タイの首都・バンコクから地方へは、国鉄や長距離バスの路線が整備されています。ただ、国鉄は遅いし時刻表通りに走らない、長距離バスは本数が少ないといった不満をもつ人も少なくありません。
そんなときに頼りになるのがロット・トゥーです。バンコクと近県の各地を結んで走るロット・トゥーは、普通バスよりも本数が多く、スピードも速いため、急ぎの時に便利です。
ここでは地方への移動に、使いこなせるととても役立つロット・トゥーについて解説します。
ロット・トゥーって、何?
ロット・トゥーとはハイエースタイプのワンボックスワゴン車を使った乗合自動車です。10~12名程の乗客を乗せて走ります。
許可を得て運行している公認のロット・トゥーは、片道300km以内の地点を結ぶことになっています。ロット・トゥーは基本的に決められた発着場所の間を往復します。
バンコクから近県に行くロット・トゥーの発着所は、以前は戦勝記念塔の周辺に集中していましたが、2016年10月にほぼ移転しました。
現在は行先により、北部&東北部行きはモーチット・マイ(北バスターミナル)、東部行きはエカマイ(東バスターミナル)、南部&西部行きはサーイ・タイ・ピンクラオ(南バスターミナル)から発着しています。
ただし、パタヤ行きはモーチット・マイとエカマイから発着しており、はっきりとした目的地の線引きがされているわけではありません。戦勝記念塔周辺にも、まだいくつかの路線の発着所が残っています。
バンコクにはこれ以外にもさまざまな場所にロット・トゥーの発着所が設定されています。とくに看板や標識などがないところも多く、そうした場合、場所は知っている人に聞くしかありません。
ロット・トゥーに乗るには……
ロット・トゥーには、長距離バスと同じように発車時刻が決まっており定刻になったら出発するものと、乗客が満員になり次第発車するものがあります。後者は乗客が満員になるまで待つことになります。
発車前でも車内に乗り込んで待っていないと、他の乗客でいっぱいになると乗れなくなってしまいます。乗車前に係りの人が料金を徴収に来ます。ふつうは引き換えにチケットを渡してくれますが、チケットがない場合もあります。
また、ルート途中で乗った時にはチケットはありません。料金は定額で、どこで乗ってどこで降りても同じ料金です。
たとえばバンコク-パタヤだと100バーツ(約300円)です。ちなみにバンコク-パタヤ間はおよそ150km。バスだと108バーツですからほぼ同じです。
外国人だからといって高い料金を吹っ掛けられるということはありません。
ロット・トゥーのメリットは?
ルート上であれば、どこででも降りることができます。終点までいかない場合は運転手に降車する場所を告げると停車してくれます。乗車も席が空いてさえいれば途中からでも乗れますが、大抵は満車で走っているのでチャンスは少ないです。
バスより本数が多いルートが多く、またスピードも速いので、目的地に早く着けます。
バスターミナルが市街地から離れた場所にある場合でも、ロット・トゥーの多くは市街地の中心部まで行きます。
途中でトイレに行きたくなった場合、運転手にいえばガソリンスタンドなどに停まってくれます。
ロット・トゥーのデメリットは?
座席を最大限に多くとっているので、荷物スペースがほとんどありません。膝の上に抱えられる大きさでないと持ち込めません。
どうしても大きな荷物を載せたい場合、二人分の料金を支払い、座席に置くことになります。その場合でも、座席に載せられる大きさを超える旅行カバンなどは断られます。
順番待ちの乗客が多い場合、たとえ二人分の料金を払ったからといって荷物で座席を占有すると、露骨に嫌な顔をされるので、覚悟してください。
ロット・トゥーの運航会社や運転手にとって、1日に何往復できるかで利益が変わってきます。そのため、できる限り急ごうとして猛スピードで運転します。制限速度を守る車はまずありません。
ひやひやするだけでなく、実際にもロット・トゥーの事故はたびたび報道されています。
タイ人がメインターゲットで、外国人向けのサービスは手薄です。車体に行先が書かれていますが、ほとんどタイ語のみです。発着場に看板がある場合も、英語表示は極めて稀です。運転手や発着場の係員も、英語での会話はできないと思ってください。
まとめ
タイ人の多くは、バスや鉄道よりもロット・トゥーが便利だといってよく利用します。本数が多い、速い、発着所が便利な位置にあるといったことがその理由です。
バンコク都内の中心部と少し離れた住宅地を結ぶ路線もあり、朝夕の通勤の足としても利用されています。(ちなみにタイの首都バンコクは日本の東京同様、他の「県」とは異なる特別区で、日本の「都」に相当します。)
便利なロット・トゥーですが、外国人にとっては使いにくいのも確かです。
タイ語が話せたり読めたりするのならハードルはぐっと下がります。最低限、行先をタイ語で正しく言えるようにしておけば運転手や列待ちの人が教えてくれるでしょう。行先をタイ語で書いて用意しておくとなお確実です。
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