南仏に住んでいたら、一度は行ってみたいフランスの島、コルシカ島。
あのナポレオン・ボナパルトの生誕の地でもあるコルシカ島は、自然に富み、素晴らしい景色と楽園のような海が広がる美しい島です。その美しさはフランスで”L’île de beauté(リル・ドゥ・ボーテ)”『美の島』と呼ばれているほどです。
また”une montagne dans la mer(ユヌ・モンターニュ・ドン・ラ・メール)”『海の中の山』とも言われ、島の内陸部は山岳地帯となっています。ですから海と山、両方で絶景に出会える魅力的な島なのです。
魅力的なのは景色だけではありません。島でしか食べれない「Brocciu(ブロッチュ)」などのチーズや、島特産のハムやソーセージ、コルシカワインなど、現地ならではの食文化も楽しむことができます。
この美の島へは、マルセイユやトゥールーズ、ニースから直行の船が出ています。所要時間は停船地によって異なりますが、ニースからコルシカ島最大の都市Ajaccio(アジャクシオ)までですと6時間15分です。
飛行機だと45分で行けますが、値段は船の2倍くらいはしますし、旅の気分を十分に味わうには、やはり船旅がおすすめです。しかも船だと車も乗せて行けるので、交通の便の悪いコルシカ島では、船で行くのが何かと良いでしょう。
個人で行くとなると少し面倒なコルシカ島。日本からのツアーもあまり出ていないので、行ったことのある方は少ないのではないでしょうか。ここでは、コルシカフェリーの予約の仕方や、実際にニースから船に乗ってみた体験をご紹介していきます。
船会社
ニースから出ている船は、現在『Corsica Ferries(コルシカ・フェリー)』と『Moby(モビー)』の二社です。
航路ですが、コルシカ島には4つの港があり、それぞれAjaccio(アジャクシオ)、Bastia(バスティア)、Il Rousse(イル ルッス)、Porte-Vecchio(ポルト=ヴェッキオ)への便があります。
ここで注意ですが、モビーはニース〜バスティア間しか運行していません。他の都市に行きたい場合は、コルシカフェリーを利用しましょう。
予約
予約はインターネットでできます。両者とも、フランス語以外に英語などがありますので、フランス語に自信がない方は他言語で見ることができます。
残念ながら日本語はありませんが、コルシカフェリーのサイトは文字と一緒にイラストが書いてありますので、言語が分からなくても理解できるようになっています。
二社のサイトはこちらです。
コルシカフェリー:https://www.corsica-ferries.fr/
インターネットで航空券を予約したことのある方は、日時や出発地と到着地、人数を選んだりと同じ手順なので、難しいことはありません。ただ、選ぶ内容が多いので、注意が必要です。
次の項目で予約時の注意点をまとめます。
予約時の注意点
車
まず最初に、乗客だけなのか、車も一緒なのかを選択しなければなりません。乗客だけの場合は、大人及び子供の人数を入力するだけです。(犬がいればその数も)車を乗せる場合は、車種(普通車なのか、キャンピングカーなのか、等)を選びます。
そして車の大きさ(長さ、高さ、幅)を選択します。車名(Marque et modèle)を選ぶと大きさを入力しなくて済むので、サイズが分からない方は車名から選ぶと良いでしょう。
下記がサイト上で車の詳細を入力する画面です。イラストがあるので分かりやすいですよね。
キャビン
次にキャビンを選ぶことができます。1等客室から椅子席までの選択肢があります。客室にはもちろんベッドがありますが、椅子席はその名の通り、映画館のように椅子が並んでいるだけです。
私はこの時点で、大変悩みました。船内の情報があまりなかったので、席を取った方がよいのか分からなかったからです。結局ここは飛ばして場所の予約はしませんでした。「雑魚寝」で構わないという節約家の方は、この部分はスルーできます。
私たちが乗ったのは、夏のヴァカンスシーズンだったので、船内は人で溢れかえっていました。場所を予約していなかった人々は、フードコートのテーブルと椅子、ソファー席を陣取っていました。
