香港で就職・転職したい人へ!香港で働くメリットとデメリット
- 公開日:
- 更新日:

香港は日本から飛行機で4時間弱と近く、買い物、グルメなどちょっとした海外旅行にはもってこいの場所です。また現地の人も日本好きな人が多く、反日感情が強い土地柄ではないので、日本人にとってはなじみやすい場所だと思います。
ですが、実際住んで働くとなるといろいろ悩みや心配事が出てくると思います。そんな皆さんに香港で現地採用として働くことのメリット・デメリットをご紹介したいと思います。
記事の目次
- 1 香港で働くメリット1:国際色豊かな環境
- 2 香港で働くメリット2:仕事の選択肢はかなり広い
- 3 香港で働くメリット3:女性の働きやすい環境
- 4 香港で働くメリット4:日本人にとって暮らしやすい
- 5 香港で働くメリット5:生活の充実・住みやすさ
- 6 香港で働くメリット6:好きなだけ好きな国で働ける
- 7 香港で働くデメリット1:住居費・生活費の高さ
- 8 香港で働くデメリット2:現地採用社員の給与
- 9 香港で働くデメリット3:計画的なキャリアプランが必要
- 10 香港で働くデメリット4:増え続けている人口
- 11 香港で働くデメリット5:香港と日本には社会保障協定がない
- 12 香港で働くためのおすすめ転職エージェント3選
- 13 まとめ
香港で働くメリット1:国際色豊かな環境
香港人にその家族の背景や国籍などを聞くと、その多様な家族背景にびっくりすることがしばしばあります。
子供の頃に他国に移民をしていたけど今は香港で働いているという人、「両親が難民として香港へ逃げてきた。途中で死んでいたら…私はいなかった。」という人、自身が中国本土からの移民、そして、香港でキャリアを積みたくてやってきた外国人など本当に様々です。
また、イギリス植民地時代という歴史的背景もあり欧米留学者も多く、現地学校でも英語を授業の言語として取り入れているため英語がネイティブな方も多くいます。
そして、近年は中国から多くの移民を受け入れている香港。
様々な言葉が飛び交う
そんな土地柄もあってか、日常の業務、ビジネスの商談では英語、広東語、中国語が飛び交っていることも多く、対欧米、対中国それぞれのビジネス感覚を身につけている人が多いと感じます。
国際感覚が身につく
また、この香港で働くということは、その経験を通して香港で国際的なビジネス感覚を学び、身につけることが出来る環境と言えるでしょう。
近年は第3国と言われるASEAN(アセアン)の国々との結びつきも強まり、更に国際化が進んでいる香港。この環境は、刺激的であり、常に学びであり、国際的なセンスが磨かれる環境であると言えるでしょう。
香港で働くメリット2:仕事の選択肢はかなり広い
香港はアジアを代表する金融都市、貿易中継地です。一口に求人と言っても、金融、物流、製造、建設など業界はさまざまです。
香港の公用語は英語と広東語ですが、
- 銀行、証券、保険となどの金融業界は英語
- 香港内の物流業界は英語と広東語
- 中国の主に華南地域に生産拠点を置く製造業界は中国語
といったように、その業界で必要とされる言語が異なりますので、就職活動時は自分がどの業界で何をアピールできるのかがポイントになります。
香港で働くメリット3:女性の働きやすい環境
女性の管理職が多い
香港に暮らし始め、女性が非常に大事にされていると感じました。また、仕事上も女性ということで差別されることは少なく、女性の管理職が非常に多いです。性別よりも個性、個人が尊重されています。
そんな環境の中にある香港の日系企業も日本らしさは残しつつ、香港の男女平等という風習を取り入れている企業が近年ずいぶん増えたのではないでしょうか。
筆者が働いていた会社も役員は男性でしたが、管理職には日本人女性、香港人女性もいました。
家事は女性だけがするのではない
また、夫婦共働きが普通の香港において、家事は女性だけがするものではないという考えが社会の中にあります。
夫婦であっても互いに出来ることをしたり、家事をアウトソーシングするのが容易に出来る仕組みになっているので、住み込みのお手伝いさんを雇ったり、パートタイムの家事代行を依頼したりしている家庭も非常に多く仕事をしやすいのが特徴でしょう。
ですので、女性が仕事も家事も何もかもやらなければならないというプレッシャーはありません。
筆者は企業に勤務している時は、出張が非常に多かったので家族に手伝ってもらいながら、パートタイムのお手伝いさんに午後に来てもらい夕食の準備、洗濯、アイロン、簡単な掃除をお願いしていました。
香港で働くメリット4:日本人にとって暮らしやすい
香港には2万人以上の日本人が住んでおり、日本人にとって非常に暮らしやすい環境が整っています。
公共交通機関が発達しているので通勤はとても便利です。通勤ラッシュはありますが、日本のようにぎゅうぎゅう詰めになることはありません。
ローカル系スーパであるウェルカム(Wellcome)やパークンショップ(Parkn Shop)では日本製品が手に入りますし、少し値段が高くなりますが、日系スーパーのジャスコ(Jusco)やシティースーパー(City’s Super)などは日本と変わらない品揃えです。
