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ニュージーランドでの引っ越しトラブル!これって外国人差別?

ニュージーランド

ニュージーランドは、2006年度の統計では1年間に4世帯中1世帯が引っ越しをしている、まさに引っ越し大国。そんなニュージーランドに留学中の筆者は、先日クライストチャーチ市内で引っ越しをしました。

通っている大学のすぐ近くに物件を見つけて、ラッキーと思いきやトラブルだらけで散々な引っ越しになってしまいました。この記事では、私の引っ越しの際に経験したトラブルや、入居先で感じた外国人差別についてお伝えします。

※1ニュージーランドドル (NZD)=約75円

目次

ニュージーランドでの引っ越しトラブルとは

鍵

不動産仲介業者のミスがひどい

トラブルの発端は引っ越し当日のことでした。私は不動産仲介業者の店舗カウンターに赴き、物件の担当者であるNさんから新居の鍵を受け取って、引っ越しに取り掛かりました。

荷物を新しい家の前まで運び終えた私は、引っ越し作業は順調に進んでいると感じていました。

新しい家に入れない!?

いざ新居に入ろうとしたところ、鍵が開かないと気づきました。なんと、Nさんに渡された鍵が間違っていたのです。すぐに不動産仲介会社に問い合わせるも、「Nさんは外出中のため折り返し電話をします」とのことでした。

仕方なく、家の外で荷物を見張りながら待機していましたが、Nさんからの電話は一向にかかってきません。さらに、だんだん雲行きが怪しくなり、今にも雨が降りそうな状況でした。

このままでは荷物が濡れてしまうので、急きょ隣のシェアハウスに荷物を入れさせてもらうことにしました。実は、新しい入居先は同じ構造のシェアハウスがいくつも並ぶ場所だったのです。

隣のシェアハウスに住んでいた親切な台湾人の方が、快く荷物を置かせてくれました。

個室にも入れない!?

先の台湾人AさんのシェアハウスでくつろぎながらNさんからの電話を待っていると、新たな女性がAさんのシェアハウスにやってきました。

彼女は今日この家に入居する予定でしたが、なんと彼女も渡された鍵が間違っていたのです。そこで、試しに私と彼女で鍵を交換してみると、ちゃんと玄関が開くではありませんか!こうして、私は目当てのシェアハウスに入れたのです。

しかし、共有スペースを抜けて階段を上りいざ個室に入ろうとすると、またしても開きません。つまり、不動産仲介業者が渡した鍵は「玄関用」と「個室用」の両方とも間違っていたのです。

私は落胆しました。引っ越しを始めたのはお昼でしたが、このときすでに夕方4時を回っていました。

不動産仲介業者の対応が不誠実

失望

玄関も個室も開かない鍵を渡されてしまった私は、いても立ってもいられず、またこちらから不動産仲介会社に電話をしてみました。すると、担当のNさんはすでに戻っていたのです。おそらく、折り返し電話をする約束を忘れていたのでしょう。

怒りを抑えつつ、渡された鍵が正しくない旨を伝えると、驚きの対応をされました。

うそをついてごまかそうとする

まず、鍵を間違えたことを認めず、絶対に謝りません。謝ってもらいたくて電話をしたわけではありませんが、あまりにも不誠実であきれてしまいました。

ちなみに、私が入居する予定だったのは6号室でしたが、渡された鍵は5号室のものでした。

このことを先の担当者Nさんに伝えると「このシェアハウスの所有者が間違えて、6号室のドアに『5』、5号室のドアに『6』の数字を書いてしまった」とのことでした。

そんなことはまったく知らされていません。契約書にも書いてありません。さらに、個室ごとに備えられた電力メーターを後日確認したところ、ドアに書かれた数字は正しいものでした。すなわち、Nさんの言ったことは真っ赤なうそだったのです。

逃げるように退社

私は電話の続きで、正しい鍵がすぐに必要だとNさんに主張しました。電話をしたのが金曜日の夕方、そして不動産仲介会社は土日に休みということで、その日中に鍵が欲しかったのです。

しかし、彼女は最後に「週末は今持っている鍵の部屋で生活をしてください。私は残業をしないし土日も出勤しないので、月曜日に新しい鍵を取りにきてください」と言い電話を切りました。

時刻はまだ夕方5時です。ニュージーランドでは多くのサービス業が夕方5時に閉まり、土日に営業しないのは珍しくありません。

お客さんより自分を優先

ニュージーランドは日本と比べると、従業員はお客と対等な存在で、接客もフレンドリーな傾向が強いです。私もニュージーランドのそういう部分が好きで、従業員を大切にする文化は素晴らしいと感じています。

今回の件も、従業員のワーク・ライフ・バランスを目指す手段として定時退社や週休2日は悪いものではありません。しかし、手段が目的と化してしまい、どんなにお客が困っていても融通が利かないという状況でした。

契約内容とまったく違う!