その席も埋まっていたので、廊下に雑魚寝している人もたくさんいました。プールサイドに椅子があるのでそこに座ることもできますが、真夏の日中に数時間いるのは辛いかもしれません。
私たちは午後出発の夜到着だったので、船内をうろうろして時間を潰すことができましたが、夜出発の場合できちんと睡眠を取りたい場合は、キャビンを取るのが良いでしょう。
食事
チケット予約時に、食事も一緒に予約することができます。ここで予約しておくと通常の約10〜20%も割り引きになります。船内はやはり少し値段が高いので、時間帯によっては食事も一緒に予約することをおすすめします。
私たちは、往路は到着が日曜日の21時過ぎだったので、日曜定休の店が多いフランスでは、島内のお店は営業していないだろうと想定し、サンドイッチやピザなどを持ち込んで船内で食べました。
復路は朝8時発と早かったので、朝食セットを予約しておきました。これが大正解でした。
温かい飲み物(コーヒー、紅茶、ホットチョコレートから選択可)にクロワッサン、フルーツジュースとパン(バターとジャム付き)のセットで5.2ユーロでした。これを船内で買うと、5.9ユーロなのでお得ですよね。
チケットの種類
予約変更可能で返金不可能なもの、予約変更可能及び返金可能なものがありますが、当然のごとく前者は安く、後者は高いです。といっても金額の差は30ユーロくらいです。ここではよく考えてチケットを購入されて下さいね。
私たちは車で行く予定が、出発の数日前にまさかの故障で修理送り……急遽、車の分はキャンセルしましたが、安いチケットだったので返金されず、往復で約70ユーロを水の泡にしてしまいました。
出港当日
チケットは、eチケットになります。家にプリンターがあれば印刷して持参してください。もしなければ、携帯などの画面を提示することも可能です。
車の人は遅くとも1時間前、車のない人は30分前には列に並んでいなくてはなりません。私は「遅くとも」という文言を見逃していて、30分前に着いたらもう列の最後のほうでした。
チケットには『身分証明を提示して下さい』と書いてあったのですが、特に提示は求められませんでした。フランスらしいところです。
早めに並んで場所を確保
ここでワンポイントアドバイスですが、キャビン等を予約していない人は、早めに並んでおくことをおすすめします。場所取りをするためです。
私たちはギリギリに着いてしまったので、船内の席は埋まっていました。一度場所を陣取ると、みんなその場を動かないので、その後に場所を見つけるのは至難の技です。
船内、船外
私が一番心配していたのは、手荷物。私たちはキャンプ泊だったので、大きなリュックを二つ持っていました。これを終始抱えているとなると、邪魔になってしまいます。
しかし、ここは心配不要でした。船内には荷物置き場がありました。荷物置き場といっても、ロッカーではありません。一つの部屋にまとめて乗客の荷物を置きます。
ここで注意ですが、セキュリティーのため渡航中はこの部屋に鍵が閉められます。一度荷物を置くと、船が到着するまでこの部屋には入れないので、忘れ物をしないように注意してくださいね。
暇潰しアイテムは必須
船内は客室、フードコート、レストラン、小さい遊技場があり、船外にはプールがありました。豪華大型客船のような娯楽施設はありませんので、ご家族で行かれる方はカードゲームや、お一人の方は本など、暇つぶしのアイテムを持参することをおすすめします。
私はガイドブックくらいしか読み物がなかったので、プールサイドに行ったり、テーブルにうつ伏せて寝たり、6時間過ごすのはきつかったです。
まとめ
コルシカ島に行きたいと言う人はいても、個人の予約が面倒…という方もいらっしゃいますよね。私もそうでした。しかし、船の予約は難しいことはありませんし、インターネットさえあれば何でも簡単に予約ができます。
何より、船は安いのが魅力的です。私たちは7月中旬に行きましたが、片道一人約35ユーロでした。いつも海辺から眺めていた黄色のコルシカフェリー。船に乗らないと見れない、海から眺めるニースの景色も格別でしたよ。
南仏から船一本で行けるコルシカ島。次回の旅は、船旅を考えてみてはいかがですか。
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