ブルガリアのビザを取得するための方法は?ブルガリア在住者が解説

ブルガリアのビーチ ブルガリア生活・移住

美しい山と丘陵に囲まれ、ローズオイルやローマ時代の遺跡など豊かな観光資源を持っている国、ブルガリア。最近では西ヨーロッパやアメリカなどの国々から、大勢の外国人観光客が毎年ブルガリアを訪れています。

しかし、ブルガリアでの長期滞在を計画しようとインターネットで調べてみても、具体的な情報を見つけることが難しいのが現状です。

そこで今回は、ブルガリアでのビザ取得に関して、実際にビジネスビザを取得した私の経験も交えて詳しくご紹介します。

ブルガリアで取得できる長期滞在ビザは?

ブルガリアの空

ブルガリアで取得できるビザは15種類ほどありますが、個人として取得できるビザは主に5種類です。

  1. 学生ビザ:国の認可を受けた大学や専門学校などの教育機関への入学許可を持つ外国人への長期滞在ビザ
  2. 就労ビザ:ブルガリア労働社会政策省による労働許可を持つ外国人への長期滞在ビザ
  3. 婚姻ビザ:ブルガリア人またはブルガリアに永住する外国人と婚姻した外国人への長期滞在ビザ
  4. リタイアメントビザ:年金受給者でありブルガリア国内での十分な生活費を持つ外国人への長期滞在ビザ
  5. ビジネスビザ:ブルガリアで商業活動を行なう外国人への長期滞在ビザ

このうち取得が容易なのは学生ビザや婚姻ビザで、取得が最も困難なのは就労ビザです。

ブルガリアで長期滞在ビザを取得するための基本的な書類

書類カバー

ブルガリアでビザを取得するためには次の書類が必要です。

  • 申請書(申請書はブルガリア大使館で受け取ることができます。)
  • パスポート用サイズの写真2枚
  • パスポート
  • 犯罪経歴証明書
  • ブルガリアを含む、ヨーロッパ圏内で有効な最高で3万ユーロの補償のある医療保険 

犯罪経歴証明書とは犯罪の経歴がないことを証明する書類で、各都道府県の警察庁で取得することができます。

申請の際にはパスポートのほかにブルガリアへ移住予定であることを証明できる書類が必要になります。決定されている留学や就労予定先からの文書などがその書類に該当します。詳しくは管轄する警察本部に確認してください。

また申請から受け取りまではおよそ2週間かかります。

3万ユーロ、おおよそ400万円近くの保障額が必要となる医療保険は日本の保険でもブルガリアの保険でもどちらでも構いません。

ただし、日本の保険の場合はブルガリア語への翻訳が必要で、金額もブルガリアの保険と比べてかなり高額のためおすすめはできません。

ブルガリアの学生ビザを取得するには?

学生ビザの場合は先述の基本的な5つの書類のほかに

  • 受け入れ先の教育機関が発行した受け入れ許可の証明書
  • ブルガリアの銀行が発行した振替書類
  • 授業料が振替された銀行口座番号
  • ブルガリア国内の宿泊と住所の証明

が必要になります。ただしこれらの書類は受け入れ先の教育機関が用意してくれるのであまり心配はいりません。

ブルガリアにはたくさんの大学がありますが、特に有名なのはソフィア大学です。日本からも毎年多くの留学生がソフィア大学で学んでいます。

ブルガリアの就労ビザを取得するには?

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就労ビザの場合は基本的な5つの書類のほかに、ブルガリア労働社会政策省の雇用庁により発行された労働許可証が必要になります。この労働許可証は就労予定の受け入れ先の会社が申請することになります。

ただし現状では、申請するためには面倒な手続きと費用がかかるため、特別な資格がない限りは就職先を見つけるのは困難です。

ブルガリアで婚姻ビザを取得するには?

婚姻ビザの場合は基本的な5つの書類のほかにブルガリア国民、またはブルガリアに永住する外国人との結婚証明書とブルガリア国内の宿泊と住所の証明が必要になります。

結婚証明書はブルガリアの各都市にある公共の結婚式場(Ритуален зал)で結婚式を挙げることによって証明書を受け取ることができます。

ブルガリア人と結婚するには結婚相手のブルガリア人のIDカードと結婚する日本人の独身証明書(結婚具備証明書)が必要になります。この証明書はソフィア市内にある日本大使館にて作成できます。

ブルガリア国内の宿泊の証明をするには、住居を借りる予定の家主との契約書を作成し、その後に公証人役場に行き、この契約書が正しく行われたということを証明する公証人のサインをもらいます。

ブルガリアのリタイアメントビザを取得するには?

