イギリスやフランス、北欧などヨーロッパを旅行した経験がある人は、何を買うにも高いと感じたことでしょう。一方で、タイやベトナムなど東南アジアに行ったことがある人は、その物価の安さについ色々と買ってしまいたくなりませんでしたか?
実は、私が夫と子供2人とともに暮らすここポーランドは、ヨーロッパなのに物によっては東南アジア並みに値段が激安なんです!
具体的な金額や目安になる費用など、首都ワルシャワとその近郊の物価について詳しくご紹介します。
※1ズウォティ=約32円
【海外求人をチェックしたい方はこちら】
- LHH転職エージェント(未経験から幅広く求人を探す)
- JAC Recruitment(海外勤務・外資系を狙う年収600万円以上の方向け)
ポーランドの労働賃金
物価をご紹介する前に、まずはポーランドで働いている人がいくらぐらいもらっているのかを見ておきます。
ポーランドの最低賃金は時給12ズウォティ(約384円)、平均所得は月5,500ズウォティ(約176,000円)と低く、まだまだ格差が大きいのが現状です。
月3,500~4,000ズウォティ(約112,000~128,000円)あたりの所得者が一番多く、夫婦共働きが一般的です。また、英語が話せる若者は能力に見合った高給な仕事を求めて西ヨーロッパへ出て行く傾向にあります。
ポーランドのパンは1個12円!日常生活に身近な物価いろいろ
食料品
ポーランドは自然豊かな農業国です。野菜やフルーツは自国のものが多く新鮮です。
また、酪農も盛んなので肉や乳製品も豊富です。どんな小さなお店でも常時10種類以上のパンやハム、チーズが並んでいます。何とこれらは日本の3分の1以下の価格です!
パンにハム、チーズとロメインレタスなどをたっぷり挟んでも1食40円くらいで済みます。どの組み合わせがおいしいか食べ比べるのも楽しいです。私も気に入ったハムを見つけた時はかなりハマり、しばらく朝食はサンドイッチでした。
ただし、魚介類の流通は少なく高めです。ポーランドで本格的なお寿司が食べられないのは残念ですが、冷凍品や燻製の魚なら比較的安く手に入ります。
食品参考価格
- じゃがいも(1kg):1ズウォティ(約32円)
- りんご(1個):0.8ズウォティ(約24円)
- バター(200g):6ズウォティ(約192円)
- シンプルな丸いパン(1個):0.38ズウォティ(約12円)
- 鶏肉(丸一羽):13ズウォティ(約416円)
- ハム(100g):3ズウォティ(約96円)
- チーズ(100g):2ズウォティ(約64円)
- はちみつ(1kg):40ズウォティ(約1,280円)
- 生サーモン(1kg):70ズウォティ(約2,240円)
お酒
ポーランドはウォッカ発祥の地。その他にも、おいしくて安いビールやワインがたくさんあります。
私達夫婦は普段飲みませんが、お酒好きならポーランドのウォッカを是非お試しください!
日用品
うちには小さな子供が2人いるのでオムツやティッシュなどペーパー類の消費が多いのですが、これらは日本と比べてそれほど金額は変わらないのに質は劣ります。毎日使うものなので質は落とさずコスパの良い品を見つけようと、今も色々なメーカーの製品を試し中です。
洗濯洗剤はどれも大容量、逆にシャンプー類は量が少なめで詰め替え用はないので、頻繁に買っています。
日用品参考価格
- トイレットペーパー(10ロール):12ズウォティ(約384円)
- 洗濯洗剤(2L):28ズウォティ(約896円)
- シャンプー(400ml):12ズウォティ(約384円)
- 有名メーカーのおむつLサイズ(48枚入り):57ズウォティ(約1,824円)※日本では44枚入りで1,400円前後
洋服・化粧品
都市部には高級ブティックや路面店はありますが、日本のような百貨店はありません。
買い物といえばショッピングモールで、日本でもお馴染みのH&MやZARA、ポーランドブランドのReservedなどのファストファッションが人気です。
価格は日本で買うのとあまり変わりません。
化粧品は日本でもよく見かける海外ブランドものもあれば、ちょっと高めのポーランドブランドの製品もあります。日本と同様、若者には韓国のプチプラコスメも人気です。
交通関係
主な公共交通機関はトラムウェイ、バス、メトロで、全て共通の切符で乗ることができます。時間制の切符か週末フリーパス、定期券のいずれかが必要です。
トラムウェイとバスは乗車してから自分で切符を機械に通して打刻するので、運転手は毎度切符の確認をしません。たまに抜き打ちチェックがあり、打刻していなかったり切符を持っていなかったりすると無賃乗車と見なされ罰金を払うことになるのでご注意を!
