皆さん、ネパールの教育が意外にもすごい事を知っていますか?
ネパールと聞くと日本に比べたら、まだまだ発展途上の段階なので優れた教育が受けられるとは中々考えにくいかも知れませんが、ネパールの人達は子供の教育に関しては、とにかくとても熱心です。
日本人の私からすると「そこまでするの?!」と思う事も多々あります。前回の記事でも書いたように電気に関しては毎日停電という、かなり適当な国ではありますが学校教育に関しては国を上げて力を入れるほどです。
今回はそんな知られざるネパールの教育事情についてご紹介します。
早すぎ!ネパールの学校入学は日本の年少さんから!?
日本では本格的な勉強は小学生くらいから始まります。しかし、ネパールでは日本で言う幼稚園に入学する頃の年少さん(3〜4歳)でほとんどの子供が学校に入学します。
早い子であれば2〜3歳の段階で学校へ入学。この頃は「みっちり勉強!」と言うわけではないですが英語、ネパール語、算数、の3科目を毎日少しずつ遊びながら勉強していきます。
そして、ほとんど毎日宿題が出ます。年少さんの初めの時期は鉛筆を正しく持つことですら、ままならないので初めの頃は毎日の宿題が子供にとっても、やらせる親にとっても大変な作業です。
ネパールの学校はほとんどが私立、授業は全て英語
ネパールはほとんどの学校が私立で英語教育がかなり進んでいます。私立の学校ではネパール語以外の授業は全て英語で行われているので、小さな子供でも早い段階から英語を母国語並みに話せる子が多いです。
私は英語もネパール語もあまりしゃべれないので、周りの子供達は気を遣ってゆっくりと英語を話してくれるほどです。日本語しか話せない私からすると、ものすごく見習いたいです。
子供には大変!!毎日出る宿題
なんとネパールの学校では、3〜4歳の年少さんの段階で毎日宿題が出ます。ABCや123、ネパール語などの読みは割と早い段階で出来るようになるのですが字を書く!という宿題をやらせるのは入学したての頃はかなり大変です。
なぜなら鉛筆もまだしっかり持てない状態なのにしっかりと字が書けるわけがないのです。ネパールの人たちは早い段階で鉛筆を持つ練習をしているのかも知れませんが、ネパールのかなり早い段階での勉強をさせるという考えはかなり衝撃的でした。
私は長女の入学のタイミングでネパールに移住しましたが、毎日泣きながら宿題をやる娘を見る事がとても辛く、「日本の学校に通わせた方が良かったかな……」と後悔してしまいそうな毎日でした。
しかし、ながら子供の能力はすごいもので、しばらくするとしっかりと鉛筆を持ち、何も言わなくても自分から進んで宿題をやるまでになったのです。
私はそこまで勉強が出来なくても「普通に現地のネパールの人と変わらないくらい読み書きが出来るようになればそれで充分!」と思っていましたが、移住して4ヶ月ほどで母国語であるネパール語は問題なく話せるようになり、英語、算数、ネパール語の読み書きも完璧にこなし、何と信じられないことに進級をかけたテストでは学年で1位になったのです。
周りの人たちからすれば娘は日本人ですからかなり衝撃的な出来事だったと思います。と、プチ自慢になってしまい申し訳ありません……。並で充分!と思っていた私からすれば本当に感動した出来事でした。
子供の能力は環境によって時にすごい能力を発揮するのもだと日々感心するばかりです。そしてネパール語イマイチな私は娘に感心するばかりで時には通訳してもらったりもしています。私も見習わなくては!!
ネパールの学校は飛び級制?!進級をかけた年に4回のテスト
ネパールでは年少さんの年でも年に4回の大きなテストがあります。このテストで合格点以上取らないと次の学年に進級できないのです。
ネパールの学校は飛び級制度で日本とは違い同じクラスの子が同じ年と言うわけではありません。勉強が出来る子はどんどんと進級していくシステムなのです。
理数系は強いが弱い科目も?!