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リタイアメントビザの場合は基本的な5つの書類のほかに年金収入を得る資格があることを示す書類と、年金が定期的に送金される銀行口座を持っていることを証明するブルガリアの銀行からの書類が必要になります。

年金手帳など日本の年金関係の書類はすべてブルガリア語に翻訳し、その後公証人役場へ行き公証人のサインをもらい、この書類がブルガリアの省庁へ提出できる書類として認められる必要があります。

またブルガリアで年金を受け取るためにはブルガリアの銀行の開設が必要になります。銀行の開設のためにはパスポートと預金するための現金が必要になります。だいたい1時間以内で口座開設をすることができます。

ブルガリアのビジネスビザを取得するには?

ビジネスビザは他のビザよりも取得が面倒ですが、取得後は自由に生活できるのでおすすめです。

ビジネスビザの場合は基本的な5つの書類のほかに

  • 商業登記に登録のための裁判所判決の認証謄本
  • 税登録書類の認証謄本
  • BULSTAT登録(BULSTAT registration)
  • 企業の現在の状態に関する裁判所証明

が必要となります。

ビジネスビザを取得するために

ビジネスビザを取得するためには自分の会社を持つことが必要になります。ここでいう会社とは個人事業主ではなく、有限会社もしくは株式会社のことです。

会社はどこに所在地があっても構いませんので、日本はもちろんアメリカやヨーロッパで会社をつくってビザを作成することも可能です。

アメリカの場合、州によっても違いますが1円からでも会社をつくることはできます。私の場合はベラルーシ共和国で会社をつくりましたが、約20,000円程度で手続きすることができました。

会社設立後は、その会社に関する登記簿を作成します。日本の会社の場合は英訳もしくはブルガリア語訳が必要になります。登記簿には会社名や代表者氏名、会社の住所や電話番号、詳しい事業内容などが書かれている必要があります。

登記簿を作成した後は、ブルガリアの法律事務所へ行き、裁判所へ提出するための認証謄本と税務署へ提出するための認証謄本を作成します。

その際には翻訳された会社の登記簿とパスポートが必要になります。法律事務所にもよりますが、認証謄本の作成には2週間程度かかります。

認証謄本作成後はBULSTATの登録をします。これを行うことによって、自分の会社がブルガリアでも商業活動を行うことができます。

登録はサイトから申請することができますが、難しい場合は法律事務所にお願いすることもできます。登録の際には3,000円ほどの手数料を支払います。

登録がなされるとBULSTATよりカードが送られてきます。そのカードと、先ほど触れました認証登記簿を受け取ってビザの申請をします。

ブルガリアのビザ取得後は?

それぞれの書類を集めてブルガリア大使館で申請しますと、およそ2カ月弱でビザを受け取ることができます。この長期滞在ビザはビザDと呼ばれ、最大180日の滞在が許可されます。

ビザを取得できれば晴れて入国できるわけですが、180日以上の長期滞在のためには移民局にて長期滞在の申請が必要になります。

移民局は各都市ごとにあり、多くの移民局では土日を除く平日の8時から17時まで受け付けています。

申請の際にはビザを申請したときと同じ書類が再び必要になります。そのためビザを申請する際には、あらかじめすべての書類をコピーしておくとのちのち混乱することもありません。

長期滞在の申請後およそ1カ月後にIDカードを受け取ることができます。IDカードには写真と名前と生年月日、カードの有効期限が記されています。

このカードには半年から1年の有効期限があり、有効期限が近づいたら再度移民局にて申請することによって長期滞在を続けることができます。

まとめ

IDカード

長期滞在のビザを取得するにはかなりの準備が必要になります。そのためには多少の英語かブルガリア語の理解力が必要になります。

また日本と違い、ブルガリアでは仕事の遅延や予期しない問題が起こることも時々あります。そのためビザを取得するためには忍耐力と、何があっても動じない精神力が必要です。

最近ではビジネスビザをはじめ、長期滞在ビザをサポートする会社もありますので、もし一人では難しいと感じたらそうした会社を利用するのもビザ取得のための近道です。

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