私がボリビアに住むようになって4年目になりますが、日本に帰ると友人に「ボリビアで怖い思いをしたことはない?治安悪いでしょ?」とよく質問されます。
確かに、日本ほど安全な国はないとか、日本人は平和ボケしている、なんて言われたりしますよね。
この記事では、そんな気になるボリビア・サンタクルスの治安について、またどんなことに気をつければいいのかを詳しくご説明します。
記事の目次
ボリビア・サンタクルスは中南米諸国の中では安全
何年か前に、新婚旅行でエクアドルを訪れた夫婦が現地で銃撃され1人が亡くなったという事件がありましたね。日本でも大々的に報道され、「中南米は危ない」というイメージを持っている方も多いと思います。
確かに、中南米諸国には治安がとても悪く常に危険と隣り合わせの街も多くあります。しかし、ボリビアはその中では安全な国と言われており、これまでに、私自身危険な目にあったことは一度もありませんし、そういう話もほとんど聞きません。
アメリカのような銃社会ではないため、警察以外で銃を持ち歩いている人もまずいません。
コカの栽培・販売が合法なので、中米の国々で多い麻薬抗争に関連する犯罪なども多くありません。ボリビア人は良くも悪くも欲がない人が多く、犯罪に手を染めてまで大金を手に入れようなんて考える人は少ないのかな、とも感じます。
とはいえ、やはり日本と比べると治安は悪く、小さな犯罪は日常的に起きているのが現状です。ガチガチに緊張する必要はありませんが、そのような犯罪に巻き込まれないよう気を配りながら生活していく必要はあると思います。
ボリビア・サンタクルスでは外国人=お金持ち?
多くのボリビア人が「自分たちは貧しい国の国民で、外国人はお金を持っている」と考えています。そのため、国の治安はあまり悪くなくても、外国人を相手に小銭を稼ごうと思う人は多いです。
例えば、人ごみの中で財布やケータイなどを盗むといった犯罪はもちろん、普段のお買い物でもお釣りをごまかしたり、店員さんが商品の値段を定価より高く言ったりすることは日常的です。
私の友人はボリビアについた当日、5BOB(約80円)のコカ・コーラを買うために50BOB(約800円)のお札を出したところ、お釣りに15BOB(約240円)しか渡されませんでした。
私がすぐに「お釣りコレだけ?」と言ったので、無事に残りのお釣りも返ってきましたが、笑いながら「間違えちゃった!」と言いつつ、金額を確認もせずにぴったり差額分が返ってきたので、あれは確実に確信犯だったと思います。
ボリビア・サンタクルスの犯罪多発地域
いつでもどこでも周りを警戒する必要はありませんが、スリなどの犯罪が頻発するエリアでは特に注意する必要があります。
サンタクルスの街の中心部近くにあるLos pozos(ロス・ポソス)や Ramada(ラマーダ)などの市場は、いつもたくさんの人で混み合っていて、スリが発生しやすいエリアです。
道の両側に露店がひしめき合い、狭い路地を進んでいくような場所もあります。強い日差しを遮るために、ブルーシートで道全体が覆われていて、昼間でも薄暗く視界が悪いことも、スリが発生しやすい一因になっています。
また、毎週水曜と土曜に開催されるBarrio Lindo(バリオ・リンド)という定期市や、毎週木曜に開催されるCumavi(クマビ)という古着市場でもスリがよく発生します。
たくさんの人が、お買い物をするためにお金を持って集まってくるので、そんな人を狙った犯罪が頻発します。友人はCumaviでリュックに入れていた買ったばかりのスマホを盗まれてしまいました。
また、サンタクルス市内を走っているMicro(ミクロ)というバスの中も要注意です。日本にいるような感覚でウトウトしてしまったら、ポケットに入れていた財布やスマホがなくなっていた、なんてことにもなりかねません。
また、通勤や通学の時間は、ぎゅうぎゅう詰になるほど込み合うので、要注意です。
ボリビア・サンタクルスでスリに合わないために
「今日はがっつり買い物をするぞ!」と意気込んで市場に来たのに、スリにあってしまったらがっかりですね。そんなことにならないために、いくつかのポイントを覚えておきましょう。
まず、人ごみにいる時には、リュックやショルダーバックは必ず体の前に持ってくるようにします。また、男性はズボンの後ろのポケットに財布やスマホを入れてしまいがちですが、これも危険なのでやめましょう。
商品を選ぶのに必死になってカバンを足元に置いたりするのも、もちろんダメですよ。
また、日本人の場合、そこにいるだけで目立ちますし、ほとんどのボリビア人は「あの人は外国人だからお金持ちだろう。」という目で見ています。常に自分は外国人だということを忘れてはいけません。
お金を払う時に財布の中の大金がチラッと見えると、ターゲットにされてしまって、隙を見計らってお財布を取られてしまうなんてこともあります。
お財布に入れておくのは少しの現金だけにして、それ以外の現金は別の財布やポーチに入れて、カバンの内側のファスナー付のポケットに入れておくのが賢い対策だと思います。
ボリビア・サンタクルスで私刑という習慣
最後にご紹介したいのが、ボリビアにある「私刑」という習慣です。
殺人などの大きな犯罪が発生した時に、警察が逮捕して裁判にかけたうえで司法によって裁くのではなく、地元の人たちが自分たちの手で制裁を加えるという習慣です。
何年前の話?という感じですが、ボリビアには今でもその習慣が残っています。
もともとは、サンタクルスではなく、Oruro(オルロ)やPotosí(ポトシ)など山間部の習慣なのですが、サンタクルス県内でも、その地域出身の人がまとまって住んでいる場所があり、そこでは実際に私刑が実行されることも。
2年ほど前、私が住んでいる場所から車を30分ほど走らせた場所にある隣町で殺人事件が起きた際に、警察が犯人と思われる男性を逮捕しました。
しかし、その後地元の人たちが警察署に押し寄せて、犯人を引きずりだし、街の中心にある大きな公園で集団リンチにし、最後には生きたままガソリンをかけて焼き殺してしまうという、話を聞いただけでも胸が痛くなるような事件が起きました。
しかも、殺されてしまった人は、自分は犯人ではないと主張していたらしく、今となっては真実は闇の中です。警察も、民衆の力を恐れてなにもできないという状態だったそうです。
とても恐ろしい習慣ですが、地元住民はこの習慣を恐れているため、ある意味では犯罪の抑止力となっています。
普通に生活をしていれば、日本人がそんなことに巻き込まれることはまずありませんが、普段から地元の人に愛想よく接して良い関係を築いておくこと、「あの日本人はいい人だ。」と思われておくことが身を守ることに繋がります。
まとめ
サンタクルスは、他の中南米の国々と比べると治安が良く住みやすい街です。とはいっても、日本にいる時と同じ感覚で警戒を怠ると、スリなどの小さな犯罪に巻き込まれてしまうことも。
現金を取られるだけでなく、大事なパスポートやクレジットカード、思い出の写真がたくさん入ったスマホなどを取られてしまったら大変です。そんなことにならないよう、普段から気を引き締めつつ、サンタクルスでの生活を楽しんでくださいね。
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