海外で働くことを目標に資格の取得を考え始める人も多いでしょう。
海外就職は日本国内での就職より当然ハードルが上がります。ここでは、そんなハードルを少しでも楽に乗り越えるための資格について見ていきます。
海外で日本人を含む人材にどのような役割や能力が期待されているのかを踏まえ、ぜひ取得しておきたい資格や身につけておきたいスキルをご紹介しましょう。
海外での求人は増加傾向にあります。
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海外で働くための資格の結論
海外で働くために大切なのは資格+経験・専門知識
海外就職の準備として資格取得に力を入れようと考え始めた人が知っておくべきなのは、資格だけあればいいのではなく、実際の業務経験も大事だということです。
もちろん、資格が必要な仕事をする場合は、資格がなければ働くことはできません。例えば、日本人学校の教師をする場合などは教員免許が必須です。
しかし、まずはその仕事の経験があることが海外就職の有利な条件となり、それに加えて取得している資格もあることがより理想的なのだといえます。
今までの経験と資格をうまく使いこなし、仕事においてパフォーマンスを発揮できる人が重宝されるのです。
経験の少なさを資格でカバー
新卒の人や実務経験が少ない人は、少しでも役立つ資格を取得しておくことで採用通知に一歩でも近づくことができるでしょう。
逆に、より専門的な資格を持っていたり、経験や知識・技能を持っていたりするとビザの申請も通りやすくなります。
資格取得と同時に企業研究も行うこと
資格を取得する目的は、スキルアップ・キャリアアップ・転職を成功させるためです。
そのためには、資格取得と同時に求人・企業研究も行っておきましょう。資格を取ってから求人探しを始めるのではなく、同時にやることが大切です。常に先手を打ちましょう。
モチベーションの高いときに進められるだけ進めておくことが大切です。
海外就職に役立つ資格とは
日本国内と同様に、海外でも持っていれば役立つ資格が数多くあります。
すべての資格が必ずしも通用するわけではありませんが、日本国内で「勉強した、経験した、知識を持っている」という証拠としては十分に価値があり、あとは経験を積むだけです。
海外の日系企業で現地採用社員として働くのであれば、実務に直結する資格を取得しておくことで貴重な人材として採用してもらえる確率が上がります。
また、外資系企業においても、専門的な仕事をするなら資格はその業務を行うに値すると判断される確率が高いです。
ここでは、以下のポイントに絞ってご紹介していきます。
- 海外で働くために持っておきたい基本的な語学の資格
- 海外で働くために最も有利な資格
- 世界各地で働ける資格
- 海外の日本人の多い地域で働ける資格
- 日系企業の海外駐在員に求められる資格・能力
- 外資系企業を目指すなら持っておきたい資格
それでは見ていきましょう。
世界で通用する英語・語学系の資格7選択
海外就職には、やはり語学の資格を無視することはできないでしょう。
- TOEIC
- TOEFL
- IELTS
- ケンブリッジ英検
- 漢語水平考試(HSK)
- 韓国語能力試験(TOPIK)
- DELEスペイン語検定
以下でそれぞれの資格を詳しく解説します。
英語ならTOEICが一般的
特に日系企業の採用では、語学力を測る目安としてTOEICのスコアを重視する傾向があります。
外資系企業やローカル企業の場合、非英語圏でも人事担当者が流暢な英語を使うことが多く、求職者が語学の資格を取得していなくても面接で会話することで実際の語学力を判断することが容易です。
それに比べて日系企業では日本人採用担当者が英語に堪能でないことも多いため、TOEICスコアを一つの判断基準にしているのです。
目安は700点以上
TOEICのスコアは少なくとも700点程度は必要でしょう。TOEICの高得点者が必ずしも英語が話せるというわけではありませんが、英語力を測る上で一つの指標となります。
ただし、実務を行う上では話せることが大事になります。普段から英語を話す練習をしておきましょう。
英会話を習うならDMM英会話がおすすめです。オンラインなので学校に通う必要はなく、格安で英語を話す練習ができます。
外資系狙いならTOEFL
TOEFLは英語圏の大学に留学する場合に必要不可欠な資格で、TOEICよりも多少難しい分、知名度が高いといえます。外資系企業では、TOEICではなくTOEFLのスコアを重視するところも多くあります。
アメリカの企業などでは、「英語が話せる前提」のため、スコアに関係なく、英語を話せるようにしておく必要があります。
