「Feria de Abril(フェリア・デ・アブリル)」として有名なスペインアンダルシア地方の「セビリアの春祭り」。
伝統的な衣装「フラメンカ」に身を包んだ女性たちが馬車に乗っている姿を見ると、タイムスリップしたかのような感覚を覚えます。
見どころをしっかりと抑えて、スペイン3大祭りの一つである「セビリアの春祭り」を楽しみ尽くしましょう。
セビリアの春祭りとは?
セビリアの春祭り(通称フェリア)は1847年から続くお祭りで、最初は家畜の見本市としてスタートし、徐々に現在の形態のお祭りに変化していきました。
『Feria de Abril』は「4月のお祭り」という意味ですが、年によって開催月は変わります。2016年は4月でしたが、2017年は5月の1週目に開催されます。
これは同じくセビリアの一大イベント『セマナサンタ(semana santa=聖週間)』の時期が関わってくるからで、フェリアはセマナサンタの約2週間後の開催という決まりになっています。
スペイン国内外から注目されているお祭り
セビリアの春祭りはスペイン3大祭りとして有名で、国内はもとより世界中から観光客が集まります。
開催初日の0:00、Portada de Feria de Abrilと呼ばれる正門の点灯で幕を開け、最終日の0:00、花火の音とともに幕を閉じます。
正門の点灯式には大勢の客が詰めかけ、歓声とともにフェリアの開幕を祝います。フェリアは7日間続きます。
この時期は大勢の観光客がセビリアに集まるので、市内のホテルやオスタルの宿泊料金は普段の2倍〜3倍となるところもあります。Airbnbでも宿泊先を見つけにくくなりますので、観光で来る場合は注意が必要です。
春祭りの会場は大混雑
現在のフェリアはLos Remedios(ロス・レメディオス)というエリアで開催されています。
北を上にしてセビリアの地図を見ると、左下に位置するエリアになります。セビリアの市内中心部からグアダルキビル側を挟んだところにある、トリアナという地区のさらに南側です。
アクセス方法
フェリアの会場周辺はとても混雑しているので、徒歩で行くのがおすすめです。市内中心部から歩くと30分〜40分程度です。
地下鉄を利用する場合はPlaza de Cuba(プラサ・デ・クーバ)かParque de los Principes(パルケ・デ・ロス・プリンシペス)の駅で降りて、会場まで徒歩10分〜15分程度です。
フェリア開催時期は市内中心部から馬車が運行しています。時間に余裕のある人は馬車で会場まで行ってみても面白いかもしれません。
帰りは時間が遅くなることが想定されますが、この時期は夜中でも街中を人が歩いているので、徒歩でも安心して帰ることができます。
夜中も運行しているバスがフェリア会場から出ていますが、時間によってはとても混雑していてかなり待たされるのでご注意ください。
伝統的な衣装と馬車にワクワク
大規模なフェリア会場では、中世にタイムスリップしたかのような光景を見ることができます。会場を歩くだけでも、その世界にワクワクすることができるでしょう。
伝統的な衣装に身を包んだ女性たち
Traje de Flamenca(トラへ・デ・フラメンカ)と呼ばれる衣装を着て、髪にペイネタ(かんざし)や花を刺した女性たちはとても華やかです。
セビリアにはフラメンカが売られているお店がたくさんあり、フェリア前になると衣装や髪飾りを買いに来る女性で賑わいます。
緑×ピンク等の鮮やかな色の組み合わせに、スペインらしさを感じることもできるでしょう。
男性も正装
フェリアの時は男性もカッコよくキメてきます。Traje Corto(トラへ・コルト)と呼ばれる丈の短いジャケットにパンツとブーツを合わせる伝統的なスタイルです。
あまりオシャレなイメージのないスペイン人男性ですが、凛々しく正装した姿はカッコよく見えるはずです。
出かける際の服装について
年に一度の盛大なお祭りなので、美しく着飾って春祭りに出かける人が多いですが、スペイン人でも上記の伝統的な衣装を着ない人もいます。
衣装を持っていない人は、おしゃれをして出かければ問題ありません。
友達の家に呼ばれた時やコンサートに行く時のような、少しおめかしをした格好で出かけましょう。周りがとびきりのおしゃれをしてやってくるので、Tシャツにデニムで行くと浮いてしまいます。
馬車に乗って優雅に移動する人たち
フェリア会場では馬車が走っているのを見かけます。これは見本市を開催していた時代に、階級の高い人たちが馬車で見本市に来ていたことの名残だと言われています。
中には馬を所有していて、自分の馬を連れてくる人もいます。現在でも馬車に乗っている人はちょっとお金持ちの人が多いようです。
カセタに行ってみよう
フェリアの会場ではカセタ(caseta)と呼ばれるテントが並んでいます。その数およそ1000以上。ただし、ほとんどのカセタはプライベートカセタとなっており招待状が必要です。
