日本で働いていると当たり前の習慣も、海外の職場では受け入れられないことがあります。顔や考え方が人それぞれであるように、国によって働き方や習慣も違って当たり前です。
ただ、頭ではわかっていても、いざ海外で働き始め現実を目の当たりにすると「カルチャーショック」はなかなか避けられないもの。
そこでこの記事では、そのショックを少しでも和らげるために、日本とオーストラリアで勤務経験のある私が両国の働き方を比べてみたいと思います。
日豪働き方比較、こんなときどうする?担当者が有給休暇中!
まず、同じシチュエーションで、日本とオーストラリアでの対応の仕方を比較してみましょう。
例えば、「クライアントに送付しなければいけない資料がある。クライアントからも催促の電話がかかってきたのに、担当者が有給休暇を取って不在である場合」。
日本
クライアントには丁寧に謝罪してから社内を走り回り、資料に関連した情報を休みも返上して入手。資料をまとめてクライアントに送付し、ほっと一息……。
しかし日本の場合は、有休を取る前に必ず他の人に引き継ぎするのが普通だと思います。あまりこういうシチュエーションにはならないかもしれません。
オーストラリア
クライアントに謝罪はします。ですが「担当者は有休でいません。○○日には戻りますので、それまでお待ちください」と返答し、担当者以外がそれ以上の対応をしようとはしません。
クライアント側も「あ、そうですか。仕方ないですね。では待ちます。」と理解を示す場合が多いです。
次に、このシチュエーションをもう少し掘り下げて詳しく比較してみます。
オーストラリアでは自分の担当以外は関係ない?
日本
自分の担当でなくても人手が足りなくて困っている同僚がいたら手伝う、自分の仕事が終わっても周りが忙しそうなら気が引けて帰れない、こんな場合がほとんどだと思います。
私が大学時代にアルバイトをしていたときのことです。終業時間になったので帰り支度をすると、「○○さんがまだ仕事してるから待っていて」とマネージャーに止められました。掃除をしながら全員の仕事が終わるまで待たされた経験があります。
「私がこうして待っている間はお給料をもらえないのに、なぜ待つ必要があるのだろう」と当時は疑問に思いました。
オーストラリア
担当者が有給休暇でいなくてクライアントが困っていたとしても、上で述べたように自分の担当以外の仕事にはあまり手を出しません。
担当者が不在の場合は代理の人が対応してくれる場合もありますが、このケースはかなり稀です。
また、オーストラリアの職場では有休などで担当者がいないシチュエーションが頻繁にあるので、クライアント側もそれに慣れていてすんなりと受け入れてくれます。
以前勤務していた美容室での実体験
私が以前、オーストラリアの美容院で働いていたときのことです。
オーナーのお得意様方に「オーナーはホリデーでいません」と予約取り消しの電話をかけると、「そうなの。じゃあ、帰ってきたら知らせてね」と怒られることはありませんでした。
また、私の仕事が予定よりも長引き、終業時間を過ぎても働いていたときのこと。「よく頑張るのね、お疲れ様」と同僚の美容師たちは堂々と帰って行きました。
日本人的な視点で見ると、「レジ上げや掃除だけでも手伝ってくれたら、私ももう少し早く終われるのに」と思ってしまうのではないでしょうか。
オーストラリアでは仕事は勤務時間内に済ませるのが基本
日本
「この仕事は今日中に終わらせなければいけない」というときには、残業をしてでも終わらせる傾向がありますよね。最近では、なるべく残業をしないように呼び掛ける企業が増えたり、「サービス残業」が問題になったりしています。
しかし、日本人気質として「今日中にという約束で任されたものはやり遂げなければいけない」という使命感を持っている方が多いのではないでしょうか。
オーストラリア
きっちりと終業時間に仕事を終わらせる傾向があります。
「今日できなかった仕事は、また明日やればいい。だらだらと残業しても集中力が続かないから、質のいい仕事ができない」という考えの人が多いようです。
オーストラリアでは「ワークライフバランス」を重視
日本
「有給休暇を取る」ことに罪悪感を覚える方もいるのではないでしょうか。
また、病欠・子どもの看病・冠婚葬祭などに有休をあてて、結局、休暇として使えないという場合が多いような気がします。
オーストラリア
年間4週間の有給休暇が保障されていて(フルタイム勤務の場合)、ほとんどの人がそれを利用してバカンスなどに出かけます。「有休は取って当たり前」なので、会社の同僚などにも罪悪感を持つことなく堂々と休みます。
「ワークライフバランス」を大切にするオーストラリア社会では、仕事をするときは一生懸命取り組んで、休みのときは思いっきり休む、それで仕事の効率も上がる、というのが一般的な考え方です。
まとめ〜自分自身を大切にする働き方を学ぶ
国によって、働くことに対する意識は大きく違います。「どちらが良くて、どちらが悪い」ということではないと思うのです。
ただ「ワークライフバランス」の良さは、オーストラリアで痛感しました。体調が悪くても出社し、病欠は罪悪感以外のなにものでもなかった日本での私……。堂々と体を休めることができるのは精神的にも楽でした。
オーストラリアで働く機会があれば、日本人ならではの仕事に対する意欲は大切にしながらも、オーストラリアの大らかな働き方、自分自身を大切にする考え方を体験していただきたいです。
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