IELTS
「IELTS」は海外で働くことを考える場合、英語のスキルを証明するために有効です。IELTSは、国際英語能力試験の略で、英語圏の国々での就労や留学に必要なスキルを測定するテストです。
IELTSを受験することで、自分の英語力を正確に把握できるだけでなく、スキルのアップも期待できます。具体的には、テスト対策をすることで、英語のリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングに関するスキルが向上すると言われています。
IELTSは、世界中で認められている英語能力試験であり、海外で働くためには必要なスキルの1つです。正確なスキルを証明することで、海外での就労の機会を広げることができます。
ケンブリッジ英検
ケンブリッジ英検は、海外で働くために必要な英語力を測定する試験です。
この試験は、海外企業での就職や留学に必要とされることが多く、世界中で認められています。具体的には、B1レベル以上が求められる企業も多く、B2レベル以上を取得することが望ましいとされています。
具体的には、TOEICやTOEFLといった他の英語力試験と比べ、スピーキングやライティングの評価が高い点が特徴的です。
漢語水平考試(HSK)は3級以上
中華圏で就職したいなら中国語が必要です。
漢語水平考試(HSK)の筆記試験で3級以上、口頭試験で中級以上を取得していればスキルをアピールできます。これは、日常生活での一般的な会話だけでなく、仕事上でも日常業務を中国語で行えることを示す基準となります。
ただし、HSKの有効期間は2年です。この有効期間を忘れ、HSKを資格として履歴書に書き、証明書を提出する際に期限が切れていたという話も多々あります。
資格の有効期限がいつなのかも忘れずにチェックしておきましょう。
韓国語能力試験(TOPIK)
韓国語能力試験(TOPIK)は、韓国語を母語としない人たちが韓国語能力を評価するためのテストです。TOPIKは、韓国で働くために必要な韓国語能力の認定や、韓国で大学に入学するために必要な韓国語能力の証明に役立ちます。
TOPIKには、初級、中級、上級の3つのレベルがあります。それぞれのレベルには、リスニング、読解、文法、作文の4つのセクションがあり、100点満点中70点以上を取得する必要があります。TOPIKには、年に2回実施され、世界各地の韓国語教育機関でも実施されています。
具体的には、韓国で働く場合、TOPIKレベル3以上を取得することが求められることがあります。さらに、TOPIKレベル6を取得すると、韓国語能力において高い水準を証明できます。
DELEスペイン語検定
スペイン語検定は、スペイン語を母語としない人々に対して、スペイン語の能力を測定する検定試験です。海外で働く際にスペイン語が必要になる場合がありますが、そのような場合にDELEスペイン語検定は大きなアドバンテージになります。
DELEスペイン語検定には、A1からC2までの6つのレベルがあり、自分のスペイン語のレベルに応じて受験することができます。DELEスペイン語検定は、世界中の約100カ国以上で認められており、スペイン語を使用する職場での就職や留学などに役立ちます。
DELEスペイン語検定の受験者数は年々増加しており、特に海外で働く人たちの間で人気が高まっています。
言語系資格の注意点:最新のスコアを取得する
言語の資格を履歴書に記入する場合は、受験した年月日を明記すれば、過去のものを書いても基本的には問題ありません。
しかし、やはり取得したのが最近であればあるほどいいでしょう。どんなに高いスコアを持っていても、取得してから時間が経過していると、今もそのレベルをキープしているのか相手にはわからないからです。
どの言語の資格や試験も、定期的に受験し最新のスコアを取得しておく普段の努力が大切といえるでしょう。
海外でも使えるWeb・IT関連の資格7選
日系企業、ローカル企業、外資系企業のいずれでもWeb・ITエンジニア関連の求人は一定レベルあります。特に中国ではエンジニアの需要が高いです。
語学不問の場合も多いですが、Webスキルに加え英語や現地語をどの程度使いこなせるかによって仕事の幅が決まってきます。いい仕事に出会うには、語学力を同時に高める努力をすることも重要です。
- 情報処理技術者試験(ITパスポート)
- 基本情報技術者
- オラクル認定情報技術者(ORACLE MASTER)
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
- 認定情報技術者(CITP)
- プログラミング言語
以下でそれぞれの資格を詳しく解説します。
