ドイツは移民に比較的寛容な国です。私のように何の後ろ盾もなくやって来た外国人でも、永久ビザを手に入れて希望する限り住み続けることが可能です。実際、私は滞在歴18年となりました。
ただしもちろん、そのためにクリアしなくてはならない条件はあります。
旅行や短期滞在ではなくドイツに移住したいと思っている方のために、それを実現するための5つの方法とそれぞれのメリット・デメリットなどをご説明します。
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ドイツ移住を実現する主な方法はこの6つ
日本人として日本の国籍を持っている以上、何か特別な申請をしなくても基本的に日本から追い出されることはありません。しかし外国へ出れば、何のために住みたいのか目的をはっきり示さない限りその国での滞在は許されません。
自分の国に住むのは「権利」ですが、他国に住むには滞在国の「許可」が必要になります。これが母国と外国の大きな違いです。
ドイツの場合も同じです。ドイツで1年以上の長期滞在をしたい場合、大きく分けると6つの方法があります。
- 大学入試を受けて大学生になる
- 職業訓練学校などに通いプロの資格を得る
- フルタイムの仕事を見つける
- フリーランスになる
- ドイツ人またはドイツの永住権を持っている人と結婚する
- ワーキングホリデーをする
どの道を選ぶにしてもそれなりの努力が必要ですが、あらかじめ知っておくとどれが自分に合うかがわかると思います。これからひとつずつ説明していきます。
ドイツ移住の方法1. 大学生になる
ドイツに興味を持ち長期滞在したい場合、多くの人は「大学入試を受けて大学生になる」という方法を取ります。
日本でドイツ語を専攻していた、音楽を学んでいた、ドイツに旅行に来て気に入ったなど、とにかくドイツに興味がある、何かを吸収したいという人に向いています。
私もこの選択をしました。ドイツの語学学校で1年間ドイツ語を学んだあと、ドイツの大学に入学したのです。
高いレベルのドイツ語が必要
さまざまな大学のたくさんの学科から興味を持った学科に申し込み、受験許可を待つのですが、外国人がドイツの大学に入るにはドイツ語の試験があります。
最低限の大学の授業についていけるかをチェックする試験で、私が受けたときは「読み書き」「聞く」の2分野に分かれていました。
合格するには、事前にかなりのドイツ語の勉強が必要です。特に私はドイツで初めてドイツ語を始めたので、大学合格レベルに持っていくのは大変でした。
2018年現在、ドイツ語のレベルは初級からA、B、Cに分かれており、大学入学にはC1という上級レベルの語学力が求められます。私がハイデルベルク大学を受験した2003年にはまだA、B、Cの区分ではなくDSHという名前の試験でしたが、レベルは同等です。
原則として働けない
語学学校生ビザでは基本的に労働は禁止です。
私の場合、最初の数か月はたまたま労働許可付きのビザだったのでアルバイトをしながら語学学校に通っていましたが、後半は労働不可のビザになったこともあり、毎日学校でドイツ語の勉強に集中しました。
入学後も語学力上達が求められる
大学の勉強についていくためには、C1レベルのドイツ語力では全然足りません。授業での発表、筆記試験、レポート、教授や学生間のコミュニケーションも当然ながらすべてドイツ語です。
大学であるからにはドイツ語ができるのはある意味当然で、メインは専攻学科の知識を吸収することです。
ただ、ドイツ語力は大学の勉強をこなしているうちに自然に伸びていくので、そこまで心配はいりません。大学生になれても学業の進みが遅いとビザの延長ができないため、自然に頑張って勉強することになります。
かつては卒業までに6年間
私が2003年に大学に通っていた頃は、今と制度が違いました。当時のドイツの大学は日本と違い「学士課程」が存在しておらず「修士課程」のみだったのです。
日本でいう大学院2年生までを修了して初めて大学卒業になります。そのため、全ての単位を取り終わるまで通常6年間かかっていました。
その後の大学制度改革により、現在はドイツでも日本と同様「学士4年・修士2年」制度が取り入れられ、それに沿って学習カリキュラムも変更されています。
卒業試験の過酷さ
単位を取り終えたら卒業試験があります。卒論と卒業試験に各半年で合計1年です。
私の場合は、主専攻の卒論約100ページ、5時間の筆記試験、1時間の口頭試験、2つの副専攻で3時間の筆記試験、1時間の口頭試験、30分の口頭試験を行いました。
