フランス、ブルターニュ地方の寒くて長い冬の過ごし方

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フランスは日本の2倍近い面積を持つ、東西南北に広い国です。よって、各州によって気候の差も激しく、生活様式も違ってきます。

ここブルターニュはフランスの北西部に位置し、大西洋の北風をそのまま受ける寒い地方として有名です。そんなブルターニュですが、冬も意外と過ごし易いのです。

現地の人々は寒い冬をどのように乗り越えているのでしょうか?ブルターニュの冬の生活様式や習慣をご紹介します。

ブルターニュの家は可愛い石造り

ブルターニュの家

ブルターニュの伝統的な家は、小さくて窓が少なく、石造りで出来ています。屋根は黒のスレート瓦が主流ですが、藁葺き屋根も地方によっては残っています。

昔ながらの石造りの家はとても貴重な存在で、新築より高額に売買される場合もあります。しかし近年はブロック構造に白い塗り壁が典型的なブルターニュのスタイルになって来ました。

それでも、スレート瓦の使用は建築法で定められているため、白い壁、黒い屋根の景観は統一感があって美しいです。しかし、昔ながらの石造りの家は寒いです!

その昔、タイルや石を土壌に直接貼って床を作っていたため、冷たい湿気が足元から上がって来ます。天井は低く、窓も小さいので日差しが入らないのでいつも室内は暗く寒いのです。

なぜ?それは、厳しい気候から家を守る術として生まれた形でした。

ブルターニュ地方は大西洋の嵐がよく襲って来ます。普段も常に風があり、台風のような雨風が年中ある気候です。窓が小さいのは台風の被害を最小限に抑えるためだったそうです。

火を囲む文化

暖炉

そんな寒い石造りの家なので、どの家にも暖炉は必須です。昔は薪の暖炉だけだったので、家全体が温まるまで時間がかかっていました。しかし今では様々な暖房器具との併設で、石造りの家でも快適に過ごせるようになっています。

床暖房や、電気ヒーター、オイルヒーターなど、暖房器具は色々ですが、日本のガスストーブや灯油ストーブはこちらではあまり見かけません。

そして近年でも薪の暖房が多いのもブルターニュの特徴です。「火を見るのが好きだから、面倒でも薪で暖をとる」と聞きます。確かに、火を囲むとなんだか身も心もホッと温まる気がします。

薪ストーブ

今は暖炉があったスペースに、薪ストーブを設置し、暖炉の煙突を通すのが主流です。薪の節約、掃除やメンテナンスも含め、薪ストーブが暖炉より効率が良いのです。

更に薪よりも簡単なウッドチップを燃料にするストーブも人気です。スイッチ一つで着火し、温度設定もタイマー機能も充実しています。火のコントロールが楽で便利ですが、お値段はちょっと高めです。

断熱対策で省エネ!は今時の主流

実際、多くの暖房器具はエネルギー代が相当かかります。その昔、薪はただ同然でした。 寒い石の家を温め続けるのも、そう高くつかなかったでしょう。

しかし今や薪代は高額出費になります。電気やオイル暖房なら、もっと高い光熱費になります。光熱費の高いフランスは今や断熱対策にシフトしています。家全体を断熱材でカバーし、太陽熱、暖房の熱を閉じ込めるのです。

この方法による光熱費の節約効果は明らかで、断熱対策のリホームには国から補助金が出るようになっています。

石の家は壁厚が太い上に、外観、もしくは内側から20cmほど被うので壁の厚みは約80cmになるのです。内部にグラスウール、ウッドウールなどを詰め、その表面は木板張り及び漆喰等で、保護します。

その他、窓のペアーガラス、太陽光ボイラーなど、省エネ対策はフランスでも大きな課題で、新築の家を建てる際は厳しい規制も強いられています。いずれにせよ、寒さを凌げ、地球に優しい対策にシフトしていることは良い傾向です。

こんな服で冬を過ごす

冬服

ブルターニュの典型的な冬のスタイルはウールのマリンセーターにウインドブレーカーです。寒い、寒いと言われていますが、実は気温はそこまで下がりません。零度を下回る日は少ないのです。

雪も殆ど降りません。寒さを感じるのは北風と湿気のせいなのです。真夏を除いて雨も多いので、レインコートと長靴も必須アイテムです。

ちょっと厚手の防寒ウインドブレーカーと、レインコートが有れば寒い冬も難なく過ごせます。ブルターニュの冬は長い上に、夏も涼しく、いつも風があります。

地元の人達は何枚か厚みの違うウインドブレーカーを常備しており、一年中同じような格好で過ごす事が多いです。上着の衣替えが必要ないのです。

私も始めはもっと違うお洒落がしたい!と色々買ってみました。しかし、結局普段着る上着はいつも同じものになってしまいます。

体を内から温める飲み物

飲み物

寒い冬でも家の中はどこも暖房が利いていて意外に快適です。廊下なども含め家全体が温かいので一旦入れば、後は薄着で過ごせます。更に体を内側から温めたい時に欠かせないのがホットワインです。

冬の時期はどこのバール(Bar)でもスパイス入りのホットワインが飲めます。赤ワインが主流ですが、たまにホット白ワインも見かけます。赤ワインならシナモンやジンジャー、グローブに黒こしょう、

白ワインならオレンジにカルダモン、アニスなどが入っています。各家庭やバールによって味が変わるので、お気に入りのホットワインを探してみるのもよいでしょう。ホットワインを街で見かけるようになると冬を感じます。

まとめ

ブルターニュ地方は夏でも涼しく、フランスの避暑地として知られ、多くの観光客が訪れます。その反面、10月中旬から4月の初旬まで冬のような気温が続きますが、防寒対策さえしっかりしていれば冬のブルターニュも魅力的です。

防寒ウインドブレーカー、そして、ホットワインで寒さを凌ぐ旅。それもまた風情があって良いものです。寒いからこそ火の周りに人が集まり、火を囲んで会話が弾む、そんなブルターニュの冬の暮らしが私は好きです。

寒いのが好きな方には、冬のブルターニュの暮らしをおすすめです。

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