海外に住んでいて感じる日本との違い。もちろんストレスになることもあるかもしれませんが、その国に溶け込むためには、時に日本の常識を捨ててその文化の違いを楽しむことも大切なのではないでしょうか。
それぞれの国には「ヨーロッパだから」「アジアだから」とひとくくりにはできない文化があります。イギリス以外の英語圏の国にも住んだ経験のある筆者が、イギリスで新たに感じたちょっとおもしろいカルチャーショックをご紹介します。
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イギリス式挨拶:ハグやキスは人による?
イギリスに来て最初に感じたカルチャーショックの1つに、挨拶の仕方がありました。
日本とは異なる欧米スタイル
イギリスに住む前にはカナダやオーストラリアに住んでいて、カナダ人、アメリカ人、メキシコ人、オーストラリア人など、いろいろな国籍の友達がいました。
また、アメリカの映画やドラマもたくさん見ていたので、欧米の文化を少しは知っているつもりでした。
みなさんも見たことありませんか?映画やドラマの中で、初めて会った人同士がハグをしたり、ほっぺにキスしたりするシーンを(正確にいうと、頬と頬をひっつけて口でチュッと音だけ出します)。
慣れてくると心地よい
実際に私もイギリス以外の国で、初めて会う人同士でもハグやキスをしている場面を何回も目にし、私自身も郷に入れば郷に従えの精神でそのようにしてきました。
特に南米系の人は情熱的で、相手が男性でも女性でも両方の頬にキスをしてから熱くハグをしてきます。
もちろん最初の頃は、このハグやキスが恥ずかしくて抵抗がありましたが、慣れてくると次第にその温かな挨拶の仕方がとても心地よく感じてきました。
そしてこの挨拶の仕方に慣れると、逆に日本式の会釈だけの挨拶がとても素っ気なくて、物足りなく感じてしまいました。考えてみれば家族ですら、物心ついてからハグなんてしたことありませんからね。
イギリスでは少し勝手が違う
ところが、イギリスは少し事情が違いました。これももちろん人によるのですが、イギリス人は一般的に初めて会った人とハグやキスはしません。女性も男性も握手のみです。
初めて会う場合でも、お互いのパートナーの親しい友人などにはハグすることもあります。
2回目以降になるとハグがあったり、たまに頬にキスがあったりなのですが、これも人によるので流されるがままといった感じで私は受け身でいます。
また、頬へのキスの回数も、南米では3回、フランスでは2回など決まりがあるようですが、基本的にイギリスでは1回のみです。
相手に合わせるのがベター
とにかく挨拶の仕方自体に決まりがなく、人によっては握手やハグだけの時もあってさまざまなので、イギリス式の挨拶はなかなか難しいです。
イギリスでは前のめりになってすぐハグしにいかず、相手の出方を待った方がよさそうです。
イギリス人は朝にシャワー、バスタブは泡だらけ
人によるとは思いますが、日本人は夜にシャワーを浴びたりバスタブにつかったりする人が圧倒的に多いのではないでしょうか?
私も夜にシャワーを浴びお風呂に入るのですが、やはり1日の疲れと汚れを寝る前に落として心身共にスッキリし、清潔な状態でベッドに入りたいからだと思います。
シャワーで目覚め、夜はバスタブで体を洗う
ところが、イギリスに限らず欧米人や南米人は、ほとんどの人が朝にシャワーを浴びます。シャワーを浴びることによってスッキリと目覚め、清潔な状態でその日1日を迎えたいという思いからのようです。
そして、バスタブには夜につかりますが、基本的に日本人のように体や髪の毛を先に洗ってから入るわけではありません。
シャワージェルなどを入れてバスタブを泡でモコモコにし、その中につかりながら体を洗い、そのまま洗い流さずにタオルでさっと拭きバスローブなどを着て出てきます。
日本のお風呂のように水温を調整したり炊き直したりできないので、お湯は1人1回でもちろん捨てます。
バスルームは2つ
イギリスでよく目にするのが“ファミリーバスルーム”といわれるバスルーム。
一見するとどこででも見かけるようなバスタブとトイレがある普通のバスルームなのですが、よく見てみるとバスタブの壁にシャワーがついていないことがあります。
このファミリーバスルームは、バスタブにお湯を張ってつかるためだけのバスルーム。このタイプのバスルームがある家には、これとは別にシャワーブースがついているバスルームがもう1つあるのが基本です。
海外に住んでいると、やはり日本式のお風呂が恋しくなります。
イギリス人の駐車の仕方は自由奔放
イギリスは日本と同じ右側ハンドルです。左側走行で交通ルールもとても似ているので、初めてイギリスで車を運転される方でもそれほど違和感を覚えることはないと思います。
ただ1つ、私が驚いたことが、イギリス人の駐車の仕方の自由さでした。
好きなように停める
車を駐車場に停める時、頭から駐車している車もあれば、バックから駐車している車もあり、本当に好きなように停めています。日本のように、バックから駐車した方が出る時が楽というような発想は、イギリス人にはあまりないようです。
