富の還元!カジノ世界一マカオの社会保障制度とは

マカオ マカオ生活・移住

マカオは2006年にカジノ売り上げがラスベガスを超え、世界一になりました。2018年度のカジノ売り上げは4兆円を超え、歳入の80%以上がカジノ税です。カジノの恩恵で政府が潤っており、マカオ市民は手厚い社会保障を受けられます。

私は配偶者がマカオ市民のため非永久性マカオID(臨時居留権)を持ち、市民同等の保障を得ています。その内容についてお話しすると驚かれることが多いです。カジノ特需に沸くマカオ市民の生活の実態をご紹介します。※1MOP(マカオ・パタカ)=14円

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大盤振る舞い!現金配布

金

マカオの好景気とインフレ

マカオはカジノ自由化をきっかけに、景気が右肩上がりに上昇しました。その規模は年々大きくなっており、次々と誕生する新しいカジノ・リゾートが話題です。

景気の上昇に伴いインフレが進行し、毎年物価が上がっています。マカオ市民の目下の悩みは生活費の増大です。

市民全員に現金配布

政府はインフレ対策や富の再分配を理由に、毎年市民に現金を支給しています。2008年から始まった制度で2019年で12年連続です。

対象はマカオの永久性ID(永住権)か非永久性ID(臨時居留権)を持つ人で、支給額は永住権があれば10,000MOP(約140,000円)、なければ6,000MOP(約84,000円)が受け取れます。

2019年は5年ぶりに支給額が値上げされました。政府から対象者あてに小切手が郵送されます。

子育ても安心!15年間学費無料

学校

無料教育学校という制度

マカオの基礎教育は、幼稚園3年、小学校6年、中高一貫校で6年の15年間です。マカオIDを持つ市民なら、学校によって3歳から18歳まで15年間学費無料で教育が受けられます。この制度には公立、私立を問わず多くの学校が参画しています。

無料教育でない学校やマカオ市民でない児童の場合

一方マカオ市民以外の児童や、インターナショナル・スクールなど一部の学校は学費が必要です。マカオ市民でも幼稚園の学費が年間80,000MOP(約1,120,000円)ほど必要な学校もあります。

充分な政府補助

日本と違い、教科書代は自己負担です。費用は学校によりますが、幼稚園の場合、教科書と教材を合わせて、年間で1,300MOP(約18,200円)ほどです。これについても政府から教科書補助が毎年出ます。金額は以下の通りです。

  • 幼稚園生:2,300MOP(約32,200円)
  • 小学生:2,900MOP(約40,600円)
  • 中高生:3,400MOP(約47,600円)

児童と高齢者、妊婦は医療費無料!

建物

公的医療が無料

マカオには医療施設の種類がいくつかあり、マカオ市民が公的サービスを受ける場合は医療費や薬代が無料になることがあります。12歳以下の子どもや65歳以上の高齢者、妊婦、がん患者などは医療費が無料です。

実は高い医療費

無料対象者以外は通常の医療費がかかります。国民皆保険制度はないため、日本と比べると高い場合が多いです。眼科でものもらいを切ってもらったときは、3,000MOP(約42,000円)ほどかかりました。

実際の医療費

対象者が風邪を引いて薬を出してもらった際にかかる費用の目安は、安い順に以下の通りです。

  1. 公立総合病院、保健センター:無料
  2. 政府補助が出る診療所:7MOP(約98円)薬3日分
  3. 私立総合病院、診療所:300MOP(約4,200円)薬5日分

対応も待ち時間もさまざまなマカオの医療施設

建物  

市民は時と場合によって、医療施設を使い分けています。一見同じようでも、サービス対応や受けられる診療、混み具合など多くの差があります。

公立と私立の違い

公立

  • 基本的に中国語必須
  • 無愛想な対応をされることもある
  • 医療費無料のこともある

私立

  • 英語が話せる職員が多い
  • 先進医療が受けられる
  • 対応は比較的優しい
  • 高額な医療費

総合病院

総合病院は公立と私立が各1か所ずつあります。どちらもいつも混んでおり、公立は野戦病院と称されるほどです。

私立はマカオIDを持たない居住者や旅行者が行くので、たいへん混みます。待ち時間は長く、飛び込みの場合3~5時間かかることがあります。

保健センター

保健センターはマカオ内に11か所あります。無料で健康診断や予防注射、妊婦健診や乳児検診が受けられ、薬やサプリメントを処方してくれます。基本的に予約制です。

診療所

小さな診療所はたくさんあります。内科の場合、風邪が流行する時期でも待ち時間は30分ほどです。

まだまだあるマカオ政府補助

マカオ

このほかにもいくつも政府の補助があり、生活の多くの場面で助かっています。

高齢者はさらに手厚く

65歳以上の市民にはさらに年1回の「敬老金」が9,000MOP(約126,000円)、日本の年金にあたる「養老金」3,630MOP(約50,820円)が13か月分支払われます。

現金支給と年金口座への注入金を合わせると、年間73,190MOP(約1,024,660円)、ひと月平均6,100MOP(約85,400円)ほどになります。

結婚・出産にお祝い金

結婚や出産を迎えた夫婦に、夫婦2人とも申請可能な「結婚補助金」が2,060MOP(約28,840円)、「出産補助金」が5,260MOP(約73,640円)あります。

公共料金も補助

世帯ごとに「電気料金補助」「水道料金補助」があります。電気補助は毎月200MOP(約2,800円)です。水道補助は使用する水の量が少ないほど補助率が高く、水道使用量によって6~42%です。

カジノ自由化から18年目のマカオ

マカオの社会福祉制度は手厚く、恵まれているように見えます。一方、マカオの繁栄に比例してインフレが年々加速しており、生活費の増大は止まる気配を見せません。富の還元には、市民の不満を抑える効果もあります。

カジノは日本の起爆剤となるのでしょうか。近い未来、日本の社会福祉は充実したものになるでしょうか。カジノ自由化から18年目を迎えるマカオの現在を知ることは、日本の未来を予測するのに役立つと私は思います。

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