シンガポールのコンドミニアム(賃貸マンション)の選ぶ方、11のポイント
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シンガポールに住むことになった場合、最初の大仕事はコンドミニアム(賃貸マンション)選びです。シンガポールには狭い土地の中に星の数ほどコンドミニアムがあるので、ポイントを絞らないと決められません。
20件以上のコンドミニアム探しをした経験から、快適な部屋を探すためにどういった点に着目して選べばよいかのポイントをまとめました。
ここでは、駐在員としてシンガポールに来られる方を想定して解説していきます。
記事の目次
シンガポールのコンドミニアム選びのポイント
シンガポールのコンドミニアムを選ぶに当たって、私がポイントにしたのは以下です。上から優先順位になります。
- 最寄り駅:会社、子供の学校に近いか
- 駅までの距離:徒歩5分以内が理想
- 築年数:3年から10年位
- 部屋数:家族構成によるが日本でいう2LDK、3LDKが一般的
- フロア:15F以上
- 広さ:100㎡以上あるとベター
- 収納:余裕があるか
- 清潔さ:水周りのカビ、ダストシューター
- 台所:料理するのに十分な広さか
- 方角、眺望
- バスタブ付きかどうか
ポイントの詳細
①最寄り駅:会社、子供の学校に近いか
会社に近いか、お子さんの学校の通学バスが停まるところかどうかがポイントになります。シンガポールはバス網も発達しているため、地下鉄(MRT)の駅からは遠くとも、バス停が近ければ不便に感じないケースも多いです。
日本人の駐在員が多いエリアは以下の5つです。
- River Valley周辺:明治屋やオーチャードに近く買い物便利
- CBD:Central Business District。ビジネスの中心地。摩天楼に囲まれ、まさにシンガポールといった雰囲気
- ニュートン、ノベナ地区:日本語病院なども多く便利
- イーストコースト地区:海沿いで景観が良い(公共交通は不便)
- ホーランド地区:西洋人が多く住むおしゃれエリア
まずはこの辺りに目星をつけ、徐々に部屋探しの範囲を広げていけばよいでしょう。
- シンガポールのポピュラーな地図:http://www.streetdirectory.com
- 地下鉄マップ:https://dennischia.files.wordpress.com
(地図上にバス路線図が表示されている情報はなかなかありません。上のStreetdirectoryでバス停をクリックするとバス情報が出てきます)
②駅までの距離:徒歩5分以内が理想
シンガポールはやっぱり暑いので、駅から徒歩5分位が望ましいです。10分以上だと、駅に着いたら汗だくということにもなりかねません。
また傘が役に立たないような突然の雷雨も多いので、距離があるとずぶ濡れになってしまいます。
車を持てるならまた条件は全然違ってきますね。ただしシンガポールは車が高いので、中心部に住んでいれば駐在員でも持っていない人が多いです。
③築年数:3年から10年位
シンガポールとはいえ、やっぱりアジアだからということなのか安く建てられたマンションが多いです。そのためシンガポールで新築に住む場合には、いろいろと不具合が出てきます。
誰かが住んで不具合が解消された3年位の物件が一番良いのです。
あまり築年数が経っている物件だと、水道の配管が壊れたりエレベータが故障したりとぼろが出てくるので、やはり築年数3年程度の物件を探すようにしましょう。
④部屋数:日本でいう2LDK、3LDKが一般的
家族構成や生活形態によって部屋割りは変わってくると思いますが、荷物を置いたりお客を泊めたりということを考えると3LDKがベターです。
またシンガポールには、Bomb Shelterといっていわゆる防空壕のような厚い壁と扉で覆われた部屋があることが多いです。
1998年以降の物件は政府により設置が義務付けられていたため、そうした部屋があるそうです(ただし、築浅の物件ではあまり見ないため、最近は政府の条件が緩和されたのかもしれません)。実際に機能するかは??ですし、安全なシンガポールで防空壕が必要なケースが起こるとも想定しにくいです。
こうした部屋は家政婦さんの部屋や物置部屋として使われています。また、日本からの荷物やら食材やらの物置としてとても重宝します。
⑤フロア:15F以上
