「スローライフ・ラオス」ラオスで飲食店を営むとある日の一日
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過去ベトナム・カンボジア・ラオスを植民地支配したフランスが、これらの国の特徴を揶揄したのが「稲を植えるのがベトナム人、稲が育つのを眺めているのがカンボジア人、稲の育つ音を聞いているのがラオス人」という言葉です。
稲の育つ音を聞いているだけのラオス人は筋金入りの「スローライフの実践者」。何事も急がないのがお国柄のラオスでは「走っているのは泥棒だけだ」とも言われます。
そんな時間のゆっくり流れるラオスで飲食店を営む私の、ローシーズンの1日の生活スケジュールを紹介します。
記事の目次
09:00(起床)
平均的に夜も朝も早いラオス人に言わせると、09:00まで寝ている人間はどうやら怠け者らしいです。
起き抜けには冷たいシャワーを浴びて目を覚ますのが日課なのですが、乾季にはちょいちょい断水するので油断できません。いつでも行水ができる位の水を溜めておく習慣が付きました。
店舗の2階部分が住まいなので、通勤時間はありません。シャワーか行水ですっきり目覚めた後は店舗に降りて行き、先に起きて店舗に入っている妻と今日の仕入れと仕込みの確認を行います。
10:00(店舗のシャッターOPEN)
ランチ営業はしていないのですが、店内が見えるようにしておかないと意外にも夜の営業に響くので10:00には店舗のシャッターをOPENします。
ご近所付き合いのあるラオス人に「おはよう!」と挨拶しても笑いながら「もう、こんにちはの時間だよ。」と返されます。
早朝に行われる托鉢に参加するラオス人にとって10:00はもう昼近くらしく、「いつもいつも遅くまで起きているから朝起きられないんじゃないの?」とか「日本人は怠け者だなぁ!」など、ご近所のお決まりの軽口を聞き流しながら、食材マーケットへの仕入れの準備をして出かけます。
11:30(朝食兼昼食)
仕入れを終らせ、店に帰ってくると朝食兼昼食の時間です。
11月末から3月上旬までのハイシーズンは、仕入れから帰るとそのまま二人がかりでの仕込みが始まるのですが、それ以外の期間は妻と二人で昨日の営業内容や、ネットで見た日本のニュースの内容などを話しながら、ゆっくり食事ができることは、ラオスで働いているメリットといえるでしょう。
かつてラオスの官庁は11:00~14:00が昼休みとなっていて、「随分長い昼休みだなぁ!」と思っていたのですが、近年は旅行者が関係するセクションなどでは、ほんの少しだけ昼休みが短くなる傾向にあるようですね。
私達も食後のコーヒーを飲み終わると午後になっています。
13:00(フライヤー配布)
特に仕込みが立て込んでいない限り、私は13:00を目処に外へ出て店の宣伝を始めます。
他の町を朝出発したツーリストバスが続々と到着する時間なので、バスターミナルやバス運行会社のオフィスなど、旅行者がバスから降りる場所で、時には宿の情報提供やトゥクトゥクへの通訳をしながら、毎日平均70~100枚のフライヤーを配ります。
闇雲に配っても集客効果が高まるものでもないので、相手の雰囲気を見ながら配るのですが、配った相手が狙い通りに来店してくれるとやはり嬉しいですね。
15:30頃には一旦旅行者の動きが止まるので店に戻ります。仕込みの手伝いや店舗の清掃、朝マーケットに届いていなかったものの仕入れなどをしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。
仕込みも開店準備も早目に終ったときには、妻と二人で町の郊外に出かけてお気に入りの景色を楽しむのですが、ため息が出るほど美しい景色は何年通っても飽きることが無く「この町に住んで良かったね」と二人して納得し合います。
17:00(入浴)
開店準備が終る開店1時間前に1度シャワーを浴びて、営業用の服に着替え準備します。昼間日向に居る時間が長く結構汗をかいているので、このシャワーは気持ちいいですね。
気分がシャキッと営業モードに切り替わります。
18:00(営業開始)
この時間からの開店なのですが、ハイシーズンにはありがたいことに30分前倒しで開店することも多々有ります。
1人でも多くのお客さんに来店して頂くことは喜ばしいことなので、見切り発車でも開店してしまうのは自営業者の性なのでしょうか。
店の開店を見届けると私は外に出るのですが、
- 午後便で訪れる旅行者にフライヤーを渡すため。
- 路上で来店して頂けそうな旅行者にフライヤーを渡すため。
- 町の旅行者の動き(客の流れ)を観察するため。
- どの店が集客しているのか、その店の新メニューの有無などを確認するため。
- 町の同業者との情報交換のため。
以上の目的で店を離れます。もちろん妻だけでは店が廻せない状態になれば連絡が入るので、急に店が混んでしまった場合などは中止して店に戻ります。
22:00(閉店)
この閉店時間もフレキシブルなものなのですが、基本的には22:00閉店としています。
主力商品の1日の販売数を決めているので、ハイシーズンには早ければ20:00頃には売り切れ終了となるのですが、サイドメニューなどを提供して22:00までは店を開けています。
早く閉めてしまうと、食後の散歩中に「明日はここで食べてみよう!」というお客さんを逃してしまうので、宣伝のためにも開けています。
22:30(夕食)
店内のお客さんの様子を見ながら、妻が夕食の準備をしてくれるので閉店後に夕食をとります。忙しくて夕食の準備ができないこともあるのですが、そのときは近所の店に食事に出かけて済ませます。
無理をしないことが、ラオスの生活を長く続けるコツだと思うので「食事の用意も無理することない。」が私達のスタンスです。
24:00(入浴)
1日の疲れを洗い流す入浴です。入浴と言っても湯船が無いのでシャワーだけですが、慣れるとシャワーだけでも十分疲れが取れるものです。
たまの日本への帰国やラオス国外への旅行で、バスタブを利用することがあるのですが、お湯に浸かると毎回必ずのぼせるようになりました。
日本に住んでいる頃は熱いお湯にじっくり浸かるのが好きだったのですが、すっかりカラスの行水が身に付いてしまったのか、もう日本の温泉を楽しむことが出来ないかもしれません。
02:00(就寝)
入浴後はインターネットでメールやニュースのチェック、動画の視聴や手に入れたDVDで映画の鑑賞をして過ごします。
1日の疲れを癒すリラックスタイムなので、02:00には就寝するように心掛けているのですが、時々夢中になりすぎて気が付いたら06:00や07:00になってしまうこともあります。
まとめ
これがここ数年の私のタイムテーブルです。日本で暮らしているときより随分とノンビリした時間が流れています。ラオスに同化してきた証拠かもしれません。
ゆっくりと時間が流れるところもラオスに惚れ込んだ理由のひとつなので、このリズムで生活することが私には合っているのでしょう。
現地採用で働く日本人の知人は、しっかりと日本式スケジュールで働いていますから、ラオスにいることだけが理由では無く自営業の気楽さもあるのかも知れませんね。
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