同じ試験に2度落ちると卒業できないのでかなりのプレッシャーです。卒業までかなり根を詰めて勉強しなくてはいけません。その分、卒業したときの喜びと達成感は格別なものがありました。
大学の授業料は無料
ドイツの大学の授業料は基本的に無料です。州によって違いますが、半年に1回、交通費と事務手数料という名目で100ユーロ程度(約13,000円)を支払うのみです。
生活費も、食費は安い上に住居もほとんどの学生が寮やシェアハウスに住むのでそれほどかかりません。私もシェアハウスに住んでいました。月々の出費は学費や生活費を含めて700ユーロ(約91,000円)くらいだったと思います。
この方法のメリットとデメリット
大学で勉強すれば専門知識が得られ、ドイツでの生活も楽しめます。充実感もあり、滞在中に自分が将来的にこのままドイツに住みたいのかも確認できて、いい選択肢だと思います。
ただし、ドイツに滞在できるのは学生の期間だけなので、大学卒業後もドイツに残りたい場合はまた別の手段が必要となります。
※1ユーロ=約130円
ドイツ移住の方法2. 職業訓練校に通い卒業後に就職する
2つ目の方法は、ドイツの職業訓練制度Ausbildung(アウスビルドゥング)を利用することです。
理論と実践を同時に学べる
この制度では、あくまで机の上で知識を得ることを主眼とする大学とは対照的に、現場も経験しながら職業訓練学校に通い、実践のための知識と技術を得ることを目指します。
職業学校と企業の協力のもとにできているシステムで、週の半分は学校で理論を学び、残りの半分は現場で実習します。
数百種類もの分野での職業訓練があり、パン屋さんやケーキ屋さん、手作り貴金属、花屋さん、トリマー、そしてドイツならではのビール・ワイン醸造などさまざまです。
ドイツのケーキが大好き、貴金属を手作りしたい、フラワーコーディネートをやってみたい、ワインの勉強をしたい、作曲を学びたいなど、具体的な目標を持つ人に向いています。
お金をかけずに専門性が身につく
学費はかからず、実習期間中は少しですが、一般に給与が支払われます。住む場所も寮などを提供してくれる場合が多いので、生活費もかけずに学ぶことができます。
大学と違い、机の上での勉強だけでなく実習が伴うので卒業後に就職先を見つけやすいのも利点です。
私の友人にも、貴金属の作り方を学んだ人や、ドイツのケーキ職人になった人、ワインの学校に通ってその分野で働いている人など、学んだ知識を生かしている人がたくさんいます。
ときには、その友人たちが作った手作りの貴金属作品を見せてもらったり、ケーキをおすそ分けして頂いたり。みんな生き生きと楽しそうに学んでいました。
職業訓練制度を利用するには
受け入れ先の職場を探す
まず自分が希望する職種で職業訓練生を募集している会社などを探し、そこに履歴書などを送って応募します。応募書類によって面接に呼ばれ、合格すると職業訓練生として働けます。
職場が見つかれば提携先の職業訓練学校に通うことができます。2~3年の職業訓練制度期間中に学校で実技や知識の試験があり、それに合格すると卒業証書がもらえます。
専門知識だけではなく、数学や国語(ドイツ語)などの一般教養の勉強もします。
業務経験とドイツ語力があれば有利
希望する職場の面接に受かるには、すでに日本でその職業の経験があること、そして面接できるだけのドイツ語力があると有利です。
ただ、必ずしも経験者である必要はありませんし、ドイツ語も完ぺきでなくて大丈夫です。
熱意があれば経験がなくても、あるいはドイツ語が不充分でも経験があれば雇ってくれることもあります。受け入れ先も安い労働力を得られるのでフルタイムの社員を雇うよりハードルが低いのです。
この方法のメリット
もともと自分の好きな分野、得意な分野を知識と現場の両方から学べるのでこれ以上のことはありません。
意思の疎通ができる程度のドイツ語を勉強しつつ、希望の職種の募集にどんどん応募してみることをおすすめします。
ドイツ移住の方法3. フルタイムの仕事を見つける
学生になるのではなく、会社員として働くという方法もあります。これは自力で永久ビザを獲得するのに一番確実で最短の方法だと思います。
5年以上勤務すれば永久ビザが手に入る
初めの数年は契約した会社でしか働けないという場所の制限、また最初の5年は期間の制限があるビザしかもらえません。しかし、5年以上働いて所得税や年金等の社会保障費を納め、さらにドイツ語B1の試験に受かれば永久ビザがもらえます。
