海外で働きたい、海外で生活してみたい。そんな日本人を世界一と言ってもいいほど温かく迎え入れてくれるのが、微笑みの国タイです。
タイはASEAN諸国の中でも発展している国。首都バンコクには高層ビルやマンションが立ち並び、チェンマイなどの地方都市は日本人の移住先としても人気です。
ここでは、タイで働いた経験がなく初めてのタイ就職・転職を目指す人に向けて、必要な情報や気になる情報をまとめてお届けします。
※1バーツ=約3円
- タイ就職の状況・特徴を知る
- 英語を勉強し幅を広げる
- タイで働く自分をイメージする
- タイの生活状況を知る
- 転職サイトを利用する
【海外求人をチェックしたい方はこちら】
- リクルートエージェント(未経験から幅広く求人を探す)
- LHH転職エージェント(全世界から幅広く求人を探す)
- JAC Recruitment(海外勤務・外資系を狙う年収600万円以上の方向け)
タイ就職の魅力とは
語学力が身につきやすい環境
タイ語や英語が身の回りに溢れているので、やる気さえあればこれらの言語をどんどん学ぶことが可能です。
特にバンコクに住むタイ人は外国人に慣れていることもあり、英語で会話できる人も多いです。また、観光客や在住欧米人も多いため、週末にパブやバーでお酒を飲んで外国人と仲良くなることも可能です。
これを書いている私自身もタイにいるのですが、こちらに来てから語学学校に通うことなく、特に学習に取り組むこともなく、2年でTOEICの点数が100点以上、上がりました。
国内旅行のような気軽さで外国へ
LCC(格安航空会社)を利用すれば土日でもバンコク・ホーチミン間が往復約1万円など、国内旅行のような気軽さで近隣諸国に行くことができます。
東南アジア諸国では、食費やホテル代、交通費など現地での滞在費も格安です。時期によっては、贅沢なオーシャンビューのプール付きホテルで1泊1万円ほどでリゾート気分を味わうことができます。
また、近年タイでは日本旅行がブームになっており、LCCが多数就航しているので、一時帰国用の航空券も早めに予約しておくと格安で購入できるようになりました。
人脈作りに役立つ
タイでは他業種の様々な年代の方と出会える機会が多いです。同い年生まれの会、趣味や習い事のサークル、県人会など、連日多様なパーティや集まりがどこかで開催されています。
また、来たばかりの頃は1人もしくは家族や会社関係の人しか知人がいないという環境は誰しも共通なので、集まりの場で友達や知り合いを作りやすいです。
タイで起業している人や、投資目的でタイを訪れている人など、日常生活で出会う機会が少ない人たちと仲良くなることもできます。
稼げる働き方が可能
東南アジアなので、賃金が安いのでは?と思われるかもしれませんが、安心してください。
タイの2018年の経済成長率(実質GDP成長率)は4.1%※1です。同じ2018年の日本の経済成長率(実質GDP成長率)0.8%※2と比べてみると、タイに勢いがあるのは一目瞭然ですね。
タイではやり方次第でたくさん稼ぐことも可能です。業績が伸びている会社で力を試したり、ビジネスチャンスを活かして起業したりといったように、やりがいを感じながら働くことができるでしょう。
※1:JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)より
※2:内閣府より
タイ就職は語学力がなくても目指しやすい
英語もタイ語もできなくても、日本語が話せるだけで仕事は見つかります。
約5万5千人の日本人が住んでいるバンコク(2019年10月現在)※とその近郊では、日本人を相手とするポジションの日系企業の求人がたくさんあります。
日系企業の取引先のほとんどは同じ日系企業なので、日本語でのコミュニケーションがしっかりと取れることが重要なのです。
営業、事務、サービス業、SE、講師や教師など幅広い職種で募集が出ています。未経験者歓迎という求人もたくさんあります。
日本語で求人を探せるウェブサイトや、日本人スタッフが相談に乗ってくれる人材紹介会社もあるので、まずは気軽に検索や登録をしてみましょう。
※外務省 海外在留邦人数調査統計より
英語やタイ語ができればベター
ただし、英語はやはりできた方が応募できる仕事の幅が広がります。また、簡単にでも英語かタイ語でタイ人とコミュニケーションが取れればなお良いです。
せっかく海外に出るのであれば、働きながらでも英語やタイ語を勉強してみましょう。
タイで現地採用として働くには
2023年3月現在、日系企業や日本人向け企業で求人募集がされている職種には、以下のようなものがあります。
- ITエンジニア
- ビジネスアドミニストレーション(経営管理)業務
