日本でも昨今流行のBIO製品(オーガニック)ですが、フランスでもここ数年オーガニック志向の人が増え、有機農産物や有機加工食品である「BIO商品」を取り扱う一般大手スーパーマーケットやBIO製品専門のスーパーマーケットを良く見かけるようになりました。
生活のすべてをBIOでとこだわっている人から、生活の一部にBIOを取り入れて少しずつ健康に気をつけている人まで様々です。
なぜフランスでBIOが愛されここまで流行るようになったのか、その歴史を見ながらフランスで良く見かけるBIO製品専門スーパーをご紹介したいと思います。
フランスにおけるBIOの歴史とは
1950年代にスタート
フランスでBIOを推進する動きがスタートしたのは今から約半世紀ほど前の1950年代のことでした。
当時から農業大国だったフランスの土壌は、農薬や化学肥料などを大量使用していたせいで非常に荒れ果てた状態だったそうです。
そこで、自然食研究をしていた農学者のジャン・ブシェールが、科学的要素がゼロの、海藻を基にした有機肥料を用いる農法を提案しました。
彼が提案した「Calmagol」という有機肥料を使用する農法によりフランスの土壌汚染に歯止めがかかったことにより、有機肥料(BIO)が高く評価されたのがこのBIOを推奨する動きの発端でした。
1970年代に初めのBIO製品が公開
その後、1970年代の「農業見本市」(Salon International de l’Agriculture)で初めてのBIO製品が公開されると、「土壌を守り」「季節のサイクルを尊重する」自然の摂理に見合った有機農法は多くの人々から高評価を受け、その後フランス人のBIOへの意識は年々高まっていったのです。
フランス人がBIO食品に求める利点は、やはり「農薬が少なく安心して口に入れられる」という点でしょう。
1990年代
1990年代に入るとBIO製品が一般大手スーパーマーケットの一角に作られた専用コーナーで売り出され、その後BIO製品のみを取り扱うBIO専門ショップや、BIO食材のみを使用したレストランなどが次々にオープンしています。
フランスのBIO専門ショップ
フランス全土にフランチャイズ店展開しているBIO専門ショップから、地域限定で展開しているBIOショップ、独自のポリシーを持って個人経営している小さなBIOショップなどなど。
街を歩けば5分に1回は見かけるのではなかろうかというほど最近はBIOショップがたくさんあります。
厳しい製品水準
フランスでは加工物でも「最低95%の原料が科学物質を使用していない製品」でなければBIO製品とは認められず、その規格に見合った商品には専用のBIOラベルが貼られており、どの店舗に置かれている製品も、全てこのラベルが貼られています。
ではフランスで有名な大手BIOショップをいくつかご紹介したいと思います。
NATURALIA(ナチュラリア)
1973年にフランス初のBIO専門フランチャイズ店としてお店を出したのが赤い外装が特徴的なNATURALIA(ナチュラリア)です。
お値段設定は少々お高め。BIO製品ではない通常価格の商品と比べると20%増しぐらいなので、やはり購買力の高いパリを中心に店舗展開をし始めたそうです。
ここでは一般的なBIO製品の他にナチュラリアの自社製品も置かれていて、コスメティックや清掃用品など約4000種類のBIOラベル製品を手に入れることができます。
まだ今ほどBIO製品が人々の生活に浸透する前から街中でよく見かけたこちらのお店、私が初めて利用したのもここ、NATURALIAでした。
オフィシャルHP:http://www.naturalia.fr/
Bio c’bon(ビオセボン)
2009年に創立されパリだけでも50店舗以上の店を構える「Bio c’bon(ビオセボン)」は、2017年3月に東京麻布に第一号店を出したことで皆様も良くご存じのお店なのではないかと思います。
ここBio c’bonでは、他のBIOショップに比べ野菜や果物などを低価格で提供していることで、フランス市民の厚い支持を受け急成長した企業です。フランスだけではなくヨーロッパ全土に100店舗以上のお店を構えているそうです。
私自身も小さな子どもを育てておりますので、普段の食事の質を上げること、そのためにBIO食品を取り入れることを心がけています。
そんな折り、やはり何軒ものBIOショップに足を運びましたが、コスト的、品揃え的に1番便利だと思ったのがここBio c’bonでした。
野菜や果物そのほかの商品ももちろんですが、ナッツやドライフルーツなどの計り売りコーナーがお気に入りです。
種類も大変豊富で見た目にもきれいですし、自分の好きな量だけ量って買えるドライフルーツは子供達にも安心して与えることのできる、我が家の定番おやつです。
