ヨーロッパに滞在することになったら、いろいろな国を訪れてみたいですよね。移動手段には電車、自家用車、レンタカーといくつかの選択肢があると思います。
ですが、バスはなんとなく怖い、時間がかかりそう、とあまり良いイメージがないかもしれません。
今回、ヨーロッパの格安長距離バス「FLiXBUS(フリックスバス)」を使ってベルギーからオランダに行ってきた私の経験をもとに、ヨーロッパの高速バスをご紹介します。次の旅行はお得にバスで行ってみませんか?
「FLiXBUS(フリックスバス)」とは
FLiXBUS(フリックスバス)は2011年にドイツのミュンヘンで設立された会社で歴史は浅いようですが、2018年にはヨーロッパだけでなくアメリカにまで市場を広げています。
20ヶ国、1,000もの拠点を繋ぐバスが毎日120,000便運航しているという会社で、ヨーロッパでも人気があります。
「電車、飛行機、バス」自分に合った移動手段を調べるおすすめ検索サイト
旅行に行くと決めたらまずは、検索サイト「GOEURO」で移動手段の値段や時間の比較をしてみましょう。
私も今回の旅行で初めて利用してみたサイトなのですが、電車、バス、飛行機と3つの移動手段を同時に比較検索できるのです。いちいちそれぞれの移動手段のサイトを開いて検索する必要がないので、とても便利です。
GOEURO
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まずは「GOEURO」を開いて、出発地、目的地、出発日時をいれましょう。
黄色の「Search」ボタンを押すと、検索結果がすぐにでます。左から「Train」「Bus」「Flight」と青色で表示があるので、それぞれの移動手段の検索結果を見て、比較することができます。
電車、バス、飛行機、それぞれの最安値が表示されています。
実際に検索してみよう
例えば、ベルギーのブリュッセルからオランダのアムステルダムまで行く場合は、IC(Intercity:インターシティと呼ばれる電車で、急行または普通列車のこと)で片道52ユーロ、国際高速列車タリス(フランスのパリ、ベルギーのブリュッセル、オランダのアムステルダム、ドイツのケルンを結ぶ国際高速列車)は81ユーロです。
一方でバスの場合はFLiXBUSを選ぶと片道22ユーロとかなりお得です。もちろん時間は一番かかりますが、交通費を節約して食事を豪華にしたい、憧れのホテルに泊まりたい、など差額分を他にかけることができます。
また、交通費が安いと思うと他の場所にも行きやすくなりますよね。
- IC 52ユーロ 2時間49分
- タリス 81ユーロ 1時間50分
- フリックスバス 22ユーロ 4時間4分
FLiXBUS利用レポート(ベルギーからオランダへ)
では、実際にFLiXBUSでどのような体験をしたのか、ご紹介したいと思います。まず、結論から言うと、私は「もう一度利用したい」と思いました。
ですが、私の同行者は「賢く利用しないと大変なこともある。利用はよくプランを練ってからにしよう。」という感想でした。
行きは運転手さんも明るく冗談を言うようなドライバーさんで遅延もありませんでした。ですが、帰りは2時間遅れの到着で、かつ、ドライバーの対応が行きに比べてかなり不愛想で、残念でした。詳細についてはこれから順を追ってレポートします。
ベルギーからオランダへ(往路)
まずは、ベルギーのブリュッセル・ノード(ブリュッセル北駅)から出発です。普段、ブリュッセル北駅には用事がないので、あまり行くことはありませんでしたが、北駅周辺はオフィス街のようで、高層ビルが立ち並んでいます。
私たちは土曜日に出発して月曜日に帰ってくるという旅程だったのですが、休日は駅のバス乗り場直結出口からバス乗り場まで行こうとすると、かなりの数のホームレスがいて雰囲気はよくなく、臭いもきつかったため警戒しながら歩きました。
帰りは平日だったこともあり、オフィスワーカーもたくさんいて、活気ある様子でした。日によって駅の雰囲気が違うのだな、と思いました。北駅自体にはコインロッカー、両替所、トイレ等があって便利な駅だと感じました。
おすすめなバス乗り場の出入り口は?