- 財務・会計業務
- 人事・総務業務
- セールス・マーケティング業務
- ロジスティクス・サプライチェーン業務
- ホテル・旅行業界向けの職種
特に求人数が多い職種は、ITエンジニアやセールス・マーケティング関連の職種です。
タイで日系企業現地採用以外の方法で働くには
タイ就職・転職を考えている多くの人が、現地の日系企業に直接雇用される現地採用をイメージしているのではないでしょうか。
実際、タイで働く日本人の多くは日系企業の現地採用社員という身分です。しかし、狭き門ではありますがその他にも選択肢はあります。
タイ駐在員として働く
日本の企業に就職し、日本からタイへ派遣されるのがタイ駐在員です。
海外駐在員は現地採用社員と比べると待遇・給料・福利厚生が格段に良いです。JAC Recruitmentによると、年収は500万〜1200万円が多いようです。
業務経験、マネジメント経験があり、海外で新たな挑戦をしたい人は方は海外駐在員を狙ってみてください。
タイの現地企業・外資系企業で働く
専門的なスキルや知識、キャリアがある方には、現地企業や外資系企業という選択肢もあります。
とにかくタイで働きたいなら日系企業の方がハードルは低いですが、現地企業や外資系企業でキャリアアップを狙った方が日本に帰国することになったときにもメリットが大きいです。
タイで有名な企業としては、以下のものがあります。
- 食品:CPフーズ、タイ・ユニオン・フローズングループ
- 消費財:サハパタナピブン・グループ
- 金融:バンコク銀行、アユタヤ銀行
- エネルギー:タイ国営石油
- 航空:タイ航空
- 通信:AIS
また、タイは「アジアのデトロイト」と呼ばれるほど自動車産業が盛んです。
現地企業・外資系企業を目指すには
専門知識に加えて英語力があると有利です。
また、サポートもしっかりしていて無料で使える大手転職エージェントの利用が近道。事項でも紹介しますが、エージェントごとに扱っている求人も異なるので、複数登録し比較してみましょう。
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タイで働くための仕事の探し方
方法1. 転職エージェント・求人サイトを利用する
タイの仕事を探すなら、転職エージェントや求人サイトを使うのがおすすめです。
中でも日本の大手転職エージェントは実績もあり、初めての海外就職でも安心です。日本人の担当者がいるので、まずは日本語で面接して希望する業界や職種を伝えます。
なお、この担当者との面接時に英語のレベルチェックテスト、またはタイ人との英語での面接などがある場合もあります。
では、タイを目指すためにおすすめの転職サービスをいくつかご紹介しましょう。
未経験からタイ就職を目指すならリクルートエージェント
実績・知名度ともに高いリクルートエージェントは定番です。
タイで求人を探すなら、まずはリクルートエージェントに登録しましょう。海外求人数が一般の転職エージェントよりも多く、登録すると非公開求人を見ることができます。
他の転職エージェント(LHH転職エージェントなど)と併用し比較しながら仕事探しをするのが上手な使い方です。
タイ駐在員を狙うならJACリクルートメント
国内だけでなく、海外にも複数の拠点を持つ海外転職エージェント。
海外での駐在案件から現地採用の案件までさまざまな求人があります。特にタイ駐在員を狙うなら絶対にチェックしましょう。30代以上、現年収600万円以上の方におすすめです。
登録すると非公開求人を紹介してもらえます。クリックするとページ下に登録画面があります。
海外企業からスカウトがくるGuanxi [グアンシー]
海外求人マッチングサービスGuanxiでは、プロフィールを充実させると海外企業からスカウトがくる可能性があります。
自分の評価を知りたい、自分で求人を探すのが面倒という方は登録してみましょう。もちろん、求人を見ることもできます。
方法2. タイの日本語フリーペーパーを見る
バンコクには約10種類もの日本人生活者向けのフリーペーパーがあり、日本料理店や居酒屋などで手に入ります。どのフリーペーパーにも求人欄があり、日系企業の日本人募集情報が掲載されています。
中小企業がほとんどで、職種としては営業、事務、メーカー技術者、日本料理店の料理人およびホールマネージャー、旅行代理店スタッフ、翻訳・通訳など多岐にわたります。
すでにバンコク在住であれば、とても有効な職探し方法です。
日系企業では採用までがスピーディー
フリーペーパーなどから企業に連絡すると、その企業の日本人担当者から直接連絡が来ます。