情報処理技術者試験(ITパスポート)
情報処理技術者試験(ITパスポート)は、ITに関する基礎知識を評価する資格です。IT業界での就職やキャリアアップに必要なスキルを身につけることができます。試験は年2回実施されています。
基本情報技術者
基本情報技術者は、国家資格の一つであり、情報技術に関する基本的な知識・技能を持ち、プログラム設計書作成やプログラム開発・単体テストなどのプロセスを担当する人のための資格です。
テクノロジ、マネジメント、ストラテジーの分野から幅広く出題され、毎年10万人以上の受験者がいます。
オラクル認定情報技術者(ORACLE MASTER)
オラクル認定情報技術者(ORACLE MASTER)は、オラクルデータベースの高度なスキルや知識を持っていることを証明することができます。具体的には、データベースの設計、管理、チューニング、アプリケーション開発などに関する知識が必要とされます。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)は、マイクロソフト社が提供するオフィススイート(Word、Excel、PowerPointなど)に関するスキル認定試験です。この試験に合格することで、Officeアプリケーションに関する高度なスキルや知識を証明することができます。
MOSは、企業や学校などで求められる資格であるため、就職や昇進に有利な要素となる可能性があります。
Microsoft認定資格プログラム(MCP)
Microsoft認定資格プログラム(MCP)(は、マイクロソフトが実施する製品知識と技能をレベル別に認定する試験です。MCPには、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)やMCSA(マイクロソフト認定ソリューションアソシエイト)などの資格があります。
MCPは、主にIT技術者を対象にしており、マイクロソフトの製品に関する深い知識を持つことが求められます。MCP認定者は、マイクロソフトの製品を活用する企業や団体での就職や昇進の際に有利となるほか、自己啓発やスキルアップのためにも役立ちます。
認定情報技術者(CITP)
認定情報技術者(CITP)はIP3Pに認定されたプロフェッショナル資格であり、IP3は情報処理国際連合(IFIP)が設立した相互資格認証を推進する組織です。
IP3は、各国の資格制度を国際標準に基づいて認定し、CITPはIP3認定国間でグローバルに通用する資格です。日本では情報処理学会がIP3のボードメンバーとして活動しており、CITP認定者は情報技術の専門家として高い評価を受けることが期待されます。
プログラミング言語
「プログラミング言語」というのは資格ではありませんが、これを扱えるスキルがあると仕事の幅が広がります。
Web・ITエンジニア関連の仕事はどこの国でも必要とされるもの。関連する資格を持っていれば有利になるでしょう。
最近ではオンラインでもプログラミングの勉強ができ、非常に便利です。
海外で稼げる国家資格・医療関連の資格3選
医療系の資格を持っていると海外でも有利に働くことが可能です。
- 医師資格
- 看護師資格
- 介護福祉士資格
以下でそれぞれを詳しく解説します。
医師資格
- 日本で医師免許を取得
1つは、まず日本で医師免許を取得し、働きたい国の臨床研修と試験を受ける方法です。
この方法のメリットは、多少ですが給料が支払われる環境で免許取得を目指せることです。また、現地の医療の実態を肌で感じることができます。
- 海外で医師免許を取得
2つ目の方法は留学です。
国によっては医師資格に臨床研修を必要とせず、資格試験のみで現地の医師免許を取得できるところもあります。そのような国では、研究留学という形でしっかりと勉強ができる環境に身を置くことも1つの方法です。
この場合、奨学金等を受けることはできますが、基本的に生活費は自分で賄う必要があります。日本国内で留学支援をしている病院もあります。
一度日本に戻ることになっても、海外での医師としての就労経験があるなら、その後に海外への転職を考えた場合にも大きな強みとなるでしょう。
看護師資格
看護師として海外で働くという手段もあります。一般的には「海外看護師(国際看護師)」と呼ばれます。現地の看護学校や大学に留学し、必要な技術や語学力を身につける人も多いです。
オーストラリアのように、日本の4年制大学で看護学を学び正看護師免許を取得しているなら現地の看護学校に通う必要がなく、12~24週間程度の研修を受けることで現地の看護師免許が取得できるという国もあります。
