フランスは何といっても、料理、ファッション、芸術の本場。これらの業界に携わっているなら、一度はフランスで働いてみたいと思っている方も多いのではないでしょうか?
でも、労働環境やフランス人の働き方など、実際に仕事をするとなると色々気になりますよね。
この記事では、フランスの舞台衣装アトリエで働いた私の実体験をもとに、フランスの労働環境の特徴を5つお伝えしたいと思います。
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サービス残業なんてもっての外!有休取得率は100%!
仕事を始める時に交わす雇用契約書。日本の場合はあまり詳細な内容までは明記されず、たった一枚の紙にまとめられていることも多いですよね。
しかし、フランスの雇用契約書には残業代の計算の仕方から与えられる有休の日数まで、2~3ページにわたって細かく雇用条件が記載されています。
フランスではサービス残業などもっての外。この雇用契約書の内容に基づいて、働いた分はきっちりと残業代を受け取ることができます。
また、当然の権利として与えられた有休を消化するため、フランスの有休取得率はなんと100%。全員がきっちり休むので、申請する際も全く引け目を感じません。
始業は遅め、終業はぴったり!フランス人独自の時間感覚
よくフランス人は時間にルーズだと言われますが、実際に住んでみると時間に対する感覚が日本人とかなり違うことがわかります。
まず驚いたのが、始業開始15分前に出社してみてもドアが開かなかったこと。始業開始5分ほど前から人がぽつぽつと現れ始め、ベテラン組は普通にみんな遅刻をしていました。
そして、特に誰もそれを咎める様子もなく、遅れて来ても出勤後はまずコーヒーを飲むのが日課です。
しかし、時間に関してアバウトなのは始業時間のみで、就業時間の15分ほど前になるとみな帰り支度や化粧直しを始め、退社時刻はきっちりと守ります。
信じられないほど長〜いフランスのバカンス!
ヨーロッパは夏休みが長いことで有名ですが、フランスも同様に多くの人々が2~3週間ほどの長い夏休みを取り、冬にもまた1週間ほどの休みを取ります。
しかし、私が携わっていたオペラの仕事に関しては冬が最も重要なシーズン。クリスマスやニューイヤー公演などで冬休みが取れない分、オフシーズンの夏にはなんとまるまる2か月ほど休みます。
日本人であれば、そんなに長く休んだら働く気がなくなってしまいそうですが、フランス人たちはこの長〜いバカンスを何よりも楽しみにしています。
休暇中は旅行に行ったりセカンドハウスで家族や友人達とゆっくり過ごしたりし、次のバカンスまでの活力をチャージするようです。
社歴は関係なし!フランスの職場の対等な人間関係
日本では「先輩」「後輩」という言葉が存在するように、社歴によって上下関係がはっきりしており、同じ職場でも職業によって多少の上下関係が存在することもありますよね。
しかし、フランスではそんなものはありません。もちろん上司と部下の上下関係はありますが、それ以外は対等です。みな、雇用主とそれぞれに契約を結んでいるのであり、他の同僚が何年前からそこで働いていようがあまり関係ありません。
衣装係も「格下」ではない
オペラの仕事の場合、日本では衣装の仕事は下の立場に置かれがちですが、フランスでは、コーラスも大道具も衣装もみな同じように力を合わせて一つの舞台を作っていくという意識が強いです。
また、日本だと、衣装係や大道具は最初「修行の身」で給料もほとんどありませんが、ここフランスではちゃんと雇用契約を結び、大切な責任ある「仕事」として認められます。
アーティスト達を支える手厚いフランスの社会保障制度
通常、俳優やオペラのコーラス、舞台照明や衣装などの仕事をしているほとんどの人々が「Intermittent du Spectacle アンテルミタン ドゥ スペクタクル」と呼ばれる不定期労働者で、舞台公演毎に契約を交わしています。
一定期間に定められた労働時間を働くと「アンテルミタン」として認められ、仕事がない時期に失業保険が支払われたり、有休の代わりに前年度の年収の10〜15%ほどを受け取ることができたりします。
芸術に携わる人々は収入が不安定になりがちですが、この様な制度があれば安心して働くことができそうですね。
まとめ~アーティストも含めてメリハリある働き方が可能
フランスの高い失業率は深刻な問題ですが、仕事を得ることができれば、日本よりもかなりライフワークバランスの取れた生活を送ることができます。
また、アーティストが活躍できる環境も日本に比べて整っており、フランスの文化レベルが高い理由の一つかもしれませんね。
フランスではワーキングホリデー制度も利用できます。料理や芸術に携わる方はもちろん、フランス就職に興味がある方は、一度フランスでの働き方を経験してみてはいかがでしょうか。
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