また、ワルシャワ市内にはたくさんの自転車レンタルポイントが設置されています。事前にインターネットで登録し、登録料(10ズウォティ=約320円)を払っておけば、いつでも20分以内は無料で自転車が使えます。
交通関係参考価格(ワルシャワ)
- 切符20分(1枚):3.4ズウォティ(約109円)
- 切符75分(1枚):4.4ズウォティ(約141円)
- 切符90分(1枚):7ズウォティ(約224円)
- 切符24時間(1枚):15ズウォティ(約480円)
- 週末フリーパス:24ズウォティ(約768円)
- 3ヶ月定期券:280ズウォティ(約8,960円)※学生は半額
- 無賃乗車の罰金:266ズウォティ(約8,512円)
- ガソリン(1L):4.6ズウォティ(約147円)
ポーランドで生活するなら忘れてはいけない3つの費用
車にかかる費用
住む場所にもよりますが、我が家はワルシャワ郊外にあるので車がなければかなり不便です。
駐車場は、ワルシャワ中心部では平日8時から17時は料金がかかりますが、それ以外の時間は無料です。前払い制で、例えば40分で5ズウォティなど時間で決まります。40分を過ぎる場合は、さらに時間チケットを買い足さなければ罰金となります。
ワルシャワ中心部以外や近郊ではずらりと路肩に駐車している車が見られますが、料金はかからず駐車違反にもなりません。
また、ポーランドでもあまり知られていない方法として、銀行から車を長期レンタルするという選択肢もあります。審査が通ればの話ですが、全て新車で保険なども付いて、セダンは月1,000ズウォティ(約32,000円)前後で借りられます。
雪国に見合う防寒対策費
数年前にもマイナス20度以下を記録するなど、ポーランドの冬は北海道並みに寒いです。厚手のコートにあったかブーツはもちろん、帽子にマフラーや手袋も必須です。
私も防寒具はそれなりに準備をしてきたのですが、東京では売っていなかったスパイク付きのブーツや耳までカバーできる帽子などを買い足しました。
私達の場合は家や車の雪かき道具一式も必要でした。結局、合わせて600ズウォティ(約19,200円)以上もかかってしまい、予定外の出費でした。
ビタミンDを補うための費用
日照時間が短い冬の間は晴れの日が少なくなかなか太陽の光を浴びられないのでビタミンDが欠乏します。特に、生まれたての赤ちゃんから3歳頃までは毎日ビタミンDを摂取するよう推奨されています。
私達は液体のビタミンDを毎日1滴ずつ飲み物に入れて摂取しています。
錠剤のサプリメントもあり、金額はいずれも1ヶ月分で5ズウォティ(約160円)~と安いものなので、小さな子供だけではなく大人も積極的に摂取したいものです。
ワルシャワ郊外で暮らす私達家族の1ヶ月の生活費
私達はワルシャワ市内から車で1時間弱のところに住んでいます。
夫は起業したばかり、2歳の息子は幼稚園に通い始めたので、食費や水道光熱費は無駄を省くよう心がけています。
以下が4人家族(夫婦、2歳と0歳の子供)の1ヶ月の生活費の内訳です。なお、私達は普段お酒を飲まないので、食費にアルコール代は含まれていません。
- 家賃:2,200ズウォティ(約70,400円)
- 食費:1,200ズウォティ(約38,400円)
- 外食費:300ズウォティ(約9,600円)
- 日用品:300ズウォティ(約9,600円)
- 水道光熱費(冬):1,000ズウォティ(約32,000円)
- 携帯電話(2台):60ズウォティ(約1,920円)
- インターネット:50ズウォティ(約1,600円)
- 交通費・ガソリン代:600ズウォティ(約19,200円)
- 病院・薬代:100ズウォティ(約3,200円)
- 洋服代:200ズウォティ(約6,400円)
- 幼稚園費:900ズウォティ(約28,800円)
- 習い事:80ズウォティ(約2,560円)
- 貯金:500ズウォティ(約16,000円)
1ヶ月合計(4人家族):7,490ズウォティ(約239,680円)
では、このうちいくつかの項目について説明していきます。
家賃:知人から安く賃借
私達が住んでいるのはとても広い2階建ての庭付き一軒家です。