日本の場合だと人事採用担当者が対応することがほとんどですが、現地採用をしているようなバンコクの中小企業の多くは社長と2〜3名の役員のみで運営しているため、最初の面接で社長や部長クラスと会えるケースがとても多いです。
つまり、日本のような2次面接、3次面接などの面倒な段階を踏まず、書類審査と一発の面接のみで決まる可能性が高いのです。
就職活動のためにタイに行く場合、ビザなしでは30日、観光ビザを取得した場合でも60日までの滞在しかできませんが(追加で30日の延長が可能)、採用プロセスが早いので、2カ月本気でやれば数十社は面接を受けることができます。
履歴書と職務経歴書を準備しておこう
自分で探すにせよ、エージェントに紹介してもらうにせよ、まずは履歴書と職務経歴書が必要になります。就職活動のために日本から渡航する際には、あらかじめ何部か用意して持っていきましょう。
ちなみに、バンコクのコンビニにコピー機はなく、コピー屋を見つけるのには苦労します。セルフ証明写真機もなく写真屋も少ないので、書類は余分に用意しておいた方がいいですね。
次からは、タイで働いた経験を持つ人が書いた当サイトの記事をもとに、タイでの仕事と生活に関する情報を短くお伝えしていきます。各項目の下にあるリンクが本編です。気になるものはクリックして読んでみてくださいね。
タイ就職で必要なもの
履歴書と職務経歴書(英文と和文)
第一に準備するべき履歴書と職務経歴書は英文と和文、両方を用意しておく必要があります。
日系企業であれば和文のみの提出でいいところもありますが、人事の担当がタイ人の会社もあります。その場合は英文での提出も求められるので、早めの準備がスムーズです。
在職証明書(できれば英文と和文)
過去に転職したことがある方は、在職証明書も必要です。前職場に問い合わせをすれば発行してもらうことができます。できれば英文での取得が望ましいのですが、難しそうであれば和文のものだけでも入手してください。
なお、転職先が決まり現職場を退職するときも在職証明をもらっておきましょう。
大学の卒業証明書及び成績表(英文と和文)
成績表って……と思われるかもしれません。ですが、タイでは入社もしくは面接の際に英文の大学の卒業証明書や成績表の提出を求められます。
「成績表はなければなくてもいいよ」と言われる場合がほとんどですが、準備しておけば安心です。
各種免許書や各種検定証明書(英文と和文)
アピールポイントとなる検定の証明書もそろえておきましょう。例えばエンジニアの方は、ご自身のレベルが証明できます。
用意しておけばすぐに提出でき、採用活動もスムーズです。
TOEIC、TOEFL、他言語の証明など(英文)
語学スキルはアピール力「大」です。実際、面接の際にテストも行われます。証明書があれば、どのくらいのスキルがあるのか採用者側の判断材料の一つになります。
海外就職を希望しているものの証明書がない方は、受験しておくことをおすすめします。
顔写真
顔写真を求められる場合、データファイルとして持っているとプリントアウトして提出できるので便利です。
タイ勤務経験者は労働許可証とそのコピー
労働許可証は、各国のタイ大使館でビザや新たな労働許可証を申請する際に必要な場合があります。
以前タイで働いていたものの、労働許可証が手元にないという方が結構います。原本を持っていればいいですが、ないと面倒くさい手続きが発生します。
タイ就職者(現地採用社員)の給料相場
働くなら気になるお給料。タイには日本人社員の給料について月5万バーツ(約15万円)以上という法律があります(金額は国籍によって異なります)。
これを前提に日本人現地採用社員の給料相場を見てみましょう。
- 初任給は最低でも月5万~6万バーツ(約15万~18万円)
- 業界経験や専門的スキルがあれば月7万~8万バーツ(約21万~24万円)以上
- マネージャー経験等があれば月10万バーツ(約30万円)以上
これは一般的な金額なので、もちろん例外もあります。また、都市によって給料相場も違います。以下の記事を参考にしてみてください。
タイで就職するためのビジネスビザの取得
タイで働くにはビジネスビザの取得が必要です。
基本的には会社に必要書類を準備してもらい申請することになりますが、その書類の準備に時間がかかる上、スタッフが慣れていない場合は思ったよりスケジュール調整が大変になります。
なお、就労ビザがないまま働くと違法労働になるため、面接などの際にしっかりと確認しておいてください。
また、自由にどんな仕事でもできるわけではありません。タイでは日本人が就けない職種があるので、事前に頭に入れておきましょう。
タイでの働き方
勤務時間
タイでの一般的な勤務時間は8時から17時、もしくは9時から18時です。
