フランスで深刻な社会問題になっているのが、高い失業率。2019年1月現在、フランスの失業率は8.8%、日本は2.5%。その差は一目瞭然です。
私は南フランスで就活し、失業率の高さを強く感じました。20〜30代の友人にも無職の人はたくさんいます。フランスで就職先を探すのは至難の業です。
フランスでの現地採用を目指し就活して印象的だったのが、採用が決まったアパレル企業の面接でした。ここでは、その面接にあたって準備したことや面接の内容などをご紹介していきます。
フランスでは4カ月の就職活動で採用が決まるのは早い方?
高失業率でフランス人でも職に就くことが厳しい中、自国民でない日本人ともなればより一層、フランスでの就職は大変な状況です。
私は約4カ月ずっと履歴書を送り続けて、やっと採用が決まりました。それでもフランス人の友人に「早かったね」と言われました。
私の場合、職種にこだわらなかったからなのかもしれません。販売員から事務職まで広い分野で求人に応募し、2社面接を受けました。
フランス就活、面接にこぎつけるポイントと面接に必要な書類
ひたすら履歴書を送ってチャンスをつくる
職を見つけるためにまずやること、それはひたすら履歴書を送ることです。これは日本も一緒ですね。
フランスでは、希望の会社なり店舗なりに出向いて直接手渡しということもできます。運良く雇用主の目に留まれば、メールか電話で面接の案内が来ます。連絡が来たら本当にラッキーです。これがなかなか来ませんから。
大企業はほとんどがメールでの通知ですが、小さい店舗などは電話で連絡が来ることが多いようです。
面接に必要な書類は会社から連絡が
私が応募したのは大きいアパレル会社だったので、メールで連絡が来ました。そこには、面接の日時と場所、当日持参する書類が書かれていました。
必要な書類は、次の通りでした。
- 身分証明書のコピー
- ビザと滞在許可証のカラーコピー
- RIB(銀行口座証明書)
- sécurité social(国民健康保険)証明書
- 住居証明書
- 証明写真
確認の返事を求める内容がメールに書かれてあったので、その日のうちに出席すると返事をしました。
フランスでの現地採用を目指して面接準備
さあ、面接が決まれば次は準備です!何もしないで面接に挑むなんて人はいませんよね。
フランスにも、面接の準備の仕方を教えてくれるサイトはたくさんあります。でもたくさんありすぎて分からない、という方に、私が参考にした2つのサイトを紹介しますね。
- Question d’emploi : 面接でありがちな質問を125例挙げています。
http://questionsdemploi.typepad.fr/ - Préparer un entretien d’embauche : フランスの職業安定所(Pôle-emploi)が紹介しているPDFです。
http://www.pole-emploi.fr/
「あなたについて話してください」で始まるフランスの面接
フランスの面接が日本のそれと大きく違うのは、最初に「あなたについて話してください」と必ず言われることです。日本だと面接官の投げかける質問に答えるのが一般的ですが、フランスでは自分をいかに表現するかが大事です。
そのため、面接準備が重要なのです。急に「自分自身について語ってください」と言われても、なかなかすぐにまとまらないですよね。
私は上記のサイトを見ながら、自分が今までどういうことをしてきたのか、なぜその会社に就職したいのか、自分に何ができるのか、自分はどういう人間なのか、などということを思いのままフランス語で紙に書き留めました。
面接ロープレを録画してチェック&修正
面接は、もちろんフランス語で行われます。私はフランス人の夫に面接官役になってもらい、面接ロープレをしました。
そして、その様子を「自撮り」するんです。面接では、やる気を見せなければなりません。自分が話すフランス語など聞いたこともなかったので、自分が話しているところをビデオに撮ってチェックしました。
案の定、最初は目を伏せたくなるような光景でしたが、練習していくうちに少しずつそれなりになってきました。
フランスでの面接時の服装、業界職種によってはラフでもOK
フランスにもリクルートスーツはあります。基本的に面接はスーツのようですが、職種や会社の規模にもよります。
私はアパレル会社の面接だったので、白と薄い水色のストライプのシャツ、黒いタイトスカート、黒のヒール靴という服装で行きました。
会場に着いてみんなの服装を見たら、10人程いたうちの8割はカジュアルな服装でした。中にはジーパンというラフな人もいましたが、これはアパレルの会社だったからだと思われます。
フランスのアパレル企業の面接方法と流れ
フランスの面接形態は日本と同じように、個別面接やグループ面接などさまざまです。
まずはグループ面接
最初にグループ面接があり、面接官は5人程でした。会場に到着すると紙と名刺ホルダーを渡され、自分の名前を書いて首からかけました。
まず会社紹介のプレゼンテーションがあり、その後、質疑応答。ここでは、契約や昇進、お給料などについての質問があがりました。
意表を突くロープレ面接
質疑応答が終わったら、いよいよ個人面接か?と思いきや、なんと面接官が「これからみんなに演じてもらいます」と言うではないですか。ある部屋をお店と見立てて、面接官がお客さん、私たちが店員。その対応の様子を評価されるというのです。
これはまったく想定していませんでした。しかも私はアパレルで働いた経験がなかったので、アドリブでやるしかありません。とにかく必死でやったこともない店員を演じました。
そして最後に個別面接
ロープレ面接が終了し、各部屋に分かれて個別面接がありました。私の担当だった面接官は若く、面接自体も和やかな雰囲気でした。
フランスのアパレル企業の個別面接、質問内容は?
最後の個別面接で質問された内容は、下記の通りです。
- あなたについて話してください。
- 長所と短所をそれぞれ3つ挙げてください。
- わが社を選んだ理由を教えてください。
- われわれが、他の人ではなくあなたを選ぶ理由を教えてください。
- なぜフランスに来たのか教えてください。
1〜4までは、どこの企業でも聞かれる基本的な質問内容です。もう一社の面接を受けた時も、上記の内容を聞かれました。前述したサイトを見て準備していた内容だったので、質問にはすべて答えられました。
その後、質疑応答タイム。ここでは何も聞かないより、いくつか質問を投げかけた方がいいようです。質問し過ぎてもいけません。
まとめ〜失敗の経験が次の面接の糧になる
異国の地での初めての採用面接、緊張するのが当たり前です。ましてや現地の言語での面接となればなおさらです。でも、しっかり準備をして、自信を持って挑めば大丈夫です。
万が一、好ましい結果にならなくても、その努力がむだになることはありません。経験してこそ、自信がつきます。反省点なども出てくると思うので、またそれを糧に次の面接に挑みましょう。
面接は、改めて自分とじっくり向き合う良い機会でもありますよね。想定外の展開になっても、落ち着いて自分を出し切ってくださいね。
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