長期生活を始めるにあたって家探しは重要です。日本では簡単な家探しも、外国だと言葉の問題や文化の違いなどがあるため、苦労することも多いです。
ブルガリアにもたくさんの外国人が住んでいるため、外国人が家を借りることの問題はありませんが、ブルガリア独特の慣習などの理由でトラブルが起こることもあります。
今回はブルガリア生活を快適なものにするために、家の探し方から注意しておきたいことなどを詳しく紹介します。※2019年1レヴァ=70円で計算
ブルガリアの家事情
ブルガリアにはおもに3つの部屋のタイプがあります。
マンションタイプ
ブルガリア人の多くがこのタイプの部屋に住んでいます。ブルガリアのマンションは6~9階建ての建物が多く、ほとんどのマンションにエレベーターが付いています。部屋はワンルームのものから3LDKのものまであります。
ブルガリアではベランダが広いマンションが多く、洗濯物を干すだけでなくテーブルやイスを置いて夕食や朝食を取る家庭も多くいます。
一戸建て
ブルガリアの一戸建ては平屋の家が多く、広めの庭や駐車場が付いています。ただし古い家が多く、壁の強度が弱いことや窓の取り付けが悪いことがあります。そのため冬場はとても寒い家が多いので注意が必要です。
一戸建ての家は都市部では少なめですが、郊外に行くとよく見かけます。
シェアハウス
ブルガリアではまだ一般的ではありませんが、都市部などではシェアハウスで住むことのできるマンションもあります。基本的には1人が1部屋を借りるタイプで、トイレやシャワー室や台所は共同です。
シェアハウスは地方都市から上京してきた学生や社会人、または外国人が利用しています。シェアハウスタイプのマンションは3部屋や4部屋が一般的で、部屋が大きめに設計されています。
ブルガリアと日本の家の違い
ブルガリアの家は日本の家とかなり違います。その中でも大きく違う部分を4点紹介します。
家具などがそろっている部屋が多い
ブルガリアで家を借りるときは、現状で引き渡す場合がほとんどです。そのため部屋にはエアコンをはじめ、洗濯機や冷蔵庫やオーブンレンジなどが付いています。またベッドやソファーなどはもちろん、寝具類がはじめからある部屋もあります。
家を探すときにはこの点もチェックしておくと諸費用が安く済むので便利です。
ガスが無い
ブルガリアのマンションはガス無しがほとんどです。多くの家庭では、料理をするときも、お湯を使うときも電気を使用します。そのため、ほぼすべてのマンションに給湯器が付いています。
家を借りる際には給湯器の大きさをチェックしておきましょう。あまりにも小さいと定期的にお湯を沸かす必要があり、電気代もかかるので注意が必要です。
シャワー室の配置が変
ブルガリアではお湯に浸かる習慣はありません。そのため、ほとんどのマンションではシャワーのみとなります。さらに、古いマンションや小さめのマンションではシャワー室とトイレが合体したものもあります。
便器の真上にシャワーが付いており、どちらかを利用するともう一方は使えないですし、シャワーを使った後は水浸しの便器を拭かなければならなくなります。
ブルガリアのシャワー室は全体的に排水口の位置が悪く、水が流れにくいマンションもあるので注意しましょう。
天井が高い
ブルガリアのマンションは天井が高めです。低いマンションでも2.5メートル以上はあります。そのためやや狭いマンションだと思っても、実際に下見したら広く感じるというパターンが多いです。
ブルガリアでの家の探し方
ブルガリアで家を探すには4つの方法があります。
不動産屋
ブルガリアには街ごとにたくさんの不動産屋があります。ブルガリアの不動産屋にはReal Estateとラテン表記で書かれている場合が多く、比較的簡単に見つかります。
不動産屋を通す場合は、希望する家のタイプ、予算、部屋を借りる際の人数を言えば一緒に探してくれます。部屋を借りるときに仲介手数料は取られますが、ブルガリアで部屋を探すには一番便利な方法です。
また、旅行会社や外国人のためのビザのサポート会社には外国人専門の不動産屋が併設されていることもあるので、初めてブルガリアで家を借りるときにはそちらを利用するのも良い方法です。
インターネットサイト
いきなり不動産屋に行くのは苦手という方は、最初にインターネットで検索することもできます。サイト上では部屋数や金額や住みたい都市を選択すると、たくさんの情報が出てきます。
気に入った家などがあった場合は、仲介している不動産屋の住所や電話番号がサイトに記載されているので、連絡するか直接その不動産屋へ行けばOKです。
