平成28年1月6日より、アメリカ合衆国イリノイ州にあるシカゴに留学で来ています。私がシカゴに来て2週間後の1月20日金曜日、新大統領トランプ氏の就任式が首都ワシントンで執り行われました。
大統領選直後からトランプ氏への抗議活動をするアメリカ国民の様子が、日本のマスメディアでも騒がれていました。
シカゴは前大統領オバマ氏の故郷であることもあり、特に反トランプ勢力が強いと聞いていたのですが、実際にはどうだったのでしょうか。私がシカゴで実際に見た光景・感想をお伝えします。
待機?充電?就任式までの静寂
就任式の前日まで静寂を保っていたシカゴですが、就任式直後から二日間にわたり、市内の各地で5回もの集会、デモ行進といった抗議活動が行われました。
私がシカゴに来た当初、想像していた反トランプの雰囲気はなく、話題に上がることはありませんでした。日本のマスメディアが騒いでいただけかと拍子抜けをしたのですが、今思えば「話題にしたくない」と避けていたのかもしれません。
私が通う語学学校の先生方やホームステイ先のホストファミリーも、大統領就任式直後から口々にトランプ氏への不満を訴えるようになりました。
前日までの静寂は、シカゴ市民の待機・充電期間だったようにも思えます。
どこの国でも、女性は強くたくましい!女性が中心のデモ行進
就任式の翌日の朝、バスや地下鉄は抗議活動に参加する人々で溢れていました。
その日は5万人もの女性が集まり、集会とデモ行進を行ったようです。女性が中心になって起こした抗議活動ですが、男性の姿も多く見られました。
ダウンタウンを歩いていると、デモ行進に遭遇しました。この日は最高気温が15℃に達し、一月とは思えないほど暖かい一日でした。人々が興奮状態にあることもあり、更に暖かく感じました。中には上着を脱いだり、半袖姿の人もいたほどです。
女性を軽視する発言が多かったトランプ氏に対する、女性たちの怒りが伝わってきました。
デモ行進をする人々にカメラを向けると、皆さん笑顔で応えてくれました。このような光景は日本でマスメディアを通して見ると異様な光景に映るのでしょうが、実際に現場にいると自然と受け入れることができました。
真剣に、それでも楽しんで抗議活動をしている彼女たちを見ると、同じ女性として応援したくなる気持ちが芽生えました。
日本でも、お母さんや奥さんに頭が上がらない男性は多いのではないでしょうか?女性は守るもののためには、強くなる生き物です。母強し、妻強し。どこの国でも、女性は強くたくましい。
全員参加!!政治に向き合う国民性
アメリカに来て強く感じたのが「国民が政治に関心を持ち、政治に参加している」ということです。
日本の総理大臣の選出と、アメリカの大統領の選出の違いで、間接選挙と直接選挙がよく挙げられます。国民が直接大統領を選ぶアメリカは民意が反映されやすいため、国民の政治に対する関心が強くなります。
ただ、直接投票は国民の政治参加の意識が高まる半面、人気投票に陥る恐れが唱えられてきました。今回のトランプ氏の当選も、人気投票というデメリットが強く働いたように感じます。
日本の総理大臣の選出も、直接投票にすればいいという単純な発想はありません。それでも、政治と真剣に向き合うアメリカの人々の姿を見ていると、自分があまりにも政治に無関心だったことを恥ずかしく思いました。
可愛く、明るく、真剣に!どんな時でもユーモアは忘れません
アメリカの人々は、抗議活動にもユーモアを欠かしません。可愛く、明るく、面白い「楽しめる要素」を盛り込んでいました。
抗議に参加する人々はお手製のプラカードを持ち、ピンクのアイテムを身に付けていました。
特に「プッシーハット」と呼ばれるピンクの猫耳キャップを被った女性が多くいました。ネットで調べたところ「プッシー」とは女性器を意味し、「可愛い猫ちゃん」という意味を持つプッシーキャットと掛けているそうです。
過去のトランプ氏の女性軽視発言への抗議の意味が込められているのでしょう。また、行進するデモ行進の中で、ひときわ人々の関心を集めたのが「electile dysfunction」と書かれたプラカードです。
選挙・投票という意味を持つ「election」と掛けているのですが、意味は男性の機能停止だとか…。「トランプ氏が当選したことにより、政治の機能が停止する」と訴えたいのだろうと解釈しましたが…。
何事にもストレートなアメリカの人らしい表現です。正直、驚きました。日本では考えられない表現です。
身近な人までも参加していた!デモ行進の参加のハードルは高くはない
帰宅後、ホストマザーにダウンタウンでデモ行進に遭遇したことを話しました。すると彼女は「私も参加していたわよ」と驚きの発言。こんなに身近な人までもが参加するなんて … 。アメリカの人にとって、デモ行進は特別なことではないのかもしれません。
彼女は、別に暮らすご家族(お母さんとお嬢さん、姪御さん) や友人と一緒に参加したそうです。デモ行進の様子を興奮しながら話してくれました。
日本では、政治は難しいものと敬遠される傾向があるように思います。日本とは違い、海外では日常生活で政治の話をすることは珍しいことではないようです。
自分の中の政治へのハードルを下げたら、もっと政治を身近な存在にできるのではないでしょうか。楽しみながらも真剣に、日本の将来と向き合うことの大切さに気づかされました。
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