ブルガリアの公用語はブルガリア語です。首都のソフィアでは若い人を中心に英語が通じることもありますが、ヨーロッパの中では英語が通じにくい国と言われています。
そのため、長期滞在をする人やブルガリアの農村部への旅行を計画している人はブルガリア語の基本フレーズを覚えておくことをおすすめします。
今回の記事では、いざという時に使えるブルガリア語の基本フレーズを紹介します。さらにブルガリアの特徴についてもご紹介します。
ブルガリア語の概要
ブルガリア語とは
ブルガリア語は、南スラヴ諸語の一つであり、隣国のセルビア・クロアチア語やマケドニア語に近い言語です。ただし、南スラヴ諸語のほとんどはラテン表記なのに対して、ブルガリア語はキリル表記です。
日本人がブルガリア語を学習する際には、まずはキリル文字を覚えることが重要です。
ブルガリア語で重要な接尾辞
ブルガリア語の大きな特徴として、接尾辞があげられます。接尾辞とは、英語の冠詞のように特定された単語を強調する時に用いられる用法ですが、英語とは違い単語を変化させることによって冠詞の役割をします。
例えば、ученик(ウチェニーク、生徒という意味)という単語について、特定の生徒について話すときはученика(ウチェニーカ)という単語に変化をさせます。変化の仕方は、男性名詞か女性名詞か中性名詞かによって変化の仕方が異なります。
日本には冠詞の概念がないため、リンゴについて話す時でも、特定のリンゴなのかリンゴ全体の話をしているのかの区別はつけませんが、ブルガリア語では重要になりますので、十分に理解している必要があります。
ブルガリア語の挨拶
- Здравейте, как сте?(ズドラヴェイテ・カーク・ステ?)丁寧な挨拶
- Здравей, как си?(ズドラヴェイ・カーク・シー?)友人との挨拶
「おはようございます、元気ですか?」
まずは基本の挨拶から。ブルガリア語では初対面に近い人と話す時と友人と話す時でフレーズが異なります。какとは英語のhowにあたる言葉で、「あなたはいかがですか?」、「キミはどうなの?」といった意味があります。
またсиはあなたという意味があり、стеはあなたたちという意味がありますが、初対面やビジネスシーンでは個人に対してもстеというフレーズを使って、丁寧さを表現します。
元気ですか?と聞かれた場合には以下のように返答します。
- Добре съм.(ドブレ・サム)元気です
- Горе долу.(ゴーレ・ドール)まあまあです。
- Лошо съм.(ローショ・サム)悪いです。
Добреは英語のgoodにあたり、лошоは英語のbadにあたります。またгореは上という意味があり、долуは下という意味があります。まあまあという時には、上下という言い方をします。
- Благодаря(ブラゴダリャー)ありがとう
- Извинете(イズヴィネーテ)ごめんなさい
プレゼントをもらった時や何か迷惑をかけてしまった時にはこのようなフレーズを使います。特にありがとうという表現を使えば、色々な人と親しく接することができるため積極的に使ってみましょう。
予約をしたい時に使うブルガリア語の表現
- Искам да резервирам.(イスカーム・ダー・レゼルヴィーラム)
「予約をしたいです」
ホテルやバス、チケットの予約をしたい時に使えるフレーズです。искамには、〜したいという意味があります。
買いたい時には、Искам да купувам.(イスカーム・ダー・クプーバム)、食べたい時には、Искам да ям.(イスカーム・ダー・ヤム)、寝たい時には、Искам да спя.(イスカーム・ダー・スピャー)と使い分けられます。
逆に誰かに「欲しいですか?」と尋ねる時には、Искате ли?(イスカテ・リー)もしくはИскаш ли?(イスカシ・リー)と言います。挨拶の時と同様に、状況によって使い分けるようにしましょう。
何をしているのか尋ねる時に使う表現
- Какво правите?(カクヴォー・プラーヴィテ)丁寧な質問
- Какво правиш?(カクヴォー・プラーヴィシ)友人への質問
「何をしているのですか?」
何をしているのかを尋ねる時に使うフレーズです。日本語の「する」にあたる単語がПравяです。
質問する時には、ПравишまたはПравитеと変化させます。ブルガリア語を学び始めた頃には、たくさんの動詞を覚えることは難しいので、Правяという単語を上手く使いこなして相手に伝わるようにします。
Каквоは「何」という意味があります。
何を食べているのかを聞きたい時には、Какво ядеш?(カクヴォー・ヤデーシ)、何を見ているのかを聞きたい時には、Какво гледаш?(カクヴォー・グレーダシ)、何を聞いているのかを聞きたい時には、Какво слушаш?(カクヴォー・スルーシャシ)と使いわけます。
金額を尋ねる時のブルガリア語のフレーズ
- Колко е стурва?(コールコ・エ・ストゥールヴァ)
「いくらですか?」
お店などで使える表現です。「いくら?」にあたるブルガリア語の単語はКолкоです。距離や重さを聞く時にもКолкоを使いますので覚えておくと便利です。
ブルガリアのほとんどの街ではスーパーマーケットがあるため、店員に「いくらですか?」と尋ねる機会はほとんどありませんが、値段の表記がないときや市場で買い物をするときには便利なフレーズです。
ブルガリアのスーパーマーケットで買い物をすると、ほとんどの機会でТорбичка?と尋ねられます。これは「袋は要りますか?」という意味です。
ブルガリアではレジ袋は有料ですが、必要な場合には「はい」を意味するДа(ダー)を要らない場合には「いいえ」を意味するНе(ネ)と返事をしましょう。
ブルガリアの数の言い方は以下の通りです。
- 1.Един(エジーン)
- 2.Два(ドヴァー)
- 3.Три(トュリー)
- 4.Четири(チェティーリ)
- 5.Пет(ペット)
- 6.Шест(シェスト)
- 7.Седем(セデム)
- 8.Осим(オーシム)
- 9.Девет(デヴェート)
- 10.Десет(デセート)
ブルガリア人は数字についてはかなり早口のため、聞き取るのは難しいです。そのため数字に慣れることが大切です。
理由を聞きたい時に使う表現
- Защо мислите?(ザシトー・ミースリテ) 丁寧な聞き方
- Защо мислиш?(ザシトー・ミースリシ) 友人に訪ねる時
「なぜそう思われますか?」
相手に理由を聞く時に使えるフレーズです。日本語の「なぜ」にあたるブルガリア語はЗащоです。ЗащоはКаквоやКолкоやКакなどと同じように、尋ねたいときに使える便利なフレーズです。
相手から理由を尋ねられた時は、「なぜなら」を意味するЗащото(ザシトート)というフレーズを使います。
「思う」を意味するブルガリア語はМисляです。「私はこう思う」という時には、Мисля, че〜(ミースリャ・チェ)という表現を使います。
まとめ
ブルガリア語は英語やスペイン語などとも異なる外国語ですので、キリル文字や単語を覚えるのにもやや苦労します。ブルガリア語の音楽を聞いたり、文法書を使って学習することがブルガリア語の習得への近道です。
世界的に見ればブルガリア語はマイナー言語の一つですが、現地でブルガリア語を使えば、多くの人に歓迎されることでしょう。ブルガリア人とより親しくなるためには、カタコトでもブルガリア語を話す努力をすることが大切です。
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