ニュージーランドで生活するに当たって常にトラブルはつきものです。日本では当たり前にできると思っていたことが、海外では通用しないことがたくさんあります。
中でもニュージーランドの雇用形態は日本と違う部分がいくつもあり、日本を出国する前にあらかじめ最低知識を知っておくことで、ニュージーランドでのトラブルを最小限に抑えることができます。
そこで今回は、私がニュージーランドで、知識や経験を持っていなかったがために体験した、仕事のトラブルを紹介します。
ニュージーランドでネイリストとして働く
私は日本で、美容の専門学校を卒業してから、ネイリストをしていました。現在、その実務経験を活かして、ニュージーランドでもネイリストとして働き、8年目になります。
現在の職場は、オーナーと私の2人で勤務しています。トータルビューティーサロンなので、私はネイル部門をメインに担当して、オーナーはマッサージやフェイシャルエステ、ボディトリートメントなどを担当しています。
勤務日数は週5日で、9時から18時までですが、予約状況によっては19時や20時に終わることもあります。
そして、営業終了後にネイル技術の練習をする習慣がニュージーランドにはないので、日本で働いている頃よりも早く帰宅することができます。
季節によって収入が不安定
ニュージーランドは、職業にもよりますが季節によって勤務時間に変動があります。
春から夏にかけて暖かくなる時期には、長期休暇を取得する人が多く、ハンドネイルやフットネイルをするお客様が増えるので、それに伴い勤務時間や勤務日数も増え収入が増えます。
その一方で、秋から冬にかけて寒い時期には、ネイルをするお客様が少なくなるので、収入が減ります。人通りが少ない立地にあるお店は、お客様が来ない日もあります。そして、予約が無ければその分早くお店を閉める所がほとんどです。
そのため、フルタイム勤務としてニュージーランドで働いていても、早上がりが発生するので、夏季(12月〜2月)と冬季(6月〜8月)では収入が大きく変わるので、日本のように安定した収入を得るのが難しいです。
出勤日でも自宅待機でオンコールを待つ日々
私が以前働いていた別のネイルサロンでの出来事です。勤務を始めたのは夏が始まる前で、週30〜35時間働くこともあれば、予約が少なく週20時間程度の時もありました。
そのネイルサロンで約2年程働いたのですが、1年経った頃から、オーナーに「予約が入ったら電話でオンコールをするので、その時に仕事に来るように」と言われました。
偶然にも職場から家まで歩いて5分程度だったので、通勤には良かったのですが、オンコールで呼ばれて出勤しても2時間しか働けない日々がずっと続きました。
そのため、お給料がどんどん減っていき、少ない時には週100NZドル程で、1週間分の家賃をお給料で補うことができずに、貯金を崩して苦しい生活をした頃もありました。
オーナーが所得税を支払っていなかった
ニュージーランドで働くにあたり 、この国では一人ひとりにIRDと呼ばれる納税者番号が必要になります。その番号によって個人個人が所得税を支払っているかを確認できます。
私がニュージーランドに来て初めて働いたネイルサロンは、お給料が現金払いでした。勤務する時に必要な、IRD番号をオーナーに聞かれ教えていたのですが、実際にはお給料から所得税が引かれていませんでした。
その当時は、ニュージーランドの雇用形態をきちんと調べていなかったので、支払わなければならない私の所得税を払っていないことに気づきませんでした。
その後、職場を変えてお給料が銀行振込のネイルサロンで働き、そこではきちんと収入に対しての所得税を支払ってもらいました。
お給料の支払いが常に遅れる
現在の働いているネイルサロンでも、常に様々なトラブルがあります。職場ではオーナーと私の2人だけでお店を営業させて、他の従業員はいません。
オーナーとは上司と部下という上下関係ではなく、友達であり同僚という感覚で仕事をお互いにしています。それが原因かは分かりませんが、オーナーの個人的な理由で、お給料の振り込まれる日が常に遅れます。
日本では、必ず決まった日程にお給料が振り込まれます。お給料日が土日祝日と重なる月には、前日の金曜日に振り込まれるのが一般的です。
ですが今の職場では、曜日や日程が決まっているのにも関わらず、車の修理でお金が無くなってしまった、家のローンや学校のお金を払って手元にお金がないので、数日待って欲しいなどの理由でお給料の支払いが遅れます。
突然解雇されてしまった
こちらも以前、私が務めていたネイルサロンでの出来事です。働き始めた頃は、オーナーはとても親切でした。お給料もきちんと支払ってくれ、所得税も収めていました。
しかし、冬期に入りお客様が減りお店の売り上げが下がると、自宅待機の勤務体制になりました。予約が入ると呼ばれて、予約がない日は家で過ごして1日が終わりました。
そして自宅待機中の間は、お給料の保証がなく、お給料がとても減りました。そこでオーナーに自宅待機はできないと伝えたところ、急に怒り始めました。話し合いの中で、これ以上働けないと辞める意思を伝えました。
2年程そのネイルサロンで働いていましたが、有給やホリデーペイを1度も貰っていなかったので、お給料と合わせて振り込んでほしいと告げたところ、「お店から出て行け!」と激怒され突然解雇されてしまいました。
その後、未払いのお給料等を請求するために、ニュージーランドの労働局に電話をしました。労働局では日本人スタッフが働いていたので、無料通訳をしてもらいました。
違法であることは間違いなかったのですが、自分でメールや手紙、直接オーナーに会うなどして、「労働法の◯条に当てはまるので、どうして支払わなかったのか理由を説明して下さい。」という内容を伝えなければならないということでした。
そこで自分でそれぞれの条例を英文で伝えるのが難しくできなかったこと、その後もし裁判になった際にかかる費用が請求する未払いの金額よりも高いと知り、未払いのお給料等を諦めてしまいました。
- 労働局のサイト www.employment.govt.nz
ホリデーペイ
ニュージーランドでは勤務を始めてから1年間は有給はないので、そのかわりにホリデーペイとして通常のお給料に8%プラスされます。1年以上勤務すると4週間の有給がもらえます。
まとめ
海外では、日本と違いトラブルが多いので、日本の良さを改めて実感できます。出国する前に、その国のお給料や雇用形態について知っておくことで、違法な職場で騙されずに働くことができます。
海外は、ローカルの職場だけではなく、現地日本人オーナーの職場でも、労働基準法を守っていない、違法なお店が存在しています。
きちんとした職場で気持ちよく働くためにも、最低限の知識を持ち、自分の目で確認してから働くことを決めましょう!
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