ドイツ・ベルリンでフリーランスビザ取得!取れるかどうかは運次第?

ベルリン ドイツで働く

私は2015年9月よりワーキングホリデービザでドイツの首都ベルリンに1年間滞在、その後、一時帰国して観光ビザでベルリンへ戻り、2017年1月末「フリーランスビザ」に切り替えました。

初めての海外生活を終えた後、帰国中には再度ワーホリを利用して他の国で滞在することも検討しましたが、結果的にベルリンでフリーランスとして働くことを選びました。

その決断に至った過程と、申請からビザ取得までの道のりをご紹介します。

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ベルリンでのワーホリ生活を経てフリーランスビザを選択

ドイツの川ぎわ

東京での生活に区切りをつけ、ワーキングホリデー制度を利用してドイツのベルリンへ行くことを決めましたが、正直「ベルリンってドイツだったのね」というくらいドイツ自体にはほとんど興味がありませんでした

ベルリンにも一度も行ったことがなかったのですが、アートや音楽シーンが盛り上がっていて文化度も高い、かつカフェや公園も多くてみんな昼間からビールを飲んでごろごろしてるよ〜という友人の情報から、ただのインスピレーションで渡独を決めます。

きっかけはそんなことだったので特に準備をしていたわけでもなく、ドイツ語どころか英語もままならない状態でしたが、今を逃したら海外生活から遠のく一方だと思い決断しました。

体当たりながらも楽しいベルリン生活

いざベルリンへ来てからは、「魔女の宅急便」のキキのように毎日体当たりで暮らしながら、あっという間に季節は過ぎました。ファッションスタジオでインターンをしたり、イベントを企画したりしながらだんだんとつながりもでき、友人にも恵まれました。

そして何と言ってもベルリンは夏が最高です!寒くて長ーい冬を越え、みんなが待ちに待った、ほんの束の間のまぶしい季節。

夜10時くらいまで外が明るいので、仕事終わりに川沿いや公園などあちこちで人々が集い、ベルリンにはこんなにも人がいたのかというくらいに街全体が夏祭りのようなワクワク感にあふれます。

ベルリンに滞在し活動したい

ワーホリビザで来た当初はすでにコートとマフラーがいるほど寒く、ようやく初めてのベルリンの夏を経験してしまった私は、この刺激的かつラブ&ピースなリラックスした街をすっかり好きになり、滞在期限が近づくにつれ、ここでもう少し生活してみたいと思うようになりました。

ただ、ヨーロッパへ来たのには「いろいろな国や地域の文化・価値観に触れたい」という目的があったので、年齢制限のため最後となるワーホリチャンスを使ってフランス、または”次なるベルリン”との噂のあるポルトガルへの移住も視野に入れていました。

自分の今後のプラン、そしてパリやロンドンなどヨーロッパの他の大都市とはまた違ったベルリンの魅力や特徴、可能性も含め、実際に今ここで何ができるか、それまでの経験や実感を踏まえて考えていくと、次第に日本のカルチャーを現地で紹介・体験する”出会いの場”を作りたいと思うようになりました。

行動開始、新たなビザ申請へ

ベルリンはヨーロッパのほぼ真ん中に位置するのでどこへ行くにもアクセスが良く、そして何か新しく始めるには適した場所ということで、まずはベルリンを拠点に友人とプロジェクトをスタートさせます。

そうしてワーホリを終え、2ヶ月の日本帰国中に「ええーまだ帰ってこないの?」と母から文句を言われながらも次なるビザ(フリーランスビザ)申請の準備をしました。

そしてプロジェクトのためにと、パートナーとなる作家さんとの出会いを求めて展示会をまわったり、インタビューをしたり、西へ東へと駆け回りました。

ドイツのフリーランスビザ取得:ネットでの面接予約

PHOTO : KOTO MA - こと、間。HP

※「KOTO MA – こと、間。」のホームページ

ベルリンにはビザ申請のお手伝いをしてくれるコンサルタントがいますが、私はなるべく自力で取得することを目指しました。

以下、ビザ申請の流れです。

  1. 面接予約
  2. 申請書類の準備
  3. 外国人局での面接
  4. 取得後の手続き

まずはオンラインでの面接日時の予約ですが、ドイツ語のほか英語でフォームへの記入が可能です。

予約を取るのは至難の業

一時帰国を終えてベルリンへ戻ったのは11月でした。3ヶ月の観光ビザ期間内に次のビザに切り替えなければならないわけですが、帰国中から何度もチェックしていた外国人局のビザ申請のネット予約に一向に空きが出ません。

