スペイン料理は世界でもトップクラスの人気を誇り、一部のレシピは世界中で親しまれています。
一言でスペイン料理といっても、古くから古代ローマ、ゲルマン、イスラムといった多くの文化が混ざり合ったスペインの歴史を反映し、地域によって多種多様な料理が存在します。
そのどれもが素晴らしく、旅先で挑戦するだけの価値があるものだといえるでしょう。
今回はその中から、どこの街のレストランやバルでもすぐに見つけることができるような10の定番料理をご紹介します。
クロケッタ(スペイン風コロッケ)
スペインのレストランやバルなどどこでもお店独自の製法のものを食べることができます。作り方は聞いてもまず教えてくれないでしょう。焼き鳥屋の秘伝のタレみたいなものかもしれません。
生ハムや魚といった具材をベシャメルソースに加えて作るのが一般的です。地域によって独特の具材を用いることも多く、モルシーリャと呼ばれる黒ソーセージやスパニッシュブルーチーズを加えることもあります。
スペイン人が美味しいレストランやバルを見分けたい時には、まずクロケッタを頼むといいます。シンプルで普遍的な料理なだけに、料理人の腕が強く反映されるということでしょう。
スペインで食べ歩きをする際にはまずクロケッタから始めてみてください。
トルティージャ・エスパニョーラ(スペイン風オムレツ)
スペイン人がもっとも愛する料理の一つ。誰もがその料理法を習得している、いわばソウルフードともいうべきものです。朝食に、昼食に、夕食に。食べるタイミングに決まりはありません。
クロケッタと同様、どこのレストランやバルでも見つけることができます。ちなみにマクドナルドにもあります。
また、スーパーマーケットでも多種多様なスペイン風オムレツが2ユーロ(約250円)程度から真空パックで売られています。
オリーブオイルにジャガイモ、たまねぎ、そして卵を加えてじっくりと焼き上げたオムレツはほんのり甘く、まるでケーキのような味わいです。
そのまま食べてもいいですが、パンにはさんでサンドイッチにする食べ方も人気があります。
※1ユーロ=約125円(2017年6月)
ガスパッチョ(スペイン風トマトの冷製スープ)
この風味の強い冷製トマトスープはいわば日本における味噌汁のようなもので、その需要の高さからスーパーマーケットでも所狭しと並べられています。
スペインの広大な大地で実った新鮮なトマトを使って作られた、家庭やレストランなどで食べるガスパッチョは格別です。
基本的には前菜として味わいますが、パーティなどの際にボウルに入れてテーブルに置かれたりもします。
材料はトマト、ピーマン、にんにく、たまねぎ、ヴィネガー、ハーブなど。夏場には特に食欲を大幅に増進させてくれます。ローカロリーでヘルシーな料理なので、ダイエットにも最適です。
ピスト(スペイン風野菜煮込み)
野菜を用いたタパス(小皿料理)の代表格。トマト、ピーマン、ズッキーニ、玉ねぎ、にんにく、そしてオリーブオイルを加えて作る煮込み料理です。
前菜としても、肉料理の副菜としても、そして目玉焼きやチョリソーとともに主菜としても提供される人気の料理で、スペインでは老若男女問わず親しまれています。
スペイン中のレストランやバルで提供されていますが、特にセルバンテスの著名な小説「ドン・キホーテ」の舞台としても有名なカスティージャ・ラ・マンチャ州で多く見られるようです。
カスティージャ・ラ・マンチャ州の有名都市トレドを訪れた際にはぜひ挑戦してみてください。
ハモン(生ハム)
ハモン・イベリコやハモン・セラーノといったスペインのブランド生ハムはもはや説明不要でしょう。スペインが世界に誇る美食の代表格の一つといって間違いありません。
日本でもスペイン料理店のみならず、多くの料理店でこれらの生ハムを提供しているのをよく目にします。
日常的に親しまれている本場の味
スペインでは、どこのレストランやバルでも豚の足1本分の生ハムが客の目の届くところに置いてあり、注文が入るとそこからカットしていきます。
スーパーマーケットには数十本の生ハムが陳列されていて、少し圧倒されてしまいます。その光景だけでも日本人にとっては下手な観光地よりも面白いくらいです。
一般家庭でももちろん常食されていて、朝昼晩はもちろん、ちょっとした間食としても親しまれています。そのまま食べるだけではなく、スープに入れることも多いようです。
日本でも、生ハムは時にコンビニでも手に入るほどですが、やはり本場スペインのものはその風味といい、歯ごたえといい、段違いです。