ただし、スキルはもちろん語学力も欠かせません。国によっても異なりますが、英語圏の国で看護師として働きたい場合、英検1級程度、TOEICで870点以上の英語力が求められるのが一般的です。
まずは短期で試してみる方法も
いきなり海外に行くのはハードルが高いと感じている人の中には、国境なき医師団や青年海外協力隊のプログラムを利用して数カ月から数年海外に行ってみたり、数日間の看護ボランティアに参加したりと、まずは短期間から試してみる方もいます。
介護福祉士
介護士の資格は、海外でも高い需要があります。日本の介護技術は世界的に高く評価されており、日本での介護士の資格を持つことで、海外での就職も有利になります。アメリカでは、介護士の平均時給は$13から$25程度となっています。(参照:Nursing Assistants and Orderlies)
世界各地で働ける海外で通用する資格
料理関連
在住日本人が多い都市ならば、日本食レストランでの求人は常にあります。昨今の日本食ブームで日本人調理師は引っ張りだこです。
ただ、一口に調理師といってもそのレベルはさまざまで、自分ひとりの生活を賄うギリギリの収入しか得られない仕事もあれば、配偶者や子供を十分に養えるほどの収入を得られる高い能力を必要とする仕事もあります。
海外で調理師として働き高い収入を得るためには、国内である程度のレベルまで経験を積み、海外で調理場のリーダーとして仕切れるぐらいの能力を身につけておくことが重要です。
特に、寿司を握れる、刺身を扱える職人は多くの引き合いがあり、店舗運営も含めてオペレーションができれば日本国内より高い収入を得ることも可能です。
- 調理師
- 専門調理師
- 製菓衛生師
- パン製造技能士
インテリアデザイン関連
近年では、インテリアデザイナーとして海外で働くという方も増えています。実は、「インテリアデザイナー」という資格は存在しないので、職務内容に関係する資格が必要となります。
一般的にインテリアデザイナーとして働いている方の多くは、一級または二級の建築士の資格を持っています。この資格を持っていると、建物の構造に変更を加えることができ、仕事の幅が広がります。
また、インテリア設計士、インテリアプランナー、カラーコーディネーターなどの関連した資格があれば、海外で仕事をしていく上でも役に立つでしょう。
知識と経験が必須
海外でインテリアデザイナーとして働きたい場合、日本の大学のデザイン学科や建築学科を卒業し、数年の実務経験を経てから海外に転職するという方法が考えられます。
日本でまったくその分野の知識や経験がない場合は、現地の大学に留学してデザインや建築を学び、インターンシップなどで実務経験を積んでからでないと海外での就労は難しいでしょう。
海外の大学に留学するとなると、語学力の向上も欠かせません。特に英語圏の国に留学したい場合、TOEFLかIELTSで一定のスコアを求められるのが一般的です。
- 建築士(一級・二級)
- インテリア設計士
- インテリアプランナー
- カラーコーディネーター
農業関連
日本の農業技術は世界各地で認められています。そんな日本の技術を取り入れた農場が増えてきました。日本での農業経験がある人は多くの国で求められています。
技術指導の仕事もあり、農業は世界各地で働ける分野の一つでしょう。
- 技術士 農業部門
- 技術士補 農業部門
- 技術士 総合技術監理部門(農業)
- 普及指導員
- 農業機械整備技能士
美容師・理容師、その他美容関連
調理師免許同様、在住日本人が多い都市では、日本人ならではの丁寧な仕事をしてくれる美容師や理容師の需要も高くなっています。
経営者が日本人であったり、日本人の顧客を対象としていたりする美容室、ヘアサロンなどの求人は比較的多いです。日本の美容文化は世界中の女性から注目されているので、日本人だけでなく現地の方もターゲットになります。
国や地域によっては、フリーの美容師としてサロン内で場所を貸してくれるような形態もあります。日本人を対象にする場合はサービスの料金設定も高めとなることから、在住日本人の信頼を集められる技術を持って挑めば安定した収入を得られることでしょう。
海外での美容系の仕事に必要なもの
日本の最新の美容情報や流行に遅れずに付いていくための努力はマストといえます。
また、海外で整体師として開業している筆者の友人いわく、一番大切なのは技術の確かさであるのはもちろんですが、お客さんとコミュニケーションを取って良い関係を築くことも欠かせないそう。
日本のテレビ番組で放送された最新の美容・健康ネタをチェックすることや、コミュニケーション能力を向上させる努力を忘れてはいけないということですね。
- 美容師免許
- 理容師免許
- 着付け技能師
- ネイリスト技能検定