特に、フリーランスビザについては翌年4月まで予約でいっぱいで、学生ビザ枠であればなんとか年内に空きがあったため、ひとまず押さえることに。

しかし、「大学準備ビザ」は1年のみ、学業重視でアルバイトも制限内でしか許可されず、もちろん語学学校に通うことが必須条件となっているため、本来の目的とは合いません。さらには、学生ビザからではフリーランスビザへの切り替えが難しいという噂もあります。

状況はさらに悪化

ただ、「フリーランスビザ」で申請をしようにも、滞在期限が迫る中で毎日空き状況のチェックをしているにもかかわらず、予約が取れない状態が続きます。

ビザがなければ働くこともできず、ドイツ国外へも出られないため、学生ビザ、就労ビザも検討しながらいろいろな手を考えました。

さらに悪いことには、当時の家を出なくてはいけなくなりました。−15℃にもなるベルリンの一番寒い時期にないない尽くしで、今思い返してみてもかなりの崖っぷち、精神的にも本当に辛かったです……。

観光ビザ終了1週間前に奇跡が!

そうやってベルリンの暗くて寒くて長い冬に鬱鬱としながらも、ひとまず学生ビザのために語学学校へ通いましたが、不安な時期が続きました。

とうとうタイムアップという頃、アムステルダムの友人から誘われ、こうなったらオランダで弾丸申請をしようかと思っていた矢先に突然、外国人局の予約に空きが出たのです。観光ビザの期限が切れる1週間前でした。

とにかく早めに予約を

このように、予約自体は難しくないのですが、現在では半年前からいっぱいでなかなか空きが出ないので、書類が用意できていなくてもまずは予約、早めの行動をおすすめします。

どうしても予約が取れない場合は、キャンセル待ちをねらって朝から外国人局の前で並ぶという最後の手段がありますが、これは当日に空きが出るかどうかわからず、どんなに早く行ってももっと早く来た人がすでに長蛇の列を作っているという、なんともハードな作戦(この辺のアナログ感はベルリンぽいなーと思うのですが……)。

私の友人には終電で外国人局へ向かい、そのまま朝まで外で並んでようやく予約番号をゲットできたという強者もいました。

ドイツのフリーランスビザ取得:必要書類の準備

パソコン

書類は公式ページからダウンロードして記入するものと、独自に作成するものがあります。私はネットで調べたり、友人・知人の助けを借りたりしながらなんとか1週間で必要書類を準備しました。

英語で用意する人もいますが、担当官にスムーズに理解してもらえるように、できるだけドイツ語に翻訳するのがおすすめです。

  • パスポート
  • 証明写真
  • 申請書
  • 資金計画書
  • 収入見込書
  • 履歴書
  • 健康保険加入証明書
  • 家の賃貸借契約書
  • 手数料50 ~110ユーロ(約6,600~14,500円)

ジョブタイトルは慎重に

「フリーランス」として申請するには、まずジョブタイトルが必要です。ベルリンの場合、そのタイトルの範囲内でしかお金を稼いではいけません。仕事がなくてもとりあえずのアルバイトをすることができないため、ここは慎重に設定します。

私の場合、少々肩書き迷子になっていたのでここで結構悩みましたが、一度決めてしまえばあとは自分にも周りにも“決意表明”として働きます。

私は「イベントキュレーター&PRマネージャー」で申請しました。「もう私はこれでやって行くしかない」という甘えを捨てた決断でした。今思えば、これは自分にとって必要なステップだったと思います。

月収は約13万円が目安

収入の目安としては、フリーランス1年目は月1,000EUR(約132,000円)以上あればまずは合格のようです。私は履歴書に人物照会先や今後の決まっている仕事予定なども付け加えました。

