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宿泊施設予約サイトは本当に便利なの?ラオスで感じる宿泊施設予約サイトの功罪とは

バックパッカー

※新しい町に到着し宿に向かう旅行者、多くの旅行者が既に予約サイトで宿の手配を終えています。

「外国人が何言っているか判らないから説明して!」ラオス人の友人が経営する宿(ゲストハウス)に遊びに行くと、時々そう言われて旅行者の相手をさせられることがあります。

この場合、大概が宿泊希望者のクレーム対応なのですが、近年クレームの中で増加傾向にあるのが「予約サイトで予約しているのだけど部屋が用意されていない」や「サイトに掲載されている写真とイメージが違う」などのクレームです。

そこでこの記事では、爆発的に利用者が増加している「宿泊施設予約サイト」の功罪について考えます。

目次

宿泊施設予約サイトのシステムとは

宿泊施設予約サイトのシステム

※有名予約サイトはリーズナブルに宿を予約できることで瞬く間に個人旅行の旅行スタイルを変えました。

宿泊施設予約サイトのシステム

※それにしても安いですね!ユーザー側に立った運営スタイルは高く評価できると思います。

初めて訪れる知らない町で、今夜の宿泊先がまだ決まっていないというのは不安なものです。そんなときに頼りになるのが「宿泊施設予約サイト」ですね。年々利用者の数が増加しており、サイト数も増えてきています。

旅行者側のシステムの利用方法は皆さんご存知でしょうが、一応宿泊施設予約サイトの利用の流れをおさらいしておきます。

  1. 宿泊施設予約サイト内で宿泊予定のエリアを検索、希望の条件検索で宿泊施設を絞込む。
  2. 宿泊施設の料金や空き状況を確認し予約をクリックする。
  3. 事前支払いの場合、クレジットカード情報を入力、現地払いの場合は予約完了。
  4. 予約完了を証明するバウチャー画面を、プリントアウトかスクリーンショットで宿に提示しチェックイン。現地払いの場合は支払いを行う。
  5. 宿泊施設の利用完了後チェックアウト。

旅行者を受け入れる宿泊施設側から見た宿泊施設予約サイトのシステムは、このような流れで機能します。

  1. 予約サイトに業者登録し自分の経営する宿情報を掲載する。
  2. 宿側が空室情報をサイトにアップする。
  3. 旅行者が予約を行い、サイトに支払いを行う。
  4. サイトが宿側に予約確定の連絡を行う・旅行者が実際に宿泊する。
  5. 支払い方法が事前支払いの場合は、宿が宿泊費をサイトに請求する。
  6. サイトから宿側に宿泊費が振り込まれる。

この5~6ステップで、旅行者は知らない町で宿無しの不安から開放され、宿側は自分で営業活動を行うことなく宿泊客をゲットできる!とウィンウィンの素晴らしいシステムのように感じますね。

ですが、実は旅行者と宿側双方の関係は「水と油」、メリットとデメリットが相反する場合が多いのです。

宿泊施設予約サイトのメリットとデメリットとは

インターネット環境さえあれば世界中の宿泊施設を格安で手配することができる、革命的なこのシステムの台頭は、旅行業界にとって衝撃的な出来事であると言えます。

しかしどんなシステムにも必ず落とし穴が隠されていて、利用することで生じるデメリットは存在するものです。

宿泊施設予約サイトを利用するメリットは?

メリットは旅行者、宿側双方にあります。

旅行者のメリット

  • 初めての町で宿探しをする手間が省ける
  • 宿泊価格の相場を確認することができ、予算に合わせた宿選びができる
  • 旅行予算で大きなウェイトを占める宿泊費を事前に支払うことができる
  • 最安値で宿を利用することができる

宿側のメリット

  • 宿の存在を世界中に宣伝できる
  • 客引きを行わなくても集客が見込める

旅行者寄りのスタンスをとる宿泊施設予約サイトが多いので、メリットは旅行者側に多いと言えますね。

宿泊施設予約サイトを利用するデメリットは?

ゲストハウス

※かつてのゲストハウスでは、この部屋でも綺麗な部類に属していました。

ベッドルーム

※このレベルだといわゆる「安宿」の風情が漂ってきます。

何かしらのサービスを利用するとデメリットは必ず発生するものです。宿泊施設予約サイトを利用して発生するデメリットは次のとおりです。

旅行者に発生する可能性があるデメリット

  • 宿の立地が想像以上に悪いケースがある。
  • 部屋のグレードがサイトに掲載されているものと違うケースがある。
  • 宿のスタッフの接客態度が悪い場合がある。

宿側に発生する可能性があるデメリット

  • サイト側が勝手にプロモーションを行ってしまうことがある。
  • 常に予約状況を監視する必要がある。
  • 掲載情報の管理の手間が増える。
  • 現地支払いの場合にノーショウ(無断キャンセル)の可能性がある。

宿泊予約サイトの利用者の中には、同一期日に同じエリアでの現地払いの予約を複数行い、全ての宿でウォークインの客を装って宿の内覧と値段交渉を行う人が存在します。

交渉で思うような金額を引き出せなかった場合に予約バウチャーを利用するという、マナーの悪い利用者が存在することも見逃せない事実です。

実際に宿泊施設予約サイトを利用してみた感想は?

