海外で働きたい人にとっての仕事の選択肢の一つとして日本語教師が挙げられます。興味はあるけれど、どうやったら日本語教師になれるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、現在まさに日本語教師を目指して勉強中のNAOさんにインタビューしました。資格を取るためにはどのような勉強をすればいいのでしょうか。また、日本語教師になりたいと思った理由や、今後のキャリアプランについてもお伺いしました。
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日本語教師を目指すNAOさんのプロフィール
―まずは簡単に自己紹介をお願いします。
現在、愛知県名古屋市内の日本語教師養成講座に通っています。大学卒業後に一般企業に就職し、正社員として3年働いたあと退職、同じ会社にアルバイトとして再雇用してもらい、働きながら養成講座で勉強しています。
現在20代後半で、講座へ通い始めてまもなく1年になります。登録しているのは2年間で日本語教師の資格が取れるコースで、資格取得まではあと1年です。
日本語教師の仕事とは
―そもそも日本語教師とはどんな仕事なのでしょうか?
名前の通り、日本語を母語としない人たちに対して日本語を教える職業です。主に日本国内では留学生や技能研修生として、もしくは家族の都合で日本に住んでいる外国人に対して日本語を教えます。また海外では日本文化や日本語に興味のある外国人に教えます。
日本語学校で教えるのが主になりますが、個人レッスンやコミュニティーセンターなどで教えている人もいます。
日本語教師になるには
―日本語教師の資格を取るためにはどうすれば良いのでしょうか?
資格取得のためには主に3つの方法があります。
日本語教師養成講座へ通う
1つ目は、私のように日本語教師養成講座へ通うことです。420時間のカリキュラムを修了すれば卒業と同時に資格を取得することができます。最短3ヶ月〜2年で取得することができ、希望のコースを選択することが可能です。
私の場合は2年コースで授業料は60万円ほどですが、厚生労働省の教育訓練給付制度というシステムを利用すれば約10万円の補助がもらえるので実質授業料は約50万円になり、同金額で1年で資格を取得できるコースもあります。
―短期集中か、仕事などをしながら長期で学ぶか選べるということですね。
アルバイトをしながら通うのであれば、1年もしくは2年コースが良いと思います。
また、日本語教師養成講座は日本語学校内で設けられているケースが一般的です。学校によって週末のみのコースや毎日講座があるコースもあるので、自分の生活スタイルに合った学校を探すことをおすすめします。
大学で資格取得
2つ目は日本語教師の資格が取れる大学へ進学し学生時代に取得することです。主に外国語学部や文学部で授業が設けられていて、必要な単位数を取れば資格がもらえます。
日本語教師検定試験をパスする
3つ目は日本語教師検定試験に合格することです。年に1度、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡で試験が行われています。
ちなみに海外の大学で日本語を教える場合、たいてい日本の大学院を卒業していなければ採用してもらうことができず、採用自体も少ないので狭き門です。
日本語教師になりたいと思った理由
―NAOさんはなぜ日本語教師を目指そうと思ったのですか?
小・中学生時代に父親の仕事の関係で一時期アメリカに住んでいました。当時通っていた現地の学校では英語を母語としない外国人向けに英会話の補習授業が設けられており、私にとっては慣れない海外生活の心の支えでした。
その経験から、将来自分も日本で暮らす外国人の不安を少しでも和らげる仕事をしたいと考えるようになり、同じように言葉を教える日本語教師という立場で役立ちたいと感じたのがきっかけです。
―確かに、外国人にとって言葉は真っ先にぶつかる大きな壁ですよね。
また、現在アルバイトとして勤めている会社で正社員時代に、ベトナム人を対象にした日本留学サポートの業務を担当していました。
ベトナムにも何度か出張へ行っていたのですが、その際に現地ベトナムの教育機関で日本語を教えている日本語教師の方何人かと出会い、改めて日本語教師の資格を取りたいと強く思うようになって現在に至っています。
日本語教師養成講座に通うNAOさんの1週間のスケジュール
―現在アルバイトをしながら勉強中とのことですが、1週間のスケジュールを教えてください。
授業があるのは月曜と木曜です。どちらも10~12時に養成講座に通い、月曜は午後から仕事、木曜の午後はボランティアで中国人やロシア人などの小・中学生に日本語を教えています。
火曜、水曜、金曜はフルタイムの9〜18時で仕事をしています。
―週末はどのように過ごされているのでしょう。
土曜には時々ですが集中講座が入ることがあり、その場合は10〜16時に授業があります。
またレポート課題が月に1回程度出たりグループ発表のレジュメ作りなどもあったりするので、空き時間や週末にはそういった学校の課題に取り組んでいます。
日本語教師の資格取得後のキャリアプラン
―資格を取ったあとのプランはありますか?
実は養成講座に通い始めたころは、将来は海外で日本語を教えてみたいと思っていたのですが、現在は日本で経験を積みたいと考えています。
というのも、資格取得後すぐに海外の日本語学校で働き始めると経験も積んでいないのに多くの仕事を任されてしまうことがあり、きちんと教える力を身に付けられない可能性があるからです。
―海外で日本語教師として働きたいと考えている人も、まず日本である程度経験を積んでから行った方が良いということですね。
日本語教師として働くメリット
―日本語教師として働くことにどんな期待をしていますか?
海外で仕事がしたいという場合、日本語教師は英語など現地の言葉が流暢でなくても授業は日本語で行うので、教師として働くことができるそうです。もちろん現地で生活するので、ある程度現地の言葉ができないと困ることはありますが。
また日本語学校内の養成講座で資格を取った場合、学校の紹介で現地の日本語学校の教員として就職を斡旋してくれる場合もあるようです。
―それは海外で働きたいと考える人にとっては非常に魅力的ですね。
その他にも、結婚して子育てをしながら働くことができ、また定年退職後に日本語教師として活躍されている方もいるので、第2の人生として新たな道を歩むこともできると思います。
もちろん、日本語教師をしながらフリーランスでライターやコーディネーターとしても働くこともできるようで、仕事の選択肢が広がる可能性は大きいのではないでしょうか。
まとめ~自分の夢をかなえられ外国人にも夢を与えられる仕事
日本語教師の資格を取るための方法だけでなく、仕事のメリットや働く上で経験を積むことの大切さが、今回のNAOさんのインタビューを通して伝わったと思います。
日本語教師は、海外で働くという自分の目標を実現できるだけでなく、日本語を勉強したい外国人に対しても夢を与えられる素敵な職業です。
NAOさん、資格取得まであと1年頑張ってください!そしてインタビューにご協力いただきありがとうございました。
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