イギリスと言えば、美しいクイーンズイングリッシュと、レディーファーストなジェントルマンのいる、品のある国だと思っている人も多いかもしれません。しかし、実際の姿はそうでもないようです。
その片鱗は、イギリスでの英語の捉えられ方にも現れています。今回は、イギリス人と関わると出くわす、英語に関するあるあるを紹介していきます。
イギリス英語以外の発音をバカにする
イギリス人の前でアメリカ英語に影響された発音で話すと、彼らは心の中でちょっと嫌だと思っています。よほど親しくなければ顔には出さないでしょうけれど、親しい場合は意地悪な皮肉を言われるかもしれません。
とあるイギリス人男性に言わせると、「アメリカ英語の発音自体もちょっと耳障りな時があるけど、日本人がアメリカ英語を真似しようとして話している時ほどイライラすることはないよ」とのこと。
信じられないかもしれませんが、そう思っているイギリス人は少なくありません。彼らがバカにする発音はアメリカ英語だけではありません。例えばオーストラリア英語が聞こえてくると、何か言わずにはいられないようです。
英語を母国語としている国の中では、何故かカナダやニュージーランドの英語についてはそういった話題に上ることはあまりありません。
これは恐らくカナダ人やニュージーランド人が、アメリカ人やオーストラリア人よりも控えめ(少なくともイギリス人はそう思っているでしょう)だからだと考えられます。
要は、変な発音の英語で話す国の人が、出しゃばっているのが嫌なのかもしれません。
イギリス国内の方言もよく話題にする
イギリス人は英語について話すことが好きなのかもしれません。
クイーンズイングリッシュの他に、日本でよく知られているのは「コックニー」という訛りではないでしょうか。ディビッド・ベッカムがコックニー訛りであるという話題で、この訛りが知られるようになりました。
コックニーはロンドンの下町、つまるところ労働者階級の方々など、庶民かそれ以下の生活をしている人たちの言葉です。
コックニー自体をバカにする人はいませんが、コックニーで話す人を見ると育ちがわかってしまうので、そういう意味で差別をする人は中にはいます。ただ、コックニーは面白い言葉遊びが多いためか、しばしば話題にはなります。
イギリスの方言の中で最も美しくないとされているのは、バーミンガム訛りです。バーミンガム訛りを聞くと「うわっ」というような顔をする人もいます。もちろん直接バーミンガム出身の人にはしません。こそこそ身内でやるような感じです。
他にも、北イングランドの英語はちょっと乱雑すぎるだとか、スコットランドの英語は訛りすぎて分からないだとか、ウェールズ訛りは田舎っぽいだとか、兎に角自分の話す方言以外は大体バカにしているかもしれません。
本気で見下しているときと、愛のあるバカにする仕方(というのも変ですが……)もあり、結構複雑だったりします。
英語吹き替えはその国のアクセントで
このタイトル、意味がわからないという人が多いのではないでしょうか。
例えば日本だと、ニュースや洋画に日本語吹き替えがされていても、それがストーリーに大きく関わらない限りは、方言で話していたり変わった日本語を話したりしている登場人物はいませんよね。
これは例えばアメリカでもそうで、アメリカで海外のニュースや映画などを流すときは、アメリカ英語の吹き替えがされています。
しかし、イギリスは一味違います。イギリスのニュースで外国人にインタビューをしている場面などが出てくると、英語がよくわかる人は驚いてしまうかもしれません。
こういった場面では、その外国人は自国語で話していますよね。普通はそれにイギリス英語の吹き替えが入るものだと思うでしょう。 ですが、イギリスでは極力その国のアクセントを残そうとします。
どういうことかと言うと、例えば日本人が日本語で話している場面には、日本語訛りの英語で吹き替えがされています。
日本人ではない人が頑張って日本語訛りに似せたというよりは、英語のうまい日本人が話している感じなので、そういう人を雇っているのかもしれません。
そういった訛りのある英語はイギリス人が理解できる範囲での軽い訛りにはなるのですが、こんなことをする国はイギリスくらいではないでしょうか。
全てのケースでそうなっているわけではないのですが、毎日のようにニュースなどを見ているとこれに気づくことがあるでしょう。
インド人の話す英語は理解できないと思い込んでいる
イギリス人の中でも、それなりに視野の広い人は逆にこの傾向をバカにしたり、恥ずかしいと思っているのですが、どうやらイギリスではインド人が話す英語は理解できないという思い込みがあるようです。
確かにインドの英語はとても訛りがきつく、速いので、理解するのが難しいのです。 ですが、例えごく軽いインド訛りだったとしても、イギリス人の一部は理解する気がないのか、わからないと言います。
実例をあげると、インドで取材をした番組があると、現地のインド人がかなりクリアな英語で話していたとしても字幕がつきます。
こういったイギリス人の特徴をちょっとおおげさにネタにした番組に「Little Britain」という番組があります。この番組の「Fat Fighters」というネタで、かなりわかりやすい英語を話しているインド人女性の英語を全然理解できないイギリス人というのが出てきます。
あまり気分の良いものではないのですし、かなり誇張はされているのですが、これに近いことは普通にイギリスで起こっています。興味があればYoutubeで探せば一発で出てきます。
まとめ
これを読むと、イギリス人のことが嫌になってしまうかもしれませんが、他人の英語をちょっとバカにしてしまうクセがあるというのはイギリス人のただの一面でしかありませんし、直接あなたの英語をバカにするような人は本当にごく一部です(愛のあるいじられ方をするかもしれませんが……)。
紳士の国というイメージからは程遠いかもしれませんが、慣れると面白いと感じることもあるはずですから、こんな場面に遭遇したときには、心の中でニヤッとしておきましょう。
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