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ドイツへ移住するための5つの方法をドイツ在住歴18年の日本人が解説

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ドイツ

ドイツは移民に比較的寛容な国です。私のように何の後ろ盾もなくやって来た外国人でも、永久ビザを手に入れて希望する限り住み続けることが可能です。実際、私は滞在歴18年となりました。

ただしもちろん、そのためにクリアしなくてはならない条件はあります。

旅行や短期滞在ではなくドイツに移住したいと思っている方のために、それを実現するための5つの方法とそれぞれのメリット・デメリットなどをご説明します。

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ドイツ移住を実現する主な方法はこの5つ

ドイツ

日本人として日本の国籍を持っている以上、何か特別な申請をしなくても基本的に日本から追い出されることはありません。しかし外国へ出れば、何のために住みたいのか目的をはっきり示さない限りその国での滞在は許されません。

自分の国に住むのは「権利」ですが、他国に住むには滞在国の「許可」が必要になります。これが母国と外国の大きな違いです。

ドイツの場合も同じです。ドイツで1年以上の長期滞在をしたい場合、大きく分けると5つの方法があります。

  1. 大学入試を受けて大学生になる
  2. 職業訓練学校などに通いプロの資格を得る
  3. フルタイムの仕事を見つける
  4. フリーランスになる
  5. ドイツ人またはドイツの永住権を持っている人と結婚する

どの道を選ぶにしてもそれなりの努力が必要ですが、あらかじめ知っておくとどれが自分に合うかがわかると思います。これからひとつずつ説明していきます。

ドイツ移住の方法1. 大学生になる

ドイツ

ドイツに興味を持ち長期滞在したい場合、多くの人は「大学入試を受けて大学生になる」という方法を取ります。

日本でドイツ語を専攻していた、音楽を学んでいた、ドイツに旅行に来て気に入ったなど、とにかくドイツに興味がある、何かを吸収したいという人に向いています。

私もこの選択をしました。ドイツの語学学校で1年間ドイツ語を学んだあと、ドイツの大学に入学したのです。

高いレベルのドイツ語が必要

さまざまな大学のたくさんの学科から興味を持った学科に申し込み、受験許可を待つのですが、外国人がドイツの大学に入るにはドイツ語の試験があります。

最低限の大学の授業についていけるかをチェックする試験で、私が受けたときは「読み書き」「聞く」の2分野に分かれていました。

合格するには、事前にかなりのドイツ語の勉強が必要です。特に私はドイツで初めてドイツ語を始めたので、大学合格レベルに持っていくのは大変でした。

2018年現在、ドイツ語のレベルは初級からA、B、Cに分かれており、大学入学にはC1という上級レベルの語学力が求められます。私がハイデルベルク大学を受験した2003年にはまだA、B、Cの区分ではなくDSHという名前の試験でしたが、レベルは同等です。

原則として働けない

語学学校生ビザでは基本的に労働は禁止です。

私の場合、最初の数か月はたまたま労働許可付きのビザだったのでアルバイトをしながら語学学校に通っていましたが、後半は労働不可のビザになったこともあり、毎日学校でドイツ語の勉強に集中しました。

入学後も語学力上達が求められる

図書館

大学の勉強についていくためには、C1レベルのドイツ語力では全然足りません。授業での発表、筆記試験、レポート、教授や学生間のコミュニケーションも当然ながらすべてドイツ語です。

大学であるからにはドイツ語ができるのはある意味当然で、メインは専攻学科の知識を吸収することです。

ただ、ドイツ語力は大学の勉強をこなしているうちに自然に伸びていくので、そこまで心配はいりません。大学生になれても学業の進みが遅いとビザの延長ができないため、自然に頑張って勉強することになります。

