糖やブラウンシュガーなどは溶けにくいので、少量のお湯で溶かしてから混ぜてください。
テフロン加工のフライパンなら油を引かなくてもくっつきませんが、それ以外のフライパンには少量の油を敷いてから焼いてください。
ナレシニキの具材
ナレシニキの具材は何を入れても良いくらいたくさんのバリエーションがあります。前途のマッシュルームのソースを入れてもおいしいですし、ハムとチーズだけでもブリトーのように手軽に食べられます。
もちろんフルーツやジャムに生クリーム、カッテージチーズとはちみつなどを挟んでデザートとして食べてもOKです。
わが家ではほうれん草を挟んで食べることが多いので、そのレシピを紹介します。
【材料】
- ほうれん草:500g
- バター:30g
- 刻みにんにく:1片
- 塩コショウ:適宜
【手順】
- ほうれん草はさっと茹でて、食べやすい大きさに切る。
- フライパンにバターを入れ、にんにくを軽く炒めてから1を入れる。
- 塩コショウで味付け。
ソース
生地に具材を入れて巻き、フライパンで温めて食べます。これまた醤油がとても合うのですが、ポーランドでは赤いソースと白いソースをかけて食べます。
赤いソース
【材料】
- トマトピューレ:150ml
- すりおろしにんにく:1片
- 塩コショウ:少々
- 乾燥オレガノ:適宜
白いソース
【材料】
- ヨーグルト:150ml
- すりおろしにんにく:2片
- マヨネーズ:大さじ1
- レモン:小さじ1
- 塩コショウ:少々
- 乾燥オレガノ:適宜
材料を全て混ぜるだけで、簡単にできてしまいます!サラダや他の料理のアクセントにも使えて便利です。
ポーランドのピザ屋さんではマルゲリータを注文すると、多くの場合、この赤と白のソースが付いてきます。
ミゼリア(キュウリのサラダ)
最後に、日本ではなかなか見ない組み合わせのサラダを紹介します。主にカツレツなど肉料理の付け合せとして食べられています。
【材料】
- きゅうり
- 生クリーム
- 塩こしょう
【手順】
- きゅうりをスライスし、塩もみして少し置き、しっかりと水気を切る。
- きゅうりがひたひたに隠れるくらい生クリームを入れる。
- 塩こしょうで味付けする。
ポーランドのきゅうりは太くて長く、皮が硬いのでピーラーで全ての皮を剥いてからスライスします。生クリームは脂肪分高めのものを使い、しっかりと塩こしょうをするのがおいしいポイントです。
ポーランドでは濃度、容量、メーカーの違うさまざまなタイプの生クリームが売っています。そのため、スープ用や製菓用など用途によって使い分けができます。
わが家のミゼリアはギリシャヨーグルトに近いもったりとした生クリームを使用しています。もちろん、日本で売られているサラッとした生クリームでも合います。このサラダは好みが分かれるので、初めて作る場合は少量からお試し下さい。
まとめ
多くのポーランド人は濃い味を好み、塩こしょうを多めに入れます。今回のレシピでは塩こしょうを適宜としたので、お好みの加減で調整してください。
また、ポーランド料理はすごくバターを使うので、わが家では「ギー」を使っています。スープ以外の料理ならサラダ油やオリーブオイルでも代用可能です。どれも日本で作れるレシピばかりですので、ぜひ参考にして作ってみて下さいね。
ポーランド料理についてもっと知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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