必須かつ難関な健康保険

ドイツでは健康保険に入ることが法律で決められていて、もしも未加入のまま発見されてしまうと即刻国外追放になります。ビザ申請の一番の難関であり、情報が錯綜しているのがこの「保険」パートです。と言うのも、これは本当に担当官によって判断が異なるのです。

フリーランサーが加入するべき保険会社やプランの価格もピンキリですが、たとえ同じ保険会社の同じプランでも、ある人はOK、ある人はNGと本当に正解がないドキドキのパートなのです。

私はとりあえず、相談していた友人がOKの出たプランで挑戦し、もし何か言われたらその時に変更するつもりでしたが、実際には何も突っ込まれることはありませんでした。

用意しておきたいその他の書類

その他、公式ページには載っていなくても担当官によっては提出を求められる書類が以下になります。

  • 銀行の預金残高証明書
  • 大学の卒業証明書
  • 住民登録証明書
  • モチベーションレター
  • 推薦状

預金は150万円以上あるのがベストとされています。預金額に合わせてビザの発行年数が決まるとの噂も。

推薦状はクライアントから一筆もらいます。これもできればドイツの会社(GmbH)や個人に書いてもらうのがベストです。2、3枚あれば大丈夫という噂もありましたが、私は念のため、できる限り集めて合計7枚用意しました。

私との出会いや関係性、仕事歴、そして今後の予定とできれば報酬金額も書いてもらいます。ポイントとしては、どれだけの信頼感が両者の間にあるのかを恥ずかしくなるくらい大袈裟にアピールしてもらうことです。

情報と熱意を詰め込む

何よりも書類が大事!な書類大国ドイツなので、この提出書類一式にどれだけの熱意と情報を詰め込み、担当官を納得させる判断材料にできるかにかかっています。

「なぜ、私はドイツでビザを取る必要があるのか?私の仕事が今後どのようにドイツと関係して貢献ができるか?」を冷静かつ情熱的かつ客観的に訴え、担当官の判断材料となるような書き方が必須です。

※1ユーロ=約132円(2018年5月)

ドイツのフリーランスビザ取得:ドイツ外国人局への申請

できる限りの材料をそろえたら、ドイツ語の話せる友人に付き添ってもらい、さあ、勝負です。

ベルリンに住む日本人がもっとも恐れる外国人局。いよいよ、私も拝む日が来ました。これでやっと一人前、という気持ちで気を引き締めて向かいます。

運がよければ即日ビザ発行

ビザ申請にあたっては本当にいろいろなケースを聞きますが、つまりは「運次第」。天気や前日のサッカーの試合結果といった担当官の気分で、人生を左右する大事な判断が簡単に変わってしまうのです。

私の場合、部屋へ入ってからほとんど話すこともなく、付き添いの友人がドイツ語で自分と私のことを簡単に紹介してくれたあと、担当官に「じゃあ書類見せて。一通り確認するからそれまで外で待ってて」と言われ、さっさと退室。

その後30分ほど待合室で待ちました。ポーンと自分の番号が電光掲示板に出て、緊張しながら先ほどの部屋に入ると、担当官は今度はとても穏やかな様子で私たちを受け入れて、すんなりと「はい、2年ね」

無事、即日でビザを発行してもらいました

ドイツのフリーランスビザ取得後のもうひと仕事:税務署へ

その後、クライアントへの請求書作成のためにも必要な「税金番号」を取得するため、税務署へ行きフリーランス登録をします

この手続きを経てようやく、晴れてフリーランサーとして働けるようになるのです。

まとめ~できる限りの準備をして運に任せる

ドイツ

近年、フリーランサーやアーティストの移住先として注目を集めるベルリンですが、移民問題もあって外国人局のシステムが大きく変わり、これまでと比べると外国人がフリーランスビザを取得しにくくなっているようです。

私自身、体験したこの一連の過程は、まさに「これぞベルリンあるある」といった感じでした。

できる限りの準備をしたらあとは運に任せるという、この土地に住んでいる人であればある程度共通して備えている心持ちこそ、公式ページには載っていなくても最も必要になるのではないでしょうか。

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