私もこの方法で永久ビザを取得しました。ドイツの大学を卒業した後、日本で働いた経験とドイツで習得した語学スキルの両方を生かせるハンブルクの企業に2010年に就職し、数年後に永久ビザを取得したのです。
ドイツ語の知識に加えてなんらかの専門知識がある人にはベストな方法です。しかし、ドイツ語のスキルもなく、職歴もない状態では雇ってくれるところがなかなか見つからないのが現状です。
働きながらの語学習得は難しい
語学のスキルがない場合、就職先として考えられるのは、日本人である利点を生かせる日本食レストランなどの飲食業です。
しかし、日本で料理人としての経験があり、最初から「ドイツで日本の料理を広める」という志しを持っているなら別ですが、「働きながらドイツ語を学びたい」という方には飲食業はおすすめできません。
体力が必要な上、仕事時間も他の業種に比べて長いので、言葉を勉強する気力が持続しないからです。
ドイツ移住を考えているのであれば、フルタイムの仕事を始める前に少しでもドイツ語(または英語)を身につけておくことをおすすめします。
ドイツ移住の方法4. フリーランスになる
ドイツにはフリーランスで働く人のためのビザがあります。企業に属さず、フリーランサーとして滞在するのも一つの方法です。
ただし、この方法はリスクが高いです。職業分野にもよりますが、許可が下りにくいからです。
ビザを取得するのは至難の業
フリーランスの種類は多岐にわたり、それぞれの背景、経験や経済力なども考慮されるので、「これを参考にすればフリーランス・ビザが取得できる」という見本がありません。
私の周りでも、テディベア作家、ハンドメイドアクセサリー、デザイナー、カメラマン、芸術家、翻訳家、美容師などでフリーランス・ビザに挑戦した人たちがいますが、ある人は却下、ある人は弁護士の力を借りて何年もかけてやっと取れたなど、やはり苦労が多いようです。
そのため、上述のように会社員として5年働くなりドイツ人と結婚するなりしてすでに永久ビザを取得している人がフリーランスになっているケースをよく見かけます。
ドイツ移住の方法5. ドイツ人と結婚する
ドイツ人やドイツの永住権を持っている人と結婚すればドイツに長期間住むことが可能です。
もちろん、ビザ取得のためにドイツ人と結婚すればいいと言いたいわけではなく、あくまで結婚相手がドイツ人である場合にドイツに住む権利が発生する、という話です。
離婚というリスク
ただし、結婚すればそれ以上移住の苦労はいらないのかというと、そうではありません。というのも、ドイツでは離婚率がかなり高いからです。統計的にはドイツでは約4割の夫婦が離婚します。
実際、私の周りでも、両親が離婚している、本人が離婚経験者(そして現在は2度目、3度目の結婚中)である、配偶者が離婚経験者など、なんらかの形で離婚と関わりを持っている人が8割くらいです。
離婚原因は万国共通で、他に好きな人ができた、性格の不一致などさまざまですが、基本的にドイツでは夫婦とも経済的に自立しており、離婚後も親として定期的に子どもに会う権利が保障されているため、夫婦間の愛情がなくなれば簡単に離婚を選択します。
一人でも生きていけるスキルを持っておく
このような離婚文化があるドイツで、自分が滞在する権利が相手の一存にかかっている状態は精神的にもかなり不安です。ビザの問題だけでなく、経済的な問題も出てきます。
離婚をためらわないドイツ人を見ていると、いざとなったときに困らないよう、日頃から言語の習得に努めたり、何かの資格を取ったり、社会経験を積んだりしておくことが必要だと痛切に思います。
ドイツ移住の方法6. ワーキングホリデーをする
ドイツのワーキングホリデー制度についてです。
ワーキングホリデーというのは、ドイツの文化や生活に触れることを目的に、日本とドイツ両国の合意に基づいて長期滞在が許可される制度のことです。専用ビザ申請時に18歳以上~30歳以下である必要がありますが、取得できればドイツに3ヵ月以上(最長1年)滞在することが可能です。
滞在期間が限られているため、この制度自体が直接ドイツ移住につながるわけではありませんが、ワーキングホリデーには「ドイツに滞在しながら仕事ができる」という特徴があります。
ひとつの職場での最長就労期間は半年までですが、期間中に仕事ぶりが認められ、就労ができる滞在許可に切り替えてもらったという人も存在します。「すぐに実践から入りたい」という方には向いている方法だと言えるでしょう。
ドイツ滞在に必要なビザの取得難易度は?
