イタリア(だけでなく、海外全般)では時として、日本では起こらないようなことが起こることがあります。窃盗やぼったくりなど、海外特有の問題です。小綺麗にしている日本人は特に狙われてしまう確率が高いように感じます。
だからと言って、家に閉じこもっていても仕方ありません。せっかくの海外生活なのですから、最低限の注意をした上で、しっかりと楽しむことが大事です。
イタリアでの最低限の注意とは何か?私の身に起きた出来事を通して、原因とその対処法をご紹介したいと思います。
お釣りをごまかす
これはイタリアではよくあることです。特にミラノやローマ、フィレンツェなどの観光客の多い都市で多く見られる被害ではないでしょうか。
ローマの駅にスーツケースを置いて街を観光するため、駅の荷物預かりへ行った時のことです。
お金を払うために窓口へ行き、小銭が無かった私はお札で勘定をしました。確か6ユーロほどの支払いを20ユーロ札で支払ったはずです。
窓口の男性は、普通に14ユーロの返金をすればいいところを、必要以上にたくさんの小銭を出してきました。
ちょっと怪しいと思った私は、すぐには手に取らずに、その場で小銭の勘定をしました。明らかに2ユーロ足りていないことに気付き、「2ユーロ足りないよ」と言うと、確認するわけでもなく2ユーロコインを足してきました。
彼は分かっていたのだと思います。観光で来ている日本人には気付かれないだろうと。同様の事は、街の買い物でも起こり得ますので気をつけましょう。
対処法はしっかりとお釣りの額を確認し、間違っているようなら、しっかりと指摘することです。日本人はビビって尻込みしてしまいがちですが、こちらに非は無いのですから堂々と行きましょう。
もちろんただの間違いで起こる事もあります。ですから常に紳士的に振る舞えば、誰も不快な思いはしません。
Tボーンステーキ事件
これは私がまだイタリアに来て間もない頃、日本から観光でやって来た友人とレストランでフィレンツェ風Tボーンステーキを注文した時の事です。
肉厚の巨大なステーキに舌鼓を打ち、さあお会計となりました。渡されたレシートに書いてあった金額は、なんと150ユーロを超えるものでした。レシートをじっくり見て分かったのですが、一人頭およそ1kgのお肉を食べたことになっていました。
後で分かったことですが、大抵の場合、ステーキはグラム単位で注文します。ほぼ初めてTボーンステーキを食べた事もあり、注文の仕方を分かっていなかった私のミスでしたが、何グラム欲しいかというのを言い忘れました。
今思うと、恐らく意図的に1人1kgほどの肉を運んで来たのだと思います。100グラムでおよそ5ユーロですから、ステーキだけで一人およそ50ユーロを注文したことになります。
ここでも、日本人という外見から、多めに会計するように誘導されたように感じました。美味しかったので良かったのですが…
フィレンツェ風Tボーンステーキを注文する際は、しっかりと何グラム欲しいかを明確にしましょう。
※1ユーロ=127円で計算。2018年5月27日現在
バスでデジカメ盗難
これもイタリアに来てすぐに起こった事ですので、約15年ほど前のことになります。
ある時、バスに乗って出かけることがありました。私はその時、ワンショルダーバッグを背中に持っていました。何枚かの写真をデジカメで撮影し、再びバスに乗って家に帰りました。
しばらくして、先ほど撮影した写真を見てみようとバッグを開けると、あるはずのカメラが見当たりません。自分の着ていた服のあらゆるポケットを探してみましたが、見つかりませんでした。
そこで、その日の自分の行動を思い返してみたのですが、唯一カメラがなくなった可能性がある場所は、撮影を終えて乗ったバスの上ということに気付きました。
後で分かったのですが、イタリアの泥棒はプロです。カバンを音も立てずに開けて中にある貴重品を抜き取り、しっかりと閉めるそうです。ですから、誰も盗まれたと思わないというのです。まさしく、自分の状況と同じでした。
その場(バスの上)では気付かず、しばらく経ってから無いことに気が付く。恐ろしいほどの技術でした。
