2015年7月から日本とポーランドとのワーキングホリデー制度が始まり、さらに2016年1月からは成田とワルシャワを結ぶ直行便が就航しました。今、日本から観光やビジネスでポーランドを訪れる人が増えています!
せっかく10時間以上もかけて来るのなら、ワルシャワ以外の都市にも行ってみたいですよね。ポーランドには日本のガイドブックには載っていない魅力的な街が、まだまだたくさんあります。
ここではポーランド国内の格安移動方法についてご紹介します。※1ズウォティ=約31円(2018年現在)
景色を楽しみながら〜ゆったり列車の旅
ポーランドには日本でいうJRのような存在のPKP(ペーカーペー)という国鉄を中心に、いくつかの鉄道会社があります。
列車の種類
ポーランド国内全域を結ぶ鈍行列車や高速列車、近隣国まで行ける国際列車など様々なタイプの列車があります。
- EIP=Express Intercity Premium(インターシティ・エクスプレス・プレミアム):国内の高速優等列車、要予約、追加料金あり
- EIC=Express InterCity(インターシティ・エクスプレス):国内の特急優等列車、要予約
- EC=EuroCity(ユーロシティ):国際優等列車、要予約
- Ex=Express(エクスプレス):特急列車、要予約
- IC=InterCity(インターシティ):急行列車、1等席は要予約、2等席は予約不可
- TLK=Twoje Linie Kolejowe(格安急行):急行列車、1等席は要予約、2等席は予約不可
- IR=InterRegio(インターレギオ):快速ローカル列車、予約不要
- R=Regio(レギオ):各駅停車のローカル列車、予約不要
- その他、県内や地方限定のローカル列車(ワルシャワ近郊のSKM, KMなど)
国内列車の特徴
「TLK」はエアコンなしで騒音が大きいなどあまり乗り心地は良くありませんが、安いので短距離の移動なら良いかと思います。
また、日中のチケットとほとんど変わらない価格で寝台列車も運行しています。ホテル代を節約できるかもしれませんが、寝心地は期待できません…
一般的にはTLKより乗り心地の良い「IC」の利用者が多いです。それほど価格の差はないので清潔感のあるICがおすすめです。
それより上のランクである「EIC」や「EIP」はほとんどの座席で無料Wi-Fiが使えたりドリンクサービスがついています。車内もとてもキレイですが、価格もそれなりにします。
しかし長距離移動での速さと快適さを重視するなら、決して高くはありません。
※ワルシャワからクラクフまで(南へ約300km)移動する場合の所要時間と2等席の価格の比較(4月平日の日中)
- TLK = 3時間47分・ 64ズウォティ(約2,000円)
- IC = 4時間30分・ 62ズウォティ(約1,940円)
- EIC = 2時間41分・139ズウォティ(約4,350円)
- EIP = 2時間24分・150ズウォティ(約4,700円)
このように、行き先や時間帯によってはICよりTLKの方が早く着く場合があるので、よく調べてからチケットを購入しましょう。
オンライン決済でチケットを購入すると、20ズウォティほど安くなる座席もあります。
https://beta.bilkom.pl/ (ポーランド語)
詳しくはPKPのサイトの乗り換え案内で検索して下さい。
http://mt.rozklad-pkp.pl/en (英語対応)
こちらでもチケットが買えます。週末乗り放題などのシーズンチケットもあります。
お値段重視!〜ゆらゆらバスの旅
列車に比べると所要時間と乗り心地は劣りますが、公共交通機関の中では一番安い移動手段です。
※ワルシャワからクラクフまで移動する場合の所要時間と価格の比較(4月平日の日中)
- Flix Bus(Polski Bus)= 4時間55分・29ズウォティ(約910円)
- PKS Polonus =6時間・50ズウォティ(約1,570円)
Polski Busは路線数も多く破格の値段で人気のバスでしたが、残念ながら2018年4月末で運行廃止となってしまいました。しかし、5月からドイツのFlix BusがPolski Busの路線を走ることになり、今後さらに路線を拡大する予定だそうです。
真っ赤な2階建てのPolski Busが見られなくなるのはちょっと寂しいですが、Flix Busは多くのヨーロッパ各国を繋ぐ大手なので、ポーランド国外にも格安で行けることになりそうです!
旅の予定が決まったらすぐに予約する事をおすすめします。
https://www.flixbus.com/ (英語対応)
意外と安いよ〜あっという間の飛行機の旅
ワルシャワ中心部からフレデリック・ショパン空港への移動はどの交通手段を使っても約30分と近いので、国内線を使っての移動も選択肢の一つとして検討する事をおすすめします!