また日本食レストランも数多くあります。アパレルでは香港そごうで日本のメーカーの洋服も手に入りますし、ユニクロやGUも香港に進出しています。
香港で働くメリット5:生活の充実・住みやすさ
香港は非常に治安が良い都市のひとつで、女性が夜にひとりで歩いても比較的安心です(しかし、気を付けるに越したことはありません)。
また、公共の交通機関が非常に発達していて、どこに行くにも便利で移動のストレスをあまり感じません。筆者は、香港は世界一便利な都市だと思っています。
また、日本の食材が比較的容易に購入でき、最近はローカルのスーパーにも日本食材が置かれるようになりました。もちろん日系のスーパーにはより豊富な食材があります。
日本食レストランも本格的なものから香港人テイストにアレンジされたものまで幅広く楽しめます。
香港は美食の街
更に、香港は世界でも有数の美食の街。高級食材を使ったハイセンスな高級料理から、地元の人に愛されているB級グルメ、多国籍の食事を楽しむことが出来ます。値段は高級なものはそれなりに、お財布に優しいものもたくさんあります。
そして、筆者が一番香港を気に入っているポイントとも言えるのですが、コンクリートジャングルという名にふさわしく中心地は超高層ビル群が立ち並んでいますが、少し足を延ばせば海に、山に、島々にと豊かな自然で溢れているのも香港の暮らしやすさのひとつでしょう。
平日は仕事でクタクタになりながらも、週末は船に乗り島を訪れ、新鮮な海鮮をいただき、夕日を眺めるということが簡単に出来るのも香港の魅力ですね。
香港は、こういった点からも日本人にも暮らしやすく、遊び的な要素も充分満たしてくれる場所であると言えるでしょう。
香港で働くメリット6:好きなだけ好きな国で働ける
駐在員は日本の本社から期限付きで派遣されることがほとんどですが、現地採用にはその縛りがまったくありません。自分の意志で日本へ帰国、他の国へ転職などしない限り、ずっと香港で働くことができます。
ただし裏を返せば、いつまで香港で働くのか、どの時点で日本へ帰るのか、自分なりのキャリアアッププランを考える必要があります。
香港で働くデメリット1:住居費・生活費の高さ
香港は、世界で最も人口密度の高い地域の一つです。
住宅費は日本の常識で考えると衝撃を受けてしまいます。筆者が香港に来た20年前にも日本との比較に驚いたものでしたが、現在はそれ以上に住宅費の値上がりが起こっています。
香港では収入の半分以上が家賃となることも
日本では家賃にあたるコストが給料の3分の1と言われていますが、香港では半分以上が家賃となることも少なくありません。
例えば、1ルームの部屋でもHKD5000以上はします。しかも広さはベットを置いたら歩くスペースがないような物件でもです。遠方の郊外でも2LDKで最低HKD10000以上が必要となるでしょう。
住宅面積は日本人の感覚よりもかなり小さいうえに、びっくりするような古い住宅も多く存在します。
例)2LDKマンションの場合の家賃(1香港ドル= 14.13円2017年8月現在)
- 香港島:HK30,000(423,900円)
- 九龍島:HK20,000(282,600円)
- 新界:HK15,000(211,950円)
上記の家賃は同じ2LDKでも面積、低層か高層、風景、オーナーにより随分と変わってきます。
また、近年の香港の物価は上昇傾向にあります。これは、今の状況から見てしばらく継続すると言われています。
確かに生活必需品の値段は確実に上がっています。食べ物や生活必需品は贅沢をしなければ日本と同等ぐらい。
しかし、輸入品や日本のものを買い続けているとやはり日本の2倍以上の物価水準になり、生活スタイルによりコストも大幅に違ってくるでしょう。
コストを抑えた生活も可能
ただ、香港ではいくらでも高価なもの、贅沢なものをお金を出せば買うことが出来ますし、コストを抑えたければ選択次第でコストを抑えた生活は出来ます。やはり一番のネックは住宅費とも言えます。
筆者は、新界でも日本人に比較的人気のあるエリアに住んでいますので、2LDKであっても上記以上の家賃が必要です。この家賃が必要なければ香港での生活は言うことなし…に限りなく近いです。
香港で働くデメリット2:現地採用社員の給与
一般的に香港人の給与水準は日本よりも低いと言われています。
また、現地採用の日本人として働く場合も一般的には日本の水準よりも低い給与で働くことが多くなります(香港人よりは多い場合が多い)。
特に日系の現地採用の場合、家賃手当なし、給与は低め、仕事は厳しいというような企業もあり、駐在員と現地社員の格差を思い知らされることになります。
将来を見据えたうえでの経験が欲しい、または、好きな仕事でなければ厳しいかもしれません。
しかし、現地社員でこのような状況を覆した方々もいます。駐在員は会社からの出向命令で来ているのに対し、現地社員は自分の意志ですので、目的と覚悟があればどんな状況でもやっていけるものなのかもしれません。
但し、契約社会の香港、入社の契約の際にきちんと給与形態、福利厚生などは確認が必要です。一概には言えませんが、現地採用社員でも外資系の方が日系企業に比べて給与も待遇も良いようです。