そんなことがあってから、電車やバスに乗る際は、背中の荷物は常に胸の前に置くように心がけています。人混みの多い道路を歩く際も、カバンは常に前で持つようにしてください。
電車で携帯が行方不明
10年ほど前のことですが、夜11時半ごろ電車に乗って家に帰っている途中、10歳ぐらいの二人の物乞いが小銭を恵んでくれと言ってきました。その時は疲れていたので少々冷たくあしらうと、彼らは去って行きました。
しばらくすると彼らは戻ってきました。今度は何かが書かれた紙を、視界を遮るように私の顔に近付けてきました。私は手でその紙をふり払い、「あっちに行ってくれ」と吐き捨てました。
その少年らは走り去り、その後、私のところに戻ることはありませんでした。
電車を乗り換えなければならないため下車し、次の電車を待っているときに気付きました。「携帯が無い」と。
私は電車に置き忘れたと思い、駅の係員にさっきの電車に忘れ物はなかったか聞きました。駅員が電話で確認しましたが、忘れ物は無いとのことでした。乗るはずの乗り換えの電車はすでに出発してしまっていました。
その時、先ほどの二人の物乞いのことを思い出しました。彼らが自分の顔に紙を近づけた際、固執せず足早に立ち去ったこと。それまでは携帯を使用していて、窓際に置いておいたこと。
「やられた」とすぐに分かりました。二人の物乞いの一人が私の視界を遮っている間に、もう一人が携帯を奪ったのです。二人の見事な連携プレーでした。
怒りと、少しの恐怖が湧き上がってきましたが、幸い、財布の中に何人かの友人の電話番号を紙に書いて保管していたため、公衆電話を利用して終電を逃したことを告げ、迎えに来てもらいました。
電車やバスに乗る際は、使用中以外は、携帯やタブレットなどをポケットの中、もしくはバッグの中にしまうようにしましょう。
誰かがあなたの行動を見ています。私のように、むやみに窓際や座席の上に大事なものを放置することは絶対にやめましょう。
また、携帯を無くしてしまうことを想定し、よく連絡を取る友人の番号を財布かどこかに携帯しておきましょう。
プロの仕業。ローマで財布が盗まれる
これは私の経験ではないのですが、聞いたときはちょっとゾッとしたお話です。
大学時代の友人が新婚旅行でイタリアへ来てくれました。フィレンツェを何日間か案内し、その後彼らはローマへ出発しました。
何日かして、日本に帰った友人からメールがあり、そこには色々な事が書かれてありました。フィレンツェでの案内に対する感謝の言葉、そして、ローマでの事件のこと…
彼の話はこうです。奥様と二人でローマの地下鉄に乗りました。朝の早い時間、人も結構いて混み合っていたそうです。
そして、電車から降りて二人は驚きました。なんとしっかりと身体の前に置いてあったポーチがカッターナイフで切られ、財布が盗まれていたと。
幸いパスポートなどの貴重品はホテルに置いてあったらしく、その後無事日本に帰ることができたそうですが、話を聞いたときは、「まさかそんなことが起こるの?」と驚かされました。
ローマやミラノなどで地下鉄を利用される方は、よっぽどの理由がない限り、ラッシュ時の移動は控えた方がいいと思います。
また人混みの多い観光名所でも、泥棒グループがあなたを狙うかもしれません。貴重品は持ち歩かず、必要最低限の物だけを持ち歩きましょう。もちろんカバンは身体の前です。
まとめ
イタリアに限らず、日本から一歩外に出れば様々な予想もしないようなことが起こります。ただ用心しすぎてビクビクしたり、最初から人を疑ってしまうのはよくありません。皆が皆、悪い人たちではないからです。
上記に挙げた例は、注意をしていれば防ぐことができたことです。大事なことは、自分のものは自分で責任を持つということです。
大きく口の開いたバッグで携帯や財布を見せながら歩いていては、泥棒に「どうぞ取って行ってくださいな」と言っているようなものです。簡単に開けられないカバンを持つなど、自分なりの工夫をすることで、大切な貴重品は守ることができます。
ラテンの国イタリア、心は開いても、カバンは開かないように心がけましょう!
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