青年海外協力隊に興味があるけれど、生活費はどうなるのか、参加するのにお金は必要なのか、疑問に感じている人も多いと思います。青年海外協力隊ってボランティアなのでしょうか?それとも仕事なのでしょうか?
青年海外協力隊は英語ではJOCV(Japan Overseas Cooperation Volunteers)と呼ばれていて、つまりボランティアです。JICA(独立行政法人国際協力機構)が派遣元で、派遣期間は原則として2年です。
では、その2年間の生活費はどうなっているのか、収入はまったくないのか、みなさんの疑問に答えていきます。
※最新情報はJICA海外協力隊HPでご確認ください。
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派遣先での生活費はどうなるの?
約2年の派遣期間中、給料はありませんが、毎月の生活費は支給されます。
派遣先の国によって金額の違いはありますが、毎月300~760米ドル(約32,000~81,000円)程度が支給されることになっています。ほとんどの場合、現地の生活にかかるお金より少しだけ多くもらえるので、生活するのに困ることはないでしょう。
現地に住んでいる人と同じ環境で活動することがもちろん大切なのですが、やはり協力隊員は日本人の代表としてボランティアに来ています。そのため、現地の人の給料の1.5倍〜2倍程度が生活費として支給され、使い方は普段のちょっとした贅沢や貯金、旅行などさまざまです。
ただ、あくまでボランティアとして参加しているので、無用なトラブルを避けるためにも、収入などのお金の話は現地の人々としない方が無難です。
※1米ドル=約106円(2016年6月)
派遣先の国までの移動費は?
青年海外協力隊の派遣先は様々です。お隣の中国から、日本のほぼ裏側にあるブラジルにいたるまで、数多くの選択肢があります。目的地に着くまでに飛行機を2度も3度も乗り換え、さらに船・バス・車・汽車・ラクダなど使える交通手段をフル活用します。
では、その移動費はどのようになるのでしょうか?
目的地までの交通費や宿泊費などは全てJICAが負担することになっているので、移動費の心配はありません。飛行機であればマイレージが貯まり、このマイレージも個人で使うことができます。
派遣に際しての支度金はあるの?
派遣先の国によって支給額が異なりますが、総額約20万円程度を目安に支度金が払われます。この支度金を使い、派遣先の現地で必要なものを準備します。その他、荷物が多い場合、発送費としても使うことになります。
派遣先は日本ではないので、念には念をと考えると必要なものがたくさん出てきますが、20万円程度で十分といえるでしょう。
派遣先でけがをしたり病気になったりした場合は?
派遣場所は慣れない環境であったり、劣悪な環境であったりすることが多いため、けがをしたり病気になったりする隊員の方もいます。
でも、お金の心配はいりません。隊員はその業務に応じた保険に入ることになるため、仮に入院や手術が必要な場合でもキャッシュレスで対応してもらうことができます。
また、現地には隊員の健康を管理する担当の方もいる(いない場合もあります)ので、困ったことがあれば相談してみるといいでしょう。
知っておきたい現職参加制度とは?
あまり知られていませんが、青年海外協力隊には現職参加という制度があります。
(前略)JICAでは、企業や官庁など関係各方面に対して、所属先に身分を残したまま参加する「現職参加」促進のお願いをしており、「働く人の所属先推薦制度」や「派遣期間選択制度」、「人件費補てん制度」等、より現職参加しやすくするための制度をもうけています。(後略)
引用元:JICA海外協力隊「現職参加について【一般案件】(派遣期間:1年~2年)」
https://www.jica.go.jp/volunteer/application/seinen/support_system/incumbent_participation/
つまり、会社を辞めずに青年海外協力隊に参加し、隊員として派遣されながら会社から給料がもらえる仕組みです。給料の全額が支給されるのかどうかは所属先によって異なるので確認が必要ですが、現職参加した場合、JICAが所属先に給与の約80パーセントを補填してくれます。
派遣中も給料がもらえ、帰国後に仕事に戻れるのは非常に心強いです。会社員だけれど青年海外協力隊に参加したいという方は、所属先の企業に相談してみるのもおすすめです。
派遣後の生活費はどうするの?
上記のような現職参加制度を利用できる人はいいのですが、約2年の派遣期間が終わった後、仕事がなく貯金もないとなると、その後の生活が大変です。実は青年海外協力隊派遣期間中、無給・無職の人には国内積立金というものがあります。
毎月8万5千円が日本国内で積み立てられていくので、2年後に帰ってきたら単純に計算して204万円が貯まっていることになります。
8万5千円の内訳
- 本邦支出対応手当5.5万円
- 帰国初動生活手当1万円
- 帰国社会復帰手当2万円
この204万円で住居を探し、仕事を探し、新しい生活の準備をすることになります。また、派遣前の訓練期間中(約2か月)も月4万円の手当が出るようになっているので、それも使わずに貯めておくと帰国後に安心できます。
まとめ~生活の心配をすることなく活動できる
あまり知られていない青年海外協力隊員の収入をご紹介しました。お金の面で参加を迷っている人の参考になれば嬉しいです。
青年海外協力隊はあくまでボランティアです。派遣先は劣悪な環境で苦労することも多いですが、どうしたら現地の人のためになるかを真剣に考えている人が数多く参加しています。
もし、途上国のために何かやってみたいというアツい思いがあるなら、すぐにでも参加してみてください。あなたの人間力もきっとアップするはずです!
- JICA海外協力隊HP:https://www.jica.go.jp/volunteer/
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