ドイツでは州によって法律が違うことがあります。例えば、学校制度や試験の難易度が州によって違うため、別の州の大学に通う場合に問題や不公平が生じることもあります。
それに比べて、外国人の滞在に関する法律は基本的にはドイツ全体で統一されています。とはいっても、すべてが平等ではないのがドイツの難しいところです。
ドイツでは担当者の裁量が大きいので、同じ地域であっても担当者が違うだけでもらえるビザの期間が違うことがあるのです。まして、州を越えてすべての人が平等にビザをもらえるはずがありません。
地域や社会情勢に左右される
スタートアップ企業が多いベルリンや、ドイツで一番多く日本人がいるデュッセルドルフなどは比較的ビザの取得がしやすいと言われています。逆に、私がいたハイデルベルクやハンブルクはビザ発給が厳しい傾向にあるようです。
さらに、最近は難民問題が出てきて難しくなっています。
実際に私も、ハンブルクで2017年までの7年ほど自社社員の新規ビザ取得に関する仕事をしていましたが、最後の数年は労働ビザの取得が年を追うごとに厳しくなっていました。
このように、地域や世界情勢によって状況は変化します。
永久ビザとドイツパスポート(国籍変更)の違い
ドイツに永住するには、永久ビザを取得する他にドイツの国籍(パスポート)を取るという方法もあります。
永久ビザは「ドイツに滞在する許可」ですが、ドイツのパスポートに変更すれば「ドイツに住む権利」が与えられます。
2013年ごろに私がハンブルクで永久ビザを取った際、ドイツ政府から「ドイツの国籍を取りませんか」という手紙が届きました。自分から申請したわけではないので、どうも永久ビザを取得した人には自動的にドイツ国籍を取得する権利も生じるようです。
日本国籍を捨てることはできない
東ヨーロッパやロシア、他のヨーロッパ、南米、インドなどでは喜んでドイツの国籍を選ぶ人がたくさんいると思います。でも、ドイツの国籍を取得するということは日本の国籍を捨てるということです。
ドイツに20年近く住んでいても、やはり自分の母国は日本であり、日本への帰国が制限されてしまうことは考えられません。自分にとって日本のパスポートを捨てる選択肢はなかったので、ドイツのパスポートは取得しませんでした。
いずれにしろ滞在を許可されている普段の生活ではあまり意識もしていませんが、この件で、やはり永久ビザとパスポート変更の間には精神的に大きな違いがあるのがわかりました。
ドイツ移住の準備
住む家を探す
家賃
当たり前かと思われますが生活するためにまずは家をみつけましょう。
ベルリンはヨーロッパの他の都市に比べるとまだ比較的家賃も安めです。また住宅にも様々な種類があって、日本と同じように一つの部屋を借りて生活することもできれば、WG(ヴェーゲーと呼びます)といって一つの部屋を何人かでシェアすることもできます。
家賃を少しでも押さえたいのであればWGの方が良いですが、他の住人との共同生活となるのでプライベートな時間を大切にするのであれば一部屋借りる方が快適でしょう。
住宅タイプ
またベルリンの住宅の場合、家具付きと家具無しのタイプがあります。日本から引っ越してすぐに生活を始めるのであれば最初は家具付きの住宅を探した方が良いかもしれません。次に引っ越す時にも家具等を持ち運ばずに済むのでスムーズに引越しもできますよ。
希望の家を探すには
冒頭で述べたようにベルリンは首都としては家賃はまだ安い方です。しかし近年、人口も増え街が発展してきたことで家賃は少しずつ高騰しています。
その上、家を探している人も多く競争率が高いために自分の希望通りの家と契約できるかどうかは分かりません。なのでベルリンでの生活を始めようと考えられている方は事前にいろいろと調べておきましょう。
ドイツで住民登録をする
住民登録
住む家が決まったらそのエリアの市民局にいって住民登録をしましょう。
住民登録をしないとベルリンでは銀行の口座開設や携帯電話を契約することができませんし、ビザの申請はもちろんドイツで必要な書類申請に必ずといって良いほど必要なものなのですぐに申請しましょう。
申請方法
申請方法はいたってシンプルです。