そして驚きなのが、道路の路肩に駐車する時です。日本だったら通常、走行している道路側を頭にして駐車しますよね?それがイギリスではどちらでも構わないんです。
例えば、対向車線側の道路に停められるスペースを見つけたら、そのまま頭から突っ込んで停めるような駐車の仕方です。そのため、道路に停められている車の向きはバラバラです。
イギリスでは思っていた以上に大切だった言葉「Please」
他の英語圏の国に住んでいた時、あまり「Please」を意識して使っていませんでした。
もちろん学校では習いましたし、何かお願いごとをする時などには言った方がいいということは理解していましたが、あまり常日頃から使っていた記憶はありませんでした。
ところがイギリスに住むようになって、どこに行っても本当にこの「Please」という言葉をよく聞くようになります。
親しい家族間でも必須
義理の両親や義理の妹夫婦が、子供たちに毎回「ちゃんとPleaseをつけなさい」と厳しく注意しているのを目の当たりにして、そんなに大切な言葉なんだと今さらながらに気付かされました。
子供に対してはもちろんしつけの一貫もあるとは思いますが、親しい家族間でも必ず「Please」はつけます。
私が意識できていなかっただけかもしれませんが、イギリス人は他の英語圏の人たちに比べると「Please」や、アメリカではめったなことでは使わないといわれている「Sorry」、また「Excuse me/Pardon me」という言葉を使う回数は非常に多いと思います。
イギリスの子育て:子供の寝室は別、学校へ毎日送迎
親と子供は別々に寝る
イギリスと日本の子育ての環境の違いの中で1番驚いたのが、親と子供は寝る時は別の部屋であることです。
一般的にイギリスでは、子供が生まれる前から家の一室に「nursery room(ナーサリールーム)」という子供部屋を用意します。
そこに産まれてくる赤ちゃんのためのベッドやタンスを置き、壁紙なども可愛らしく貼り直し、子供用の部屋を作ります。赤ちゃんが産まれると、赤ちゃんは1人でそのベッドで寝ることになります。
そして、赤ちゃんが泣く度に両親のどちらかが部屋に行ってミルクをあげたり、あやしたりします。
しっかり寝られて子供も1人に慣れる
「新生児を1人で寝かせるなんて!」と初めは驚きましたが、部屋を別々にすることで夫婦どちらかの睡眠がしっかり取れるので、日によって交代でお世話ができるのがいいそうです。
子供のことが心配な夫婦は、テレビモニターで赤ちゃんの部屋が常に見られるようにしていたり、赤ちゃんの泣き声がちゃんと聞こえるようにスピーカーを置いたりしているようです。それなら離れていても安心ですね。
子供は赤ちゃんの時からこのように両親と別々の部屋で寝ているので、1歳になっても3歳になってもずっとそのまま別々の部屋だそうです。
日本なら小学校くらいまでは両親と子供は一緒に寝るのが一般的なような気がしますが、案外子供は1人でもちゃんと寝られるものなんですね。でもやはり新生児の間は少し心配な気がしてしまいます。
朝と夕方、毎日送り迎え
これはイギリスに限らず、アメリカやカナダもそうだと思いますが、基本的に子供の送り迎えは大人がしなければいけません。日本のように、子供だけで小学校や中学校に通うことは法律で禁止されています。
しかし、送り迎えは実際とても大変で、自分たちの両親の手助けがないとなかなか難しいのではないでしょうか。
私の義理の妹夫婦の場合、妹は会社が土日休みなので、平日に1回休みを取ったり、仕事を早く終わらせてもらったりしているようです。
そして旦那さんは土日も仕事の時があるようで、そういう場合は平日に2回休みを取ります。残りの平日2回を自分のお母さんと義理の両親に頼んで子供たちの送り迎えをしてもらっています。
共働き夫婦にとっては悩みの種
朝、仕事前に子供たちを送って行けたとしても、学校が終わる15時までにお迎えに行くためには、それより早く職場を出る必要があります。
育児に協力的な職場ならいいのですが、そのように毎回早退させてくれる職場はそうそうないのではないでしょうか。
しかも、小学校と保育園では終わる時間も違う上、保育園は料金が高いので毎日通わせることができず、週に2回や3回といった家庭も珍しくありません。
この送り迎えのことを考えると、共働きで近くに両親が住んでいない場合、イギリスでの子育てもなかなか大変だなと感じます。
まとめ~良いところを取り入れながら臨機応変に
海外に住んでいると、日本の常識が通用せず驚かされることもたくさんあります。しかし、時間が経てばいつの間にかその国に染まっている自分に気付き、日本に帰った時に逆カルチャーショックを受けることも多々あります。
それはそれで、自分の国を見つめ直すいい機会にもなり、良い経験だと思います。
どこの国にもそれぞれの良さがあるので、あまり難しく考えすぎず、臨機応変に合わせていけるといいですね。
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