契約書

望んだお部屋ではありませんでしたが、寝る場所は確保できたので一安心しました。しかし、入居した後もまだトラブルは続きます。

インターネットがない

契約書には「無制限の光ファイバーのインターネット回線が利用でき、家賃に含まれます」と明記されていました。にもかかわらず、このシェアハウスはルーターすら置いていません。もはや契約違反ですね。

私は大学の課題や調べ物のために毎日インターネットを使います。そのため、インターネットにアクセスできないのは致命的です。

結局、隣のシェアハウスのWi-Fiを使わせてもらうことにしました。幸か不幸か、インターネット料金は家賃に含まれているので、お金の問題は気にしなくてよかったのです。

換気扇が動かない

加熱調理の際に必要になる換気扇が動かないとわかりました。新築のシェアハウスのため、換気扇も新品でとてもきれいです。しかし、電源すら入らずもはや飾りです。

そのため、換気をするにはすぐ隣の窓を開けなければなりませんでした。私が引っ越しをしたのは秋だったので、窓を開けるととても寒くて困ります。

外国人と現地民で異なる待遇

外国人

このシェアハウスには、私が入居した2カ月も前からコロンビア人のご夫婦が住んでいました。さらに、私の後にはニュージーランド人のEさんが引っ越して来ます。

しかし、コロンビア人ご夫婦、ニュージーランド人のEさん、そして日本人の私がそれぞれ不動産仲介会社のNさんから受ける待遇に大きな差があると気づきます。

Eメールでのやりとり

コロンビア人ご夫婦は私が入居する2カ月前から、インターネット環境の整備をお願いするEメールをNさんに送り続けていました。しかし、そのEメールの半分以上に返信がなかったのです。そしてご存知の通りネット環境は整えられていません。

私がネット環境の不備をEメールで訴えても、話をそらされて真剣に返信をしてくれません。

ただし、ニュージーランド人のEさんには違った対応を見せます。彼には必ず返信をする上に、ネット環境整備に関する具体的な進捗や、ルーターを設置できる日を伝えていたのです。

Eさんと、私とコロンビア人ご夫婦では対応に大きな差があり、これに対し私は悪意を感じざるを得ませんでした。

法外な家賃

クライストチャーチやその周辺地域でカップルがお部屋を借りると、光熱費やネット代を含めた滞在費は平均で233.70NZD(約17,528円)/週です。私もこのシェアハウスにはカップルで住んでいて、244NZD(約18,300円)/週を支払っています。

それに対して、コロンビア人ご夫婦は300NZD(約22,500円)/週もの超高額な家賃を支払っています。同じシェアハウスで個室の造りもほぼ同じなのに、家賃が大きく異なります。

こればかりは、契約に同意したご夫婦にも責任があります。しかし、英語が不自由な上に現地の家賃相場も分からない外国人に、搾取にも近い高額な家賃を支払わせているのを見ると心が痛みます。

相場確認の大切さ

ニュージーランドでは、移住ビザを持たない外国人は住宅の購入を禁止されています。さらに、日本人が想像するアパートのような賃貸住宅はほとんどありません。そのため、多くの外国人が「Flat(フラット)」というシェアハウスに住みます

ちなみに、ニュージーランドのFlatに1人で入居すると、家賃相場は130NZD〜220NZD(約9,750〜16,500円)/週です。

読者の皆さんが海外で生活をするときは、必ず家賃相場を確認して、損をしないように気をつけましょう

ニュージーランドの引っ越しでトラブルがあったときの対応

日の出

正直に言うと、私はまだインターネットや換気扇の問題を解決できていません。そのため成功体験はお伝えできませんが、ニュージーランドでの不動産関係のトラブルにどうやって対応するべきかをまとめました。

裁判を起こす

ニュージーランドには、「Tenancy Tribunal(テナンシー・トライビューナル)」という団体があります。この団体は、地主とテナントとの間にトラブルが生じた際に、最大50,000NZD(約3,750,000円)の請求を含む紛争を審理してくれます。

Tenancy Tribunalを通して、毎年約2万件ものトラブルが裁判に持ち込まれています。Eさんの話によると、ニュージーランドではとても一般的な解決方法です。

ただし、Webサイトや書類がすべて英語のため、日本人には敷居が高く感じるかもしれません。

日本大使館や領事館に相談

海外でトラブルに遭ったら、真っ先に思いつく相談先が日本大使館や領事館ではないでしょうか。

ニュージーランドでは、ウェリントン、オークランド、クライストチャーチの3大都市にいずれかの機関があり、すべて平日のみ開館しています。詳しくは在ニュージーランド日本大使館のホームページをご覧ください。

日本語で対応してくれる上に、現地の法律にも精通しているため、とても頼りになります。

とにかく証拠を残す

私のシェアハウスの担当者Nさんは、うそをついたりEメールを無視する問題がありました。このような不誠実な対応の証拠を残すことをおすすめします。例えば、会話や電話をする際には録音をします。

ニュージーランドでは第三者の会話を録音することは盗聴とみなされ違法ですが、自身が参加している会話を秘密録音することは違法ではありません。

しかし、やはりあらかじめ相手に録音の同意を取ることがベストであり、相手の虚言に対する抑止力にもなります。

後に裁判を起こすことになった場合にも、証拠は必ず役立ちます。少しでも不審だと思った不動産仲介業者とのやりとりは、記録に残すようにしましょう。

まとめ

今回の引っ越しトラブルの大きな原因はNさんの不動産仲介会社でしたが、実は現地では評判の良い会社です。たまたま問題のある担当者に当たってしまった可能性が高いのです。

そして、ニュージーランドでは外国人への差別まがいな対応はレアケースであることも断っておきます。

しかし、英語力の低さやその国の不動産事情への疎さにつけこんで悪さをしようとする人は必ずいます。この記事を最後まで読んでくださった皆さんは、どうかお気を付けください。

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この記事を書いた人

ニュージーランドの大学生です。コンピューター科学と物理学を勉強しています。ニュージーランド産のラム肉を食べて、スケートボードで街を走り、いろいろな国の人と友達を作りニュージーランドに溶け込もうとしています。自身の留学経験を生かしてニュージーランドについて記事を書きます。

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