搭乗手続き等に時間はかかりますが、フライト時間はポーランド国内ならどこでも片道およそ1時間と短いので、本当にあっという間に着いてしまいます。
※ワルシャワ・ショパン空港からヨハネパウロ2世・クラクフ・バリツェ国際空港までの所要時間と4月の最安値
- LOTポーランド航空 = (片道)55分・(往復)204ズウォティ〜(約6,390円〜)
ご存じの方も多いと思いますが、世界中のフライトを調べるには「スカイスキャナー」というサイトが便利です。ワルシャワからクラクフ以外の街へのフライトも一発検索できます。
https://www.skyscanner.jp/(日本語も対応・メニューから言語と表示通貨が選べます)
安い安い!ライアンエアー
ライアンエアーはアイルランドの格安航空会社(LCC)です。ヨーロッパ各国を結ぶ国際線がメインですが、ポーランドではワルシャワと一部の都市を結ぶ国内線も就航しています。
LCCなので空港の一番端にカウンターが設けられていたり、機内の座席が狭かったりします。また、受託荷物や座席指定に追加料金が掛かりますが、過去には手荷物だけの場合、数百円で乗れたこともあったそうです。
※ワルシャワ・ショパン空港からシュチェチン空港まで(北西に約530km)の所要時間と4月の最安値
- ライアンエアー =(片道) 1時間15分・(往復)66ズウォティ(約2,050円)
※1日1便、往路復路ともに夜20時頃のフライトのみ
- LOTポーランド航空 =(片道) 1時間10分・(往復)259ズウォティ(約8,030円)
詳しくはライアンエアーのサイトをご覧ください。
https://www.ryanair.com/gb/en/ (英語対応)
おしゃべり好き必見!〜わいわいBlaBlaCarの旅
旅の醍醐味はやっぱり現地の人と交流することですよね。BlaBlaCarはドライバーが同乗者を募集、またはあなたと同じ目的地に行くドライバーを検索できるサイトです。
https://m.blablacar.com/(英語対応)
BlaBlaはぺちゃくちゃ(しゃべる)という擬音語で、おしゃべりしながら相乗りして目的地まで行きましょうというのがコンセプトです。このカーシェアリングは、今やヨーロッパでは定番の移動方法になりつつあります。
まず、出発地と目的地、出発日を入力し検索します。するとドライバーの名前や年齢、顔写真、出発と到着の予定時間、募集人数、車種、料金、おしゃべり度合い、音楽、タバコやペットの有無などが一覧で出てきます。
知らない人の車に乗るのはちょっと心配かもしれませんが、これまでの利用者数や利用者の評価を見てドライバーを選べるので安心です。念のため、女性は深夜出発の車に乗らない、女性ドライバーの車に応募する、などの配慮は必要です。
ポーランドの公用語はポーランド語です。多くの若いポーランド人は英語を話せますが、事前に英語OKか質問してみると良いでしょう。
英語もポーランド語も苦手な人はおしゃべりが苦手なドライバーを選んだり、音楽の趣味が合う人を選ぶのも良いでしょう。
所要時間はドライバーによって異なります。目的地へ直行する人がほとんどですが、仕事の都合などで寄り道する場合もあります。
※ワルシャワから各都市への料金例(5月平日の日中)
- クラクフ=30ズウォティ〜(約930円〜)
- グダニスク=45ズウォティ〜(約1,400円〜)
- ポズナン=39ズウォティ〜(約1,210円〜)
- ヴロツワフ=20ズウォティ〜(約620円〜)
ドライバーが自由に料金を設定するので、金額は様々です。深夜出発だとこれより20ズウォティほど高めだったり、出発時間直前になると半額くらいに値下げする人もいます。
無事に目的地に着いたら料金を払い、後ほどサイトで評価をつけて終了です!
レンタカーを借りるという手段もありますが、ポーランド語の標識が多く分かりにくい上に、料金は安くありません。BlaBlaCarだとレンタカーより気軽ですし、貴重な体験になること間違いなしです!
番外編〜ワルシャワ近郊の移動なら
このように、ポーランド国内の主な移動手段は列車、バス、飛行機、車です。しかしワルシャワ近郊に限りますが、格安自転車の旅もおすすめです!
ワルシャワ市内や近郊には、無人のレンタサイクルステーションがたくさんあります。2018年5月現在、366ステーションと5,292台の自転車があります。
「VENTURILO」というサイトで事前に登録しておけば、24時間いつでも自転車を借りられます。(以下、通常の自転車の料金)
登録料10ズウォティ(約310円)
- 20分まで無料
- 60分まで1ズウォティ(約31円)
- 2時間まで3ズウォティ(約93円)
- 3時間まで5ズウォティ(約155円)
- 4時間まで7ズウォティ(約217円)
4時間を超えると1時間超過するごとに7ズウォティかかります。12時間を超えると200ズウォティ(約6,200円)と一気に高額になります。さらに、自転車を壊したり、紛失してしまうと2,000ズウォティ(約62,000円)の罰金となりますのでご注意を!
自転車を大切に扱うのはもちろんの事、20分毎にレンタサイクルステーションをうまく乗り継げば利用料は掛からず、2時間借りても100円以下と格安です。通常の自転車の他に、電動自転車や子供用自転車、2人乗りの自転車もあります。
平日の夕方16時前後からワルシャワ市内はひどい渋滞が発生するので、その点においても自転車移動は便利です。
また冬の間は撤去されますが、これからの季節には特におすすめです。ポーランドは湿度が低く、夏は気温が高くてもカラッとした暑さです。緑豊かな公園や歴史的街並みを見ながらサイクリングするのはとても気持ちが良いですよ。
VENTURILO(英語サイト):https://www.veturilo.waw.pl/en/
まとめ
※ここで街が終わります、の看板
ポーランドの面積は日本の約5分の4ですが、日本のように高速移動できる新幹線はありません。また、主要都市を結ぶLCC飛行機がたくさん飛んでいるわけでもないので、ポーランド国内を移動するには大変時間が掛かります。
日程が合えば安くて早いLCC飛行機を使うのがおすすめですが、小さなお子様連れの場合は鉄道の方が気楽です。単身者ならBlaBlaCarが面白いと思います。
もし日程に余裕があれば、あえて鈍行列車に乗ってゆっくりとポーランドの田園風景を楽しみながら移動するのも良いですね。
お気に入りの街が見つかりますように!
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