市民局が始まる時間に行って受付の人に「住民登録をしにきました」と伝え受付番号をもらいます。自分の番号がまわってきたら担当の人がいる部屋に行って手続きをするだけ。
しかし、平日の市民局はいつも書類申請をしている人で溢れ、一定の人数を入れると締め切られたりすることが多々あります。
申請時の注意点
なので役所が始まる1時間や2時間前に行って並んでおかないと申請することができないこともあるので注意が必要です。
この住民登録をはじめ、様々な申請についてberlin.deというサイトから日時を予約することも出来ますが、2ヵ月くらい前から予約で一杯なので現地に行ってからの申請でも構わないと思います。並ぶことを前提に考えて、本や音楽など持っていくのも良いかと思います。
ドイツで銀行口座を開設する
銀行口座の開設
住民登録が無事に申請できたら、その書類を持ってドイツの銀行口座を開設しましょう。銀行口座がないと家賃や電気、保険などの支払いができないこともあるので早めに開設しておきましょう。
銀行とはいっても日本と同様にドイツにも様々な銀行があります。有名なところではドイチュバンクでしょう。他にもシュパーカッセ、ポストバンクなど様々な銀行があります。
銀行口座の開設方法
口座の開設は銀行の窓口に直接出向いて開設の申請をしなくてはいけません。
ドイツ語もしくは英語に自信のある方であれば問題ないですが、コミュニケーションに自信の無い方はドイツ語か英語の出来る方と一緒に行くか、エージェントにお願いし同行してもらった方が良いかと思います。
銀行の口座にも様々な種類があるので、言葉が分からないと間違った種類の口座を作成されたりする恐れがあるからです。
銀行の利便性
ドイツの銀行は日本の銀行のように通帳はなく、カードとPIN(暗証番号)とインターネットバンキングのTAN(日本でいうワンタイムパスワードのようなもの)があります。街の中には銀行を始めATMがあらゆるところにあるのでとても便利ですよ。
カードの使える場所
またスーパーや様々なお店でもカードで支払うことができるのでいつも現金をたくさん持っている必要はありません。ドイツの場合、クレジットカードよりもECカード(口座にチャージしている金額)での決済が普及しています。なので銀行口座を開設したらまずは入金して使ってみましょう。
ドイツで携帯電話(SIMカード)を契約する
SIMカード
銀行口座を開設するのと同様に、携帯電話を契約することも大切なことです。日本同様、様々な手続きに自分の連絡先を記入する必要があるからです。ただ日本と違うのはドイツやヨーロッパの場合、月極での契約だけではなくプリペイド式の契約が普及していること。
プリペイドといっても通話のみのものやネットもできるものなど様々なラインナップがあります。携帯電話の購入方法も日本と同じで携帯電話の会社や大手電気屋さんで購入することができます。
通信会社・キャリア
ベルリンの大手通信会社ではVodafoneやO2、T-mobilなどが有名で街の至る所に携帯ショップが並んでいます。月極での契約をするのであれば携帯ショップにいって申込をしましょう。
日本と同様、様々な料金プランがあって自分のスタイルに合わせて選ぶといいかと思います。プリペイド式で契約するのであれば電話の端末と電話料金をチャージしましょう。
スマホ端末
電話の端末はメディアマルクトやサターンといった大手電化製品にたくさん売られています。SIMフリー携帯がほとんどで、ガラゲータイプやスマートフォンタイプがかなり安い金額で帰るので驚きです。
またプリペイド用の料金も電気屋さんで購入できますし、スーパーや薬局でも購入できます。ATMでもチャージできます。それくらいプリペイド式が普及しているということですね。
ドイツで健康保険に加入する
健康保険
海外での暮らしにおいて病気になったらどうしようと不安に思われる方も多いと思います。日本にいる間に出来るだけ治してくるのがもちろんベストなのですが、突発的なアクシデントや慣れない暮らしの中で体調を崩してしまうケースも多いものです。
そのため海外で長期で暮らす方は必ず健康保険に入る必要があります。健康保険に加入していないと、後で説明するビザも取得できないからです。保険についても日本と同様さまざまな保険が存在しており、代理店も多いです。
