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ラオスで就職!オフィスで働くなら知っておきたい勤務時間と休暇事情

ラオス

写真:小上がりで来客を待つレストランスタッフ。2番の女性は爆睡中です。

駐在員として、または現地採用社員としてラオスのオフィスで働き始めると、ラオス人の怠惰と言えるほどののんびりとした勤務態度に驚かされることがあると思います。

ここで会社が解雇などの厳しい処罰を与えてしまうと「居心地の悪い職場」「環境がキツ過ぎる職場」との印象を持たれてしまい、他のスタッフも芋づる式に辞めるような事態に陥ってしまいます。

ラオスで自営業を営む私から、「サバーイ(心地よい・快適な)」が重要視されるラオスの就労環境を紹介します。

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目次

ラオスの一般的な勤務時間は?

ラオスでは長い間、

「夜明けから働き始め、暑い日中は休憩、夕方になるとまた働き、日没と共に寝る」

というリズムで人々は働いてきました。

現在でも、山間部や地方(首都ビエンチャン、ルアンパバン、パクセーなどの都市部以外)では、そういった文化が色濃く残っています。

その影響なのか、都市部のオフィスワーカー達ものんびりとした勤務体系で働くことが当然という風潮が強く、ラオスでは仕事が進む速度が驚くほど遅いのが現実です。

サービス時間

写真:銀行の営業時間。両替業務は土曜、日曜も行っているので安心してください。

実働は1日6時間程度

就業は以下のような時間設定になっている事業所が多いのですが、多くが官庁を手本としているためか、実際の昼休みは少し長めのようです。

  • 8:00始業…実情は9:00~9:30と考えるとよいでしょう。
  • 12:00~13:00昼休み…実情は11:30~13:30または14:00と考えるとよいでしょう。
  • 17:00終業…実情は16:00と考えるとよいでしょう。

余り細かいことを言うと、キティ(けち臭い)、ニィサイ・ボディ(性格悪い)と言われます。

これはラオス人にとって社会生活失格にも値する、絶対に避けたい不名誉な称号なので、お互いに注意し合うことはまずありません。

時間の概念も我々日本人とは全く異なり、午後1時の待ち合わせなら午後2時20分にようやく現れるようなことは当たり前。彼らの感覚では1時59分までは1時なので、これでも20分程度の遅刻なのだそうです。

こちらも細かいことを言うと不名誉な称号が与えられるので、慣れるしかないでしょう。

仕事よりプライベート優先

ある日系の製造業の工場で、当月の生産量が目標に達しないことがわかり、毎日少しずつ稼働時間を延ばして増産しようという計画が持ち上がったそうです。

残業手当てを上乗せした金額を提示し協力を仰いだそうですが、「仕事が終わったら家族や友達と過ごしたいから」との理由で協力を得られなかったという話は、ラオス人労働者の気質をわかりやすく表した話として有名です。

「お金は欲しいけど自分の時間を犠牲にしてまで働きたくない!」がラオス人気質です。

現在は日本でもワーク・ライフ・バランスの問題が声高に叫ばれているとネットニュースで読みました。サバーイの感覚が重要なラオスは、もしかしたら「時代の先端を走るワーク・ライフ・バランスが取れた国」なのかもしれませんね。

あきらめるのが正解?

私は「不名誉な称号をもらっても関係ない!約束は約束、契約は契約だ!」と相当文句を言ったり、怒ったりしたのですが、その直後には改善されても結局ズルズルとまた元の状態に戻り、言い訳ばかりが増えるので5年目であきらめました。

ラオスにフレックスタイムは存在する?

ラオスでフレックスタイムを導入している会社の話は耳にしたことがありませんが、「勝手にフレックスタイム」は存在します。

事実、この原稿を書いている現在、火曜日の朝10時過ぎなのですが、ご近所の役所勤めの男性が洗濯物を干しています。

「あれっ、今日は休み?」と尋ねると、「1週間振りに晴れ間がのぞいたので洗濯しないと溜まってしょうがないからな」と言っていました。午後から出勤するのでしょう。

子供の通学・帰宅時に親が送り迎えする家庭も多いため、「子供を送ってきた」「子供を迎えに行く」という理由での遅刻や早退も日常茶飯事です。

ラオス写真:雨の晴れ間に洗濯したいのはどの国でも同じですね。

日本人とは対照的な働き方

ラオスでは遅刻・早退・欠勤が普通なので、特に理由を質問されることもないでしょうし、皆が皆そんな勤務態度なので問題になることもないのでしょう。

その点、日系企業に勤務する日本人は「日本スタイル」で仕事をしているため、とてもよく働く印象が強いようです。

ラオスの休日や祝祭日は年間何日くらい?