- 認定美容脱毛士
- アロマテラピー検定
- エステティシャン
- フェイシャルエステティシャン
- マッサージ師
日本語教師
保育士や教師とは異なり、日本語教師は、日本語能力検定の取得や日本語教師養成講座を420時間以上受けて修了することが一般的な採用基準となっています。ただし、これは日本国内の外国人向け日本語学校における場合なので、実際には国によって様々です。
もちろん、日本国内での日本語学校で教師をした経験があればなお有利です。
海外では、ビジネスに日本語を必要とする人だけでなく日本の文化に興味を持つ若者たちが増加して日本語教育の需要が高まっており、日本語教師の求人も増えています。
海外で日本語教師の職に就けば、英語や現地語で説明できる能力を身につけることもできますね。
スキューバダイビング関連
水中の世界に魅せられた多くのスキューバダイビング愛好家の中には、日本国内に飽き足らず世界中のダイビングスポットを目指し、1年に何度も海外に向かうという人も珍しくありません。
日本人ダイバーが多く訪れる海外のダイビングスポットのリゾートホテルやダイビングショップでは、日本人スタッフ、特にインストラクターの資格を有する人材を必要としており、常に求人が出ています。
地域としても、グアム、サイパン、パラオ、東南アジア、オセアニア、インド洋、南太平洋、北米、中南米、ヨーロッパなど世界中に広がっているため、日本国内でのダイビングインストラクターの経験と、日常会話レベルの英語力や現地語力があれば、即戦力として採用されやすいでしょう。
資格取得は海外でも可能
ダイビングライセンスはあるけれど、インストラクターの資格がなくこれから取得したいという場合、それは日本国内でなければならないわけではありません。
海外で働きつつインストラクターライセンスを取得する方法もあります。現地のダイビングショップスタッフや外国人ダイバーとコミュニケーションを取りながら、海外生活を2週間程度の期間でも体験できることから人気があるようです。
また、海外ダイビングに強い旅行会社では、日本人インストラクターがいる海外ダイビングショップを利用するライセンス取得ツアーが多く企画されているので、言葉に自信がなくても参加可能です。
コスト面を考えるとセブ島がおすすめ
最も有名なダイビング指導団体であるPADIのインストラクターコースを選ぶ場合、受講に要する費用は40万円ほどとだいたい決まっているので、その他のコストである渡航費用、滞在のためのホテルや食事に要する費用を節約することで、資格取得にかかる支出を軽減できます。
渡航費用や滞在費を最小限に抑えることを考慮すると、フィリピンのセブ島が以前から人気が高い理由がわかります。グアムやサイパンの方が感覚的に近いので手軽ではないかと考えられることも多いようですが、渡航費や諸経費、物価を比較すればセブ島の方が安く済みます。
ただ、どこであれ海外でインストラクターの資格を取得すれば実際の海外での仕事の見学を兼ねることができ、事前のリサーチも済ませられるので価値があるでしょう。
- PADIインストラクター
- NAUIインストラクター
- SSIインストラクター
輸出入関連
国際物流の多様化で、流通業や倉庫業、貿易会社のみならず機械系のメーカーなども自社で部品を直接輸入するなど、貿易実務を身につけた人材の需要は高くなっています。
貿易会社で実際に働いた経験がなくても、貿易実務検定を取得することが貿易業界の業務全般の理解を深めるのに役立ちます。
就職後に即戦力としてなるべく早く仕事を任されるためには、通関士の資格を取得している方が有利といえるでしょう。
- 貿易実務検定
- 通関士
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- リクルートエージェント (未経験から幅広く求人を探す)
- LHH転職エージェント(全世界から幅広く求人を探す)
- JAC Recruitment(海外勤務・外資系を狙う年収600万円以上の方向け)
エージェントに無料登録することで転職に必要な資格を教えてもらうこともでき、資格取得の目的が明確化されます。
海外の日本人の多い地域で働ける資格
教育関連
ベビーシッター
赤ちゃんや幼稚園に通う前の小さなお子さんを持つお母さんたちは、子供を連れて行けない用事があるときなどにベビーシッターを利用します。
日本国内でも近年ベビーシッターの利用率が上がってきていますが、海外では日本よりもかなり早くからベビーシッターの利用が一般的です。
特に海外在住の日本人のお母さんたちは、価値観や文化が同じ日本人のベビーシッターの利用が安心だと考えるので、日本人のベビーシッターの需要は高くなっています。