もし同じ条件で物件を借りると、本来なら安くても月5,000ズウォティ(約160,000円)くらいしますが、私達の場合は知人が使っていない家を格安で貸してくれたのでラッキーでした。
ワルシャワ市内でも中心部から少し離れれば家賃は安めで、中心部でもルームシェアや1部屋だけなら月1,000ズウォティ(約32,000円)以下で借りられます。
食費:日本食は外せない
海外に行くと、やっぱり日本の味が恋しくなりますよね!日本食の材料はアジア食材専門店や大型スーパーで買えます。小さなお店でも醤油は売っています。
おいしいお米は1kgで約400円、醤油は1Lで約1,200円、豆腐は一丁約300円、納豆は3パック約300円などと割高ですが、私は3日に1食くらいは日本食を食べたくなります。
外食費:日本よりもリーズナブル
ポーランド人は、レストランで飲み会をするよりもホームパーティを好みます。私達も月に2、3回は友人家族を招いて日本食を振る舞ったり、ポーランド料理の食事会にお呼ばれしたりします。
とはいえ、ワルシャワにはステキなお店ばかり!たまには外で食事をしたくなります。
東京の1人分の値段が家族3人分
実際、家族で月に一度、ファミリーフレンドリーなレストランで食事をすることにしているのですが、前菜とスープ、メインにデザートまで付けても大人1人50ズウォティ(約1,600円)程度で食べられます。
先月、夫と2歳の子供と3人でワルシャワの小洒落たレストランでステーキを食べたのですが、その合計額は東京で食べる1人前の金額でした!
ちなみに、ランチだとワルシャワでも20ズウォティ(約640円)も出せばボリュームのある食事ができます。
チップを忘れずに
ポーランドにはチップ文化があります。
相場は合計金額の10パーセント程度ですが、サービスがとんでもなく悪ければチップを残さないという選択もアリです。しかし、店員さんの働きが良かったり食事が美味しかったりすれば多めに残すと良いでしょう。
光熱水道費:冬は電気代が高くつく
寒さを乗り切るための電気代
ポーランドの冬はとても寒いと前述しましたが、家の中はセントラルヒーティングでぽっかぽかです。
ワルシャワなどの都市では自治体から暖房費が支給されるので無料か一部負担で使えます。一方、ワルシャワ郊外では使った分をそのまま請求されるため、どうしても冬の光熱費は高くなってしまいます。
しかし、夏はカラッと涼しいのでほとんどの家に冷房は設置されておらず、電気代は安くなります。
半年ごとに支払う水道代
水道代は、ごみ収集代やアパートの修繕費積立金などと一緒に半年に一度支払います。
金額は住んでいる地区と人数によって違いますが、1人暮らしで月250ズウォティ(約8,000円)くらいです。
病院・薬代:状況により金額は様々
予約の取りやすい私立は割高
基本的に国立病院の医療費は無料ですが、いつも非常に混雑しています。例えば、検査の予約をしようとしても2年待ち、3年待ちは珍しくありません。
そのため、近い日付で予約ができて待ち時間の少ない私立病院に行く人も多いのですが、それなりに費用はかかります。負担金額は勤務先の保険や各自で加入する保険会社によって異なります。
薬代は高くても薬局は便利
日本と同様にポーランドでも子供の医療費は無料ですが、薬代や任意の予防接種には費用がかかります。
病院から処方箋をもらったら、APTEKA(アプテカ)という薬局で購入します。ポーランドのお医者さんは一度にたくさんの処方箋を出すことが多いので、けっこう薬代がかかります。
ちなみにAPTEKAは街中の至るところにあります。土日や夜遅くまで営業していたり、中心部には24時間営業の店舗もあったりと、需要の高さが伺えます。
幼稚園費:私立でも郊外は安め
ワルシャワの私立幼稚園は全体的に高く、インターナショナルスクールだと月2,500ズウォティ(約80,000円)で、さらに食事代は別途などと高額になります。
息子は私立の幼稚園に通っているのですが、ワルシャワ郊外ということもあり、朝食・昼食とおやつが付いて月900ズウォティ(約28,800円)と安めです。
なお、ポーランドの公立の小中高や大学の学費は一部を除き無料です。
貯金:児童手当を活用