チョリソー(豚肉のスペイン風ソーセージ)
スペインを代表する肉料理として生ハムに並ぶのがこのチョリソーです。日本でも、ビールのつまみやピザの具として人気があります。
スペイン発祥で、広く中南米にも広まったチョリソーですが、中南米のものは唐辛子を多く含んでいて辛いのに対し、スペインのものは大分マイルドに作られます。
タパスとしてそのまま食べることもあれば、カットしてサンドイッチの具にしたりスープに入れたりとその用途は非常に幅広く、どの家庭でも数種類のチョリソーを常備しておくのが当たり前となっています。
中には、皮を取り、中の肉をパテのようにパンに塗りつける食べ方もあります。
プルポ・ア・ラ・ガジェガ(たこのガリシア風)
スペインの北西部、ポルトガルと接する地域であるガリシア州の名物料理。スペイン中にあるガリシア料理店で楽しむことができます。
ガリシアは魚介類が豊富に取れる地域としても有名で、たこ料理専門店も多く存在します。材料はシンプルにオリーブオイル、パプリカ、岩塩、そしてもちろんたこ。茹でたジャガイモと一緒に提供されることが多いです。
また、スーパーマーケットではほぼ必ずこの料理の缶詰が売られているので、お土産にも最適といえるでしょう。
世界的にもたこを食べる地域はあまりなく珍しいものですが、同じたこ食文化のある日本人としてはぜひ試す価値ありだと思います。
パエリア
スペイン料理といえばパエリアという人がほとんどでしょう。世界的にもスペインを代表する料理として広く認知されています。
一般家庭で日常的に食べるというよりは、パーティなどの際に大きなパエリア鍋で作ってみんなでシェアするための料理といった感じ。地域のお祭りで、巨大なパエリア鍋を使って大勢の人たちにパエリアを振る舞うのが慣習のところもあります。
様々あるバリエーション
バレンシア風と呼ばれるパエリアは、鶏肉かウサギ肉(日本人には驚きですがスペインではスーパーに専用コーナーがあるほど普通の食材です)、もしくは両方に豆、野菜を加えて調理するものです。
一方、マジョルカ風と呼ばれるものはいわゆるシーフード・パエリア。イカや貝、エビや魚など、多種多様な海産物が用いられます。
変わり種だとお米の代わりにパスタを用いたものや、具材としてうなぎやアヒル(これまたスペインでは普通の食材)を加えたパエリアもあります。
レストランでこれらを見つけたら試してみると、いいお土産話になりそうです。
ガンバス・アル・アヒージョ(エビのオイル煮)
海に囲まれた半島国家であるスペインでは豊富な海産物を楽しむことができますが、素材のよさをシンプルに味わう料理としてスペイン人に親しまれているのがこのエビのアヒージョです。
日本のスペイン料理店でも必ずといっていいほど存在するメニューだと思います。同じく海産物を愛する日本人には非常に親しみやすい料理といえるでしょう。
ニンニクと一緒に油でエビを茹でるこの料理は本当にビールに合うので、バルでおつまみに頼むと最高です。ついついビールが進みすぎてしまうこと間違いないので注意が必要です。
パタタス・ブラバス(フライドポテトのトマトソース添え)
ただのフライドポテトと侮ることなかれ。アツアツのポテトと風味豊かなトマトソースのハーモニーは格別です。
パタタス・ブラバスはスペイン中のレストランやバルで食することができます。また、スーパーに行くと多種多様なポテト用のトマトソースが売られているので、家庭でも気軽に楽しむことが可能です。
トマトソースだけでなく、アリオリ(にんにく入りマヨネーズ)をつけてもよし。上記のガンバス・アル・アヒージョ同様、最高の酒のつまみの一つです。
まとめ~食文化の豊かさを味わおう
スペイン料理は日本人の食の嗜好にもマッチしていて、とても親しみやすい料理だといわれています。
そもそも、スペイン人という人種は「旨いものを食べ、歌い、愛し合うことができればこの世に言うことなし」と詠うほど、食の幸せを追求する美食の民族です。
ご紹介したのはあくまで一般的なもので、地域によって特色のある味付けがされていたり食材が使われていたりと、独特の料理が提供されています。
壮大な歴史、華やかな文化、美しい風景と、旅行者を夢中にさせる数多くのもので埋め尽くされているスペインですが、食文化の豊かさにもぜひ目を向けてみてくださいね!
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