しかし、大手日系企業では7時半から16時半と少し早めの設定をしている会社もあります。これは、時差が2時間ある日本の本社に少しでも合わせるためです。
タイでは日本のように残業はあまり多くありません。時間の流れ方は基本的に緩やかです。
下の記事で、実際に働いている人の一日のタイムスケジュールを見て参考にしてください。
休暇
カレンダー通りの休暇のほか、有給休暇、そして病気休暇があります。
病気休暇は日本ではあまり耳慣れないですが、タイでは当たり前の権利。タイの労働基準法では、年に30日の病気休暇が定められています。
そのほかに所用休暇というものがあり、こちらは免許の更新など平日しか行えない公的手続きの際に使える休暇です。
働き方
タイで就職するなら、会社で円滑に仕事を進めるためにも、タイ人の働き方について知っておきましょう。
タイでは休憩時間にフルーツやアイスクリームなどの屋台が会社の前にやってくるので、そこで買って食べることが一般的です。東北出身の人が集まるエリアでは、なんと虫の屋台も。
また、ソンクランと呼ばれる旧正月の水かけ祭りでは、会社でも水の掛け合いを行います。着替えが必須の行事です。
遊び心を忘れず、ゆったりとした気持ちで仕事に取り組むのがタイ人のスタイルです。
タイ就職でおすすめの都市
バンコク
BTSのプロンポン駅やアソーク駅、エカマイ駅などに日本人が多く住んでいます。
バンコクで生活するのであれば困ることは少ないでしょう。タイ人は基本的に優しい人が多く、日本食も充実しています。物価や交通費も日本に比べれば安く、タクシーの初乗り料金は100円ちょっとぐらいです。
治安も比較的安定していますが、スリやひったくりはよく起こるので注意が必要です。
チェンマイ
物価がが安いにも関わらず、街にはちょうどよい活気があって、明るい雰囲気が漂っています。タイ料理の地元のお店もたくさんありますが、地元民が集まっているところはやはり美味しく、レベルも高いです。
日本語教師、日本食レストラン、ゲストハウスなどで求人があります。
バンコクは道も電車も混んでいますが、チェンマイでは気になることもなく移動も苦ではありません。アパートメントのオーナー始め、出会ったタイ人も皆優しかったです。
シラチャー
また、バンコクから100キロほど離れたチョンブリ県のシラチャーという工業団地にも日本人が多くいます。
シラチャーはバンコク以外では唯一日本人学校があり、日系スーパーやダイソーも揃っているなど、工業団地で働く日本人に便利な街です。
タイ就職後の生活
生活レベル・貯金
タイを含め東南アジアでの就職についてよく言われるのは、給料が低いから生活が苦しいのではないか、貯金ができないのではないかということです。
しかし、生活コストも安いので、必ずしも金銭的に厳しいわけではありません。
上述したように、タイ現地採用での日本人の給料は最低でも月5万バーツ(約15万円)です。職種や業種、経験・スキルによって高くなり、貯金することも可能です。
90日レポート
タイで90日以上生活する外国人は、90日ごとに居住地の申告が必要です。
日系企業の場合には会社が管理するのが一般的ですが、会社によってはまれに個人で管理させられることがあるので注意しましょう。忘れると罰金を払う必要があります。
所得税
タイでも日本同様に税金がかかります。働く上でもっとも身近なものが所得税です。
タイでは、年間所得15万バーツ(約45万円)以上に対して課税されます。つまり、タイで働く日本人のほとんどが課税対象となるのです。
以下の記事では、納税の仕方とともに節税テクニックも紹介されています。
文化・習慣の違い
日本人にとって外国であるタイ。生活するにあたっては、日本の場合とは異なる注意点があります。
例えば、
- 街で見かけるお坊さんに馴れ馴れしくしてはいけない(特に女性はお坊さんに触ってはいけない)
- 赤ちゃんや子供であっても人の頭はなるべく触らない
- 国王を侮辱しない
などです。
郷に入れば郷に従えと言います。タイにはタイの文化や習慣、決まりごとがあるので、トラブルを避けるためにも最低限のルールは知っておきましょう。
まとめ~積極的な行動が夢への近道
旅行先としても海外就職先としても魅力いっぱいのタイ。
すでにタイで働いている日本人はたくさんいます。経験者だからこそわかるメリット・デメリットなど、当サイトにもたくさんの記事が掲載されているので、ぜひ読んでみてください。
自分の働いている姿をイメージできれば、一歩前進です。
もしも本気で挑戦するつもりなら、パスポートと履歴書を持ってとにかく現地を訪れてみるのも一つの手ですよ。
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