また、その地域の平均価格や過去3年間の価格の推移なども表示されているので、予算を決める際の参考にすることができます。
サイト(https://www.imot.bg/)
新聞
ブルガリアの新聞には部屋情報専門の新聞もあります。賃貸情報だけでなく、物件情報なども載っています。気に入った家が見つかったなら、直接貸主に連絡して金額交渉や下見する日付などの確認をします。
便利な方法ですが、ほとんどの場合ブルガリア語で交渉しなければならないので、ある程度の語学能力が必要となります。
知り合い
もし現地にブルガリア人や外国人の知り合いがいる場合は、その知り合い経由で家を探すのも1つの方法です。ブルガリアでは部屋を使わずそのままにしている人も多くいるので、聞いてみましょう。
知り合いに部屋を借りる方がトラブルも起こりにくく、安く借りられる場合もあります。
家を下見するときにチェックしておきたい4項目
部屋を借りる前には必ず下見をしましょう。その際に幾つかの点をチェックしておきましょう。
設備
ブルガリアでは、電化製品やベッドやソファーなどがあらかじめ付いている家がたくさんあります。その際にどの家具や電化製品があるか、汚れがあるか、壊れていないかチェックしておきましょう。できれば最初に写真に残しておくと良いです。
ブルガリアでは礼金は必要ありませんが、家賃1か月分の敷金を支払うのが一般的です。退去する際にトラブルにならないためにも、設備のチェックをしておくのは大切です。
天井や壁
ブルガリアでは壁が非常に薄かったりするマンションがあります。ブルガリアは真冬になると-10℃を下回ることもあります。あまりにも貧弱な壁や天井だと冷たい風が入り込み、暖房も効かないことがあります。
また、窓なども結露が激しいとカビの生える原因ともなるので注意が必要です。
公共料金の支払い状況
ブルガリアで家を借りるときには、その部屋の公共料金(電気と水道)の支払い状況を確認しておきましょう。ブルガリアでは、公共料金の請求が3か月以上遅れることもあります。また、前の住人が支払いを滞納したまま退去していることもあります。
そのため、家を借りる前に必ずそれらの点を確認し、最初の公共料金を支払ったときは使用期間をチェックしておきましょう。
共用部分の金額
ブルガリアでマンションを借りるときは、そのマンションの共用部分の費用も別途支払います。共用部分についてはマンションの班長に支払いますが、マンションごとに金額は違います。
1人あたりで計算するマンションや1戸ごとに計算するマンションもあります。また、戸数の少ないマンションでエレベーターが設置されている場合は、金額が高くなることがあります。
そのため、事前に月々の金額を確認しておくとトラブルを避けることができます。
家の契約を交わすときに注意すべきこと
家が気に入ったら入居という流れになりますが、その際に必ず契約書を交わすことを忘れてはなりません。契約を交わす際には、毎月の金額、敷金の金額、使用できる期間などを確認します。
家主と借主が契約書を確認し、2人とも同意したならばサインをします。契約書はブルガリア語で表記されますが、トラブルを避けるためにもしっかりと読んで理解しておきましょう。
ブルガリアでは半年、または1年ごとの契約が一般的です。契約を更新する際には、敷金や更新手数料を払うことはありません。
ブルガリアの家の相場は?
首都のソフィアのような大都市か、地方都市かによっても家賃は違います。ソフィアの場合、2部屋に台所とベランダのある部屋を借りる場合はおよそ500-600レヴァ(約35,000-42,000円)かかります。
地方都市の場合は、2部屋と台所とベランダのある部屋を借りる場合はおよそ200-400レヴァ(約14,000-28,000円)かかります。ベランダが広いと家賃が高くなる傾向があります。
ちなみに私はヴァルナという都市に住んでいますが、以前借りていた部屋は3部屋に台所とベランダがついて500レヴァ(約35,000円)でした。また、借りる際にはベッドと冷蔵庫と洗濯機、さらにはソファーが備え付けられていました。
まとめ
ブルガリアで家を借りる流れは日本と似ている部分もありますが、家に関しては大きく異なります。建物自体は日本と違って強度が弱かったりする部分もあるので、欠陥がないか必ず確認しましょう。
また、契約書を交わす際も注意が必要です。ブルガリア人は外国人をだますことはほとんどありませんが、考えの違いによってトラブルが起きる可能性があることを頭に入れておきましょう。
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