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フランスでデザイナーとして働くメリット5選

オフィス

私はフランス・パリでインテリアデザイナーとして働いています。フランスに留学後、そのまま現地で就職し、現在は夫と娘がいます。

日本とはまったく違う感性の中で働くことは時に難しくもありますが、フランスはバカンスが長かったり、残業が少なかったりなど、ワーク・ライフ・バランスが優れていることで有名です。

フランスやパリで働くメリットを、社会人一般としての視点と、デザイナーという職業からの視点でお伝えしたいと思います。

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目次

フランスで私がしているインテリアデザインの仕事とは

スポーツカー

「インテリアデザイン」と言っても色々あり、私がフランスでずっと携わっているのは「ブースデザイン」です。見本市・サロンなどで使われる小間(ブース)をデザインする仕事です。

ヨーロッパ、特にフランス、ドイツは見本市市場がとても大きく、世界的に有名なサロンが多数あります。

また、見本市と一言で言ってもジャンルは無数にあり、メゾン&オブジェ、プリュミエールクラスなど最新の流行を追うようなファッション系のものから、モーターショー、航空関係や軍事関連まで多彩です。

また、農業国のフランスでは、毎年2月に行われる国際農業見本市がとても有名です。

目立つデザインにすることが大切

そのような展示会で出展される、企業や団体の小間のデザインをするのですが、多数の出展者が集まる商業空間なので目立つことが何より大事。

カラフルにしたり、人目を引くようなアトラクションを盛り込んだりと、普通の商業インテリアよりも「お祭り要素」が強いです。

フランスで働く一般的なメリット

時間

冒頭で述べた通り、私は留学後にそのままフランスで就職してしまったので、日本での就労経験があまりありません。そのため日本の働き方と比べるのは難しいのですが、私が思う「フランスで働くメリット」は以下です。

残業がない

デザインの仕事というと、昼夜問わず残業が多そうなイメージですよね。ですが私の場合、残業はほとんどありません

イベント系だと時間が不規則で、特に業者さんは夜遅くに作業することも多いのですが、一緒に仕事をしている彼らですら、就業時間後に私に連絡するのは良くないと暗黙のうちに了解しています。

フランスでは本当に、就業時間とプライベートの時間の分割が大事です。基本的に、プライベートの時間になったら仕事の話を持ち込むのは悪いこと。

携帯に仕事用メールを入れている人はフランスでも多いですが、就業時間以降に届いたメールへの返事は翌日までしない人も多いです。

子供がいても働きやすい

残業がないので、子供を保育施設に預けるのも最低限の時間で大丈夫です。私の娘は学校の延長保育に通っていますが、18時半まで預かってくれるので私の帰宅時間に間に合います。

たまに現場に出るため遅くなるのが分かっている日や、夫と2人、夫婦でお出かけしたい時は、ベビーシッターさんやご近所さんのお世話になります。

フランスは女性の就職率が高いせいか保育システムも多様で、子供がいても仕事を続けやすい環境と言えます。

また、フランスは社会全体で子持ち家庭への理解もあります。子供の急病などで急に休まなくてはならなくても、それは当たり前と捉えるので、母親のみならず父親が休んだり早退したりすることも多々あります。

どちらかと言うと、職場の方が子供を中心に考えて融通を利かせる感じです。

有休が取りやすい

フランスと言えば「バカンス」というイメージを持っている人も多いと思いますが、本当に7~8月はバカンスを取る人が多く、仕事はまったく進みません。ですが、その期間は個人的に長期の休みが取りやすいのも事実。

なぜなら、どうせ出社しても仕事にならないので2~3週間ほどは会社自体お休みになるところが多く(わが社もそうです)、そのおかげでゆったりと日本へ里帰りができます。

たいていのフランス人は1か月の休暇を夏に取るので、私も遠慮なく暑い日本の夏を家族と一緒に楽しみます。

フランスでデザイナーとして働くメリット

デザイン

前項では、社会人一般として感じるフランス社会のメリットをお伝えしましたが、ここではクリエイターやデザイナーとしてフランス、そしてパリで働くメリットを挙げてみます。

様々な感性に出会える

私の所属する会社には、私(日本人)、ロシア人、スペイン人とフランス人のハーフがデザイナーとして勤めています。

同じフランスにいながらいろいろな国のデザイナーと一緒に仕事ができるというのは、とても面白いです。これはフランスで働くメリットというよりも、ヨーロッパ全体のメリットかもしれません。

それぞれの感性があり、得手不得手もあり、同じプロジェクトでも切込み方が全然違ったり……と、いつも勉強になります。小さなデザイン部なので一緒に話をする機会も多く、ロシアやスペインの文化もたくさん知ることができました

パリは優れたデザインの宝庫

私が勤めるパリには、世界的に有名な建築家がデザインした建物や、有名ブティックが数多くあります。

東京ももちろんそうだと思いますが、パリはコンパクトにまとまっていて散策がしやすいです。休日、時間がある時などにふらっと流行のお店を見に行くことができ、そのおかげでインスピレーションが湧いたりします。

美術館も充実していて、何度も行った美術館でもいつも新たな発見があったりします。

パリは古くて新しい街。そんな街で暮らすだけでも感性が磨かれていると常に感じます。

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フランスで働きわかった一番大事なこと「仕事が全てではない」

コスメ

グローバルに見て、私にとってフランスが良いなと思う点は「仕事が全てではない」というフランス人のスタンスです。

これは、フランス人が仕事をおろそかにしているという意味ではありません。就業時間内はみっちり集中して働いています。けれど、一度オフィスを離れると仕事を引きずりません。

子育て中の人、スキルアップのために勉強したい人、趣味に打ち込みたい人……。フランス社会はメリハリがあり、そういった人々が暮らしやすいようにできているなと感じます。

そして、このような「気持ちの余裕」が生まれることは、私たちクリエイタ―にとってとても大事なことだと思うのです。

仕事とプライベートのどちらも選べる

乾杯

フランスでは「仕事かプライベートか」を選ぶ必要はありません。どちらも選ぶのが当たり前です。

フランスで学生生活も経験し、社会人になった私ですが、今思えば学生時代の方が断然忙しかったです。課題に追われ、徹夜を繰り返して卒業した後、就職が決まり、ようやく社会人になった時に「こんなに時間があるんだ!」とびっくりしたのを覚えています。

きっと日本だったら逆ですよね。

フランスでは余暇に何をするかがよく話題にのぼります。何かに興味を持ち、行動する。そんな姿勢で生きているフランス人には「仕事が趣味」なんて言うと驚かれてしまいますよ。

まとめ~自分らしく生きられる環境

フランスで働くメリットは、デザイナーという職業かどうかにかかわらず、ずばり「自分らしく生きられる」ことだと思っています。

もちろん、大変なことも多々あります。しかし私は、今のワーク・ライフ・バランスがとても気に入っています。

仕事も家庭も大事にしたい。そんな方は、フランスで働くことを考えてみてはどうでしょうか?

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この記事を書いた人

在仏22年になる空間デザイナーです。パリ在住。英国人の旦那と日英ハーフでフランス生まれの娘と一緒に暮らしています。

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