保育士免許に加え、日本での保育施設での実際の勤務経験があればなお有利でしょう。免許の取得のみであっても、子供と接する職業に積極的に取り組める人であると認識されやすく、そのような職種への就職活動には役立つはずです。
保育士
在住日本人が多い都市では日本人向けの幼稚園もあり、保育士の募集も多いです。
また、日本人のみならず、日本語や日本文化を子供に学ばせたいと思う外国人が自分の子供を通わせることも多く、英語や現地語も使用可能ならばより安定した収入を得られるかもしれません。
教員免許
これに関しても同様で、免許の取得のみで日本国内での実際の教師経験がなくとも、子供の教育関連の職種への就職活動に有利となります。
塾講師・家庭教師
現地駐在員の子女が日本の受験戦争に対応できるよう、海外でも日本人向けの進学塾、補習塾が増えています。そのため塾講師や家庭教師などの求人も多くなっています。
日本人の家庭を対象とした場合、現地の言葉ができなくても大丈夫というケースもあります。実際に海外で日本人家庭向けの家庭教師をしている筆者の知り合いは、初めは全く現地の言葉が話せませんでした。
数年が経過して今ではすっかり現地語も習得し、日本人だけでなく現地の人からも家庭教師を頼まれることがあるそうです。
- 教員免許
- 保育士免許
- 幼稚園教諭免許
ペット関連
海外在住日本人でもペットを飼う人は増えており、家族同様の大切なペットを預けなければならない場合やグルーミング(毛の手入れ)などの際には、安心して任せられる日本人にお願いしたいと考える人が多いようです。
- ペットシッター
- ペット美容師
- トリミング技能士
- ペット介護士
旅行業界
海外在住日本人の旅行や出張に関わるサービス、また、日本からの観光客が参加する現地ツアーの企画、販売などにおいて、現地の日系旅行会社が日本人社員を募集しています。
日本国内で旅行業界での実務経験があれば有利ですが、資格は知識を保有している証明となるので、旅行業界での海外就職を希望するならば積極的に取得しておきたいものです。
- 旅行業務取扱管理者
- 旅程管理主任者
- 通訳案内士
- 観光英語検定
- クルーズアドバイザー認定制度
経理・会計関連
規模、業種にかかわらず、企業では経理、会計は最重要な職務のひとつであり、海外の日系企業での求人も多くなっています。
学生のうちに資格を取得することも多い分野ですが、就職にはやはり数年の実務経験があることが必要となる場合の方が多いようです。
- 公認会計士
- 税理士
- 日商簿記
- 国際会計検定(BATIC)
国際会計検定(BATIC)とは?
東京商工会議所が主催するもので、英語による会計の検定です。英語による基本的な会計取引(英文簿記)と、国際会計理論の2科目から構成されています。
日商簿記や会計士などの会計に関連する資格、英検やTOEICなどの英語関連の資格を取った後に、プラスαのアピールをするために受験する方が多く、受験者の85%が簿記合格者です。難易度は、英文簿記が日商簿記の3級程度、国際会計理論が1~2級程度といわれています。
国際展開を目指す企業では社内教育の一環として導入されているところもあるなど、キャリアアップにうってつけの資格となっています。英語で会計に関する知識を学ぶことができ、後述する米国公認会計士の資格取得の際の足がかりともなります。
日系企業の海外駐在員に求められる資格・能力
企業の海外駐在員となるためには、資格よりもそれまでのキャリアの方が重要となる場合がほとんどです。業界に精通している、専門知識を豊富に持っている、技術指導ができるなどが求められます。
特に、専門分野でリーダーシップが取れるかどうかや、マネジメントを任せられる即戦力になるかという観点で採用の検討をされます。そのような強みがある上で、さらにそれぞれの現場で役立つ資格を併せ持っていれば、転職成功に近づくといえるでしょう。
定年後にその経験や知識を認められ、海外で駐在員として悠々自適に働いている人もいます。
ある程度のキャリアを積んだ人なら、必要な資格をすでに取得していることがほとんどだと思うので、資格に頼るよりも自らのキャリアに基づいたスキルの積極的なアピールが有利だといえます。
- マネジメント力
- 専門知識
- リーダーシップ
- 業界での経験
- コミュニケーション能力
- 対応力
外資系企業を目指すなら持っておきたい資格
先にも紹介しましたが、外資系への転職を考えているのであれば英語力は必須です。TOEFL、TOEFLなどの試験を受け、まずは語学力を高めましょう。
また実力主義なので、ある程度の社会人経験とそれを踏まえた資格があると有利です。
