パリの百貨店で販売員として働く一日。フランスで子育てしながら仕事する私のタイムスケジュール

フランスの城 フランスで働く

世界的に名高い花の都パリ。さまざまな国の人が集まり、いろいろな仕事がある国際都市です。

夫と2歳(当時)の娘とともにフランスに暮らす私は、そんなパリで百貨店の販売員として勤務していました。子育て中、融通がきくようにとこの職場を選びました。

では、実際パリで働く一日はどんなふうに過ぎるのでしょうか。朝起きてから寝るまでの当時の私のタイムスケジュールを詳しく紹介します。

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8:00 起床・朝食

パン

娘の保育園も仕事も遅めに始まるので、午前8時とゆっくりの起床です。朝食はたいていカフェオレとパン、またはシリアルです。

高カロリーのクロワッサン

フランスの朝食といえば、クロワッサンやパン・オ・ショコラが定番というイメージがあると思いますが、フランス人の間では意外と「高カロリー」食品として恐れられていて、毎朝は食べません

ちなみに、私は知らずに毎朝食べていて、産後、お世話に来てくれた助産婦さんにびっくりされました。

パンを食べる場合は、フランスパンなどにジャムやバターをつけたタルティーヌ、または乾パンのようなものや、こちらも高カロリーですがブリオッシュなどです。

朝食は日本ほど重要でない

ただし、朝はコーヒーだけという人も多く、日本のように朝食は重視されていないようです。

娘には最初、牛乳やフルーツ、ヨーグルトなどを用意していましたが、いつもほとんど手をつけません。そのことで悩んでいたら、保育園の先生に「そういう子も結構いる」ということで問題なしと言われ、結局保育園に通っている間、娘はほとんど朝食をとらずに終わりました。

9:00 出勤のため家を出発

家族

娘を保育園に預けられるのは午前9時30分からで、私の仕事開始時間も同じく9時30分だったので、娘は夫に送ってもらっていました。

私は自宅からまっすぐ最寄り駅へ行き、RERというパリと郊外を結ぶ首都圏高速鉄道に乗って仕事場へ向かいます。4駅で仕事場に着くので、所要時間は15分程度です。

混雑はないものの不快な通勤

朝は混んでいますが、日本の満員電車に比べたら空いていると言っていいほどなので、そんなにストレスはありません。日本の通勤に比べたらとても快適、と言えますが、やはり難点もあります。

まず、駅構内も電車内もあまり清潔ではありません

メトロもそうですが、異様な臭いと落書きが多く、ゴミや汚れがずっとそのままだったり、エスカレーターが止まったままだったりするので、乗っているといつも不快になります。

それに加えて、ストライキによる駅の閉鎖、人身事故や故障による遅延もかなり多いです。

交通機関が原因の遅刻には寛容

ただ、交通機関があまり機能しないことにフランス人も慣れているので、それによって仕事に遅れる時は事前に連絡すれば問題なしでした。

しかも毎日でなければ、交通機関の遅延で5〜10分遅れる程度ならわざわざ連絡してこなくても良いとさえ言われました。フランス人は、時間に関してはかなりおおらかなのだと驚きました。

9:30 仕事開始

フランス

百貨店の朝の早い時間はお客様が少ないので、たいてい朝一番でレジの両替をして、その後商品の陳列、掃除をします。

私が働いていたのは観光客用のお土産物の食品とワインを置いている売り場でした。そのため、賞味期限を確認したり、売れ筋の商品を手前に移動したり、足りない商品を他の売り場から譲ってもらったりという仕事を朝のうちにしてしまいます。

世間話に30分を費やす同僚たち

フランス人の従業員を見ていると、9時30分に来てまずは同じ売り場の同僚に挨拶し世間話をします。

それから、向かいにある違う売り場の同僚のところへ行き挨拶と世間話。今度は売り場があるフロアの中央にあるレジ係の同僚のところへ行ってまた挨拶と世間話。10時くらいになるまでこれを続けます

そして10時になってやっと陳列と掃除を開始。ところが、10時30分を過ぎる頃には「あ〜疲れた〜」と言ってコーヒーブレイク。その時間になるとお客さんの数も増え始めるので、やっと仕事のエンジンがかかるという感じでした。

フランス人は一日3時間しか働かない?