何故15F以上がいいかというと、シンガポールは南国だからです。街全体を薬で消毒しているため、蚊やごきぶりを見ることはあまりありませんが、それでも南国です。やはり草むらなどに蚊はいます。
一般的に15F以上になると地上の蚊などの虫が入ってこないようなので、高い場所であれば窓を開けても安心ということになります。
ちなみにうちのコンドミニアムは24Fですが、家の中で蚊やごきぶりは一回も見たことがありません(それでも蟻は見たことがありますが……)。
⑥広さ:100㎡以上あるとベター
これはシンガポールだからということではないですが、広いに越したことはないですよね。ただし数字の広さだけだと、ベランダやメイド用の部屋などのあまり使わないエリアの広さが含まれていたりするので、実際に使う部屋の広さがどのくらいあるかはチェックした方がよいです。
オーチャードなどの中心部にかなり近い物件だと、狭い部屋も多いです。
⑦収納:余裕があるか
常夏のシンガポールでは夏服しか要らないからなのか、収納はあまり広くないコンドミニアムが多いです。Bomb Shelterがあれば荷物置き場には困らないと思いますが、ない場合だと日本からの荷物が入るかどうか確認が必要です。
日本でいうウォークインクロゼットタイプの収納があるコンドミニアムはあまり見かけないので、荷物の置き場があまりないのが実情です。
⑧清潔さ:水周りのカビ、ダストシューター
蒸し暑い国なので、水周りにカビが見られるコンドミニアムは多いです。入居時にはクリーンアップされますが、使っているうちに結局カビが出てきます。特に洗面所の換気は要チェックです。
また、ダストシューターが付いているコンドミニアムが多いです。いつでもごみを捨てられる(シンガポールは分別する必要なし)ので便利なのですが、ごみ置き場を消毒する際に、虫などがダストシューターを通して部屋の中に上がってくることがあるそうです。そうした場合は、消毒の際にダストシューターの周りをガムテープでふさぐとよいです。
⑨台所:料理するのに十分な広さか
シンガポール人はあまり料理をせず、外食がほとんどの生活のようです。従って設計上、台所の広さにはあまり重点を置いていないように思います。
日本人は単身者以外は自炊が基本だと思うので、調理スペースが十分あるか、ガスか電熱式かなどはチェックしておいた方がよいと思います。
⑩方角、眺望
シンガポールの西日はきつく、暑いため、西向き以外がおすすめです。
また眺望は完全に好みですが、コンドミニアムが林立しているシンガポールでは、高層階であっても目の前は別のコンドミニアムでカーテンもあまり開けられないというところも多いです。でもやっぱり、眺望が開けて空が見えると心も落ち着くと思うのは私だけでしょうか。
⑪バスタブ付きかどうか
シンガポール人は基本的にシャワーのみです。そのため、バスタブ付きのコンドミニアムはあまりないです。特に新しいモダンな物件ではほとんど期待できないです。
個人の好みにもよりますが、日本人にとってもシンガポールは暑いので、バスタブがあってもほとんどシャワーという人もいます。個人的には、クーラーで冷えた体にはぬるめのお湯にゆっくりつかるのが快適なので、毎日入っています。
シンガポールでコンドミニアムを探す際の注意点
たくさんのコンドミニアムを見ていると、どれがどれだかわからなくなってきます。以下のやり方をおすすめします。
コンドミニアム名とポイントを一覧表にして管理する
私の場合はエクセルを使って、情報を一覧でまとめました。不動産屋さんとコンドミニアムを回っているときは手書きでメモして、帰宅後PCで情報を整理し記録しておきます。
これがあると後で整理して見やすく、社内の別の人にも共有しやすいです。
最初にコンドミニアムの名前がわかる写真を撮っておく
写真を撮って、家族に見せたり、記憶を呼び戻したりすると思いますが、どの写真がどのコンドミニアムのものか混乱しないために、まずコンドミニアム名がわかる写真を撮るようにします。
そうすると、後でどこからがどのコンドミニアムのものなのか見分けやすくなります。
まとめ
以上、シンガポールのコンドミニアム選びのポイントをまとめましたが、この条件を全部満たすような物件はまずないです。
人によって優先するポイントは違ってくると思うので、絶対に譲れない点があれば、それを満たさないコンドミニアムは選択肢から外して絞っていくことをおすすめします。コンドミニアム選びのお役に立てれば幸いです。