エージェントを活用
また健康保険は国立と私立とに別れ、様々なルールがあるので自分に相応しい保険を選ぶのはなかなか難しいかと思います。そのような場合はエージェントに代行してお願いしてみるのも良いかと思います。
もちろんその際に手数料は必要になってきますが、保険の支払いは毎月で積もり積もれば大きな出費になるので、自分に相応しい保険を選ばれることがベストだと思います。
ドイツ滞在用のビザを取得する
ビザ
90日を超えてドイツに滞在する場合には、滞在許可を取得する必要があります。
ドイツ生活において、ビザに心配を抱えている方も多いのではないかと思います。ビザを取得しないと長期生活することはおろか、働くこともできないので現地で収入を得ることもできないからです。
ビザ申請の難易度
ベルリンは他のヨーロッパの都市に比べるとビザの申請が通りやすいと言われています。とはいってもクリアしなくてはいけない条件や揃えなくてはいけない書類もたくさんあります。
ビザ申請の注意点
また申請内容についてもよく変更や修正が付け加えられたり、場合によっては担当の方で言っている内容がちがうこともあります。そのためビザの申請について不安を抱えられている方は専門の方に一度相談してみると良いかと思います。
ビザの種類
ビザと一口にいっても様々な種類が存在しています。一般的なところでいえば、
- ワーキングホリデーのビザ
- 学生用ビザ
- ベルリンで芸術活動などをするためのフリーランスビザ
- 現地で働くための就労ビザ
と様々。それぞれによって揃えなくてはいけない書類も違ってくるので注意が必要です。
ビザの申請の状況(2021年)
最近のベルリンは人口が増え、それにともなってビザの申請も少しずつ厳しいものになっていると聞きます。
ベルリンは取りやすいからと言って何も準備せずに来てしまうと大変な目にあってしまい、最悪の場合は日本へと帰国しなくてはいけない場合もあるので、事前にしっかりと下調べをしましょう。
予約
ビザは外国人局で申請するのですが、住民登録と同様、外国人局も申請する人で溢れているのでもしも可能であれば事前に予約を入れておきましょう。ちなみにドイツはシェンゲン協定を結んでいるので3ヵ月間はビザがなくても滞在することができます。(もちろん働くことはできませんが)
ドイツで納税登録の申請をする
納税登録
ビザを無事に取得できたら晴れて現地での長期的な生活を送ることができます。しかし現地で働かれたりして収入を得ようと考えられている方は日本と同様、確定申告をしなくてはいけません。
納税番号
確定申告をするためには自分だけの納税番号が必要になってきます。(Steuer Nummerといいます)納税番号は自分が主に活動する拠点から最寄りの税務署に行って申請しなくてはなりません。
その際、書類には住所やベルリンでどのような活動をするのか、どれくらいの収入を得るのかを明記して提出しなくてはいけません。
登録方法
登録自体はそんなに難しいものではないのですが、やはり他の手続きと同様に不安を抱えられている方は現地の言葉に自信のある方と同行するのが良いでしょう。申請すると1、2週間後に納税番号が書類に記載した住所に届けられます。
ドイツ移住におすすめの都市
ベルリン
ベルリンはドイツの他の都市と比べても群を抜いてインターナショナルな街だからです。ドイツ語のレベルがつたなくても、英語が話せれば言葉にはほとんど困りません。
ドイツ企業でも公用語が英語のところもあり、最近はスタートアップが盛んなので、絶対にドイツ語ができなければ生活できない・就職できないというわけではありません。
ただし、逆にいえば、「英語やドイツ語ができないけれどベルリンで就職したい」という方は、ベルリンでの生活や就職はかなり難しいといえます。
就労ビザの取得が簡単
ドイツでは就労ビザが比較的簡単に取れます。
最近では、移民、難民問題で揺れるドイツですので、今後どのようにビザの取得状況が変わるかはわかりませんが、2016年以前は比較的ビザの取得が簡単でした。
ベルリンはその土地柄、フリーランスで働く人が多いのですが、フリーランスでもビザも取りやすいのが特徴です。