ホテル

※しっかり内覧をすればリーズナブルに清潔な宿に泊まることができますよ。

かつて、バジェットツーリストであるバックパッカーのスタイルで旅行をしていた経験上、「宿は現地到着後に探す」というウォークインが、私の旅行スタイルでした。

しかしLCCを利用してラオスからインドネシア・バリ島へ遊びに行った際に、飛行機の到着時刻の問題から、初めて宿泊施設予約サイトを利用しました。

1回の旅行で宿泊施設予約サイトを2度利用してみたものの?

二段ベッド

※デラックスツインの衝撃映像!確かにツインと言えばツインですけどね。

プール

※早起きして移動した宿はプールサイドで120,000ルピア(2012年当時のレートで約1,200円)です。

バリ島に到着し、空港から宿までの間に「いやぁ、便利な時代になったものだ」と上機嫌でゆっくりと食事を済ませ、深夜02:00過ぎにチェックインしました。

予め到着時刻は連絡しておいたので、問題なく部屋に案内されました。予約しておいたデラックスツインの部屋に入ると「ん?」。

部屋の状態は、元バックパッカーなら許容できるものの、お世辞にも清潔とは言い難いものでした。バスルームは裸足で入るのが躊躇われるほど汚れていて、バスタブや床の掃除をしてから使用しました。

結局、翌朝06:00過ぎに起き出して以前利用していた宿を訪ね、空きを確認しそのまま宿替えしました。

さらにラオスへの帰国時に、再び予約サイトを利用してマレーシア・クアラルンプールで2泊することにしました。

到着当日(またしても深夜です)カードキーを受け取り、部屋のドアを空けるとなんと「2段ベッド」が設置されているではありませんか!私の予約は「デラックス・ツイン」です。

さっそく受け付けに戻り「予約はデラックス・ツインなんだけど、このホテルのデラックスツインは2段ベッドなのか?」と確認すると「Yes! sir」の回答です。

「2段ベットに寝るのに「サー」ってなんだよ!」とトンチンカンな怒りをぶつけたものの、他に空きがないそうで部屋替えもできません。さらに連泊の2日分は既に支払っているので、宿替えもできませんでした。

この経験から現在、私は「宿泊施設予約サイト」を利用していません。因みに翌朝「Mr!部屋を変えましょう!」と受付のスタッフから鍵を受け取った部屋はちゃんとした「デラックス・ツイン」でした。

写真掲載施設の基本情報

二段ベッドの宿

  • 名称:Chill in
  • 住所:5 Janal Yap Ah Loy KL Malaysia
  • アクセス:エアポートバス終点停留所近く
  • 電話番号:非公開

なぜ宿泊施設予約サイトの利用でマイナートラブルが発生するのか?

宿泊施設予約サイト

※大手予約サイトを使用したものの、私にとって残念な結果となりました。

私が経験したマイナートラブルや、友達の宿で処理させられる旅行者からのクレームは、全く同質なものです。

これは宿側が「予約確認を怠っている」か「目の前のウォークインの新規客を取るために、予約客の部屋をダウングレードしている」ために発生するトラブルです。

SNSの更新は熱心に行っても、肝心のビジネスメールの確認ができないのが、ラオス人を始めとする東南アジア人の特性だと言えるでしょう。

管理ができない人達に、ハイテクサービスを求める方が間違っているのではないかと最近私は感じています。

宿泊施設予約サイトにも若干の問題点が!

友人が自分の宿を宿泊施設予約サイトに登録したきっかけは、サイト運営会社の営業が、私の住む町の宿泊施設の新規登録開発に訪れたことです。

その際に営業担当者が口走った言葉「とにかく登録してください!費用は一切掛かりません!部屋のグレードも問いません!屋根さえあれば壁がなくても登録できるのが当サイトの特徴です!」が忘れられません。

登録件数を増やしたマンモスサイトになることで、アクセス数が増えるからとも言っていました。

また、旅行者の支払った宿泊料金からシステム使用料が徴収されることや、一定の金額以下ではサイトが預かる宿泊費の振込が受けられないこと(これは宿泊単価が安いゲストハウスにとって痛手です)などの説明が少なかったのも問題ではないかと感じます。

人気の高い「現地払い」の場合、既に紹介した「何軒もの宿を予約し、部屋の内覧を行った後に気に入った宿に宿泊する」という問題も発生しています。

直接値段交渉を行って安くならない場合に、予約バウチャーを取り出し「なら、この金額で」とサイト経由で予約している事実を明かすのです。

このシステムでは宿側が予約サイト旅行者を大切に扱わなくなるのもしょうがないと感じます。

上手に宿泊施設予約サイトを利用する方法とは?