もう数年前のことになりますが、アメリカのタイヤ製造大手タイタン・インターナショナルのCEOが、経営難に陥ったフランス北部にある工場の投資の要請を受けて視察した時のことをこう語っている記事がありました。

「……フランスの労働者は高い賃金を受け取っているが、3時間しか働きません。休憩と昼休みに1時間、おしゃべりに3時間、仕事に3時間費やす。フランスの労働組合員に面と向かってこれを指摘したら、それがフランスの働き方だと言われました」

AFP BB NEWS 「仏労働者は『1日3時間しか働かない』米企業CEO(2013年2月22日)より一部抜粋

私は以前はフランスの違う会社に勤務していて、その時はみなよく働いていたので一般化はできません。

しかし、この職場でのフランス人の働き方を見ている限り、こうコメントしたアメリカ人の気持ちはよくわかる!という感じでした。

12:00 お昼休み

ランチ休憩は1時間。お昼12時頃から交代で食べに行きます。

社員食堂があるのでそこで食べたり、まわりにあるレストランで食べたり、サンドイッチなどを軽く食べたりして済ませます。これは日本と同じです。

社員食堂だと、前菜、メイン、サイド、デザートがついたランチセットのようなものが3ユーロ(400円弱くらい)で食べられたので、とても満足してそればかり選んでいました。

パリは物価が高いので、店で食べるとサンドイッチに飲み物、デザートがついた簡単なランチセットなどでも7〜8ユーロはします(900〜1,000円くらい)。

※1ユーロ=約127円(2019年1月現在)

13:00 仕事再開

お昼ご飯が終わってから夕方まではお客さんも多いため、接客がメインになります。週に数回の商品の搬入日には、搬入、ラベル貼り、陳列を行い、在庫を確認してから発注をかけます。

17時30分までが勤務時間です。

18:00 買い出し・保育園へ子供をお迎え・帰宅

夕方

17時30分に仕事を終え、すぐにRERに乗り帰途につきます。18時に自宅がある駅に着くと、駅前のスーパーに寄り、10分で買い物を済ませます。

保育園に迎えに行ったあと娘を連れてスーパーへ行くと、ベビーカーを離れて歩きたがったり、会計をしている時に勝手に外へ出たりしてしまうため、時間が少なくてもなんとかして迎えに行く前に買い物をしていました

時短に便利なセルフレジ

私が通っていた駅前のスーパーでは、買うものが10品目以内であれば自分でレジを済ませることができます。

片方の棚に商品を乗せ、中心にあるバーコードに商品をかざして自動で読み取らせ、反対側にあるカゴに商品を乗せていきます。最後に画面で合計金額が自動で算出されるので、それにしたがって支払いを済ませます。

フランスには日本のようなコンビニエンスストアーがないので、急いでいる時に少量の物をすぐに買うことができるこのシステムはとてもありがたいです。

買い物を済ませて18時30分に保育園へ娘を迎えに行き、帰宅します。

21:00 夕食・就寝

ベッドルーム

自宅が保育園から離れているので、家に着く時間がどうしても19時以降になり、そこから夕ご飯を作って食べてお風呂となると、いつも就寝時間が21時を越えてしまうので大変でした。

幸い、朝が少し遅くても良いので、娘の就寝が22時を越える時は翌朝ギリギリまで寝かせておいたりしました。

平日の夕食は簡単に

夫の仕事が夜遅く、平日の夕食は私と娘の2人だけでとっていたため、手を抜いていました

週末にまとめて作って温めるだけにする、冷凍食品などで品数を増やす、メイン一品のみ作ってあとはフランスパンやチーズなどを添えるだけにするなど、とにかくすぐできるようにして、20時までには食べ終えるようにしていました。

まとめ~子育て世代には助かる「無理のない働き方」

ハウス

子供が生まれてから融通がきくという理由で選んだ職場だけあり、自宅で娘といる時より仕事をしている時の方が、おしゃべりをしたりコーヒーを飲んだりとゆっくりできました

それでも、子育てと仕事の時間のやりくりは大変です。

否定的に見ていたフランス人の働き方ですが、子育て中だったり年老いたりしても長い間働き続けられる環境という意味では無理のない働き方なのかもしれません。

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