ロンドンはアメリカの都市に比べると銃犯罪が圧倒的に少なく、比較的治安の良い街といえるかも知れません。他の大都市と同じく、日中ならば身の危険を感じるような目にはほぼ合わないでしょう。
それでも、観光ではなく生活するとなったら話は別。地元に住んでいる人は、地名だけで大体の治安の良し悪しは分かるのですが、一本通りを挟んだだけで治安が天と地の差になってしまうこともあるロンドンでは下調べが重要です。
今回は、そんなロンドンのエリアと治安についてご紹介します。
ロンドンのエリア別治安:代表的な高級住宅地
ロンドンには、日本のお金持ちとはスケールの違うメガリッチな人々が多数住んでいます。そんな彼らの住む代表的なエリアをご紹介します。
ケンジントン(Kensington)&チェルシー(Chelsea)
ノッティングヒル(Notting Hill)やケンジントン(Kensington)といった、映画やドラマのロケーション地としても有名な場所を含むKensington & Chelsea地区はまさにposh(高級・上品)の代名詞。
ロンドン中心地にもほど近く、大変便利な立地でもあります。ポップグループTake Thatのロビー・ウィリアムズやVirgin Groupの創始者リチャード・ブランソンなどが住んでいます。
セントジョンズウッド(St John’s Wood)
リージェンツパーク(Regents Park)を見下ろす高級マンションが立ち並ぶ、日本人駐在員にも人気の高級住宅地。マンションには立派な制服を来たコンシェルジュが常駐しています。
ビートルズのアルバムカバーで有名になったAbbey Roadもあり、ビートルズのメンバーであるポール・マッカートニーや俳優ユアン・マクレガーが居住しています。
ハムステッド(Hampstead)
億万長者のお屋敷が多くあるロンドン北部の閑静な住宅地。お抱えの料理人や庭師、制服を着たメイドなどが実在しており、映画の世界でしかお目にかかれないようなお金持ちが住んでいます。
ロックバンドOasisの元メンバー、リアム・ギャラガーや、ボーイズバンドOne Directionのハリー・スタイルズがこの地に居を構えています。
これらの地域はもちろん治安が良いとされていますが、お金持ちが住んでいるので空き巣の出没率も高いです。とはいえ、防犯対策も万全なので、物騒な事件はほとんど起きませんが……。
名前を聞いただけでロンドナーが震え上がる?治安の悪いエリア
治安の悪い地域というのはロンドンのそこら中にありますが、中でもあまり理想の居住地でないといわれるやや危険(?)なエリアをご紹介します。
エレファント(Elephant)& キャッスル(Castle)
ロンドン南部に位置するこの地域は、地下鉄のZone1圏内にもかかわらず家賃が割安なので学生には人気があります。
けれどロンドンに詳しい人に「Elephant & Castleに行く」と言うと、やや眉をひそめて「気をつけてね」と言われてしまいます……。
私は職場が近かったので何度か行きましたが、特に危ない目にはあいませんでした。しかし、そこら中でパトカーのサイレンが鳴り響いていたのが印象的でした。
ハックニー(Hackney)
ロンドン東部のHackney地区は昔からあまり治安の良くない場所だといわれてきましたが、ShoreditchやHoxtonといった若者に人気のエリアも含まれた、今後発展していきそうなエリアです。
筆者はこの場所に長年住みましたが、夜遊びをして早朝帰ってきてもバーやクラブ帰りの若者が通りに溢れていたので、逆に安心感を感じたものです。
危険な目には一度もあいませんでしたが、路上でマリファナを吸っている人がいたりするので、旅行者が行くとやや怖いと感じるかもしれません。
トッテナム(Tottenham)
人気フットボールチームも生み出した地域ですが、個人的にはロンドンで一番怖い地域だという印象があります。
というのも、この場所で銀行のカードを強奪され、残高を全額下ろされてしまった苦い思い出があるからです……。
ですがこれは私の不注意が原因で、深夜0時過ぎに一人で通り沿いのATMを使っていたからなのですが。かなり偏見が入っていますが、もう二度と夜間には訪れないでしょう。
上記のエリアは全て中心地からは離れていますが、ロンドンの警察が発表した犯罪率の高いエリアを示した地図上では逆に、中心地のエリアが多くマークされています。これは、スリなどの軽犯罪は観光客をターゲットとしているためです。
どんな地域にいても、暗くなったら一人で行動しないことが賢明でしょう。
通りの反対側は危険地帯?ロンドンの不思議な治安状況
ロンドンのエリアの特性はポストコード(郵便番号)を見ればたいてい分かるので、居住地を決める際の目安にはなるかもしれません。
しかし、高級住宅地と治安の悪い地域が隣接していることが多いので、地元の人に意見を聞くことをおすすめします。
例えば、上に挙げたChelsea地区にあるHolland Parkは高級住宅地ですが、そのすぐ隣のShepherds Bushは便利ではあるもののあまり安全とはいえません。
一度この近くのエリアを地元の人と歩いていた時、「この道の北側には行ってはダメだよ。危ないからね。南側は大丈夫」と言われました。
カウンシルフラットと呼ばれる公共住宅が多くあるエリアが危険だといわれているようでしたが、実際路上でひとりごとを繰り返す人や突然叫び出す人、さらには押し売りをしてこようとする人などがいて、長居は無用だと感じました。
まとめ
日本は荷物を置いて席を取る人もいるくらい治安が良い国ですが、ロンドンでは常に自己防衛を怠らないことが肝心です。
犯罪率は日本より高くても、自分自身が被害者にならぬよう気をつけることで防ぐことも可能です。
どんな場所にいても隙のある人が狙われる可能性が多いので、気を引き締めて安全に生活しましょう!
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