かつては卒業までに6年間

私が2003年に大学に通っていた頃は、今と制度が違いました。当時のドイツの大学は日本と違い「学士課程」が存在しておらず「修士課程」のみだったのです。

日本でいう大学院2年生までを修了して初めて大学卒業になります。そのため、全ての単位を取り終わるまで通常6年間かかっていました。

その後の大学制度改革により、現在はドイツでも日本と同様「学士4年・修士2年」制度が取り入れられ、それに沿って学習カリキュラムも変更されています。

卒業試験の過酷さ

単位を取り終えたら卒業試験があります。卒論と卒業試験に各半年で合計1年です。

私の場合は、主専攻の卒論約100ページ、5時間の筆記試験、1時間の口頭試験、2つの副専攻で3時間の筆記試験、1時間の口頭試験、30分の口頭試験を行いました。

同じ試験に2度落ちると卒業できないのでかなりのプレッシャーです。卒業までかなり根を詰めて勉強しなくてはいけません。その分、卒業したときの喜びと達成感は格別なものがありました。

大学の授業料は無料

ドイツの大学の授業料は基本的に無料です。州によって違いますが、半年に1回、交通費と事務手数料という名目で100ユーロ程度(約13,000円)を支払うのみです。

生活費も、食費は安い上に住居もほとんどの学生が寮やシェアハウスに住むのでそれほどかかりません。私もシェアハウスに住んでいました。月々の出費は学費や生活費を含めて700ユーロ(約91,000円)くらいだったと思います。

この方法のメリットとデメリット

大学で勉強すれば専門知識が得られ、ドイツでの生活も楽しめます。充実感もあり、滞在中に自分が将来的にこのままドイツに住みたいのかも確認できて、いい選択肢だと思います。

ただし、ドイツに滞在できるのは学生の期間だけなので、大学卒業後もドイツに残りたい場合はまた別の手段が必要となります。

※1ユーロ=約130円(2018年12月)

ドイツ移住の方法2. 職業訓練校に通い卒業後に就職する

ドイツのお店

2つ目の方法は、ドイツの職業訓練制度Ausbildung(アウスビルドゥング)を利用することです。

理論と実践を同時に学べる

この制度では、あくまで机の上で知識を得ることを主眼とする大学とは対照的に、現場も経験しながら職業訓練学校に通い、実践のための知識と技術を得ることを目指します。

職業学校と企業の協力のもとにできているシステムで、週の半分は学校で理論を学び、残りの半分は現場で実習します。

数百種類もの分野での職業訓練があり、パン屋さんやケーキ屋さん、手作り貴金属、花屋さん、トリマー、そしてドイツならではのビール・ワイン醸造などさまざまです。

ドイツのケーキが大好き、貴金属を手作りしたい、フラワーコーディネートをやってみたい、ワインの勉強をしたい、作曲を学びたいなど、具体的な目標を持つ人に向いています

お金をかけずに専門性が身につく

学費はかからず、実習期間中は少しですが、一般に給与が支払われます。住む場所も寮などを提供してくれる場合が多いので、生活費もかけずに学ぶことができます。

大学と違い、机の上での勉強だけでなく実習が伴うので卒業後に就職先を見つけやすいのも利点です。

私の友人にも、貴金属の作り方を学んだ人や、ドイツのケーキ職人になった人、ワインの学校に通ってその分野で働いている人など、学んだ知識を生かしている人がたくさんいます。

ときには、その友人たちが作った手作りの貴金属作品を見せてもらったり、ケーキをおすそ分けして頂いたり。みんな生き生きと楽しそうに学んでいました。

ケーキ

職業訓練制度を利用するには

受け入れ先の職場を探す

まず自分が希望する職種で職業訓練生を募集している会社などを探し、そこに履歴書などを送って応募します。応募書類によって面接に呼ばれ、合格すると職業訓練生として働けます。

職場が見つかれば提携先の職業訓練学校に通うことができます。2~3年の職業訓練制度期間中に学校で実技や知識の試験があり、それに合格すると卒業証書がもらえます。

専門知識だけではなく、数学や国語(ドイツ語)などの一般教養の勉強もします。

業務経験とドイツ語力があれば有利

希望する職場の面接に受かるには、すでに日本でその職業の経験があること、そして面接できるだけのドイツ語力があると有利です。

ただ、必ずしも経験者である必要はありませんし、ドイツ語も完ぺきでなくて大丈夫です。

熱意があれば経験がなくても、あるいはドイツ語が不充分でも経験があれば雇ってくれることもあります。受け入れ先も安い労働力を得られるのでフルタイムの社員を雇うよりハードルが低いのです。

