スペインに行くのならやはりその前にスペインについて知っておきたいものです。
地名や食べ物、サッカー選手の名前なんてのも定番ですが、スペイン人が発明したものを押さえておくと、スペイン人とのいい会話のきっかけになるかもしれません。
発明というと、蒸気機関を発明したイギリス、紙や火薬を発明した中国などが取り上げられることが多いですが、スペインも古代から地中海世界の文明をリードしてきた地域の一つ。決してほかの国々に勝るとも劣りません。
今回はそんなスペインの5つの発明をご紹介します。
宇宙服
宇宙服の原型はスペイン人科学者のエミリオ・エレーラ・リナレスによって1935年に開発されました。といっても宇宙服として作られたわけではなく、成層圏に気球で達するための防護服としてでした。
その防護服はエレーラ曰く完全に密閉され、内部を空気で満たすことができるものでした。ちなみにテストは彼のセビージャの自宅のバスルームで行われたそうです。
特殊なマイクを取り付けて外部との交信を可能にし、ヘルメットには三層の強化ガラスを使用していました。この強化ガラスは成層圏の強烈な光を防ぎ、曇り止め加工もされている優れものでした。
結果的に上手くはいきませんでしたが、エレーラは体温を保持するためのヒーターも防護服に組み込む設計をしていました。
実際に宇宙服が実用されたのは1965年、旧ソ連の宇宙飛行士アレクセイ・レオーノフの行った船外活動によってですが、それに先立つこと30年、すでにここまでアイディアが確立されていたと思うと驚きです。
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シェリー
スペイン最大の輸出物の一つであるシェリーは数百年に渡って世界中で親しまれてきました。白ワインの一種で、アルコール度数が高いことが特徴のシェリー。
その歴史は非常に古く、約1300年前にスペイン南部のアンダルシア州にアフリカからイスラム教徒のムーア人(アラブ人の一派)が侵入した時までさかのぼります。
セビージャの南に位置する町ヘレス・デ・フロンテラがその始まりの地です。スペイン語ではピノ・デ・ヘレス(ヘレスのワイン)と呼ばれています。
同地を支配したムーア人によって伝えられたアルコールの蒸留技術を生かしてよりアルコール度数の高いワインを作ったのがシェリーの起源だと伝えられています。
日本でも有名なシェリー酒「ティオ・ペペ」は日本の吉田茂元首相も愛飲したと言われ、また皇太子殿下は実際に現地の工場を訪れたことがあるそうです。
ウィリアム・シェイクスピアの作品中にも頻繁に登場することもあり、ヨーロッパでは非常によく知られたワインであるシェリー。スペイン旅行中にぜひ本場のシェリーを試したいところですね。
コンピューターゲーム
コンピューターゲームというとプレイステーションやWii、少し遡ってファミコンあたりを思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、世界最初のコンピューターゲームは100年以上も前にスペインで発明されたんです。それは1914年、スペイン人発明家レオナルド・トーレス・ケヴェードによってパリで発明されました。
それは、機械仕掛けで対戦することができるチェス機械です。
class=”news_headline1″チェス機械というと、実は中に人が隠れて操作していたこと通称「トルコ人」が有名ですよね。
エル・アヘドレシスタ(スペイン語でチェス選手の意味)と名付けられたこちらの機械は内部の電子機械の操作によって盤面を判断し、チェックメイト間際の局面のみではありますが、自動的に動いて対局することができました。
100年も前にこのような機械を開発できたとはにわかには信じがたいものです。
アコースティック・ギター
ギターの原型は約900年前のスペインの二つの弦楽器にさかのぼります。それらはラテン・ギターとムーリッシュ・ギターと呼ばれるものでした。
これらを元に、現代に残るアコースティック・ギターを作り上げたのが19世紀のセビージャ出身のスペイン人アントニオ・トーレス・フラードです。
彼の作ったギターは現在使われているアコースティック・ギターのほとんど全ての源流となっています。
エレキ・ギターが出てきた今でも世界中で演奏されて続けているアコースティック・ギター。スペインでいうとフラメンコなどが有名ですね。
日本でも奥田民生や秦基博のようなアコースティック・ギターで弾き語りをするアーティストが多く人気を博しています。あまり目立ちはしませんが、これも世界的に重要な発明だと言えるでしょう。
テーブルフットボール
スペインではフットボリンと呼ばれるテーブルフットボールは、今や世界中のバーやレストランに置かれて楽しまれています。日本でもよく見かけますね。
おもちゃ屋などで子ども用の小さなテーブルフットボールが売られていたりもするので、持っていた方も多いでしょう。
アメリカの人気テレビシリーズ「フレンズ」でも、登場人物の自宅にテーブルフットボールがあって、頻繁にプレーする姿が映し出されていました。
そんなテーブルフットボールですが、1930年代のスペイン内戦期に、北部のガリシア出身の発明家アレクサンドレ・デ・フィステッラによって発明されました。
爆撃で負傷し、病院に入院していた彼は、怪我の影響で大好きなフットボールをプレーできず退屈な日々を過ごしていたそうです。
そんなある日、病院に備え付けられていた卓球台を見て、テーブルフットボールのアイディアを思いついたといいます。まさに怪我の功名といったところでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
どんな国の人でも、自分の国を褒められるとやっぱり嬉しいものです。あまり世界的に知られていないけど、ひそかに誇りに思っているようなことを海外の人が知っていたりすると、驚くとともにその人に対して強い親近感を持つこと間違いありません。
スペイン旅行中に現地の人たちと仲良くなるためのツールの一つとして、ぜひこれらの発明のことを覚えておいてくださいね!
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