こんなにも教育に力を入れているネパールですがマイナスポイントもあります。英語や数学、語学、理数系などは強いですが、美術や音楽などのクリエイティブな面に関してはあまり力を入れていないように思われます。
その理由としてはネパールではまだまだ美術や音楽に関した仕事があまりないからだと思います。その証拠にネパールの人に絵を描いてもらうと、かなり個性的で画伯的な味のある面白い絵を描いてくれる人が多いですよ!
それはそれで個人的に、かなり好きですけどね。
一般のネパール人でも3カ国語が当たり前
ネパールでは母国語のネパール語以外に英語、インドなどで使うヒンディー語の3ヶ国語は普通に話せる人が多いようです。学校で勉強する英語の他にヒンディー語はテレビ番組など、ほとんどがインドからの物なので自然とヒンディー語も覚えられるそうです。
ネパール語とヒンディー語は同じ単語の物や似ている所も多く覚えやすいそうです。何となく日本語で言うなら方言のような感覚なのではないでしょうか?逆にインドの人はネパール語はそれほど知らないようです。不思議ですね。
勉強をする気になる周りの環境!!
ネパールでは勉強する事が当たり前で、ほとんどの子供がまじめに勉強をしているので自然とみんな勉強するようになります。先生も昔の日本のように少し厳しめで、宿題を忘れてり悪いことをすればすぐに怒られ、多少なら叩かれることもあります。
向き不向きもあるかと思いますが、だいたいの子供は自分から進んで勉強に取り組むようになります。そして、ほとんどの学校が年少さんから高校卒業位まで同じ学校で勉強しているので、年上のお兄さんやお姉さんは小さい子達の面倒をよく見るのです。
時には家に遊びに来て宿題を一緒に励ましながら教えてくれます。親が教えるよりもとても効果的。終わった後は一緒に遊べるのでそれも楽しみの1つです。
このように、周りが自然と「勉強することは普通!」と思い込ませる環境が勉強をする気になるポイントなのではないでしょうか?確かに周りのみんなが勉強しないで遊んでいたら、よっぽど意志がしっかりした人でなければ一人だけでは勉強する気にはなりませんよね。
まとめ
いかがでしたか?
初めの頃はネパールの人たちの子供への教育が厳しすぎるのでは?と疑問を抱くこともたくさんありました。中には無理矢理、怒りながらやらせる家庭も少なくはありません。
私はさすがにそこまでは中々出来ませんし、初めの頃は本当に日々葛藤しましたが、日本人の私からすれば厳しい事でもネパールの人からすれば普通の事で、入学したばかりの頃は大変ですが慣れてしまえば意外と普通になってくるようです。
何事もスタートする時が一番パワーがいるかも知れませんね。
本人のやる気が開花するのであればこの環境も悪くないのかも?と思えるうようになりました。正直なところ私自身そこまで優秀ではありませんし、勉強よりも大切な物がたくさんあると思っています。どちらかというと、感受性や独創性、想像力や創造力などのクリエイティブな面を育てて行けたらとも思ってもいます。
しかしながら勉強は出来るにこしたことないので、本人が無理なく進んでやってくれるならば理数系の物でもクリエイティブな事でも得意な事を伸ばしてあげたいと思いました。悲しいことにまだまだネパールは貧富の差があり、中には学校に行けない子供や行かない子供も少なくはないです。
学校に行かせられる環境があるネパールの人々は出来るまで子供へたくさんの良い教育を与えたいと考えています。それがその子の将来の幸せに繋がります。ネパールでは、かなりしっかりと勉強していないと良い仕事には中々付けません。
そして、海外に働きに行く人も多く観光業も盛んなので英語はとても重要なのです。日本で同じように英語を教えようと思うと金額的にも難易度的にも色々大変かも知れませんが、ネパールでは私立と言ってもまだまだ物価は安いので割とリーズナブルです。
生活の一部として自然と英語が身につきます。中にはある程度大人になってから語学留学目的でネパールに来る人もいるくらいです。もし本気で英語を覚えたい。覚えさせたい人は語学留学にネパールはいかがでしょうか?
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