タイの交通機関というと、オート三輪タクシーの“トゥクトゥク”が有名です。タイには鉄道やバスのほか、トゥクトゥクのように日本にはないタイプの交通機関がいくつかあります。
市内交通機関としては、トゥクトゥクのほかタクシーやバイクタクシー、ソンテオ(乗り合い小型トラック)が、また長距離交通機関としてはロット・トゥー(乗り合いワゴン)があります。
ここでは、タイ人が気軽に利用する便利なバイクタクシーについて説明しましょう。
バイクタクシーって、何?
バイクタクシーはタイではとてもポピュラーな交通機関です。運転手は大きく番号が書かれたオレンジ色のベストを着ています。
タクシーのように、空車なら手を挙げれば乗せてくれることもありますが、基本的には特定の乗り場から乗ります。乗り場はBTS(都心部を走る高架鉄道)の駅付近や、大きな通りと細い道(ソイ)の交差点付近などにあります。
バイクタクシー(以下バイタク)という呼び方は現地では通じません。タイでの呼び方は「モーターサイ」です、「サ」を高く発音します。
バイタクの運転手は、基本的にタイ語しかできないと思ってください。英語が理解できる運転手はごく一部です。
乗車の際には行先を告げなければなりませんが、英語で告げてもなかなか理解してもらえません。
バイタク乗り場で、他にも何人かの運転手がいれば、みんなで集まりああでもないこうでもないと検討してくれますが、一人しかいないとどうしようもありません。
行先を告げる場合、建物名・施設名で伝えるより、通りとソイ(脇道)の番号を告げた方が理解を得やすいでしょう。タイ語で書かれた住所があると万全です。英語で書かれたものでもないよりはずっとましです。
バイタクは危なくない?
バイタクは、交通渋滞が激しいバンコクの道でも、車の間をすいすいと走り抜けていきます。渋滞が激しい夕方などにうっかりタクシーに乗ってしまうと、全く動かないなどということがありますが、バイタクなら渋滞知らずです。
ただ、それだけに車に接触したり、バイク同士で接触したりする事故は少なくありません。
バイタクの運転手としては少しでも稼ぎを増やしたいので、客を早く届けて次の客を早く迎えに行こうとします。渋滞に引っかかっているわけにはいきませんし、時には逆走したり、歩道を走ったりすることも平気でします。
車の間をぎりぎりですり抜けて行くときは、ミラーが車をこすることがあるので、そんな場合は車の運転手との間でトラブルになります。客にとっては迷惑な話です。
バイタクは決して安全な乗り物とはいえません。このことを承知の上で利用してください。
バイタクの安全な乗り方
タイトスカートのおネエちゃんが、横座りでバイタクに乗っている姿をよく見かけます。よくあんな乗り方で落ちないものだと感心します。
初心者は安全第一。しっかりとまたがって足置きペダルに足を載せ、体重を前に掛けた安定姿勢を取りましょう。普通座席の後ろにつかまるハンドルがあるので、これをつかみます。
ショルダー型のバッグをもっている場合、ズレ落ちることがないようたすき掛けにした方が安全です。
運転手によっては、何もいわなくても客にヘルメットをすすめる人もいますが、その確率は10%にも満たないでしょう。客側が要求すれば大抵は出してくれます。安全を確保したければはっきりとヘルメットを要求しましょう。
バイタクに乗っていて事故に会っても、保険が支払われるかどうかはわかりません。バイタクの運転手も事故の相手も、任意保険はおろか、強制保険にすら入っていない場合もあります。
たとえ保険が適用されるケースでも、保険の交渉は日本人だけでは事実上無理です。さらに、日本で加入する旅行者保険も、バイタクでの事故では普通適用されません。
自分の身は自分で守るのが原則。バイタクに乗るときは、くれぐれも気を付けてください。
バイタクの料金
バイタクには料金メーターが付いているわけではありません。料金は運転手の言い値です。
バンコクの都心の場合、近距離なら20バーツ(およそ60円)という決まりがあり、一定距離を超えると30バーツ(およそ90円)です。ただし、どこから料金が上がるかは基準がはっきりしておらず、運転手の勘で決められます。
バイタクは基本的に短距離の乗り物です。長距離は断られるケースが多く、どうしてもと頼むと、タクシーより高い料金を提示されることがあります。
ただ、夕方などラッシュ時にはタクシーより早いので、高いことを承知であえてバイタクを長距離で利用する人もいます。
バイタクを利用する際には、乗る前に必ず料金確認をしましょう。運転手の中には、旅行者と見ると吹っ掛けてくる者もいます。先に料金を決めておかないと、降りる際にぼったくられるということがないとも限りません。
短距離の場合でも、20バーツと決めてかからず、一応確認することをおすすめします。
まとめ
タイ人は歩くのが嫌いで、少しの距離でもバイタクを利用します。バイタクは数が多く捕まえやすいうえ、短距離なら料金が安いのでとてもよく使われます。
旅行者が使うときは、まず安全第一。ヘルメットの着用や安定した姿勢を心掛けてください。また、乗る前に料金を確認し、不要なトラブルを回避しましょう。
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