最近ではベルリンで起業する人が増えています。起業をしたい方や、フリーランスで仕事をしたいと考えている人は、ベルリンを選んでみるのもありです。
ちなみにベルリンはドイツの首都ですが、その歴史的な事情により、ドイツの中でも貧しい街といわれていました。
主だった産業がなく、本社を置く企業が少ないので、ドイツ企業に就職を望んでいる方にはあまり適した街とはいえないかもしれません。
デュッセルドルフ
英語やドイツ語に自信がある方はドイツの現地企業や外資系企業を勧めますが、語学が得意ではない方は日系企業で働くことになると思います。
ドイツで日系企業が一番多いのは、デュッセルドルフです。
ここでは常に日本人を募集しているので、一度求人広告を見てみるといいでしょう。日本人コミュニティがあるので安心して生活できます。
ミュンヘン
ミュンヘンはドイツ南部のバイエルン州の州都であり、ヨーロッパの中でも有名な観光都市で、オクトーバーフェストが開催される都市としても有名です。
ドイツ国内では三番目の大きさを誇ります。昔ながらの建物や宮殿が街中にあり、ドイツの中でも上位にあるミュンヘン大学もあります。バイエルンの土地柄もあり、寛容な地域であることから、移民が比較的多く住んでおり、現地ドイツ人、学生、そして移民と様々な人々が住んでいます。
また、夏時間と冬時間制をとっているので、時期によって日本との時差が違います。時間は日本のほうが進んでおり、夏時間では(3月27日から10月30日まで)7時間の時差、残りは冬時間で8時間の時差です。
フランクフルト
フランクフルトはドイツの中でも大きな金融都市です。レーマー広場などのヨーロッパ中世を楽しめるような建物、美術館などアーティスティックな建物があります。
外国人の方がかなり多くいため特に日本人だからと目立つことはなく、ヨーロッパ特有のアジアヘイトなどを受けることもほぼありません。
フレンドリーで親切な方が多く、治安もかなり良かったため、かなり住みやすい都市です。
ハイデルベルク
ハイデルベルクは、ハイデルベルク城が有名な都市で歴史を感じられる良い都市です。治安もかなり良いです。
ハイデルベルク城付近の旧市街地は石畳で雰囲気も良く、オープンテラスの酒場やカフェがかなり多く観光客や地元の人を含め賑わっていました。
城から眺める一面オレンジ色の屋根の景色は圧巻でした。また城に続くカールテオドール橋が伸びていて、賢者の道を散策できたり、また、知る人には有名な学生のキスというお菓子もあります。
ハイデルベルク城の付近はお土産屋などもありますが、一つ離れると路地が写真を撮るだけで絵になります。全ての店がアンティークでおしゃれでウインドウショッピングだけでもドイツの歴史を感じ楽しめる場所です。
ポツダム
ポツダムは、ザクセン王の栄華を物語る町で芸術とバロック建築の宝庫として有名な場所です。余暇と自然が世界的にも評価されている場所であり、街の全体6割以上が森林と緑地を占めているという自然豊かな場所です。
首都ベルリンからも電車で30分程度と近いこともあり、市内は発展しています。文化や自然を楽しむことができ住みやすい街となっています。ドイツの中で毎年トップクラスの住みやすさを誇っています。
世界遺産に登録されているツィーリエンホーフ宮殿は圧巻の美しさがあります。
ベルリンと比べると街の中が綺麗なこともありとても住みやすいと感じました。さらに言うと、家賃などベルリンと比べると2〜3万円ほど変わるので安く住むことができます。
まとめ~好きなことをしていれば移住の夢もかなうかも
私の周りには、最初から移住目的でドイツに来たという人は少なく、「好きなことをしていたらいつの間にか長年住んでいた」という人がほとんどです。私も同じで、お試しで1年滞在し、あとは目の前のことに集中していたら自然に今のようになっていました。
海外移住は目標に向かって進んでいるうちに実現できるものなのかもしれません。
最初から移住という大きなことを考えず、まずは短期滞在でも留学でも、とにかくドイツへの第一歩を踏み出してみてください。
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