この方法のメリット

もともと自分の好きな分野、得意な分野を知識と現場の両方から学べるのでこれ以上のことはありません。

意思の疎通ができる程度のドイツ語を勉強しつつ、希望の職種の募集にどんどん応募してみることをおすすめします。

ドイツ移住の方法3. フルタイムの仕事を見つける

本屋さん

学生になるのではなく、会社員として働くという方法もあります。これは自力で永久ビザを獲得するのに一番確実で最短の方法だと思います。

5年以上勤務すれば永久ビザが手に入る

初めの数年は契約した会社でしか働けないという場所の制限、また最初の5年は期間の制限があるビザしかもらえません。しかし、5年以上働いて所得税や年金等の社会保障費を納め、さらにドイツ語B1の試験に受かれば永久ビザがもらえます

私もこの方法で永久ビザを取得しました。ドイツの大学を卒業した後、日本で働いた経験とドイツで習得した語学スキルの両方を生かせるハンブルクの企業に2010年に就職し、数年後に永久ビザを取得したのです。

ドイツ語の知識に加えてなんらかの専門知識がある人にはベストな方法です。しかし、ドイツ語のスキルもなく、職歴もない状態では雇ってくれるところがなかなか見つからないのが現状です。

働きながらの語学習得は難しい

語学のスキルがない場合、就職先として考えられるのは、日本人である利点を生かせる日本食レストランなどの飲食業です。

しかし、日本で料理人としての経験があり、最初から「ドイツで日本の料理を広める」という志しを持っているなら別ですが、「働きながらドイツ語を学びたい」という方には飲食業はおすすめできません

体力が必要な上、仕事時間も他の業種に比べて長いので、言葉を勉強する気力が持続しないからです。

ドイツ移住を考えているのであれば、フルタイムの仕事を始める前に少しでもドイツ語(または英語)を身につけておくことをおすすめします。

ドイツ移住の方法4. フリーランスになる

ドイツのお店

ドイツにはフリーランスで働く人のためのビザがあります。企業に属さず、フリーランサーとして滞在するのも一つの方法です。

ただし、この方法はリスクが高いです。職業分野にもよりますが、許可が下りにくいからです。

ビザを取得するのは至難の業

フリーランスの種類は多岐にわたり、それぞれの背景、経験や経済力なども考慮されるので、「これを参考にすればフリーランス・ビザが取得できる」という見本がありません。

私の周りでも、テディベア作家、ハンドメイドアクセサリー、デザイナー、カメラマン、芸術家、翻訳家、美容師などでフリーランス・ビザに挑戦した人たちがいますが、ある人は却下、ある人は弁護士の力を借りて何年もかけてやっと取れたなど、やはり苦労が多いようです。

そのため、上述のように会社員として5年働くなりドイツ人と結婚するなりしてすでに永久ビザを取得している人がフリーランスになっているケースをよく見かけます。

ドイツ移住の方法5. ドイツ人と結婚する

ドイツのお店

ドイツ人やドイツの永住権を持っている人と結婚すればドイツに長期間住むことが可能です。

もちろん、ビザ取得のためにドイツ人と結婚すればいいと言いたいわけではなく、あくまで結婚相手がドイツ人である場合にドイツに住む権利が発生する、という話です。

離婚というリスク

ただし、結婚すればそれ以上移住の苦労はいらないのかというと、そうではありません。というのも、ドイツでは離婚率がかなり高いからです。統計的にはドイツでは約4割の夫婦が離婚します

実際、私の周りでも、両親が離婚している、本人が離婚経験者(そして現在は2度目、3度目の結婚中)である、配偶者が離婚経験者など、なんらかの形で離婚と関わりを持っている人が8割くらいです。

離婚原因は万国共通で、他に好きな人ができた、性格の不一致などさまざまですが、基本的にドイツでは夫婦とも経済的に自立しており、離婚後も親として定期的に子どもに会う権利が保障されているため、夫婦間の愛情がなくなれば簡単に離婚を選択します。

一人でも生きていけるスキルを持っておく

このような離婚文化があるドイツで、自分が滞在する権利が相手の一存にかかっている状態は精神的にもかなり不安です。ビザの問題だけでなく、経済的な問題も出てきます。

離婚をためらわないドイツ人を見ていると、いざとなったときに困らないよう、日頃から言語の習得に努めたり、何かの資格を取ったり、社会経験を積んだりしておくことが必要だと痛切に思います。

ドイツ滞在に必要なビザの取得難易度は?