米国公認会計士(CPA)
米国公認会計士とはその名の通り、アメリカが認定する公認会計士資格のことで、略してCPAと呼ばれます。2011年8月からは日本国内での受験も可能となり、注目度が一気に上がっています。
米国公認会計士の資格を取るにあたっては、会計の知識はもちろん、経済、法務、税務、ITなど幅広い分野を学ぶことになるので、実務に生かせる知識を会得することができます。
また、CPAの勉強は英語で行うのが一般的です。実務に必要な知識だけでなく、業務を遂行していくのに欠かせない英語力も同時に磨くことができるのは大変魅力的です。
もちろんこの資格の取得は簡単なものではなく、予備校に通って講義を受けながら取得を目指すのが一般的です。
持っていれば選択肢が格段に広がる
今までは会計士の仕事と聞くと、企業の作成する財務報告書の監査証明というイメージを持つ方も多かったと思います。しかし現在は会計士の業務の幅が広がり、活躍できる場がどんどん広がっているのです。
スキルさえあれば、国内外の監査法人、税理士法人をはじめ、外資系の財務や経理などの求人も見つけやすくなっています。
またCPAは国際的な認知度が高く、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アイルランド、メキシコの公認会計士の資格との相互承認制度が存在します。就労先の国の選択肢を広げる意味でも、この資格は大変有効です。
経営学修士号(MBA)
国際的に通用するビジネスの資格としてよく見たり聞いたりするMBAですが、あまりよく知らないという人のためにわかりやすく簡単にご説明します。
MBAとは、経営学修士号(Master of Business Administration)のことです。世界で共通の学位であり、大学やビジネススクールなどの経営学を学ぶ分野での専門的な学位となります。
海外就職を目指すなら海外での取得が理想的
アメリカやイギリスでは、実務経験がある社会人向けプログラムを行うビジネススクール(経営大学院)、日本では大学院(修士課程または専門職学位課程)で取得できます。
日本国内において日本語で取得できるMBAは、海外でのそれと比較すれば費用も安く、仕事を辞めずに学ぶことができるところはメリットといえます。
しかし、海外でのビジネスに直結する学びよりも、日本国内での経営や人事システムを踏まえた学びが中心となるので、MBA取得後に海外で働くことを考えているなら海外での取得をおすすめします。
日本国内の企業で数年働いて実務経験を積み、海外に留学してMBAを取得することにより、海外就職、海外転職への道が大きく開けてきます。
- 米国公認会計士(CPA)
- 経営学修士号(MBA)
資格を取る前に!まず自己分析しよう
資格も大切ですが、その前に自分の強み(持ち味・得意分野)を再確認しましょう。資格取得を目指すのは、強みを把握してからでも遅くありません。
まずは自分の現状を把握し冷静に分析することが大切です。
実際に資格を取得してみたものの、いざ仕事を始めてみたら自分の持ち味が発揮できなかったという例も多々あります。強み+資格で自分の持ち味を高め、海外で活躍することを目指しましょう。
海外就職を実現するためにやるべき3つのこと
資格を取得し経験を身につけたら、どのように海外就職を実現すればいいのでしょうか。
漠然と海外就職活動を進めるのではなく、できるだけ失敗するリスクを減らすことが大切です。そのためにできることが3つあります。
- 海外就職している人に話を聞く
- 大手の転職エージェントを使う
- 希望勤務地へ行ってみる
2つ目をやっている人は多いと思いますが、1つ目と3つ目を実行している人は意外に少ないです。詳しくは以下の記事をお読みください。
まとめ~希望の仕事に必要なスキルとキャリアを磨く
ここで紹介した資格を持っていれば、海外での就職・転職活動を有利に進めることができるでしょう。専門分野に関わる資格を取得していることは、少しでもプラスになるはずです。
ただし、前述したように資格があればいいというわけではありません。
希望する職種に必要なスキル、キャリアが十分に備わっているかどうか考えながら、不足していることがあれば補いつつ求人のリサーチを地道に続けることが大切です。
目標達成に向け、さまざまな方向からチャレンジしてみて下さい。
スムーズな海外就職・海外転職をするために
あなたの働きたい国はどこですか?
海外の就職状況は絶えず変化しています。海外就職・転職を成功させるには、資格取得にプラスして情報収集が大事になります。
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