スペイン人の友達がいる場合は、知り合いのカセタに一緒に入れてもらえないか聞いてみましょう。「友達なら入っていいよ」という感じで気軽に入れてくれるカセタも多いです。
カセタの招待状がない場合はどのカセタにも入れないか?というと、そんなことはありません。観光客向けに招待状なしで入れるカセタがいくつかあり、その中で飲んだり食べたりできます。
フェリア会場の入り口付近でガイドブックが配布されておりますので、チェックしてみましょう。
カセタの中に入れなくても、テントのカーテンが開かれていて外から中が見えるカセタもあります。そういったカセタでは、フラメンカを着た女性たちがカセタの中で踊っているのを見ることができるでしょう。
なお、フラメンカを着て歩いていたり、外から見えるカセタの中を見ていたりすると、「入っていいよ」と入れてくれるカセタもあったりします。偶然カセタに入れたらラッキーですね。
カセタの中では一晩中大盛り上がり
カセタの中には簡単なキッチン、バーカウンターとテーブルがあります。
魚のフライ(pesado frito)、スペイン風オムレツ(tortilla de patata)、コロッケ(croqueta)等のタパスを頼んでまずは腹ごしらえをしましょう。
飲み物は決まって「レブヒート」(rebujito)と呼ばれるものを飲みます。これは、manzanillaという名前のシェリー酒を7up(セブンアップ)で割ったもので、フェリア定番のアルコールです。
このレブヒートを昼から夜中過ぎまでずっと飲んでいる人も多いです。もちろんレブヒート以外の飲み物もありますので、ご安心ください。
フェリア期間中は昼夜逆転して、夜にカセタにやってきて一晩中食べて飲んで歌って踊って、という人も多いです。そのパワーはどこから来るの?という程、みんな元気でフェリアを思う存分楽しんでいます。
この一週間はとことん遊ぶ!と決めているのも、ある意味羨ましいですね。
セビジャーナスを踊ってみよう
そしてもう一つのフェリアのお決まりごとと言えば、ペアで踊る「セビジャーナス」です。セビジャーナスは3拍子の民謡や踊りで、たくさんの歌の種類があります。
カセタの中ではこのセビジャーナスの音楽がずっとかかっているので、踊りたい人はいつ踊り始めても大丈夫です。
あるタイミングで、生演奏による「セビジャーナスタイム」が始まる場合があります。このセビジャーナスタイムはカセタ中の人がセビジャーナスを踊りだしますので、なかなか圧巻の光景となります。
子供からお年寄りまで、セビリアの人はセビジャーナスを踊れる人が多いです。
フェリアが近くなるとセビリア市内で「セビジャーナスのクラス」を見かけます。フェリアでセビジャーナスデビューをしたい人は、事前にクラスに行ってセビジャーナスを習得しておくのもありでしょう。
このセビジャーナスはフラメンコと勘違いされやすいですが、フラメンコの曲種ではありません。
隣のご婦人から「一緒に踊りませんか?」と声をかけられることもあります。そうなったら、恥ずかしがらずに一緒に踊ってみましょう。踊る時は相手の目を見つめることも忘れずに!
夜中まで遊んだ後はブニュエロ
カセタで一晩中楽しんだ後、なんとスペインの人たちはブニュエロ(buñuelo)と呼ばれる揚げドーナツのようなものにチョコレートを浸して食べます。
正直、「こんなに飲んだ後に今度は甘いものを食べるのか!」と私も胃もびっくりしました。
こちらの人に言わせると飲んだ後にチュロスやブニュエロのようなものをチョコレートと一緒に食べると、二日酔いにならないんだとか…。
本当かどうかはわかりませんが、日本で言う「締めの一杯のラーメン」のような感覚でブニュエロを食べるようです。
日本人の感覚だと、どうしても飲んだ後はラーメンやお味噌汁等の塩気の効いたものを食べたくなりますが、せっかくフェリアに来たら地元の人の真似をして、このブニュエロをチョコレートと一緒に食べてみましょう。
カセタで他の物を食べ過ぎて締めのブニュエロが入らない、ということがないようにご注意を。
移動式遊園地もあります
スペインのフェリアと呼ばれるお祭りには必ず移動遊園地が併設されています。
移動式とは思えないようなかなり大掛かりなアトラクションもあり、子供連れの家族や若者たちでいっぱいです。
「フェリアに来たのにわざわざ遊園地?」と思うかもしれませんが、意外と遊園地を楽しんでいる人たちも多いものです。
まとめ
セビリアの春祭りは1週間続きます。お祭り騒ぎでとても賑やかですが、毎日行くと体と胃が疲れてしまうので、「今日は楽しむぞ」という日を決めて出かけてみてはいかがでしょうか。
地元の人に混ざってレブヒートを飲み、セビジャーナスを踊ればあなたもセビジャーノ・セビジャーナ(セビージャの人のこと)の仲間入りできるかもしれません!
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