外国人も含め、ポーランドに住んでいて子供が2人以上いる世帯には、手続きすると児童手当が月500ズウォティ(約16,000円)支給されます。私達はこれを貯金に回しています。
ポーランドに旅行で滞在する場合にかかる費用
宿泊費・食費
ワルシャワ中心部での宿泊費は、4つ星ホテルで1人1泊10,000円前後が相場です。Airbnbなどを利用すれば1部屋1泊2,000円前後から借りられます。
私はポーランドに移住する前は、1年に一度のペースで遊びに来ていました。ビザなしで滞在できるのは最大3ヶ月なので、毎回2ヶ月半くらいの期間、ワルシャワの義母の家に滞在していました。
食事はほとんど自炊していたのですが、あまり金額を気にせず食べたい物を買い、飲み水は全てミネラルウォーターにしていたので、1ヶ月の食費は夫と1歳半の子供との3人で約1,500ズウォティ(約48,000円)とやや高めでした。
移動費
他の都市を観光するならバスや電車での移動が安いのですが、かなり時間がかかります。ポーランド国内や近隣ヨーロッパへの旅行は飛行機を使っても安く、あっという間に着くので大変便利です。
私達は昨年(2017年)、ワルシャワからポーランド北西部、ドイツ国境の街であるSZCZECIN(シュチェチン)へ観光に行ったのですが、夫と2人分の往復航空券代は156ズウォティ(約4,990円)でした。
ポーランドでのお買い物事情
最後に、ポーランドでの生活風景を少しご紹介しましょう。
日本ではあまりメジャーではない、またはあり得ないけれど、ポーランドでは当たり前!ということがいくつかあります。その中でも、ポーランドでの買い物の特徴的な点をいくつか挙げてみます。
エコバッグが必須
買い物にはショッピングバッグ(エコバッグ)が必要です。
食品店では有料のビニール袋を買うか、無料の袋があっても小さめのペラペラな薄い袋しかありません。また、洋服店や日用品店でも商品を入れる袋がないと言われることがあります。
私は日本の過剰包装よりポーランド式の方が好きですが、よくエコバッグの容量より多く買ってしまうので、厚手の大きなビニール袋を数枚、小さく折り畳んで持ち歩いています。
嬉しい量り売り
野菜やフルーツ、ハムや精肉、チーズ、大きなパンは基本的に量り売りなので、必要な量だけ買うことができます。
大きなスーパーで野菜やフルーツを買う時は自分で機械に乗せて値段のラベルを発行します。
ハムやチーズはパッケージされた商品もありますが、店員さんに数量を注文してカットまたはスライスしてもらうこともできます。切りたては格別に美味しいですよ!
ラッピングは自分で
先に、買い物しても袋はもらえないと述べましたが、もちろんプレゼント用のラッピングサービスもありません。
誰かにプレゼントしたい時は、品物とは別に雑貨店などで包装紙とリボンを買って自分で包むか、立派な紙袋を買ってそのまま入れます。
クリスマスにはたくさんのプレゼントを自分でラッピングするので、年々ラッピング技術が上達するのだとか。
ただし、日本では1つ100円程で手に入りそうなラッピング材料も、ポーランドでは200~300円かかってしまいます。
お釣りがない!
小さなお店ならともかく、大きなショッピングモールでもお釣りがないと言われることがあります。しかも店員さんは「ごめんね!」くらいの軽い感じです。
日本円にすると1円以下と小さい金額なのであまり気する人はおらず、中にはお釣りを受け取らない人もいます。逆に多めに返ってきたり、端数は要らないよとオマケしてくれることもあります。
まとめ~ヨーロッパ移住の意外な穴場
実はポーランドでは、一部の食品や教材などを除き消費税が23%もかかります。しかし、日常的に支払うのはだいたい日本の半分くらいの金額のものが多い感覚です。
単身世帯なら、費用はもっと抑えられます。
ヨーロッパ移住を検討中で費用が気になっているなら、是非ポーランドを検討してみてはいかがでしょうか。物価が安い上に治安も良く、充実した観光地や美味しい食事もあるという特典付きです!
※この記事の内容は2018年1月現在のものです。
海外求人
あなたの挑戦を待っている!あこがれの海外企業へ就職しよう(海外求人)
あわせて読みたい