ホテル

※ラオスの中級以上のゲストハウスはバジェットホテルと変わりないものもあります。

到着したばかりの町に既に宿が確保されている安心感は、旅行中のストレスを大きく軽減します。宿泊施設予約サイトの利用価値はここにあると言えるでしょう。

宿の居心地を左右する部屋のクオリティやスタッフの人柄は、実際に宿まで足を運ばない限り、予約サイトでは確認しようがありません

実際に「予約した宿が最悪で宿替えしたい」「予約した宿より素敵な宿を見つけたから宿替えしたい」という旅行者に出会うのですが、既に滞在予定の全てを予約済みで「もったいなくて宿替えできない」という事態に陥っている人は意外と少なくありません。

写真掲載施設の基本情報

  • 名称:DOMON Guest House
  • 住所:ラオス・バンビエン以下不明
  • アクセス:バンビエン中心部ナムソン川沿い(中州のある場所です)
  • 電話番号:非公開

上手な宿泊施設予約サイト利用方法とは

ベッドルーム

※中級ゲストハウスのトリプルルームです。

ベッドルーム

※中級ゲストハウスのファミリールームです。窓からの眺めは絶景でした。

バスルーム

※バスタブ付ですが、ホットウォーターマシンが小さいので、さすがにお湯をためての入浴は無理ですね。

宿泊施設予約サイトで宿の手配を行う場合には、「初日だけ予約しておく」のが、効果的な利用法だと考えられます。

もしその宿が気に入れば宿に直接連泊したい旨を申し出れば、宿側は喜んで受け入れてくれるでしょうし、交渉すれば宿泊施設予約サイトの表示価格を適用してくれる場合もあります。

現在私は宿泊施設予約サイトを、宿泊施設の相場を知ることと、利用したい宿の目星を付けるためにのみ利用しています。

ウォークインで部屋を内覧し宿泊料を確認、値段交渉で折り合いがつかない場合のみ、予約サイトから予約します。

サイトのシステム使用料を引かれない分、宿にとってはメリットがあるので、多くの場合サイト内の表示価格で対応してくれます。

写真掲載施設の基本情報

  • 名称:TCK Guest House
  • 住所:ラオス・バンビエン以下不明
  • アクセス:ワンサナ・バンビエンホテル脇
  • 電話番号:非公開

宿泊施設予約サイトを利用するべき宿泊施設もある

ホテル

※ビエンチャンのバジェットホテルは料金の割に内装や設備が充実しつつあります。

ゲストハウスと呼ばれる宿泊施設を例にとって紹介してきましたが、宿泊施設予約サイトを利用した方がお得に利用できる宿泊施設も存在します。3ッ星以上のグレードの規模の大きなホテルがそうです。

レセプションスタッフが常に予約状況を確認しているので、「予約したのに部屋がない」や「予約したグレードと違う」というトラブルがまずありません。

ホテルでは値段交渉に対応していない場合が多いので、お得に利用したい場合は宿泊施設予約サイトを利用するのが効果的です。

宿泊する施設のグレードに合わせて、臨機応変に宿泊施設予約サイトの利用方法を変えるべきでしょう。つまりゲストハウスを利用する場合での宿泊施設予約サイトの利用は、あまりメリットがないと言えますね。

写真掲載施設の基本情報

  • 名称:Mali Nanphu HOTEL
  • 住所:PangKham Rord Chiengyuean Village Vientiane Lao
  • アクセス:ビエンチャンツーリストエリア内「ラオプラザホテルとナンプー広場を結ぶ通りの中」
  • 電話番号:非公開

まとめ

インターネットの普及と共に様々な情報サービスが世界中に展開されるようになりました。しかし、どんなに完成度の高いシステムを構築しても、人間が介在する限り必ず「ヒューマンエラー」が発生します

確かに「宿泊施設予約サイト」は非常に便利なサービスですが、頼りきってしまわないで、ほんの少しだけでも自助努力を行える余地を残しながら利用するのが、上手な使い方ではないでしょうか。

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この記事を書いた人

2000年から東南アジアを中心に滞在型の旅行(タイに1年半、中国に2年など)を続け2008年にラオスに移住しました。
現在は飲食店の経営や旅行商品の開発を行いながら暮らしています。
趣味はバイクツーリングとビールを飲みながらギターを触ること。
ラオスに興味がある方はご連絡ください。

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