ラオスの祝日

写真:銀行から頂いたラオスのカレンダー。4月の連休がラオス正月です。

ラオスのカレンダーで、日本と同じく赤く表示されているのが休日と祝祭日です。

2017年の主な祝祭日は次の通りです。

  • 1月1日 インターナショナル・ニュー・イヤー
  • 1月20日 国軍記念日
  • 3月8日 女性の日
  • 4月14・15・16日 ラオス正月
  • 5月1日 メーデー
  • 7月20日 ブン・カオパンサー
  • 10月7日 教師の日・ブン・オークパンサー
  • 12月2日 建国記念日

※7月のブン・カオパンサーと10月のブン・オークパンサーは農暦で決められるので、毎年期日が変わります。

年間11日の祝祭日がありますが、2017年は10月7日の教師の日がブン・オークパンサーと重なるので10日となっています。

この10日と週末の休みを合わせると、1年間で土曜は祝祭日と3回重なるので49日、日曜は52日のため、週休2日の場合は111日、日曜のみ休みの場合は62日の休日になります。

日本では、祝祭日が土日にあたった場合には振替休日になりますが、ラオスには振替休日はありません。しかし、旅に出かける場合などは普通に休める(事後報告でも大丈夫なようです)ので、ラオス人はあまり気にしていないようです。

日系企業なら日本のカレンダー適用も

日系企業の中には意外と土曜半休のところもあるのですが、日本のゴールデンウィーク、お盆休み、正月休みが適用されるところも多いでしょうから、休日はもう少し多いことが予想されます。

これらの休みは、在ラオス日本大使館の休みに合わせているようです。

ラオスに有給休暇は存在する?

ラオス企業の中で有休のシステムがあるというのは、私自身は聞いたことがないと思います。

しかし、雇用契約が日給制・月給制となっている場合、ラオス人は積極的に休みます。月給制の場合はより高い頻度で休みます。

労働に対する意識と契約の概念が驚くほど希薄なため、仕事とプライベートを天秤にかけるとサックリとプライベートに天秤が傾きます

休みは自己都合で作り出すのがラオス流

実はラオスには前項で記したラオス正月以外にも、モン族のモン正月、中国正月の春節があるために、年間4回の正月が存在します。最も盛り上がるのがラオス正月で、次にモン正月、春節、インターナショナル・ニュー・イヤーの順で祝われています。

地方出身者はラオス正月に合わせて帰省するのですが、正月明けにきちんと戻ってくる人間はごく稀と言えるでしょう。3~4日後に戻れば上出来、10日後程度に全員が揃えば御の字と考えておくと精神衛生的によいと思います。

自分でラオス人を雇うなら特に注意

中には3ヶ月後に「お金がなくなったから」と、シラッと職場復帰を望む猛者もいるので、特に私のように自営業を考えている場合は覚えておいてください。

何日も無断欠勤した挙句に、全日出勤した金額を提示して「足りない!」と真顔で文句を言う人間も多いので、雇用契約を結ぶときはしっかり説明してください

日系企業では通用しない

このように、有給休暇は存在しなくてもラオス人は勝手に休みを作り出しています。

だからといって、日系企業に現地採用された日本人が同じことをやると解雇されると思うので注意してくださいね。

ラオスのバケーションはいつ、どのくらい?

「バケーション」いい響きですね。毎日がバケーションのようなゆるい空気感のラオスなのですが、農耕文化が未だ色濃く残るため、長期休暇の概念はないようです。

暑くない時間に働いて、暑くなると休憩し、日差しが和らいでくればまた働く。農閑期は、機織りや竹細工などの現金収入につながる内職をする時期という感覚がDNAに刻み込まれているのでしょう。

ただし、首都ビエンチャンのオフィスワーカーたちはそういう生活を送るわけにはいかないので、一応カレンダーに従って働きます。

気軽に長期休暇を取れる文化

ラオス人が楽しみにしているのはやはりラオス正月でしょうか。カレンダー上では3日間となっていますが、前後2日を合わせて約1週間休む人が多いです。多くのラオス人は、地元に帰り一族で正月を祝うことを楽しみにしています。

モン族の労働者はモン正月に帰省するので、社員にモン族が多い職場はモン正月にも人手不足で頭が痛いようです。

近年、外国旅行に出かけるラオス人も増加しているのですが、こちらは季節に関係なく仕事を休むとのこと。理由として「外国旅行に行くから!」とはっきり宣言し、周りも「おー、いいね!楽しんできて!」と問題なく送り出すそうです。

気軽に仕事を休めることから、長期休暇やバケーション・シーズンはラオスには必要ないのかもしれませんね。

まとめ~究極のフレックス・ワーク・スタイル

ラオス人はマイペースに伸び伸びと働いています。帰属意識も低いのですぐに転職し、転職先が合わなければ復職を申し出ることも平気です。

日本的な仕事の仕方は素晴らしいと思うのですが、ここまで野放図に働くラオス人たちを見ていると「このスタイルでも結構いけるんじゃないか?」と感じることもあります。

定められた勤務時間や休日に囚われない究極のフレックス・ワーク・スタイル。ぜひラオスに見学に来てみてください。

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この記事を書いた人

海外就職・海外求人マッチングサービスGuanxiを運営しているIT企業。
世界各地をお仕事で飛び回っています。

世界各地で滞在し、見たもの、感じたもののリアルを届けます。

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