ドイツでは州によって法律が違うことがあります。例えば、学校制度や試験の難易度が州によって違うため、別の州の大学に通う場合に問題や不公平が生じることもあります。

それに比べて、外国人の滞在に関する法律は基本的にはドイツ全体で統一されています。とはいっても、すべてが平等ではないのがドイツの難しいところです。

ドイツでは担当者の裁量が大きいので、同じ地域であっても担当者が違うだけでもらえるビザの期間が違うことがあるのです。まして、州を越えてすべての人が平等にビザをもらえるはずがありません。

地域や社会情勢に左右される

スタートアップ企業が多いベルリンや、ドイツで一番多く日本人がいるデュッセルドルフなどは比較的ビザの取得がしやすいと言われています。逆に、私がいたハイデルベルクやハンブルクはビザ発給が厳しい傾向にあるようです。

さらに、最近は難民問題が出てきて難しくなっています。

実際に私も、ハンブルクで2017年までの7年ほど自社社員の新規ビザ取得に関する仕事をしていましたが、最後の数年は労働ビザの取得が年を追うごとに厳しくなっていました。

このように、地域や世界情勢によって状況は変化します

ドイツに永住する:永久ビザとドイツパスポート(国籍変更)の違い

パスポート

ドイツに永住するには、永久ビザを取得する他にドイツの国籍(パスポート)を取るという方法もあります。

永久ビザは「ドイツに滞在する許可」ですが、ドイツのパスポートに変更すれば「ドイツに住む権利」が与えられます。

2013年ごろに私がハンブルクで永久ビザを取った際、ドイツ政府から「ドイツの国籍を取りませんか」という手紙が届きました。自分から申請したわけではないので、どうも永久ビザを取得した人には自動的にドイツ国籍を取得する権利も生じるようです。

日本国籍を捨てることはできない

東ヨーロッパやロシア、他のヨーロッパ、南米、インドなどでは喜んでドイツの国籍を選ぶ人がたくさんいると思います。でも、ドイツの国籍を取得するということは日本の国籍を捨てるということです。

ドイツに20年近く住んでいても、やはり自分の母国は日本であり、日本への帰国が制限されてしまうことは考えられません。自分にとって日本のパスポートを捨てる選択肢はなかったので、ドイツのパスポートは取得しませんでした。

いずれにしろ滞在を許可されている普段の生活ではあまり意識もしていませんが、この件で、やはり永久ビザとパスポート変更の間には精神的に大きな違いがあるのがわかりました。

まとめ~好きなことをしていれば移住の夢もかなうかも

ドイツ

私の周りには、最初から移住目的でドイツに来たという人は少なく、「好きなことをしていたらいつの間にか長年住んでいた」という人がほとんどです。私も同じで、お試しで1年滞在し、あとは目の前のことに集中していたら自然に今のようになっていました。

海外移住は目標に向かって進んでいるうちに実現できるものなのかもしれません。

最初から移住という大きなことを考えず、まずは短期滞在でも留学でも、とにかくドイツへの第一歩を踏み出してみてください。

※この記事の内容は2018年12月現在のものです。

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Fujiko

投稿者プロフィール

プロフィール 札幌出身。2000年よりドイツ在住。語学知識ゼロからドイツ語を始める。2009年南ドイツの大学にて修士課程卒業。2010年北ドイツのIT企業に就職、のちに代表を務める。本業のIT業務のかたわら社内ベンチャーにて、2015年当時都市で唯一の専門飲食店を立ち上げ繁盛店にする。現在はフリー。趣味はテニスと読書。ブログ等でさまざまな方向からドイツ情報を発信しています。

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