筆者の場合は、10年のブランク、経験のない異業種での日系企業再就職ということもあり給与は低めでした。しかし、経験がまず必要だったのと、ここが再スタートという思いで働き始めました。
香港で働くデメリット3:計画的なキャリアプランが必要
日本人の駐在員と現地採用では必要とされるポジションに必然と差が出てきます。駐在員は現地法人のトップや幹部クラスを担当し、任期を終えると日本へ帰国します。
しかし現地採用は現地法人でのキャリアアップシステムが確立されていなかったり、キャリアアップできる役職が限られていたりと、先のキャリアがなかなか見えにくいのが現状だと思います。
将来自分はどのようにキャリアアップすべきか、緻密な計画が必要になります。
香港で働くデメリット4:増え続けている人口
人口密度が高い香港。繁華街に出かけると人の多さに辟易する人も少なくはないですね。
元々、観光都市である香港では観光客も多いのですが、近年は中国本土からの観光客増加が著しく、観光地でなくても中国本土の観光客を見かけるようになりました。
1997年の香港返還から2015年までに中国本土から香港に移民した人の数が約87万9000人になりました。香港の人口の8人に一人が中国本土の出身者です。2015年のデーターですので、現在もその人口は増え続けています。
近年、この膨大な移民の影響もあり香港では住宅、医療、教育の不足が叫ばれてきました。
様々なものが不足していくであろう未来
しかし、人口はさらに増え続け、住宅の不足、不足による住宅・土地の価格高騰、医療不足、教育現場の不足が香港市民の生活にさらに深刻な追い打ちを与え、状況が改善しないことに市民が不満を持っています。
いち香港に住まわせてもらっている外国人である者からすれば、生活環境の向上を目指す本土の中国人たちの「香港で良い暮らしをしたい、メリットを得たい」という気持ちは分かります。
しかし、このような急激な中国人の増加による生活の変化はなかなか受け入れがたいものがあります。それでも、人口の増加は経済状況や香港の活性化という目で見れば悪いことばかりではないのでしょう。
香港で働くデメリット5:香港と日本には社会保障協定がない
香港と日本ではともに年金制度が確立されています。
香港ではMPF(強制性公積金、Mandatory Provident Fund Scheme)という年金制度があり、給料の最低10%(個人5%、会社5%負担)に加入する必要があります。
これは65歳になると受給できますが、日本人のような外国人がもう香港に戻らないことを前提に帰国する場合、一括で受け取ることもできます。
日本では国民年金に加入することになりますが、住民票を海外に移した場合、強制加入の対象外となり、払わなくてもよくなります。
海外在住期間はカラ期間(合算対象期間)として受給資格に加算されますが、年金額の計算には加算されず、受給額が減ってしまうことになります。
また注意すべき点は香港と日本には社会保障協定がないことです。
協定が発効されている国とではその国で支払った年金の支払い期間が国民年金の支払い期間に加算されますが、香港でMPFを何年支払い続けても国民年金の支払い期間には加算されません。
現在、国民年金保険料は月額16,490円、1年間で197,880円と決して負担の軽い金額ではありません。香港で働く現地採用にとって将来の受給額を考慮して香港と日本の両者で年金を支払うか、香港のMPFのみ加入するか、悩むところです。
香港で働くためのおすすめ転職エージェント3選
香港で理想の仕事を見つけるには、転職サイトを使い、気になる求人をストックしておくことが大事です。香港を目指す方におすすめの転職エージェントをご紹介します。以下のエージェントは待遇がしっかりとした求人が多いので、不安の多い転職でも安心して利用できます。登録は3分程度、利用はすべて無料です。
- リクルートエージェント(業界最大手で実績豊富)
- JAC Recruitment(海外勤務を目指す年収600万円以上の方)
- Spring転職エージェント(外資系企業から幅広く探せる)
香港を狙うなら、「リクルートエージェント」には必ず登録しましょう。
香港を含む海外で幅広く探すなら「Spring転職エージェント」、海外勤務・外資系を狙う年収600万円以上の方は「JAC Recruitment」にもあわせて登録することをおすすめします。
香港の求人状況は絶えず変化しているため、時期により求人数や条件が異なります。
いざ、就職しようと思ったときに「興味のある求人」が見つからないこともあるので、希望の求人に出会う可能性を高めるためにもおすすめの転職エージェントに登録し、自分に合う求人を見逃さないようにしましょう。
まとめ
どこに住んでもメリットとデメリットがあるように、この香港にも同じくメリットとデメリットはあります。
しかし、総合的に見ても香港は、暮らしにおいても、働くことに関しても、人生を謳歌するにしてもメリットの方が私には多いのです。そして、香港の魅力はまだまだ尽きません。
あなたもこんな香港に来て暮らしてみませんか?働いてみませんか?自分を試してみませんか?香港はあなたに何かを与えてくれるでしょう!
あわせて読みたい