最も大きなSimon Bolivar出入口です。ブリュッセル北駅からバス乗り場まで行く場合、この出口から駅を出て、階段を下ります。駅を背にして右手側にバス乗り場がありました。
この出口以外にもバス乗り場に直結する出口がありましたが、前述したように直結している方の出口は雰囲気が良くなかったので、帰りはこのSimon Bolivarを利用して駅に入りました。写真はSimon Bolivar出口から出たときの様子です。
バス乗り場へ行くと黄緑色の車体のFLiXBUSがずらっと並んでいます。全てのバスが2階建てのバスでした。
行先を書いた紙がそれぞれのバスのフロントガラスに貼ってあるので確認してください。不安でしたら、バスドライバーに確認してください。
私達は15分前に乗り場に着いたのですが、車内にはすでに多くの乗客が乗車していました。乗る前にはアプリやメールで届いたEチケットを見せるか、印刷した紙を見せて乗ります。
車内は綺麗で、清潔でした。座席も広々としていて、トイレがあり、コンセントが各座席についており、また、WiFiが完備されたバスです。
最初にドライバーから「シートベルトを締めてください」等の案内がありました。
「オランダからコカインは持って帰ってこないでくださいね。ただし、私が試す分は別に持ってきてくれてもいいですよ」と冗談を言ったり、「シートベルトをしていないそこの君、どの国の出身だい?笑ってるそこのあなた、あなたも要シートベルトだよ」と乗客をいじったりしていました。
日本の長距離バスにあるようなトイレ休憩はなくノンストップです(車内にトイレ完備のため)。飲み物、食べ物等は事前に用意して乗り込みましょう。
FLiXBUSについて調べていると、軽食等はバスのドライバーさんから購入できるというような記事も見かけましたが、実際に買っている人は私が利用したバスにはいませんでしたし、ドライバーさんからのそういった声かけもありませんでした。
また、バスが出発するとドライバーさんは運転に集中されますし、バス走行中に購入は難しいのではないかと思います。
北駅にはスターバックスやパン屋さん、Simon Bolivar出口周辺にもカフェがありましたから、時間に余裕をもってそういった場所で購入することをおすすめします。
バスに乗ってしまったら、ウトウトしている間にあっという間にオランダの「ソルトダイク駅」に着きました。帰りも同じ場所に戻ってくればよいとのことで、不安だったアムステルダムでの乗り場が確認できました。
写真はブリュッセルからアムステルダムに着いた時の様子です。ご覧のように、乗客が自分のバスに乗ろうと詰めかけます。フリックスバスだけでなく、他社のバスも停留していました。
帰り(復路)
帰りは正直なところすごく疲れました。まず、バスが集合時間から45分ほど遅れて到着しました。日本のバス乗り場のように待合室があるわけでもなくただ、外で待つしかありません。
そして、なんのインフォメーションもないので、周囲で同じように待つ乗客と「自分たちのバスはまだ来ていないよね?」と確認し合うしかありませんでした。
ようやくバスが来たと思ったら、特に遅れた理由等の説明はなく、出発しました。朝のドライバーと違って、シートベルトなどの説明も一切ありません。ドライバーによって接客の質がかなり違うようです。
途中で突然のドライバーさんの休憩があった際にも一切説明はなく、何もないところで止まっているだけなので私たちは何もできません。さらには、帰宅ラッシュに巻き込まれているようで、結局2時間遅れでブリュッセルに到着しました。
私達は帰宅までにもう1本電車に乗らなければならなかったので、終電に間に合うか冷や冷やしました。
FLiXBUSで旅行する時のポイント
※私たちが行ったチューリップで有名なオランダ、キューケンホフの写真です。
※オランダの街並みの写真です。
良い面、悪い面の両方をご紹介しましたが、「気軽に手頃に旅行できる」という点においてバス旅行は魅力的だと思います。次にまとめたポイントにさえ気を付ければ、「電車で乗り換えをしなければならない」といった不安もなくなるのでとても便利です。
余裕のある旅行プランを立てる
FLiXBUSで旅行する際に、旅行の優先順位をよく考えて賢くバスを利用してください。やはり、「安い」ことは魅力ですが、電車等に比べて時間が読めない旅になります。
バスの終着地が自分の最終目的地なら、多少遅れても問題ないかもしれません。ですが、もし、飛行機や電車で次の目的地に移動しなければならない旅程の場合は行きはバス、帰りは電車というように、ご自身のプランに合わせてバスを使いましょう。
ラッシュアワーを避ける
ベルギーやオランダのみならず、ヨーロッパのラッシュアワーは日本より早く始まります。
ベルギーでは4時にはラッシュアワーが始まるのでその前に出発する便か、混雑がなくなる6時から7時に出発する便を選ぶのも遅延を避けるポイントかもしれません。
Eチケット
Eチケットを利用する際は、携帯電話の充電を十分にしておいてください。見せられなかった場合にトラブルになる可能性があります。
パスポート
私達は、今回はパスポートやベルギー滞在許可証を見せる必要はありませんでしたが、知人はパスポートを見せるよう言われたそうです。
集合時間の15分前に集合場所へ
いつもいつもバスが遅れてくるわけではありません。15分前には集合場所で待機するようにしましょう。また、行き先を確認するには自分でバスのフロントガラスに貼ってある紙を見るか、バスドライバーに尋ねて確認してください。
まとめ
せっかくヨーロッパにいるのだから、陸続きの利点を活かしていろいろなところに出かけてみましょう。時期によっては信じられないくらい安く移動できる便もあるようです。ただし、時間が読めない乗り物だと思って、余裕のある旅程を組みましょう。
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