この量り売りコーナー、ドライフルーツだけではなくパスタや豆類シリアルなどバリエーションが豊かです。たくさん買うと余らせてしまうので、自分の好きな量だけ購入できるという点においてかなり便利です。
又、ポイントカードもありいろいろな特典があるので、それもまたビオセボンに足を運んでしまう魅力のひとつになっています。
オフィシャルHP:http://bio-c-bon.eu/fr
La Vie Claire(ラ・ヴィ・クレール)
自社ブランドを販売し食品だけではなく、子ども服や靴下などの衣料品、シャンプーやコンディショナーまで何でもそろうBIO専門ショップです。
実はNATURALIAの次に歴史も長くフランス全土に店舗を構えている大型BIOショップでもあります。
オフィシャルHP:http://www.lavieclaire.com/
Biocoop(ビオコープ)
全国に250店舗以上の展開をしている大型チェーンBIOスーパーが「Biocoop(ビオコープ)」です。全体的にこのビオコープは内装がおしゃれなイメージです。
又、パリの店舗ではオーガニックパン屋Patibio(パティビオ)のパンが買えたりもするんですよ。
オフィシャルHP:http://www.biocoop.fr/
Les Nouveaux Robinson(レ・ヌーヴォー・ロビンソン)
1979年に創業し、今のところ首都圏のみで店舗展開しているBIOとエコロジーの専門店で、高品質の商品を扱うことをモットーにしているそうです。
オフィシャルHP:http://www.lesnouveauxrobinson.coop/
BIOマルシェ(Marché biologique):朝市
BIO製品専門ショップの他に、フランスではどこでも見かけるマルシェ(朝市)にもBIO専門のマルシェがあります。パリで毎週開かれる2つのBIOマルシェをご紹介致します。
Marché biologique de Raspail(ラスパイユのビオマルシェ)
まず、BIOマルシェとして日本人の方にも良く知られているのが「ラスパイユ(Raspail)」のマルシェだと思います。
Figaroなどのおしゃれな雑誌でも良く特集が組まれていますし、ガイドブックにも必ず載っているので、地元の人だけではなく観光客の方も良くいらっしゃるマルシェです。
もちろんBIOマルシェと銘打っているわけですので、ここでは有機栽培の野菜や果物・乳製品や肉類のみを買うことができます。
食品以外にも、ラベンダーを使った南仏名物のにおい袋などがお土産として人気がある他、オーガニックワインは試飲をしてからお土産に購入される方を良く見かけます。
週に1回日曜日の午前中しかやっていませんが、その場で買って食べ歩くことのできるクレープや焼き菓子、パンやスープなどもありますので、お散歩しながら日曜日の朝食の食べ歩きも楽しいかもしれません。
- 開催日:日曜日9時~15時
- HP:http://equipement.paris.fr/
- 住所:boulevard Raspail 75006 Paris Entre les rues du Cherche Midi et de Rennes, 6è.
- アクセス:メトロ12番線Notre Dame des Champs(ノートルダムデシャン)駅 / Rennes駅(レンヌ)
Marché biologique des Batignolles(バティニョールのビオマルシェ)
こちらのマルシェの方がラスパイユに比べて知名度は低いですが、パリでBIOマルシェを名乗れるのはラスパイユのマルシェとここの2カ所のみです。
ラスパイユは日曜日、こちらは土曜日に開かれますので出店者はかぶっていることが多く、特別に行きたいお店があるというわけではない様でしたらどちらか片方のBIOマルシェに行けば充分に雰囲気を堪能できると思います。
ラスパイユのマルシェに比べて観光客は少なく、おいしいBIO食材を買い求める地元の方で賑わっているマルシェです。
- 開催日:土曜日 9時~14時
- HP:http://equipement.paris.fr/marche-biologique-des-batignolles-4514
- 住所:34 boulevard des Batignolles 75017 Paris
- アクセス:メトロ2番線・13番線Place de Clichy(プラス・ド・クリシー)駅 /Rome(ローム)駅
まとめ
選択肢がありすぎてどのお店を選んだら良いのか迷ってしまいますね。健康に少しだけ気をつけたい、BIO製品に興味がある、という方なら、フランスでの生活はよりいっそう楽しくなること間違いないと思います。
ぜひご自分のお気に入りのBIOショップを見つけてみて下さいね。
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